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2006年09月30日

Corton-Charlemagne 2004 Domaine Denis Pere et Fils

vins9-27.jpgそれにしてもデカい蟹であります。重さ約1キロというワタリガニ、全幅は30センチ近くあります。魚屋のおっちゃん曰く「漁師から直接買ったヤツやさかい安い・・・」しかしこうも付け加えたのでしたが「10月にならんと身が詰まらんけどな・・・」。帰宅して茹でるにも鍋の大きさが足りません。特大中華鍋を引っ張り出し何とか茹で上げました。
蟹にはどうしてもシャルドネの濃いものが欲しくなります。最近リリースされたコルトン・シャルルマーニュ、ドメーヌ・ドニ・ペール・エ・フィスの04、勿論早過ぎるのは承知の上での抜栓であります。コルクは何故か細く感じる49ミリで生産者元詰めとしか焼き印はありません。

vins9-29.jpg色は薄いのがむしろ当然なのですが、ブルゴーニュのグラン・クリュは黄金色でなければならないと信じている方々には気の毒なぐらいの色合い、香りは早くも開いていてこのミレジムには期待が持てないことを示唆しているようです。口に含むと複雑なるミネラルに結構濃厚な果実味が感じられますが酸の少なさが少々気になります。しかし茹でた蟹は何もつけずにこのワインと合わせるとさらに味わい深く感じます。
ワタリガニというのは菱形にオレンジ色の卵巣が詰まっているのを期待しましたが残念ながらオスでした。立派なハサミの根本の肉は食べ応えがありましたが・・・

posted by: Georges : 2006年09月30日| コメント (0)

2006年09月27日

Cotes du Jura Chardonnay “En Billat” 2004 Julien Labet

vins9-26.jpgジュラのワインと云えば「特殊なもの」と教わった方が多いはずでありますが昔から日本に輸入される殆どがヴァン・ジョーヌだったので仕方ありませんね。黄ワインは所謂独特のものでスペインのシェリーとほぼ同じようなクセのある飲み物です。しかし赤本を開いてみるとジュラもサヴォアも Comite regional Bourgogne に属し本来同じ括りで扱われるべきワインなのかも知れません。コート・デュ・ジュラの白ワイン、セパージュを見ると次の記載があります。savagnin (ou nature), chardonnay (ou melon d'Arbois, ou gamay blanc) 即ちサヴァニャン、シャルドネの2種類なのですが各々呼び方が他にあるようです。シャルドネがガメイ・ブランと呼ばれるのは全く知りませんでした。

輸入元の説明をご紹介申し上げると「輝きのある色調。黄桃やアプリコット、熟れたリンゴを想わせるアロマにアーモンドの香りが加わります。口中ではジューシーでボリューム感があり、豊富なミネラル感とのバランスが素晴らしい白ワイン。ブドウ品種は平均樹齢100年のシャルドネ100%、土壌はシスト、青粘土で収量は40hl/ha、オーク樽熟成は15ヶ月(4~10年使用の228L樽)、平均年間生産量は1,000本、栽培面積は0.27ha」とのことであります。
ボトルは肩の辺りが膨らんだジュラ特有のもので産地のレリーフもあり、コルクは良質の48ミリ。グラスに注ぐとどちらかと云うとシュナンのような香りが広がってきました。残留亜硫酸は殆ど感じませんが、ぬるい温度では酸の少なさを感じてしまいます。口に含むと懐かしいブルゴーニュの白ワインを思い出します。樽熟成なのに樽を感じないのは殆ど新樽を使わないからでしょうか?
このワインは大変良くできていると思います。自然派云々また有機栽培などとラベルに書いてあるものに旨いものなしと叫び続けておりますが、このワインにもエチケットに何ら表示はありません。輸入元の説明には次の記載もあります。
特殊ワインで有名なジュラにありながら、「“ヴァン・ジョーヌ”は素晴らしいジュラのテロワールを損ねてしまう」と考えるアラン・ラベ氏が、スティル・ワインを中心に生産するドメーヌ。1974年にドメーヌを引き継いだ当初から、農薬や殺虫剤等の化学物質を使わないなど独自の考えを貫くアラン。1997年からはブルゴーニュのラモネで修行した息子ジュリアンと二人でドメーヌを運営。2003年からジュリアンが手がけるアン・ビヤの区画は、ジュリアンの所有となっています。
で、私の希望として申し上げたいのは「4年から10年の樽を使うぐらいならガラスコーティングしたステンレスタンクを使って頂きたい」と云うことであります。テロワールを重視するならなおさらのこと、清潔さを保つためにもタンクによる熟成の方が優れているはずであります。

posted by: Georges : 2006年09月27日| コメント (1)

2006年09月26日

Chateau Croix de Versannes 2003 AC Saint-Emilion

vins9-24.jpg実はこの2003ではなく2002年に目をつけていて、残り全部を買おうと思っていた矢先にどこかのお店に先を越されてしまいました。右岸の割に雑誌などでは全く騒がれていない様子ですが、実力は大したものでリリース直後よりもかなり良くなってきました。目をつけていたのは私だけではなかったようです。まだ何ケースもあると聞いていて安心していたのですが・・・。「覆水盆に反らず」ですか、2002西宮北口のワインバーにはまだあったはず、ボチボチ楽しむことにするしかありませんね。

vins9-25.jpgさてこの2003年はまずはアルコールが気になります。果実味よりもアルコールとはこれ如何に? 色はそんなに濃くありませんが私には02と比べて印象は薄く、時間を経過して濃くなることも期待できません。でも02の印象もリリース当初はこんな感じだったかも? しばらく経ってからもう一度判断することにします。
えーっ、もうそんなに数がない? だったら他を探しますが・・・。似たようなワインは山程ありますし・・・、一つの銘柄に拘らないのが私流であります。

posted by: Georges : 2006年09月26日| コメント (0)

2006年09月25日

Champagne Beaumont des Crayeres Fleur Noire Blanc de Noirs Brut 2002

vins9-22.jpgワイン大学の定例会が今週の木曜日に迫っているのですが仕事場のパソコンが壊れてしまい、出席頂く方々のメールを再チェックできていません。お一人お一人に携帯電話からメールさせて頂きましたがもし何も届いていない方おられましたらこの場を借りてご連絡の程お願い申し上げます。さて今回はすべて泡物で参ります、目玉はアラン・ロベールの1990トラディションですがもう一つのメインがこのシャンパーニュです。ピノ・ノワールだけで造られているブラン・ド・ノワールですが大変パワフルなのですがドライな辛口に仕上がっています。

vins9-23.jpgデゴルジュマンはごく最近のもので輸送によるダメージは殆ど感じません。本場の味を知る人にとってはまことに嬉しいシャンパーニュであります。

posted by: Georges : 2006年09月25日| コメント (0)

2006年09月24日

Chateau Fougas Cuvee Maldoror 1996 AC Cotes de Bourg Jean-Yves Bechet

vins9-21.jpg裏ラベルには「シャトー・フォーガス」と明記されていますが「フォー」にはならないはずで「シャトー・フーガ」と発音するはずであります。末尾のSは発音してもしないでもどちらでも構わないようですが、別の「フーガス」という単語は fougasse と綴り意味は地雷とは恐ろしい。従ってそんな危ない意味合いを避けるため「フーガ」と発音するはずであろうと私は思います。輸入元の説明によるとカベソー50%、メルロー50%で新樽熟成が18ヶ月とのことです。かすかに覚えているのですが確か6本入りの豪華な木箱に入っていたはずでリリース当時に飲んだらインクのように濃いワインでタンニンも思いきりきつかった筈であります。それから何年も経過して開けてみた訳ですが・・・。
コルクは至って健全、全長49ミリ液面に触れている部分だけが赤黒く色付いています。グラスに注ぐと色は非常に濃いダークルビー、香りはピーマン臭にバニラ香、ダークチェリーの香りも感じますが口に含むと果実味があまり感じられません。

葡萄樹が若いのでしょうか、ただただタンニンのアタックだけが舌を襲います。時間が経つとようやく果実味が出てきましたがこれから先バランスが良くなるとはとても思えません。評論家好みのワインを造ろうとする努力は分かりますが、リリース当初の予想と現実には大きな隔たりがあることを生産者自身ご理解頂きたいと思います。
それにしても凄い澱の量です。瓶の内面半分程に細かい泥のような澱がこびり付いています。また別に粗い固まり状の澱がデカンタした後の瓶底に見られます。普通これだけ澱が発生するとタンニンはあまり感じないようになるのですが、やはりこれは「タンニン過多症」のワインなのでしょう、まだまだしっかりとしたタンニンがありました。アペラシオンはコート・ド・ブールジロンド河を挟んでマルゴーの対岸あたりに広がる所謂右岸の地域でありますが、この地域ではそんなに長熟するワインは出来ないように思います。コックラン氏が造るシャトーファルファなどが良い例で1990年のような素晴らしい年でもリリース直後から既に美味しく飲めました。新樽使用比率は20%までにした方がこの地域では良さそうな気がします。

posted by: Georges : 2006年09月24日| コメント (0)

2006年09月23日

Cotes du Rhone Cuvee Gourmande 2000 Chateau du Mourre du Tendre

vins9-20.jpg一連の状態の悪いはずであろうワインの続きであります。劣悪なる保管状況でワインがどうなるかという私なりの検証であります。まずこのワインはキャップシールが全く回りません。で、キャップシールの先端を切り取ってみると青カビとか黒カビの固まりであります。瓶の先端をペーパータオルで拭き取り抜栓しようとするとコルクはフニャフニャ、久しぶりにソムリエナイフを使ってみましたがワインの漏れは確実で噴きこぼれたところに黴が付着していたと考えられます。しかしコルクのワインに触れた部分の香りは至って健全です。実に甘い香りでグルナッシュのアロマと半ば熟成した香りであります。早速グラスに注ぐと残留亜硫酸とは全く無縁の泡立ちも殆ど無い大変綺麗に縁が整います。レッグも長く口に含むと実に「グラ」なワインなのであります。熟成の不思議かも知れませんがしばらくの間置いてみましたが全く味わいは衰えを知りません。

果実味が豊富でローストビーフサラダやハッシュドビーフなどの食事にも実によく合いますが、パルメジャーノ・レッジャーノには何故か合いません。やはり地元のチーズには地元のワインなのですね。アッソーロ・レッジャーノと合わせると納得のコンビネーションになりました。ワインと食べ物の相性は実に複雑怪奇、チーズならば何でも合うというのは大きな間違い、合うものはその地のワインであることがよく解ります。
いつ漏れてしまったかは判りませんがワインは至って健全であり、味、香り、また色まで全く問題はありません。漏れがあってもそれから酸化が進まないのがコルクの特徴なのでしょうか、しかし漏れたワインで酷いのに遭遇したときもかなりの数に上ります。
要はワインと言うモノ、飲んでみないと判らないのがどうやら正解みたいですね。

posted by: Georges : 2006年09月23日| コメント (2)

2006年09月19日

Gigondas 2001 Domaine des Tourelles Roger Cuillerat

vins9-17.jpg壊れたセラーの中に入っていたワインです。かなりの温度変化があったはずなのですがコルクの状態からは問題ないような感じであります。引き抜いてみると液面に触れる部分だけが着色していてコルクが動いた形跡は殆どありません。コルクさえしっかりしていれば温度変化には耐えられるという証拠かも知れませんね。ボトルは Gigondas のレリーフ入りですから正真正銘のジゴンダスに間違いないでしょう。グラスに注ぐと泡立ちは全く起こりません。結構とろみのあるような液体でレッグも長く見た目には良さそうです。香りは鼻を近付けなくてもハッキリ分かるグルナッシュ・ノワールの果実香です。赤本を開いてみたらジゴンダスがアペラシオンを得たのは1971年1月6日のこと、赤とロゼがあり赤の品種構成はグルナッシュ・ノワールが最大で65%、ムールヴェードル・シラー・サンソーの割合が25%以上そしてカリニャンを除く赤のコート・デュ・ローヌで許可されている品種が10%と云うことであります。

もっとも法律はコロコロ変わるのが最近の傾向です。イタリアは毎年のように法律が変わりますしフランスも細かいところはいろいろ変わっているようですので最近はどうなっているのか分かりません。
で、色は綺麗なルビー色を呈し味わいは程良いタンニンと濃厚な果実味がありながらアルコール度数は14.5%と高く結構辛口に仕上がっています。かなりの澱が発生していますのでデカンタした方が良いでしょう。今が飲み頃、リリースされてからかなり日が経ちますが見つけたらお試し下さい。お薦めワインであります。
お昼はいつも八戸ノ里のビストロ・プルミエのランチを楽しんでいます。先ずグリーンサラダはレタスにトマト、スナップ豌豆にオクラ、人参のジュリエンヌも入りマスタードのドレッシングで頂きます。スープは茄子のポタージュ、この味は家庭ではなかなか出せません、本当に旨いスープであります。メインはポークピカタ、下には茄子のムニエルが敷かれトマトソースがかけられますがこのソースが絶品であります。新鮮な茄子はムニエルにすると実に甘さが引き立つものです。デザートは幸水とカスタード・プリン。そして紅茶。これだけ出てきて税込1000円とは驚きの安さであります。しかしこの辺では創作和食屋が列を成す程のにぎわい、さらに予約で一杯の寿司屋が繁盛を極めております。美味しいかそうでないかは人それぞれ価値判断の基準が違うので敢えて申し上げることはありませんが、流行っている店が美味しいとは限らないことの良い例であると私は思っております。

posted by: Georges : 2006年09月19日| コメント (0)

2006年09月17日

Alsace Grand Cru Pfersigberg Gewurztraminer 2004 Domaine Paul Ginglinger

vins9-15.jpgアルザス・グランクリュの表記には反対の立場のトリンバックを私は評価していますが、取り敢えず飲んでみることに。オーストリアによくある非常にスマートなボトルに入っていますが一般家庭でこんな背の高いボトルを冷やすワインクーラーは殆ど無いと考えます。グラスに注ぐと予想とは違いかなり濃いめの黄金色、青みはあまりありません。香りは安物の化粧水のような匂いとカレーのスパイスを感じます。口に入れると「あっまー!」何という甘さでしょうか、VTでもSGNでもありませんが、強烈な甘さにビックリです。ドイツワインで申し上げるとシュペートレーゼ以上の甘さでどう考えてもデザートワインのレベルであります。もっとも私は超の付く辛口派ですので、一般的にはそう甘いレベルかどうかは分かりかねますが・・・。

最近気に入っているイカリスーパーの黒毛和種のローストビーフにロメインレタス、普通あまり使わないのですが添付されているローストビーフのタレをつけると意外にもワインとの相性が良くなりました。このローストビーフは野菜と共にパンに挟んで辛子をタップリ効かせるととても美味しいので重宝しています。
普通のボトルより65ミリ程背が高いのっぽな瓶に入っていますが、輸入するにはコストが高くなるので避けた方が良さそうだと思います。裏ラベルには「プフェシベルグ」と記されていますが、私は「フェルシグベルグ」と発音すべきではないかと思います。で、驚いたことにこの裏ラベルには亜硫酸塩の含有表記と共に保存料としてソルビン酸含有と書いてあります。一時騒がれたこの物質ですがネットで調べてみるとさほど危ないものではないようです。

posted by: Georges : 2006年09月17日| コメント (0)

2006年09月15日

Chateau Fonbadet 1974 AC Pauillac Pierre Peyronie

vins9-14.jpgボルドーはポーイヤック村の中堅処といったシャトーですがこのヴィンテージを造っていたときは約15ヘクタール、現在はクリュ・ブルジョワになっていて面積は20ヘクタールになっています。葡萄品種構成はカベソー60%、メルロー20%、カベルネ・フラン15%にプティ・ヴェルドが5%となっていますがこれは植え付け面積ですのでワインには直接反映していないのが実際であります。事実プティ・ヴェルドなんかは滅多に豊作な年はありませんし、単一品種だけで造る年もあるはずです。ワインは30年以上経過しているのでさすがにフレッシュ感はありませんが古ぼけてもいません。レバーモデルで抜栓するとコルクは意外にしっかりしているので恐らくリコルクかなと思ったのですが、抜き去ると凄い着色なのでオリジナルのままだと思います。

デカンタするときはキャップシールを全部はぎ取ると瓶口が見やすいのですが、日本のソムリエは先端だけしか切り取りませんね。私は全部めくってしまいます。高価なデカンタなど必要ありません、今飲みきったばかりの別のボトルがあればなら洗わずそのまま使えますし空き瓶に移し替えるのは慣れたら簡単であります。香りは甘くカベルネの程良い熟成香、私はポルト酒のような感じと表現しますが、これが熟成を通り越して劣化になると「ウスターソースの香り」になってしまいます。色はまだまだしっかりしたガーネットでタンニンも主張はしていないものの存在感はあります。でもさすがにパワーは落ちていて食べ物を選んでしまいます。鶏の塩焼きには何とか合いましたがパルメジャーノ・レッジャーノを使ったパスタには残念ながら力不足でありました。フォンドヴォーを使った軽い煮込み料理や野菜のブレゼなど優しい料理が合うことでしょう。あと3~5年程はこのデリケートさを楽しむことが出来ると思いますので見つければ一度お試し下さい。

posted by: Georges : 2006年09月15日| コメント (0)

2006年09月10日

Champagne Agrapart et Fils Blanc de Blancs Les 7 Crus Brut NV

vins9-09.jpg箕面山麓に住む私にとって最も所在地が近いのがこのシャンパーニュを輸入するボニリ・ジャパンさんであります。社長の西尾氏との付き合いもかなり永く、岩野先生がご健在だったとき、ミストラルの岡田氏が以前の梅田の店におられた時分からのことであります。シャンパーニュとの決定的な出会いがあったのは1980年代半ばフランスへよく出向いていたとき、パリでの定宿としていたシャトー・フロントゥナック近くのシャンパーニュ・バーでの出来事。Jacquart というシャンパーニュのメーカーがアンテナショップとして出していたのがこのホテルのすぐ近くのシャンパーニュ・バー。いろいろなシャンパーニュを飲ませて頂きましたがその時教えて頂いたのがシャンパーニュのブショネ。新しく開けて頂いたボトルをグラスに注いで飲もうと思ったら「あかん、ブショネどす」と注いだ本人が香りを嗅いだだけで仰るのでした。私はなかなか理解しにくかったのですが、別の同じラベルのものを開けて飲ませてくれるとその違いは実に明白。

bouchon-0909.jpg
要点を申し上げるとシャンパーニュのブショネは柑橘系の香りが無くどちらかというと木の実の香り、それも美味しそうな木の実ではなく湿気て臭くなったそんな香り、そしてやはり葡萄の茎をしがんだような渋みを感じる、決して心地良くない味がします。久しぶりに再会したシャンパーニュのブショネ。これまた滅多に味わえない貴重な体験でありました。
昨日のクレマン・ド・ブルゴーニュのしょぼいコルクと今日の勢いがあるもののブショネなコルク。形だけでは勿論判断してはいけません。

posted by: Georges : 2006年09月10日| コメント (0)

2006年09月09日

Bailly-Lapierre Cr?mant de Bourgogne Chardonnay 2001 Brut Caves de Bailly

vins9-08.jpgクレマン・ド・ブルゴーニュと云えばその生産される地域は大変広い訳なのですが、このカーヴ・ド・バイイーはシャブリの近く、2001年AOCに昇格した Saint-bris のサン・ブリ・ル・ヴィニューにあります。組織的には協同組合でかなりの規模を誇る大手であり、第2次醗酵は石灰質の岩盤をくり貫いた長大なセラーで行われると聞きます。10年程前は地域的に仕方がないのでしょうか、かなり酸だけが目立った造りだったのですが久しぶりに試したこの一本はそんなに酸っぱくはありませんでした。

色はあまり青さが見られない黄色ですが彩度は低め、香りはレモンのような柑橘系、しかし泡立ちはやや粗めなのが気になります。昔は出荷前にその石灰質のセラーにしばらく置かれる際、したたり落ちた水滴によりミュズレが錆びてしまって商品価値が無くなってしまったことをご指摘申し上げましたが、今回試した物は大丈夫でした。淡路の丸鯵をさらし玉葱スライス、大葉、九条葱でタタキ風に。味付けはシンプルにエクストラ・ヴァージンと塩胡椒のみ。実によく合いました。

posted by: Georges : 2006年09月09日| コメント (0)

2006年09月08日

Ballade Carignan-Grenache Vieilles Vignes 2004 Domaine Mas Lavail Vin de Pays des C?tes Catalanes

vins9-07.jpg南仏はスペインとの国境に近いペルピニャンからカルカッソンヌの方に向かう途中にあるモーリーという町にある生産者です。ネットで調べると6.5ユーロで販売されているようですがヴァン・ド・ペイも随分高くなったものですね。ラベル右側に結構詳しく説明がありますが要は「樹齢50年以上のカリニャンとグルナッシュを手で摘んで造ってある」と云うことが特徴でしょうか。モーリーと云えば天然甘口ワインの生産地として有名ですがこのヴァン・ド・ペイは至って辛口です。なで肩のブルゴーニュタイプのボトルにキャップは金属製のしっかりしたもの(樹脂のペラペラの物は大抵旨くありません)コルクは良質のスタンダードサイズ45ミリ。グラスに注ぐと綺麗な赤紫色を呈していて香りはカリニャンのアロマがグルナッシュを抑えているようです。

味わいは最初は頼りない位ですがじわじわと深みが出てくるタイプで私は好みであります。最初のアタックが強烈だと飲むに従い飽きてくるのですが、一口だけ飲んで判断する素人的な買い付け人が多いのでそういったワインばかりが輸入されてしまっているのが現状です。残留亜硫酸も殆ど感じられないですし果実味豊富ながらキリッと締まった辛口なので料理には合わせやすいと思います。
そうそう、忘れてました一昨日開けてヴァキュヴァンしていたワイン。ヴァキュヴァンしたら内圧が下がっているはずなのにプシュンとも何の反応なくゴム栓は外れグラスに注ぐと亜硫酸は完全に抜けています。で、ワインはと言うとカベルネフランの青臭さに茎を潰したような匂いと表現したらよいのでしょうか、味は薄っぺらくとても偉大なワインなどとは申せません。減圧したら中に溶けていた何かが抜けたのでしょうか、イタリアワインにはこの手のものが多いのは事実であります。

posted by: Georges : 2006年09月08日| コメント (0)

2006年09月05日

Gevrey-Chambertin Clos du Meix des Ouches 1997 Domaine des Varoilles

bouchon-007.jpgまずは昨日の続きです。ご覧頂きにくいかも知れませんが液漏れのコルクが左側、それに先だっていつもの赤泡のブションが右の恐ろしい形。比較的安物の積層コルクによくあるパターンです。瓶詰めの際、コルクは圧縮され瓶内に挿入されますがその時に剥がれてしまいこのような形になってしまったものと考えられます。いつも申し上げますが、シャンパーニュに於いて現在瓶内第2次醗酵にコルクを使用しているメーカーはごく僅かでクリュッグを始め殆どのところが王冠を使用しています。王冠で第2次醗酵が問題なく完了するなら当然市場に出すのも王冠をもう一度使えばよい訳で写真のような失敗もなくなるはずであります。市場に出すときにコルクを使うとブショネの発生もある訳です。実際、高級シャンパーニュでもブショネがあるのですが殆ど気付かずお客に供されているのが現状です。

vins9-05.jpgシャルツホフベルガーのシュペートレーゼは温度を下げるとますます良くなりました。香りはトリンバックのクロ・サン・チューンを彷彿させる鉱物質の先鋭なものに変化して色は青みが増したように感じます。当に恐るべしパワーを秘めた銘醸物であります。
で、次のワイン会用の候補の中からリリース直後に完売になってしまったワインをチョイス、早速開けてみることに。
続きは後程書きます。


posted by: Georges : 2006年09月05日| コメント (0)

2006年09月03日

Chateau d'Aydie 1996 AC Madiran Vignobles Laplace

vins9-03.jpgフランスは南西地方アペラシオン・マディランのワインは1980年代に突然話題になりましたが、それまではこのアペラシオンなど全く認識されていなかったはずであります。ワイン関係の雑誌やコンクールなどで取り上げられたのはこのワインの生産者フレデリック・ラプラスの息子ピエール・ラプラスとアラン・ブリュモン、もう一つの有名シャトーのオーナーでありますが、彼らの努力によりマディランが世界中に知られるようになったのは間違いありません。ピエール・ラプラスは例のミクロ・オキシジェナシオンの発案者として知られ、タンク内でタンニンを酸化させワインの味をまろやかにするといった話を聞かされたものですが1980年代に初めて試したらとても美味しく飲めた代物ではありませんでした。

ワインジャーナリストがこぞって褒めたところで「不味いものは不味い」わけで私は全く取り上げることはありませんでした。確か1985年でしたでしょうかこのシャトー・ダイディーはタナー100%、新樽100%が売り物でした。で、ミクロ・オキシジェナシオンを施しまろやかに仕上がったはずのそのワインを飲んだのはパリのワインバーで1990年のこと。しかし遊離したタンニンが舌を襲い「まろやか」とはとても表現できないワインでありました。
それから数年経って知り合いの輸入業者がこのワインの輸入を始めました。勿論期待はしませんでしたが飲んでみるとやっぱり思い切りタニックでありました。世間一般にこんなワインが受け入れられるのか不思議に思いましたが、世の中には思い切り辛いものを好きな人がいるように、思い切り渋いワインを好んで飲む人がおられるようです。味覚異常としか私には思えませんが「蓼食う虫も好き好き」と云われる位ですから、人間の味覚もいろいろなのであります。
bouchonPL.jpg「しばらく置いてみるか・・・」と2本だけ買ってセラーの片隅にしまっておいたものを発掘、抜栓してみましたが、色は相変わらず濃いもののグラスに注ぐと透明感があり飲んでも良さそうな感じであります。香りはタナーそのものですがピーマンの香りもあるのでカベソーが入っているのでしょうか? このヴィンテージの資料はありませんがタナー100%ではないようです。口に含むと残念でした、私にはとても「美味しい」とは表現できません。やはり強いタンニンがあり私の食する食べ物とはとても合わないように思います。ビターチョコと共に飲む位でしょうか?

posted by: Georges : 2006年09月03日| コメント (0)

2006年09月02日

Chateau Vrai Canon Bouch? 2004 AC Canon Fronsac

vins9-02.jpgボルドーは右岸のポムロルやサンテミリオンに人気が集中していますが、ポムロルの中心部リブルネの西に広がるフロンサックやカノン・フロンサックはさほど取り上げられることはないようです。私の経験ではこれらのワインは良く言えばスパイシー(悪く云うと埃っぽい)独特の香りを感じるのですがこのワインも同じような香りがするのでしょうか? ブションの長さは44ミリで比較的短め、グラスに注ぐとなかなか濃い赤紫色を呈しています。で、香りは・・・

 何と女性用化粧品のような香料を感じるのです! どうしてこんな香りがするのかしばらく放置するとどうやら収まりましたが今まで体験したことのない不思議な香りでありました。さてデカンタする必要もないと判断しボチボチ口にすると味はダークチェリーのような果実味が豊富で結構美味しいではありませんか! 変な甘さや樽のきつさもありません、マイルドで飲みやすく食後のパルメジャーノ・レッジャーノとの相性も悪くありません。何とも不思議な香りだけが謎であります。

posted by: Georges : 2006年09月02日| コメント (0)

2006年08月30日

Bourgogne Hautes-C?tes de Nuits Clos Saint-Philibert Monopole 2003 Domaine M?o-Camuzet

vins8-30.jpg先日の2002年は私にとっては寵愛すべきブル白、同じワインの2003年を見つけたので早速開けてみました。これは好みの問題かも知れませんが最近レストランとかワインバーで開けるブルゴーニュの白ワイン、色はともかく香りがありませんし味は妙に甘く感じます。しかし価格だけはここ数年鰻登りの上昇です。名ばかりのピュリニー、重いだけのムルソーなど私には何の興味もありません。ワインに必要なしっかりした酸を持たないモノは熟成して旨くならないと考えます。

meo-camuzet.jpgさてこの2003年は前年のものと比べると色はやや濃いめで香りは閉じ気味であります。しかしとてもしっかりとした酸があり、スモーキーなアフター・フレーバーは私には心地良く感じます。味わいについては甘さよりもコクを感じますので強めの酸と相まって熟成に耐えると予想します。
コルクの状態はご覧の通り、2002年のものと比べるとヴィンテージの字体が違っているのが気になりますが形状などは問題ありません。色は茶色っぽいですがこれは個体差があるので大丈夫でしょう。

posted by: Georges : 2006年08月30日| コメント (0)

2006年08月28日

Champagne Beaumont des Cray?res Grand Prestige Brut NV

vins8-26.jpg何故か今まで登場しませんでしたが、一連のボーモン・デ・クレイエールの中では私の苦手な種類になります。何故ならばこのグラン・プレスティージュはドザージュが多いような気がしてなりません。実際今日開けたものも色はかなり濃い黄金色でリキュール・ド・ティラージュの味と思える濃いめの甘さが気になります。これは人により好まれる傾向が強いようですが残念ながら私は同意できません。泡は細かく最後まで続くのは有り難いのですがどうも濃いめの味付けのものは苦手であります。しかしいつものように枝豆や薩摩赤鶏の塩胡椒炙りなどとの相性は悪くありませんがむしろ一般のタレに漬けて焼くタレ焼の鶏の方が合うような気がします。

vins8-27.jpgデゴルジュマンの日付はくっきりと見えます。2006年1月8日という意味でしょうか、まさか8月19日ではないでしょうね、この辺の数字の見方は説明があってしかるべきだと思います。

posted by: Georges : 2006年08月28日| コメント (1)

2006年08月23日

Coteaux Varois en Provence 2005 Domaine des Annibals

vins8-23.jpgこれは夏向きの素晴らしいロゼの発見であります。Coteaux Varois と Coteaux Varois en Provence が同じアペラシオンだと思うのですが何せ1993年に制定されたアペラシオンのため私の持つ古い資料では詳細が分かりません。ネットで調べると Les Vins de Provence を見つけましたのでご参考までに。プロヴァンスといえばロゼが有名ですがこのアペラシオンでも80%はロゼとの記載があります。

先ず色ですが典型的なロゼとカリフォルニアのブラッシュワインとの中間的な色でそんなに濃い色ではありません。グラスに注ぐとまるでグレープフルーツのような香りが漂います。これは当に想定外の香りであります。ロゼの場合こんな香りのワインは私は殆ど経験がありませんでしたが、よく考えるとプロヴァンスのロゼなど最後にニースに行ったとき飲んだ位でここ10年来飲んでおりませんでした。
温度は15℃からだんだん下げていき8℃まで下げてみましたがぬるいときは若干の甘さを感じるので10℃以下の方がスッキリ味わうことが出来ます。グレープフルーツ・ルビーのような香りと爽やかな辛口の味わいは今の季節にピッタリです。最近気に入っている薩摩の赤鶏の腿を炙ってトマトのサラダと合わせてみましたが実にエクセレント! 店頭で並んでいたら是非お試し下さい。勿論辛口好みのグレープフルーツ好きな方にだけお薦めですが・・・。

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2006年08月22日

Chablis 1998 Domaine le Verger Mis en Bouteilles par S.A.R.L. Alain Geoffroy

vins8-22.jpg壊れたセラーの中にあったワインです。本来もっと早く飲み切ってしまうはずのボトルですが自宅に置いていなかったため陽の目を見ることありませんでした。キャップシールはクルクル回りますし状態は悪くはないようですので早速レバーモデルを使い抜栓すると液面に触れる部分だけがふやけていますが鼻に近付けるとしっかりワインの香りがするコルクでありました。グラスに注ぐと意外にもグリーン色が強く黄金色には変化しておりません。香りは柑橘系で心地良く口に含んだ後鼻から抜けるのはどちらかと云うとシュナンのような麦藁ストローの匂いとでも申しましょうか。味は刺激的物質は全て消去されていて大変飲みやすく仕上がっております。がしかしその香りも味わいもこれといった特筆すべき感動などありません。即ち「元来普通の(と云うか取るに足らない)ワインは熟成により旨くはならない」と云うことの証明かも知れません。

私は自らすすんでシャブリの類を買うことはありませんが、先日高槻のシャブリジェンヌもそうだと思いましたが、本来の価値より随分高い価格で取引されているワインの種類であります。またシャブリの熟成については殆ど間違った見解を持たれている方が多いことだけは知って頂きたいと思います。朽ちたワインを評価するのは勝手ですが熟成と劣化を混同しているワインの愛好家諸氏が意外にも多いのであります。
このシャブリ、瓶詰めされてから恐らく6年以上経過しているのに全く澱が発生していません。色の変化が殆ど無かったのは評価しますが、澱が出ないワインはやはり美味しくありませんね。昨日のブル白など最後は澱だらけでしたがとても味わい深いものでした。アペラシオンはかなり古い法律な訳でして現在その恩恵を被っているワインがどれだけ多いことでしょうか! 尚そういったワインはグラン・クリュにその殆どを見ることが出来ます。 名ばかりのシャブリ・グラン・クリュが代表的な例と云えるでしょう。Montrachet も例外ではありませんが、白ワインでは唯一 Corton 系統だけはどういう訳か蚊帳の外であります。ペルナン・ヴェルジュレスのプルミエ・クリュやコルトンの白の中には素晴らしいものが実際にあるのですが日本のインポーターは見向きもしません。
さて、昨日から箕面山麓の夕暮れ時のサウンズが一変しました。蝉の大合唱が忽然と消え秋の昆虫たちにバトンタッチしたようです。ならば、気温の方もゴロッと変化があっても良さそうなものなのですが・・・。

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2006年08月21日

Bourgogne Hautes-C?tes de Nuits Clos Saint-Philibert Monopole 2002 Domaine M?o-Camuzet

vins8-21.jpg同じ時期にケースで買った2種類の白ワイン、昨日のムルソーに続いて今日はこのブル白を開けてみました。これは裏ラベルですが畑の位置関係がよく解るので有り難いと思います。このワインについてはバーガンディ・リポートに詳しく説明されているので是非ご覧下さい。裏ラベルのフランス語を読んで頂くとお分かりの通り葡萄品種は殆どがシャルドネ種ですがほんの少しのピノ・ブランも植えられているとのこと。ボトルの重量は昨日のより少し軽めの650グラムです。下の写真の通りコルクも短めの約50㎜ですが、質で申し上げるとこちらの方が色白できめ細かく良質であると思います。実際アントのものは最大で30㎜程漏れ出そうとしておりましたがこちらの方は全くその形跡がありません。

長さはこの程度で十分であると考えます。さてグラスに注ぐと先ず違うのは香りが飛び出してくることであります。昨日のは閉じていましたがこちらは全開のような感じです。ですが勿論熟成香ではありません、葡萄のアロマでしょうが、柑橘系の濃密な香りであります。色は昨日のと同様薄い色でありますが本来ブルゴーニュの白ワインそんなに黄金色を呈するものではありません。青みを帯びていないものは私は好みません。
vins8-20.jpg

書き忘れましたが瓶底には大量の澱が残っていました。白い半透明の結晶のようなものや白というより灰白色と申し上げたらよいのでしょうか、恐らくバントニック(ベントナイト)ではないかと思われるものなど結構な量であります。
味の密度から申し上げますとこちらの方がかなり濃いように感じます。アペラシオン的に申せば単なるブルゴーニュにほぼ近いものですが味わいや香りそして食べ物の相性はかなりご立派! 昨日も相変わらず焼き鳥に近い食べ物などに合わせてみましたがワインも食事も大満足。昨日のムルソーと比べると遙かに安い買い物でありますが味わい的には十分納得できる品質であります。
上の畑の位置を示す写真ですが見づらくて申し訳ございません。右手下側の大きな畑がクロ・ヴージョ、シャトーの位置がお分かり頂けるでしょうか。そしてその上がエシェゾー、そしてその上 MONOPOLE の L と E の下にあるのがクロ・サン・フィリベールであります。

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2006年08月20日

Meursault 2002 Domaine Arnaud Ente

vins8-18.jpg以前に登場させたかも知れませんが Midocさんから「早く飲んだ方が良い」との情報を得たので取り敢えず一本開けてみました。重量級のボトルは700グラムちょっとあり、コルクは下の写真の通り何と全長55ミリもあります。グラスに注いですぐには香りは閉じているようでしたが、しばらくすると蜂蜜や洋梨そして僅かにパイナップルのような香りが漂ってきました。色は薄いですが青みを帯びた黄緑色で健康そのもの。味はしっかりした酸と仄かな甘み、決して枯れたような酸味は感じません。予想通りまだ数年は保ちそうな感じであります。液体の濃度は高く一口に飲み干すことは無理のようでこれが「噛むような味わい」と申し上げたらよいのでしょうか、なかなかヘヴィーなワインであります。

仙台黒毛和種4番抜きのハネシタを炙りロメインレタスを囓りながら合わせると相性バッチリです。またいつもよく買う鶏肝ですが今日の肝臓はまるでフォアグラ、生でも食べられそうでしたがちょっと炙ってタタキのようにして食べると最高のご馳走。焼鳥屋に高い代金を支払うのは私には馬鹿らしいこと、少々煙たいですが家で十分美味しい炙り焼が楽しめます。要は材料次第なのです、北摂にお住まいの方なら探せばあります美味しい鶏肝。
vins8-19.jpgそれにしても長いコルクであります。最近のボルドー・ブランは高級物であってもコルクは短くなっているそうです。それに比べこのアルノー・アントのコルクは異常とも思える長さであります。エチケットにはフィルターかけていないことや生産本数が明記されており自信の程が窺えますが価格はハッキリ申し上げて高すぎます。これはイクスクルーシヴの権利を持っている酒屋がかなり利益をとっていると考えられます。しかしこの輸入元は余りにも小さいためその輸入経路は極めて不明瞭であります。即ち混載のコンテナーを使う、あるいは千商などの複数の代行輸入に頼っているなど自らコントロールできない環境下にあるようです。生産者は頑張っているものの輸入する業者が頼りないと日本で飲まれるワインは必ずしも良い状態であるとは思えません。幸いこれは並行輸入によるものなのでワインの状態は良かったですが大阪のフレンチで開けた同じワインはかなり状態が違っておりました。せっかくの良いワイン、ボトルの製造精度を高めキャップスクリューに変えるよう根本的に見直して頂きたいと願います。

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2006年08月19日

Ros? d'Anjou 2005 Domaine Les Grandes Vignes

vins8-17.jpgロワールにはいろいろなロゼがありますが私の若い頃(1970年代のお話しです)、市場に出回っていたのはロゼ・ダンジューとほんの少しのカベルネ・ダンジューだけだったように記憶しております。両方とも中甘口と言えばよいのでしょうかあまり好みではありませんでしたが、その頃「赤と白の中間的存在で魚でも肉でも合うロゼ」という間違った触れ込みでレストランでは主にご婦人方に寵愛されたと聞きます。要は「甘ければ売れる」時代で世間でワインと云えば赤玉ポートワインが幅を効かせておりました。ロワールのロゼ、実はいろいろあります。甘口で云うと上の2種が有名ですが辛口ではロゼ・ド・ロワールやカベルネ・ド・ソミュール、さらにトゥーレーヌ・メスランやお城で有名なトゥーレーヌ・アンボワーズもあります。そして殆ど日本では見掛けないサンセール・ロゼも現地では健在であります。

今現在、ロゼは滅多に飲むことはありませんが見つければ買うのはローヌのタヴェル、シャトー・ド・セグリエスのは辛口でしかも香り高く食べ物を選ばない私にとっては最高のロゼであります。さてこのワイン、ラベルにはいろいろ記載されていて電話番号まで書いてありますが、生産者はローレンスとジャン・フランソワそしてドミニク・ヴァイヤンという兄弟(恐らく)であると云うこと。ワインの色は綺麗なローズピンクです。コルクを抜くときかなり内圧を感じましたので恐らく炭酸ガスが入っていたのでしょう。香りはク゜ロロー種独特のアロマですが何と表現したら適切か言葉を欠きます。口に含むと微炭酸とまでは申せないものの炭酸のピリピリ感に、舌にまとわりつく甘みが私には強すぎます。残念ながら料理用に使う運命か・・・。
まだまだありますロワールのロゼ。
上流域から申し上げますと、Menetou-Salon 、Reuilly 、トゥーレーヌ地域では Bourgueil 、Saint-Nicolas-de-Bourgueil 、Chinon 、Coteaux du Loir そしてクレマンやペティヤンの泡もありますね。下流域では見かけないのも面白いです。
ロゼは甘い物ばかりと思っておられる方が多いと思いますが、ボルドーのクレレなんかはメチャ辛口のものが多いのです。しかし輸送性が悪くすぐに綺麗な色が失せてしまうので日本にはなかなか輸入されません。このボルドー・クレレは現地に旅行されたら是非飲んで頂きたいワインの一つであります。とても安いですし・・・。

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2006年08月16日

Chateau Moulin Saint-Georges 1998 AC Saint-Emilion Grand Cru

vins8-14.jpg4年ぶりでしょうか、久しぶりに開けたのが残念ながら最後の一本、シャトー・ムーラン・サン・ジョルジュの1998年です。ややこしいですがアペラシオンはサンテミリオン・グラン・クリュであり先日のサン・ジョルジュ・サンテミリオンではありません。数年前にオーゾンヌ関連で取り上げられてしまい、実力以上に高くなってしまったので買わなくなりましたがなかなか面白いワインであります。コルクはとても長く非常によい状態であります。抜栓と同時にワインの香りが飛び出してくるのはやはりアペラシオンのなせる技ではないでしょうか。色はまだまだ濃いですがグラスに注ぐときに発生する泡は白くなっています。このワイン昔はグラスに注ぐとワインと同じ赤紫色の泡立ちがあったのですがさすがに熟成したのでしょうか?

香りは鼻を近付けなくても分かる程強いもので葡萄のアロマやコーヒーのニュアンスが強いと思います。口に含むとやはり果実味は濃厚なのですが以前のように刺激的な物質は感じません。もうそろそろ飲み頃かも知れませんがまだまだ保ちそうな状態であります。こんな濃いワインですが例えばパンをつまみながら飲んでも違和感がありませんし自家製麻婆豆腐やベーコンとキノコのスパゲティなどと合わせても不思議とよく合います。良いワインとは食事との相性が良いものです。抜栓してカラフに入れ替え2時間程経過すると実に甘く変わってきました。と云っても異様な甘さではありません、丁度ロックフォール・パピヨンが残っていたので合わせてみるとポルトとはまた違う相性で、決して悪くはありません。

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2006年08月14日

Chateau Griffe de Cap d'Or 1999 AC Saint-Georges Saint-Emilion

vins8-13.jpg数年前に大騒ぎされたワインであります。例のヴァランドローで一世を風靡したチュヌヴァン氏とミッシェル・ロラン氏とのコラボであるサンテミリオンの衛星的アペラシオン、サンジョルジュ・サンテミリオンにて造られたメルロー100%の樽樽したワイン。しかし最近は話題になっていませんね、情報に振り回されないよう心掛けたいものです。サンテミリオンとその周辺の後付アペラシオンとは勿論かなりの差があって当たり前なのです。ワインは土地そのものが現れますのでいくら濃縮果汁を使おうが高価な樽を使おうが、保つか保たないかはやはり土地の良し悪し次第ということになってしまいます。樹齢の若い葡萄から造られたワインはそう長くは保ちません、若い内に飲むべきであります。

さてこのワイン、コルクは非常によい状態をキープしています。即ち液面に触れた部分だけが着色しそこから次第に細くなる円柱形状。温度管理など全く問題なかったことが分かります。グラスに注ぐとやや透明感に欠けるものの紫がかった暗赤色を呈しています。香りは典型的なメルローの熟成香ですが残念ながら南仏で造られるメルローのものとあまり大差はありません。ベリー系のアロマやカシスのようなフルーツ香は感じられません。味わいはきつさはないものの平板、深みという言葉とは縁遠い感じ。昔の印象とはかなり違います。ファースト・ヴィンテージは1998年ですからその翌年と云うことになるこのワイン、やはりリリース直後に飲んでこそ「美人」に見えたかも知れませんが、熟成させると田舎の安酒が正体を現したようです。
ワインに化粧は似合いません。しかし塩胡椒だけの焼き鳥には結構よく合いました。食べ物との相性は悪くはないようです。

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2006年08月13日

Savigny-les-Beaune 2000 ?lev? et mis en bouteille par Emmanuel ROUGET

vins8-12.jpgラベル表記に疑問が残る一本です。敢えてドメーヌという表現を避けているのか、もしくは葡萄を買っているのかあるいはワイン醸造に関してあやふやにしているのか・・・など考えるよりまずは飲むべしと云うことで開けてみました。1980年代には何度もこの人の叔父さんの家に伺いましたがその頃から樽にEの付く物はこのエマニュエル・ルジェの物であると聞いておりました。ということはフラジェ・エシェゾーから随分離れたサヴィニー・レ・ボーヌについては醸造設備が違う可能性もあるという説もあり得ると云うことではないでしょうか? 敢えて Vinifi? という表現を避けていると考えられますね。
さてコルクにはアペラシオンとミレジムそして Mis en bouteilles a la propriete の焼き印があります。だったらドメーヌ表示をすれば一言で済むはずなのですがどうも釈然としません。コルクの状態は良くありません、コルクの中程までワインが染み出した跡が残っていますが漏れるまでには至りませんでした。もちろんキャップシールは回りました。

で、グラスに注ぐとアペラシオンを超えるあの独特の香りがします。色はそんなに濃くありませんが綺麗なガーネットで味わいはパーフェクトという言葉が自然と口から出てしまいます。期待した生臭さは微塵もなく程良く熟成したワインの香りと甘酸バランスの取れた味はこの生産者の叔父さんを彷彿させるに十分過ぎます。ワインが美味しいだけではありません、鶏鍋にポン酢という極めて日本的な食べ物との違和感も全くありません。先日のシャルロパンなど全く食事に合わないワインとは一線を画する性質のワインであること明白であります。
アンリ・ジャイエールのワインは独特の香り味わいがあり、アペラシオン関係無しにすぐ分かってしまうのですが、それはこの生産者のワインをある程度飲み慣れないと分からないはずであります。幸いなことに我がワイン大学のメンバーの中には私同様慣れている人間がおりますが、この感覚を持たない人達は結構騙されておられます。今を遡ること14年前のお話しですがこのドメーヌのワインが大量に輸入されましたがこれらは全て偽物でした。しかし輸入する人間も、それを買うワイン屋もさらにはソムリエ諸氏も殆ど飲んだ経験がないため見事に騙されてしまった訳です。それ以降毎年毎年アホな価格で取引されています。高いワインを飲んでみたいという欲求は分からない訳ではありませんが漫画にまで出てくる割りに生産量はごく僅か、しかもその殆どはアメリカ行きと決まっていることを知って頂きたいと思います。ヨーロッパのレストラン以外に出回ることは99.99%あり得ないはずであり、その99.99%と云う確率で輸入される物は偽物であると断言致します。

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2006年08月12日

Alsace Kritt Pinot Blanc 1991 Domaine Marc Kreydenweiss

vins8-11.jpg壊れたワインセラーに入っていたワインの中からこんなのも残ってました。実はこの年のこのピノ・ブランはロットにより瓶内二次発酵が起きてしまった失敗作であります。で、何故セラーに残っていたかは覚えておりませんが取り敢えず抜栓してみました。驚いたことにキャップシールは回ります。コルクは際まで染み出そうとしていたのですが漏れはありませんでした。グラスに注ぐと色は黄金色で香りは熟した桃の香り、かなり甘さを感じる香りであります。口に含むとフルーツの味わいではない枯れてしまった酸と同時に異様な甘さが口に残ってしまいます。グラスを回すとレッグが出るのですがそれもほんの一瞬、すぐ消えて無くなります。こんなワインを熟成の証しだと表現する人もおられますが私はそうは思いません。残念ながらご臨終寸前であります。救いと言えば色が僅かに緑色を帯びていること、それと古いアルザスに顕著に表れるマテ゜ィラ化はしていなかったこと位でしょうか。

この1991年ヴィンテージの頃からこの蔵は甘いワインになってきました。と同時に日本の市場に目立ち始めましたが私は逆に買わなくなってしまいました。何度も申し上げますがアルザスワインとは昔はドライで香りの良い辛口だったのです。いつの間にか残糖分の多い変なワインばかりが輸入されるようになっています。
ワインだけ飲んで評価する人が多いからなのでしょうか、私はワインとは食事と共に楽しむものであり甘さの残るくどいワインは全く評価できません。アフターディナーあるいはデセールに合わせるなら甘いワインも許せますがアルザスの普通のワインは辛口であるべきと考えます。甘いのは元々カテゴリーとして存在しているのですから。
土佐ジローとネーミングされた地鶏を網焼きしてボネ白2004年と合わせて凌ぎました。
アルザスの別のカテゴリーとは即ち遅摘みの葡萄で造られる甘口のことでありヴァンダンジュ・タルディヴとセレクション・グラン・ノーブルの二つであります。ですからこの二つの甘いワインに関しては勿論承知しております。ただ一般のヴァン・ダルザスについて辛口の物が少なくなっていることに憂いを覚える訳なのです。現地で飲むマルセル・ダイスは旨かったのですが数年前日本に入ってきた物は全て変質していました。JAL客室乗務員の方にお土産で頂いた Domaine Barmes-Buecher のリースリングは極めてドライで薫り高い物でしたが10年来お目にかかっておりません。美味しい辛口は何処へ?

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2006年08月07日

Bourgogne Clos de la Fortune 1995 Domaine Chanzy

vins8-07.jpgアリゴテの産地ブーズロンにあるドメーヌ・シャンジーは自らのセラーで長年ワインを寝かせてから売っていますが、金利や保管料など上乗せせずかなりお安いのが魅力であります。もちろん寝かせず出来たワインをすぐ販売もしていますが価格は大して差がありません。そんなドメーヌ・シャンジーから新しく1995年ヴィンテージが輸入されました。12本買ったら恐らく瓶差が激しいとは思いますがその辺はワインの面白いところ、若々しいのやひねたものがあって当たり前であります。さてまずは一本目、コルクは古くリコルクされてはおりません。色は黄金色、香りはうまく熟成していてシャルドネの熟成香むんむんであります。味わいは濃厚で辛口、噛むような味わいと申したらよいのでしょうか、深みある面白い味であります。空気に触れるとさすがにいろいろ変化しますので美味しいと思われる内に手早く飲んだ方が無難でしょう。

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2006年08月06日

Chateau Lafleur Saint-Jean 1998 AC Pomerol Fran?ois Janoueix

vins8-06.jpg壊れたセラーの中にあった一連のワインの一つです。クソ暑いのに変人と思われるかも知れませんがエアコンを強くしてしゃぶしゃぶ。昨日少し飲んだだけでヴァキュヴァンしたジュヴレ・シャンベルタン、一日置いても全く変化はありません、甘さがしつこくしゃぶしゃぶには全く相性が悪すぎです。しゃぶしゃぶに合うピノ・ノワールを探していますが、日本酒の辛口でスッキリ系もまた探索中であります。銀盤、秘めごと、米のささやき、などなど数本のサンプルを味わっておりますが全て私には甘過ぎます。これら甘い日本酒は残念ながら全て調理用に回します。昔は味醂は飲み物だったとか、日本酒もいつかそう呼ばれる日が遠からずと考えます。

さてこのワイン、かなり寝かせたつもりですが熟成どころか衰退の一途を辿っているようです。初めから薄っぺらいワインは熟成の期待は出来ません。ポムロルだからといって何でも買い込む傾向のある日本人バイヤー、もう少し注意が必要であります。色は既にオレンジがかったエッジでガーネットですが香りは良く言えば胡椒のような、悪く形容すると埃っぽい匂いが感じられ葡萄のアロマやブーケなど顕著ではありません。遊離したような甘さと茎をしがんだときの渋みだけが舌に残ります。結論から申し上げますと高いだけのポムロル。しかし宮崎産4番黒毛和種ハネシタを餅焼き網で炙るとこのワインの最後の力が発揮されました。しゃぶしゃぶには合いませんが炙り肉とは相性がよいようです。前菜は明礬無添加の生雲丹、これには日本酒を合わせましたが申し分ありません。しかし最初のほんの少しだけに限ることであります。

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2006年08月05日

Gevrey Chambertin Terres Blanches 2004 Domaine Philippe Charlopin Parizot

vins8-05.jpgワイン大学定例会用のワインを選んでいます。昨日に引き続きフィリップ・シャルロパン・パリゾのワインですが今日のはラベルの表記が違います。昨日のは裏に詳しく表はシンプルそのものだったのですが今日のはご覧の通りです。Terres Blanches は何を意味するかよく解りません。というのもこの名前の畑は見当たらないからです。まあ、地図に載っていない新しい区画かも知れませんので疑いはしませんが。さてこのワインですが昨日同様コルクは殆ど色付いていませんが、一つ気になるのは同じコルクと思われそうなのに2004の印字の字の大きさだけは明らかに違います。また昨日のコルクが今日になればワインに触れた部分が色濃くなっています。1/3飲んでヴァキュヴァンしてみましたが何の気体も発生しません。ワインの色、初期の香り、そして甘さは昨日のと大差ありませんでしたがしばらく時間が経つとニュイ独特の獣臭が現れてきました。と同時に味にもかなりの変化が、かなりワイルドに変身、これはデカンタした方が良さそうです。ワインは葡萄の持つ糖分が発酵してアルコールになる訳で醗酵終了すると残糖分はなくなって当たり前なのですがこのワインも昨日のもかなり甘く感じます。最近のブルゴーニュ、どうなっているのでしょうか?

昨日の香港に関するコメントですが補足します。まず現在のホテル・インターコンチネンタル香港は昔 The Regent としてペニンシュラホテルと並ぶ香港でのベストホテルの一つでした。そのメインダイニングが麗晶軒であり現在の名前が Yan Toh Heen と変わっているのであります。でそのホテルのHPからみつけたのは Golden Roe Crab Set Menu HK$1188 というメニューです。今しか食べられないという「黄油蟹」の豪華フルコースがそんなに高くありません。15から18日の間で香港に行くことの出来る方、どうですか?

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2006年08月04日

Marsannay En ?chezeaux 2004 Domaine Philippe Charlopin-Parizot

vins8-04.jpg瓶のショルダー部にドメーヌのレリーフがありますが偽物ワイン防止にはあまり役立たないとのこと。何故ならば瓶の複製など偽物ワイン造り屋の手にかかるとお茶の子さいさい、コルクの焼き印、さらにはキャップシールまで完璧にコピーできるとのことであります。で、このワインの生産者はフィリップ・シャルロパン・パリゾですが、似たような名前でエルヴェ・シャルロパンもあるので注意が必要です。コルクの全長は50ミリ、液面に触れていたところだけ僅かに色付いています。しかしグラスに注ぐと結構色は濃く香りは期待したより生臭くはなくむしろ甘い香りであります。口に含むと酸や渋みは殆どありません、既に十分飲むことの可能な状態でありますが私にはとても甘過ぎると感じてしまいます。最近流行りの生産者に良くあることですがここは古くから名の知れたドメーヌですのでちょっと違和感があります。黒豚の豚トロを炙って合わそうとしましたがどうも相性は良くありません。和牛の炙りも同様、何故なのでしょうね? マルサネイは比較的新しいアペラシオンで昔はロゼで有名でありました。この地で有名だったのはブリュノ・クレールでしたが最近はあまり見掛けませんね、そういえばどこかに吸収されたのでしたっけ?

ネットでまた面白い情報を見付けました。よく拝見する「香港美食探訪」の中にあるブログ、これは大変役立つ情報満載です。今日の出し物は「欣圖軒のメニューを知る方法」で昔の名前「麗晶軒」と言えばお分かり頂けるかも知れませんが、今はインターコンチネンタルホテルになっていてレストランの名称も変わっているのであります。私がよく通っていたのは約20年前、しかしメニューを見ると昔とさほど変わっていません。中国4千年の歴史はそう簡単には変わらないのでしょうね。

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2006年07月31日

Chateauneuf-du-Pape 2002 Domaine de Ferrand

vinsjuillet-029.jpg梅雨が明けてカラッと晴れるかと思いきや曇り空で夜には意外と涼しい風が吹いている箕面山麓であります。夏場にボルドーの赤ワインを飲む気にはなれずセラーをゴソゴソ探していると一本だけ残っていたのがこのワインです。輸入元の資料によると「ブドウ品種は平均樹齢 90~100年というグルナッシュ 95%、シラー&ムールヴェードル 5%、オーク樽熟成は12ヶ月(新樽比率30%)、土壌は赤粘土、表面は砂利質、栽培面積は約5ha、単位収穫量は30hl/ha、平均年間生産量は15,000本」とのことです。

先日買った2004年と比べると先ず意外に色が薄いと云うこと、グラスに注ぐときにおやっと思うぐらい薄いです。で、香りはどちらかというと閉じ気味で鼻から抜けるときに特有のローヌ臭さを感じてしまいます。味は私からすればかなり甘い目という結果になりました。2002年というとローヌは洪水の年だったのではないでしょうか? この生産者は正直にワインを造っているのでしょう、ヴィンテージが素直に反映しているようです。樽の影響でしょうか、2杯目は粗いタンニンを感じますが昨日の続きで和牛の網焼きを合わせるとタンニンは感じなくなります。前菜は枝付き枝豆京都産にモッツァレラチーズとアメーラと相変わらずの定番メニュー。

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2006年07月30日

Gevrey-Chambertin Clos des Chezeaux 1996 Domaine Vincent et Denis Berthaut

vinsjuillet-028.jpgワイン大学定例会用のワインを決めるためいろいろ物色中であります。15年程前までは幻のドメーヌとして日本向けには輸出されることがなかったフィサンの生産者ヴァンサン・エ・ドニ・ベルトーですが、ここもベルナール・ムニエ氏の説得により門戸を開放したはずであります。確か1990年頃この生産者を知る人物が3ページ程にわたり絶賛している文章を読んだことがありますが、一般には輸入されていないことをよいことに美辞麗句を並べ立て「これぞ本物ブルゴーニュ」と崇めていたのは何処の誰だったでしょうか? アンリ・ジャイエールを神様扱いする漫画や論評も程度の低い一種の無い物ねだりではないでしょうか。

アンリ・ジャイエールのワインに関しては何度も申し上げますが「安くて美味しいヴォーヌ・ロマネ」であったわけで事実を知る最も有名な人物はパリのジャン・クロード・ヴリナ氏であります。クロ・パラントゥーなどタイユヴァンのワインリストで400フランだったからよく注文した訳です。同じく東京エノテカ・ピンキオーリでも90年代前半までは15000円前後でワインリストに載っておりました。高くなってから欲しがるのはワインを知らない証左、貴方のすぐそばに将来驚く程高くなってしまうモノが転がっているかも知れません。ワインは人によって好みが違うのは当たり前のお話しであり自分が本当に好きなワインであれば沢山買い込んでボチボチ開けるのをお薦めします。世間の評価は気にしない方が賢明でしょう。何でもランキングに頼るのは個性が失われている日本人的発想でしょうか、他人が買っているからと云って買わなければならない理由にはならないと考えます。
さてこのワイン、コルクには残念ながら漏れがあります。漏れた量はごく僅かですがコルクに少しだけ黒カビが認められます。評価するには問題のあるボトルですが概ね品質低下はありません。熟成香が心地良く、官能的な甘みが生成されているようです。しかしまだまだ酸はしっかりしておりタンニンはシルキーに熟成しています。もう一度飲んでみてから結論を出すことにしました。合わせたのは黒毛和種3番のブリスケとウチヒラの網焼き、塩胡椒だけのシンプルな焼き肉です。

posted by: Georges : 2006年07月30日| コメント (0)

2006年07月29日

Chateau Beau Soleil 1996 AC Pomerol

vinsjuillet-026.jpg壊れたセラーに入っていた一連のワインです。実はこのワインには大変苦い想い出があります。あれはもう9年程前でしたでしょうか、ヴィネスポが会場をアジアに移し香港で開催されたときのことジャン・ミッシェル・アルコート率いる(日本人造り酒屋の若大将も中におりました)グループのブースで試飲させられたのがこの一つ前のミレジム1995年のボー・ソレイユでした。この樽サンプルと称する液体は実に果実味濃厚でもちろん色濃く香りも果実を凝縮した感があり提示された価格も比較的リーズナブルなので同行のインポーターの社長にお勧めしました。

しかし数ヶ月後に到着したものはサンプルとは大違い、全くの別物でありましたが売った本人グループは知らん顔。昔コルトンあたりで蜷局を巻いているネゴシアンにやられたときと同じでした。以前にも申し上げましたが、日本人を馬鹿にしてはいけません。数年後このジャン・ミッシェル・アルコートはアルカッションの海岸で死亡したとのこと。さらに後任の社長の座に着いた息子も社長就任演説中に心臓発作で亡くなったと聞きます。日本人を平気で騙すワイン業界の怪しげな人物はまだまだ他に実在しているので注意が必要です。例えばネットで大流行のブルゴーニュ生産者は自らの醸造施設を持っていませんし、その畑の手入れについては平気で農薬を使っています。名前だけが有名になり(それも異国日本だけに顕著)注文が殺到するので泥縄でワインを造っています。不人気なドメーヌを数々巻き込み自らのワインと称して瓶詰めしていますが、こんなことをいつまで続けられると思っているのでしょうか?

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2006年07月28日

Chateau Reysson 1996 R?serve Bouteille AC Haut-M?doc

vinsjuillet-025.jpgフランス旅行されていたワイン大学メンバー様からのお土産ワインです。ポーイヤック村から北西に数キロ離れたところのクリュ・ブルジョワで6割程のカベルネ・ソーヴィニョン、そして残りがメルローとのこと、日本で販売しているのとは少し違うのでしょうかR?serveの表示が裏ラベルにしかありません。表にはR?serve Bouteille とそのボトルナンバーが印刷されています。60000本生産とのことですが私が頂いたボトルには No.51624 となっていました。

昔(1970年代後半から1990年代前半)は毎年のようにせっせとフランスに旅しておりましたが、最初行ったときから数えると30年にもなります。その頃は大変寒くパリ市内でも所々凍っており歩くのも危ない思いをしました。当時は北回りか南回りだけで直行便など無かったはずです。南回りは酷かったですね、香港まで帰るのに三日程かかったこともありました。荷物はなくなって当たり前、いつかは出てくるのですがその頃の苦い想い出から旅の荷物は最小限にとどめるようになりました。お土産を買わなくなったのもこの頃からの習慣でしょうか、お土産を頂戴するたびに昔を思い出してしまいます。
北浜の破落戸はイタリアンでした、大変失礼致しました。しかし高麗橋にもフレンチの破落戸がいますね。

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2006年07月26日

Chateau Bonnet 2004 AC Entre-2-Mers Andr? Lurton

vinsjuillet-024.jpg先日ご紹介したのは2004年の初期ロットだけで今現在はこちらのエチケットのものが流通しているとのことです。8月1日からかなりの値上げになると云うことなので少しまとめ買いしました。早速開けてみましたが、輸入の時期が違うからでしょうがこちらの方はまだ堅さが感じられます。パワー全開とするためには少しエイジングが必要かも知れません。勿論今すぐ飲んでもフレッシュ・アンド・フルーティーに変わりありませんが・・・。

このワインの食事との相性はすこぶる良好であり昨日に続いて今日も鍋でしたが肉にも野菜にもポン酢にも逆らうことはありません。ちなみに日本酒(純米吟醸)とのコンビネーションもトライしましたが口の中に甘さが残ってしまい私は合うようには思いません。余談ですが冷房する日が続くと私の場合鍋料理を食べることにより体調維持に努めます。暑いと冷たい物を食べたくなるはずですが私の場合は長風呂としゃぶしゃぶが好みでありますが、一種の変態なのでしょう。家庭料理には樽の効いたソーヴィニョン・ブランより樽のないほうが好ましいと思います。家庭料理にはそれなりのワインを合わせるというのもワインを味わうコツではないでしょうか? 世界中にはまだまだ知られていない素晴らしいワインが存在しているはずであります。ジャンルを絞らずいろいろ飲んでみましょう!

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2006年07月25日

Nuits-Saint-Georges 1'er Cru Les Damodes 1996 Maison Paul Reitz

vinsjuillet-022.jpgしゃぶしゃぶに生臭いピノ・ノワールを合わせると意外にもよく合います。生臭いピノ・ノワールと云えばブルゴーニュはコート・ドール、今その生臭さが顕著なヴィンテージは2000年ってところでしょうか? あまり若いとフレッシュなアロマだけで意図するところの生臭さは出ないでしょうし、かといって古すぎてもあの生臭さは消えてしまいます。グラン・クリュの樽香の強いものも趣味ではありませんし、新樽を使わない果梗を入れない造りのところが最も好ましいかも知れません。

ブイヨンを使うのが私のやり方ですがしゃぶしゃぶ用の肉は鞍下の一部ハネシタに限ります。鹿児島産抜きの3番を小割りして頂きました。ポール・レイツはたまたまセラーを開けたところに立てて置いたので何も考えずに抜栓、キャップシールを剥がすと黴が一杯、漏れかなと思ったのですがワインは噴いてはいませんでした。色はエッジはオレンジのガーネットで薄い目、うまく熟成したのか甘い熟成香を発しており残念ながら生臭くはありません。ですが口に含むとかなりの酸と渋みを感じます。長期の熟成向きとして仕込まれるワインは当たり前かも知れませんが、酸とかタンニンは欠く事の出来ない重要な条件であります。「酸っぱいとか渋い・・・」と云う前に合わせる食べ物を口にして頂きたいと思います。そこで変化があるのがワインとの相性であり何ら変化のないものは良いワインとは云えないでしょう。
さて、ブイヨンをくぐり抜けたハネシタのスライスはピンク色に染まり柑橘系のポン酢につけて食べワインと合わせると酸と渋みはかなりレベルが下がります。目指した生臭さと半生の和牛スライスとのマッチングではありませんが悪くはない組み合わせでした。赤ワインの酸や渋みには鴨のローストなどが一番効果があるかも知れません、勿論ビーフステーキも良いでしょう。ワインは食べ物と合わせながら飲むよう造られているのですから。

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2006年07月24日

Chassagne-Montrachet Vieilles Vignes 2004 Vinifi? et mis en bouteille par Borgeot

vinsjuillet-021.jpgブルゴーニュはシャサーニュ・モンラッシェの白ワインです。装飾文字でDBとあるのはドメーヌ・ボルジョと云うつもりなのでしょうがエチケットの中央下には「醸造と瓶詰めはボルジョ」とだけしか記載されていません。と云うことは葡萄はどこからか買ったものかも知れないと云うことであります。葡萄を自ら育てそれを醸造するのが「ドメーヌ」と呼ばれる所以のはずですからこのワインはそれから逸脱しているのではないでしょうか?

最近のブルゴーニュはドメーヌがいつの間にかネゴシアンと化けているところがとても多いように思います。例としてはフランソワ・ミクルスキーとかエチエンヌ・ソゼなどよくご覧頂きたいと思います。さてこのワイン、蔵出し価格で14ユーロほどするのですが昔と比べると随分高くなったと思います。コート・ドールの品質に期待が持てないならシャロネーズやマコンをもっと開拓しなければならないと考えます。

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2006年07月23日

Chateau de Francs “Les Cerisieres” 2003 AC Bordeaux-C?tes de Francs H?brard & de Bo?ard

vinsjuillet-019.jpg昔はアートラベルだったと思いますがこれはあまり愛想のないエチケットに変わっています。ピエール・リュルトンの前のシュヴァル・ブランのオーナーであったドミニーク・エブラールとサンテミリオンの復活したシャトー・ランジェリュース(今はアンジェリュース)のオーナー、ユベール・ド・ブーアールのコラボレーションであります。このプロジェクトは1985年に始まり1989年には既にギド・アシェットには掲載されていました。確か1990年は非常に濃いワインながら大変安かったように記憶しています。
さてこの「レ・セリジエール」という名前が付いたワインですがメルロー主体の早飲みワインに仕上げられています。果実味そこそこ、上品な樽のニュアンスもそこそこ、全体的なバランスもよく奇を衒ったようなところはありません。コート・ド・カスティヨンは昔は頭に「ボルドー」と付いたのですが、このアペラシオンはまだボルドーが前に付いたままです。ボルドーと付くだけで昔は随分売れ行きが違ったそうですが最近はどうなのでしょうか? まあそんなにべらぼうな価格ではありませんので好きな人は買っておくと期待は裏切らないでしょう。

ド・ブーアール氏と確かシャトー・クリネのジャン・ミッシェル・アルコート氏の息子にソムリエの田崎君等でテーブルを囲んだのは1992年(?)の今は潰れた社交クラブの宴。1985年のランジェリュースのマグナムに各人のサインがあるので間違いないはずであります。サンテミリオンやボムロールが取り沙汰されだしたのがこの頃のことです。しかしパリで右岸が流行りだしたのはもっと古く確か1970年代後半だったはずです。80年代には例のベトナム料理屋が大流行してあのクソ生意気な店主が大威張りしていました。一時はミシュランの一つ星を取っていたものの今では閑古鳥が鳴いているのではないでしょうか? ワインだけが取り柄の店というのはそんなに長続きしないのが美食の都パリであります。我が国ではワインの文化が低いからでしょうか奇妙な串カツ屋が未だに流行っているとか・・・。私など昔の買い付けの仕方を目の当たりにしているので行く気にもなりません。

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2006年07月22日

Chateau Bonnet 2004 AC Entre-2-Mers Andr? Lurton

vinsjuillet-018.jpgボルドーでの成功者の一人、アンドレ・リュルトン氏の居城であるこのシャトー・ボネは赤白高品質のワインを造っていますがその価格は安く、実にリーズナブルであります。白のアペラシオンはアントル・ドゥー(2)・メールですがソムリエ諸氏の中には「アントル・ド・メール」となどと平気で仰る方が大勢おられます。ワインのアペラシオンの意味を理解していないというか現地を知らないからこんな言い方をするのでしょうが、改めて頂きたいと思います。葡萄品種はソーヴィニョン・ブランとセミヨンが各45%、ミュスカデルが10%という構成ですが、先ず特筆すべきはその香りであります。高価なグラーヴの白と比べても何ら遜色ない果実香があり3.5ユーロ程の蔵出し価格としては他の追随を許さない品質であります。色も綺麗なマスカットの表皮のような青さを呈し味わいは果実味濃厚ながらキレのある辛口に仕上がっています。2003年と比べるとさらに洗練された感がありボルドー白ワインの基準となるべき一本と申せましょう。
今の時期に美味しいフルーツトマト、「アメーラ」という名前のトマトに普通はブッファーラを合わせるのですが北海道産のモッツァレラを合わせるとこのワインがよく合います。スーパー・マルヤスで売っている京都産枝付きの枝豆は実は黒豆の早生なのですがとんでもない程安いのでお薦めです。メインは比内地鶏胸肉のタタキ、皮の付いた側に塩胡椒して網で焼き円蓋を被せ蒸し焼きに、中まで火が通らないように両面を炙る程度で実にうまいタタキが出来ます。
こんな家庭料理全てに合うのがこの「ボネ白」であります。

ワインを普及させるためには質の良いベイシック物をレストランのワインリストに載せるべきであると考えます。例えば3000円のランチの店であればハーフサイズの店で飲む価格で1500円程度の物を置く必要があると思います。実際に例えばパリのタイユヴァンなどはメニューの裏側に普通よく出るワインをリストしてありますが見開いて左の上にはリーズナブルなボルドーが並んでいます。私はフランスで食事していたとき(まだフランスフランの時代です)1000フランを基準に料理とワインを選んでいました。即ち食事に500フラン、ワインに500フランという具合に。4人ならシャンパーニュ一本に白ワイン一本、そしてブル赤とボルドーを一本ずつ合計4000フランで食事をする。そうするとレストランの値打ちが分かりやすいと云うことであります。旅するととんでもない高いワインを飲みたがる日本人を見かけますが愚かな行為であります。今だったら200ユーロの食事というと日本円では約3万円という事になりワインを含めると1人6万の食事となってしまいますが私はそんな高い食事をする趣味はありません。日本ではワインを含め1人3万円少々が限度だと考えますが如何でしょうか。

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2006年07月21日

La Campagne Marsanne-Chardonnay 2003 Vin de Pays d'Oc LGI

vinsjuillet-017.jpg壊れたセラーの中にあったワインです。重たい瓶に入っていますがラングドックの安物ゆえ輸送コストがアップするためもっと軽量のボトルを使うべきでしょう。キャップシールは樹脂製で簡単に取れコルクは意外にもしっかりした天然コルク。コルクを抜くと好ましい葡萄のアロマを感じます。グラスに注ぐと殆ど泡立ちません。温度変化があったはずですがそのおかげで亜硫酸が抜けたのでしょうか? 色は薄い黄緑色、香りは桃のような甘い香りがありますが口に含むと辛口。と云っても実にマイルドで舌を襲うピリピリ感など全くありません。低温でのマセラシオン・ペリキュレールのおかげでしょうか果実味もしっかりしており実に美味しく仕上がっています。生産者はLGIと云うかなり大規模なメーカーでこの地方によくあるセパージュ別にワインを造ったり、各地域別のヴァン・ド・ペイを造ったりと幅広くワイン造りを行っているようです。
安物ワインでも、壊れたセラーの中に入っていても、不思議に生命を保ち続けるのがワインの面白いところであります。

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2006年07月19日

Chateauneuf-du-Pape 1972 Domaine du Haut des Terres Blanches

vinsjuillet-016.jpg昨日はワインをお休みさせて頂きましたが飲んでます。お気に入りの安物ですがイタリアの赤泡アッソーロ・レッジャーノ、ランブルスコですがまだ未経験の人は是非お試し下さい。安くても旨いワインは存在します。安かったとは申しませんが Chateau Petrus 1982 リリース直後の日本での販売価格ご存知ですか? 出水商事が輸入したのは各デパートで販売されていましたが定価で何と¥28,000 という格安な価格でした。デパートへの納入価格は大体見当が付きますがその頃はごく一部のマニアしか買う人はおりませんでした。

当時私の主催するワイン会は既に始まっており1981年や1984年あるいは1970年代も所謂5大シャトーからすればかなり安かった存在です。高くなってから取り上げるのは愚の骨頂であり当時から肩を並べていたレヴァンジルやヴュー・シャトー・セルタンなどと比較して飲んでおりました。パーカー・Jr.が100点満点をつけて一躍有名になりましたが、何度も申し上げる通り評論家が高い評価をつけたからと云って味が変わるはずはありません。変わるのは販売価格だけであります。アンリ・ジャイエールのワインも同様、パリのタイユヴァンでは昔手軽に飲むことが出来るヴォーヌ・ロマネでありました。欲しがる人が世界中に現れるとあっという間に価格は上昇しますが味のレベルは同じままであります。ワインと言うモノ如何に単純なものか! しかし欲しがる人が増えると登場するのはお決まりの如く偽物ワインであります。
さてこのヌフ・パプ、外観からすると澱引きされリコルクされているようで、エチケットもピカピカの新品です。1972年というヴィンテージはボルドーでは混乱の年、ヌフ・パプは当時何種類もの葡萄品種が許可されているアペラシオンとしてしか教科書に載っていなかったはずです。グラスに注ぐと泡立ちはなく太いレッグが現れます。エッジはオレンジがかっていますが色は透明感のあるガーネット。グルナッシュ・ノワールの熟成香は甘く官能的なのですが活き活きとした酸とシルキーなタンニン・・・・と申し上げたいところ・・・・残念ながら舌の根本にこびり付くようなタンニンが存在します。果梗の残存率が高かったのでしょうか、食べ物なしでワインだけ飲んでいると不満が残ります。が、しかし手作りベーコンと茄子の炒め物や自家製麻婆豆腐などと一緒すると渋みはどこかへ消えて無くなります。ワインと言うモノやはり食事と共に楽しむべきものであると考えます。
ワインバーで旨いと思うワイン、家で飲むとそう思わないのはこのような理由が考えられます。ワインだけ飲んで旨いと感じるように造るワインが実際にあるという事実。
明日は味吉兆出身の上賀茂秋山さんに初詣の予定です。

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2006年07月17日

Mas de Daumas Gassac 1978 Vins de Pays de l'Herault

vinsjuillet-014.jpg壊れたセラーの中に入っていたワイン達の中から、エメ・ギベール氏のファースト・ヴィンテージをご紹介申し上げます。恐らくこのワインを所有している日本人は殆どおられないと思いますが、確か1985年ヴィンテージのものを大阪のインポーター、N氏に私の主催するワイン会で飲んで頂いたはずです。氏は大変お気に入りのご様子でそれから数年後自ら輸入されたと伺います。今こそ有名になったものの、当時は誰も取り上げることはありませんでした。私は決して無名なワインを有名にしようと努力しているのではありません。あくまで品質が良いのに理解されていないワインを取り上げているだけの話です。

さてこのワインいつか飲もうとは思っているのですがなかなか開けるには至りません。
vinsjuillet-015.jpgご覧の通り正真正銘の1978年であります。あとこのワインはもう一本、そして続くヴィンテージ1979年も2本所有しています。稀少なワインですが、かと云ってこのワインで一儲けを企てるような考えは持っておりません。実はこのワインを購入したのは随分昔の話ですが当然ながらはじめは生産者から直接買おうと思いました。しかし見積もりを見て驚いたのは提示されたその額。単なるヴァン・ド・ペイではないにせよ当時のシャトー・マルゴーを上回るのには殆ど呆れてしまいました。で、どこで買ったかと申しますと意外や意外アメリカのシカゴであります。友里さんも昔買っておられたシカゴ・ワイン・カンパニー。アメリカ人はこの頃投機目的で買ったもののなかなか価格が上がらず投げ売りしていた模様です。ワインを知るためには世界中のマーケットの動きを理解しなければなりません。日本だけで騒がれているワインが結構多いと思います。ワインの好き嫌いは人によってバラバラで当たり前のことであり、ご自分に合うワインを見付けて大事に熟成させることこそ賢明であると考えます。亜硫酸無添加のワイン、早く飲んでしまわなければならないワインなんてそう持て囃されるべき品質ではないように思います。ワインというもの熟成の極みを待って楽しむべきであり、あれこれ飲んでみたい気持ちは分かりますがお気に入りをドーンとケースで買って、ぼちぼち開けてみるのも楽しいと思います。

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2006年07月16日

Corton-Charlemagne 2003 Domaine Denis P?re et Fils

vinsjuillet-013.jpgこのブログで取り上げるワインはマスコミで持て囃されるようなものはありません。ランキング上位に取り上げられるワインは旨い不味いに拘わらず価格だけは異様に高い訳でそれらを飲んで自慢するようなブログとは無縁の存在であります。例えばコルトン・シャルルマーニュと云えば恐らくは「コシュ・デュリーが一番旨い!」など仰るワインマニアがおられると思いますが、私は同調できません。価格と酒質のバランスが重要であると考えます。コルトン・シャルルマーニュ、昔からワインをお飲みの方にはご理解頂けると思いますが1970~1980年代の我が国では何と云ってもルイ・ラトゥール社がトップの存在でした。輸入元はバークレイ、今はもうありませんがその頃フランスワインの輸入に関しては大きな力を持っていました。ジョセフ・ドルーアンを輸入していた雪印も強かったですね、ブルゴーニュと云えばネゴシアン物がその殆どを占めておりました。意外なことに当時サントリーはカルヴェと云うネゴシアンと蜜月の関係、このローヌ出身のネゴシアン、フランスではそんなに評価の高いネゴシアンではありませんでしたがサントリーは実に長い期間ここだけと取引していた模様です。サントリーがドメーヌと直接取引を開始したのは1980年代後半だったはずで最初はちゃんちゃらおかしいカミュ・ペール・エ・フィスなどを「これがエレガントなシャンベルタン・・・」などと紹介したものです。私は論外と一蹴しましたが、この頃あったサントリーのワイン課の連中、真剣にこんなものを旨いと思っておりました。サントリーのパリ現地法人にはワインの味が判る人間など一人もいなかった模様です。買い付ける人間のレベルが低いとこういう結果になってしまいます。
さてこのワイン、造っているのはドニと云う生産者、モレ・サン・ドニのドニと同じですが白ワインが得意なペルナン・ヴェルジュレス村のドメーヌです。果実味は豊富なのですが残糖分が少ないため「分厚い・甘い」コルトン・シャルルマーニュとは全く違います。樽は使ってはいますが新樽比率は低くそういったワインを好まれる向きにも理解しにくいとは思いますが、実はこのようなワインこそ長熟して本来のコルトンの旨さを発揮する訳です。他にこうしたコルトン・シャルルマーニュの造り手が意外なところにおられるのですが日本ではあまり紹介されていません。
セラーさえ壊れなければ10年後が楽しみなワインであります。

ブルゴーニュ・コート・ドールのコート・ド・ボーヌ地区には二つの白ワイン特級畑群があります。一つはモンラッシェを将軍に迎えバタモン、シュヴァリエ、ビアンヴニュ・バタールと従える群れとこのコルトン・シャルルマーニュと白のコルトン、滅多に見られないけどル・シャルルマーニュのコルトン・シャルマの類の二つでありますが、どういう訳か後者は日本では不人気であり価格が安いため私は重宝しております。アベラシオンのグラン・クリュにはどっちが上とか下はありませんので当然の如く品質に差はないはずですが価格は下手すると何倍も違ってきます。モンラッシェで一番高い価格が付くのはDRCですが、その畑は別に取り立てて陽当たりが良いような区画ではありません。水はけが良く陽当たりの良い斜面は何処かと申しますとそれはマルキ・ド・ラギッシュ所有の最もムルソー寄りの畑でその上にあるシュヴァリエは良いのですがラギッシュの畑の隣側(ムルソー側)は断層でかなり低位置にありそこで造られるプルミエ・クリュは残念ながら大したことはありません。バタールも殆どが平地で陽当たり悪くシャプタリザシオンのお陰でその名称を保っていると云っても差し支えないかも。葡萄の生育は悪くても注文はひっきりなしに増えるのでシャプタリザシオンしてアルコール度数だけ上げる訳です(アルコール度数が規定より低いと格落ちにしなければなりません)。葡萄の出来が悪いと云うことは葡萄の持っている力もない訳でありそんな葡萄でワインを造っても美味しいはずはありません。然るに有名な蔵には異常なまでの注文が殺到するのであります。

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2006年07月14日

Trittenheimer Apotheke Riesling -Kabinett Trocken 2004 Weingut Milz-Laurentiushof

vinsjuillet-012.jpg今日はドイツ、モーゼル・ザール・ルーヴァーのワインです。輸入元の説明によりますと「1520年以来、ドイツ・モーゼル河沿いに面しているトリッテンハイム村に門を構えるミルツ・ラウレンティウスフォーフ醸造所。ミルツ家はトリッテンハイム村でワイン造りを行っており、トリッテンハイム村のほとんどの最優良畑を所有している」とのことであります。さらに同じく輸入元のこのワインについての解説から「土壌は風化粘板岩土壌、平均樹齢は40年(中には100年以上の樹も含む)、単位収量は約48hl/ha、栽培面積は0.5ha、醸造はステンレスタンクと、長年使用して10hlの木樽にて低温醗酵。収穫の翌年3~4月にボトリング」ということです。全体の印象を申し上げますと最近のドイツワインの特徴でしょうか辛口が板に付いてきたように感じます。
まずは色ですが透明感の強い薄黄緑色でグラスに注ぐと渦巻き状の泡が液面状に現れます。しかしすぐ消えるのでそんなに気にすることはありません。香りは懐かしいドイツのリースリングではなくかなり鋭い金属的な香りと表現したらよいのでしょうか、口に含むとミネラルたっぷり綺麗な酸と僅かな苦さが心地良く日本料理に合いそうです。
アルザスワインの多くが甘くなってきたかと思うとドイツは辛口が旨くなってきました。フランスワインしか飲まないと仰る方に申し上げたいのは、このように各国のワインの味は変化するという事実であります。歴史と伝統を固持すると云いながら実は売れないと食べてはいけないこの現実。変貌を遂げて当たり前なのです。

さてこのワインですがお気に入りのワインクーラーで冷やしておりますと10分も氷水に入れてないのにもうエチケットは剥がれてしまいました。ドイツ人はワインクーラーで冷やさないのでしょうか? 冷蔵庫で冷やすよりも氷水に浸ける方が早く冷えるのは周知の事実、こう簡単にラベルが剥がれてしまうのは如何なものかと思います。ラベルの接着はもう少しきっちり行って頂きたいと考えます。またコルクを抜くと形が少し歪なので何処かで保管されたときの温度に変化があったと考えられます。
ですがワインの品質には全く影響していません。3年位の保管には十分耐えられるワインであると思います。アルザスがいつの間にか甘ったるい、ミネラルの欠片すら感じないワインになりつつある中、キリッと引き締まるような辛口にドイツワインが次々と誕生しているのに私は喜びを隠し切れません。しかしドイツワインの停滞していた時期は余りにも長すぎました。味も素っ気もないハルプトロッケンや全くバランスの悪いアウスレーゼ・トロッケンなど数多く飲まされ、ドイツワインに絶縁状をたたきつけた人がかなり多いはずであります。信頼回復にはまだまだほど遠いのではないでしょうか?

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2006年07月12日

Roussette de Savoie Frangy 2005 Domaine Lupin

vinsjuillet-011.jpg今日は気分一新、フランスですがスイスの近くサヴォワのワインです。原産地統制名称は「ルーセット・ド・サヴォワ」、輸入元の資料によりますと「ブドウ品種はアルテス(ルーセット)100%、平均樹齢は25年、土壌は粘土石灰質、石灰質岩盤、栽培面積は5ha、収量は55hl/ha、醗酵はエナメル加工タンク、ステンレス・タンク」とのことであります。キャップシールは残念なから安物、期待しませんでしたがコルクは合成というか今流行りの nomacorc という樹脂製。しかしこの栓を抜けば柑橘系の香りが仄かに香ります。グラスに注ぐと液面一杯に広がる渦巻き状の細かい泡、恐らく残留亜硫酸でありましょう。こんな場合はしばらく放置すると良いのですが今日のメニューは1キログラムを超えるデカいあまて鰈。身は大変しっかりとしており薄造りにして山葵塩、山葵醤油で頂くため時間がありません。

さてこのワイン色は薄いですが青っぽい黄緑、香りは柑橘系の中に明らかに感じる洋梨、味は「酸っぱい!」が最初の印象ですが大変濃厚な果実味であり熟成を待てば大物に変貌するでしょう。今すぐ飲むのに亜硫酸が気になるのでしたらデカンタすれば良いと思います。こんなときのデカンタの仕方は広口の安物デカンタ(レストランでカラフェによく使われているもの)を立て、勢いよく泡立つように底に直接当てるようにします。空気に触れさせるやり方ではなくあくまで亜硫酸を飛ばすときはこの手法をお薦めします。
夏場の白身はあこうと私は決めておりましたが、あまて鰈それも1キロを超えるものはさすがに旨いです。えんぺら(縁側)はプリプリで味は濃厚、身は薄造りにしてあっという間になくなってしまいました。
鱸に「誰々さんが獲った」とか形容詞の付く物がネットで取り沙汰されていますが、天然の鱸に誰が獲ろうが旨いヤツも不味いヤツもいろいろあるのが当たり前の話であります。天然物が特定の人が獲っただけで味が変わるなど信じる人は勝手ですが私は信じません。天然の魚は食う餌によって味が変わる訳で出所と呼ばれる釣った場所が重要だと考えます。「活け越し」とか「神経を云々する」とかいろんな手法はあるでしょうが、要は信頼できる魚屋であれば拘りは必要ないと思います。魚までブランド志向などとんでもないお話しであります。

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2006年07月11日

Alsace Riesling S?lection de grains nobles F 27 1989 Maison Trimbach

vinsjuillet-010mdct.jpg今日のワインは限りなくまともに近いブショネ。誤解の無いように申し上げますが、この写真のワインではありません。あるフランスワインなのですが最近ブショネに遭遇することがとても多いように思えてなりません。ブショネにならないための工夫、即ちスクリュー・キャップ方式にすべきだと考えますが如何でしょうか? ワイン醸造の設備は近年極めて向上しておりますが精度の低いボトルと多孔質であるコルクだけは旧態然としています。疑問を抱かないほうが不思議だとは思いませんか? 私はワインを楽しむに於いて儀式のようなソムリエの行動は不必要だと思います。コルクがなくなればブショネもなくなる訳でソムリエ諸氏に開けて貰う必要も無くなる訳です。そもそも(何度も申し上げますが)ソムリエの仕事とは良いワインを買い付け、保管し、飲み頃に達すればワインリストに載せるのが一番大切な仕事であります。客が迷ったらアドヴァイスするのは当然のこと。食事とバランスの取れるべきワインを品揃えするのがソムリエの仕事であります。ワインを目隠しで当てるのが仕事ではありません。

話は逸れてしまいましたが、例の壊れたセラーの中にあったワインをご紹介します。アルザス・リースリング セレクション・グラン・ノブル F27 ヴィンテージは1989年です。右端の F27 が注目すべきところであります。ワイン通と自称されておられる方でもこのワインに出会うことは恐らく無いと思います。プライヴェートワインとはこのような特別なキュヴェを意味することで市販されることは殆どありません。ネットに見掛ける稀少ワイン、諸外国では普通に見られることが多いのです。
ワインを煽る人々について少し述べたいと思います。
豊中のMさんとは大変古いお付き合いですがリニューアルされてからはまだ一度も行っておりません。理由は詳しく書きませんが、最近届いたシェフのメッセージによりますとワインをどうやら胡散臭い人のチョイスに変更されたとか・・・。道理で「料理はともかくワインが不味い」とのご指摘を数人から伺いました。
この胡散臭い人物についてはご想像にお任せしますがこの人物、本来の仕事は翻訳業であったはず。いつの間にか自分が経験でもしたように思ったのでしょうか、ワインについて語り出しました。しかし彼女のワインについての判断能力は極めて乏しいと私は想像します。自らが仕入れたワインが実は売れないからこそ会社をクビになったのではないでしょうか? 八田商店はまだしも自ら立ち上げたとされるル・テロワールもいつの間にか解任されましたよね。ここの経営者は表に出てきませんがどういう理由か教えて頂きたいと思います。フランス人生産者の間で評判が良いというのはただ沢山買ってくれるだけのことではないでしょうか? 沢山買ってくれる人のことを悪く云う人間はおりません。しかしその買ったワインが飛ぶように売れているのでしょうか? 一度は飲んでみても次からは別のものを選ぶはずです。ビオワインと云われるものの中で本当にワインの質が良いと私が判定するワインは今までにほんの数例あるだけです。下手な川柳ですが「ビオワイン 一年置いたら もう終わり」てなことにならなければよいのですが。本当に素晴らしいワインとは簡単には仕上がらないはずで、長い年月が必要な場合が多いと思います。ビオワインだけを扱うレストラン、旨いと思ってワインリストに出しているならそのレストランの料理は旨くはないはずです。

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2006年07月10日

Cr?mant de Loire NV Louis de Grenelle

vinsjuillet-009.jpg蒸し暑い日が続き自宅に戻ると冷えたビールをグイーッと飲み干してみたい気分ですが、我が家にビールはありません。もう何年も前のことですがビールの飲み過ぎ(?)でお腹の調子が悪くなり、それ以降はお店で飲んでも1杯だけ、生ビールならジョッキ1杯だけに制限しています。で、セラーの中のこのスパークリングワインをアルザス用の細長いクーラーに入れ急冷させました。アルザス地方のワインクーラーは背が高く細いので少量の氷で効率よくワインを冷やすことが出来て便利ですが残念ながら市販されているのは見たことがありません。このクレマン・ド・ロワールはソミュールの近くにある協同組合です。輸入元の説明によると「カーヴは地下12メートルの深さにある15世紀に掘られた採石場で、そこで醸造・熟成が行われています。4,000,000本のストックを管理するためのカーヴ内は、広く複雑なため、『15区・コトー通り』などの標識があちらこちらにあり、スタッフが迷わないようになっています」とのことです。

よく冷やしたつもりでしたがガラスが分厚いせいでしょうかコルクを抜くと勢いよく吹き出してしまいました。あー、勿体ない! しかしこれだけのガス圧があるということは大量に出回る安物シャンパーニュより中身は期待できるはず。氷を追加しさらに冷やすと期待通り細かい泡の爽やかなワインでありました。
輸入元に資料によると「ブドウ品種はシュナン・ブラン、シャルドネ、カベルネ・フラン、醗酵・熟成は全てステンレス・タンクにより行われ瓶内熟成期間は24ヶ月、平均樹齢は20年、栽培面積は80ha、単位収穫量は50hl/ha、平均年間生産量は150,000本」とのことであります。色は青みを帯びたイエロー・ゴールドで泡立ちはクレマンによくあるボコボコとしたものではなくとても繊細で香りは柑橘系です。味わいは辛口でガスパチョや枝豆にはよく合いました。瓶の肩のスロープにデゴルジュの日付らしい印刷を確認しました。L1 02 06 CL F と黒字が読み取れますがかなり小さな文字であります。今年の2月にデゴルジュされたに違いありません。単純な味で飽きてしまうものが多いのですがこのクレマン・ド・ロワールの品質は高く味わいや香りは実に複雑であります。下手なシャンパーニュよりも余程美味しいものであると断言します。価格は税別定価で¥2300 と極めてリーズナブルです。泡に関しては協同組合生産のもの大変お買い得であると思います。何でもかんでもドメーヌ物が良いというのは大きな間違いであります。

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2006年07月09日

Vin d'Alsace Riesling Cuv?e Fr?d?ric ?mile 1993 Fut 4 Maison Trimbach

vinsjuillet-007.jpg壊れたセラーの棚の一番下に置いてあったワインの中から見つけました。一見するとトリンバックのキュヴェ・フレデリック・エミールですが右側に樽のようなマークが付いています。一般に売られているかどうかは分かりませんがこれはマロラクティック醗酵させたものです。トリンバックではこの他にも Fut 27 とか特別に造ったワインがありますが現在日本に輸入されているかどうかは分かりません。
Fut 4 はマロラクティック醗酵させたものと述べましたが普通のフレデリック・エミールはこれをしません。リンゴ酸を乳酸菌の作用で乳酸に分解することをマロラクティック醗酵というのですが、このことを「乳酸発酵」と称するワインの先生がおられるのは呆れてしまいます。トリンバック社ではグラン・クリュを敢えて表示していません。アルザス・グラン・クリュには反対の立場に立つ生産者であります。アルザス・グラン・クリュと表示するワインにろくなものがないのはアルザスワインを好きな方にはご理解頂けると思いますが如何でしょうか? さてこのフレデリック・エミールの特別キュヴェはサーモスタットの壊れたセラーの中で奇跡的に存命しておりました。

色は青っぽさはありませんが深い輝きのあるゴールドで、リースリング特有の熟成香が抜栓と同時に広がります。口に含むと甘酸のバランス良好でアフターテイストが非常に長いのが特徴でしょうか。ワインという飲み物葡萄の育て方や発酵の過程も大事かも知れませんが熟成や保管といった後々のことまで含めてトータルで考えないと本当に良いワインとは云えないと思います。本を出して自分のワイン造りを正当化する人がいるようですが、良いワインと評価されるのは失礼ながら10年先20年先のことであり、評価するのは我々愛飲家であることを忘れて貰っては困ります。
このキュヴェ・フレデリック・エミールの畑は何処にあるのか、日本リカーの解説はありません。私がユベール・トリンバック氏から直接聞いたところグラン・クリュの Osterberg と Geisberg にまたがる畑であるという答えでした。即ちトリンバックの会社のあるリボーヴィレのすぐそばにある急斜面であります。クロ・サン・チューンが異常な価格になったためこちらで十分楽しめると思います。私がクロ・サン・チューンを好んで飲んでいたのは20年位前のことでその頃は定価で8000円位だったでしょうか? 今の価格で買うのは私の趣味ではありません。ユベールが目指したこのワインの価格はアメリカで50ドルの小売価格。とっくに目標は突破したものの今の価格は不自然と思われます。

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2006年07月08日

Saumur 2004 Domaine du Collier

vinsjuillet-006.jpg箕面山麓でも今日は恐ろしく蒸し暑い夕べを迎えており敢えて赤ワインを飲む気にもなれません。しかしお気に入りの赤泡だけは別で14℃という比較的ぬるい目の温度にて美味しく飲むことが出来る Assolo Reggiano 2004 Medici Ermete を開けてしまいました。いきなり思い切り冷えた白ワインを飲みたいところですが胃に優しいのはやはりぬるい目のワイン。しかしビストロ・プルミエ特製のガスパチョとの相性はあまり良くありません。ガスパチョにはサンセール・ブランがよく似合うのを忘れておりました。ビストロ・プルミエの鈴木シェフはシャンボールの出身ですが彼の目指したのは故松本シェフ(一階のガーデン)のお料理です。私は勝手にスープの達人と命名しておりますがこのガスパチョは夏に欠かせないとても美味しいスープであります。1キログラムのトマトに対して2グラムとスタミナの素ニンニクも入っておりセロリとのバランスが絶妙であります。持ち帰り用にパックして貰いお気に入りのエクストラ・ヴァージンと胡瓜の笹掻きで、メッチャウマー!
で、次に開けたのがこのワインです。

ロワールの白ワインとしては大変高価で蔵出し価格でも恐らく10ユーロを超えると思われます。輸入元の資料によると「20代後半という若きオーナー醸造家アントワヌ・フコー氏は、かの有名な『クロ・ルジャール』フコー兄弟の一人、シャリー氏の息子。幼い頃からワイン造りに接して育ったアントワヌ氏は、自然の力による奥深いワインの世界に惹きこまれ、CH.ラトゥールやディディエ・ダギュノーの下で修行します。1996年から生家のクロ・ルジャールで4年間修業した後、2000年23歳という若さで自身のワイン造りを始めました」とのことであります。コルクはしっかりしたものでグラスに注ぐとパイナップルに似た甘い香りが広がります。また柑橘系の香りも感じられ、口に含むと上質の樽のニュアンスも理解できます。ミネラルたっぷりでしかも酸がしっかりしており果実味豊富なため、かなりの熟成に耐え得るワインと判断しました。地域は違いますがサヴニエールのどこかのビオディナミと比べたら如何にこちらの方が旨いかお分かり頂けると思います。

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2006年07月07日

Pernand-Vergelesses 1'er Cru 1999 Domaine Denis Pere et Fils

vinsjuillet-005.jpgもう間もなくリリースされるブルゴーニュ・ルージュはペルナン・ヴェルジュレスの第1級で畑の名はありません。コート・ドールの中で日本人が買うのはジュヴシャンとヴォーヌ・ロマネ、白ならムルソーか何とかモンラッシェと相場が決まっております。フィサンとかショレ・レ・ボーヌ、モンテリーやサン・ロマン、そしてサヴィニーやこのペルナンなどもあまり買われることはありません。有名な生産地と評論家の褒める生産者に限り買われていくのは仕方ないことかも知れません。ブルゴーニュに行った人はご存知でしょうけれどもコート・ドールは観光地によく見られる産地直売の生産者がおります。派手な看板を掲げ、怪しげな地下のセラーに招き入れ、思い切りシャプタリしたワインを外国人に(主にアメリカ人)売りつける輩であります。一般の人(ワインに関心のない人)はお土産として買う訳で試飲したワインさえそこそこの味なら買ってしまうのでしょう。しかし中身はそれとは別物が入っていることが結構あります。
実際私が1980年代に訪れたコルトンの有名生産者などテイスティングの時はたいそう優れたワインを出してきたのですが、輸出されたのは全く違うワインでした。苦情を申し入れると「ブルゴーニュは極めてデリケートなので日本へ送ると味が変わるのは仕方ない」と宣うのであります。しかしこの生産者、そんなことがいつまでも続けられるはずもなく最近は名前を聞かなくなりました。
さてこのワインですが白屋の造る赤としては評価できる仕上がりでしょう。コルクは太く丈夫なもので色は輝きある明るいレッド、香りはまだ熟成香には至っておりませんがピノ・ノワールの果実香は極めて健康的です。味わいはアペラシオンの関係かも知れませんが軽い目です。タンニンは熟成により丸くなり酸もこなれた状態ですが若干甘みに欠けるようでピークはあと5年後と予想致します。妖艶さをブルゴーニュに求める方には不向きかも知れません。

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2006年07月05日

Chateauneuf-du-Pape 2004 Domaine de Ferrand

vinsjuillet-004.jpgシャトーヌフ・デュ・パープご指定のボトルに詰められ先日のローヌより5㎜長いコルクが使用されているので熟成させろと云いたいのでしょうか? 先ずグラスに注ぐまでに芳醇で甘い香りがほとばしり出るようです。若干残留亜硫酸は感じるもののそんなにきつい訳ではありません。色は綺麗な赤紫と表現したらよいのでしょうか、甘い香りが漂う中口に含んでみると・・・・、やっぱり私には甘過ぎると感じてしまいます。それが補糖ではなく葡萄本来の甘さであったとしても食事中飲むべきワインの範疇に納まるかはみ出るか、判断は難しいライン上にあります。このまま3年寝かせてからもう一度飲んでみたら如何でしょうか。ワインだけ飲むとしたら非常に心地良いとは思いますが、私の判断基準はあくまで食事との相性からですのでもう少し熟成を待ちたいと考えます。
輸入元の資料によると「平均樹齢 90~100年のグルナッシュ 95%、シラー&ムールヴェードル 5%で、土壌は 赤粘土、表面は砂利質。栽培面積は約5haで単位収穫量は30hl/haと低く平均年間生産量は15,000本程度」とのことであり2004年は一切樽を使用していないと特記事項があります。

ごめんなさいね、表向きにはあまり褒めたくなかったのですが、実はこのワイン大変果実味濃厚で私にとっては不要である余計な樽の影響もありません。グラスを回すといろんな果実の香りが打ち上げ花火のようにポンポンと飛び出してくるようです。アルコール度数は14.5%とかなりの高率ですが刺激的ではなくうまく調和しております。色も濃く酸も綺麗ですので熟成香が出るまで保管すれば恐らく鬼に金棒と云ったワインになることでしょう。
ワインは葡萄から造られるもので葡萄本来の味香りを大切にするワインを好んでおります。
このワイン輸入元には残っていません。ヌフパプとしてはそんなに高い訳ではありませんので見つけたらご購入お薦めします。

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2006年07月04日

Saumur Autrefois... 2000 Domaine des Guyons

vinsjuillet-003.jpgシャトーヌフ・デュ・パープの前にまだ飲んでなかったロワールの赤を試してみることに。アペラシオンのあとの Autrefois... とは「昔」の意味ですので畑の名前とかではありません。ヴィンテージは2000年と新しくリリースされた割には古い目です。まずコルクは液面と触れている部分だけが染まり横漏れは皆無、非常によい状態です。ソミュールの赤と云えばカベルネ・フランです。他にカベルネ・ソーヴィニョンとピノー・ドニスが認められていますが、後者の品種はピノの類ではありません。pineau d'Aunis と書き Pinot ではありません。輸入元の資料によると「 ブドウ品種はカベルネ・フラン 90% カベルネ・ソーヴィニヨン 10%、平均樹齢は55年で栽培面積は0.6ha、単位収穫量は50hl / ha、平均年間生産量 3,000本、熟成期間:14ヶ月(220Lの3年樽使用)、発酵はコンクリート・タンク醗酵
、特記事項:ルモンタージュ、ピジャージュは全て手作業。コラージュとフィルタリングは無し」とのことであります。色はかなり濃いめのダークレッド、透明感に乏しく濁っているのかと思いましたが澱が舞っているのではありません。カベルネ・フラン特有の青臭さは消えているのですが、かといって熟成香がでている訳ではなく中途半端。タンニンは熟成により丸くなり心地良いのですが食べる物を選ぶのでしょうか、家庭料理との相性はあまり感心しません。私にとって、どうしても馴染めないのがロワールの赤ワインです。

シノン、ソミュール、ソミュール・シャンピニー、アンジュー・ルージュなどなどロワールの赤はカベルネ・フラン、ソーヴィニョン、あるいはガメイであれあまり好みではありません。昔々サン・ニコラ・ド・ブールギュイの好印象が忘れられず、以来ロワールの赤にはアタリに会ったことがありません。やはりロワールは白の方が好みであります。まともな感覚のサンセール・ブラン、プイィ・フュメ、カンシーにルイィ、トゥーレーヌのソーヴィニョン・ブランも好みであります。人によって好みは違うのが当たり前なので異論ある人も大勢おられると思いますが私のワイン経験上、現地にまで赴きいろいろ試飲した結果の上でのお話しでございます。
さて飛鳥クルーズに出掛けていた上柿元勝氏がようやく帰ってきます。フランス料理業界では上柿元氏の弟子の1人が傷害容疑で書類送検とか騒がれているようですが昔はもっと酷かったのです。訴えた方は業界から去らねばならないでしょうね、少なくとも回りの料理人からは無視されてしまいますから・・・。で上柿元氏のいる間にエリタージュへ行きたいと思います。いつもは寒い季節が多いのですが今年は10月か11月にしようと思いますが如何でしょうか? あるいは盆休みでも構いませんがハウステンボスが忙しいでしょうし・・・

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2006年07月03日

C?tes du Rh?ne Cuv?e Antique Vieilles Vignes 2004 Domaine de Ferrand

vinsjuillet-002.jpg「中国料理にワイン」を合わせようと思案中であります。一般的には甘い目のワインを合わせる傾向にあるとか伺いますが私はそんなことはしません。白はサンセールの2005年に決めましたが赤がいろいろと迷うところなので取り敢えず片っ端から飲んでみることに。さてこのワイン、コルクの状態は極めて良好です。ドメーヌから積出港までの陸路、倉庫の管理、リーファー・コンテナーでの輸送、さらには日本に到着してからの管理など完璧であったことが伺えます。インポーターの中にはドライ・コンテナーを使っているのにリーファー使用と偽装しているところが未だにあるので気を付けねばなりません。先ず香りは葡萄のアロマが生き生きとしており、グラスに注ぐと妙な泡立ちもありません。色は綺麗な赤紫、味は私には少し甘い目に感じます。輸入元の資料によると「 ブドウ品種グルナッシュ90%、シラー&ムールヴェードル&サンソー10%、平均樹齢は50~70年、土壌は砂質、粘土質、小石で栽培面積は約5ha、単位収穫量は40hl/ha
、平均年間生産量は10,000本」という記述がありますがそれなら平均樹齢は60年と云うことになるはずですよね。このドメーヌ・ド・フェランはシャトーヌフ・デュ・パープが有名ですのでそちらも飲んでみたいと思います。

壊れたセラーから全てのワインを移動しました。まあ今の季節夕方はまだ凌ぎやすいのでそれだけでもラッキーであったと思えば良いのでしょうか? シャルツホフベルガーも出てきましたし結構意外なワインも採掘できたので収穫有りと云うことにしましょう。ワインは何が入っていたか全く記録していないのですがこれからは出入り帳を付けることにした方が良さそうです。
来週木曜日午後8時からのクードポール・ワインを楽しむ会、ご興味おありの方おられましたらコメントお願い申し上げます。コメントは公開したくない方は勿論公開致しませんのでご連絡先書き込み頂いても当方で削除しますのでご安心下さい。メールアドレスも同様公開したくない方はお申し出下されば公開致しません。20年続くフランス料理とワインの会です。お客様の過半数はお医者様ですが一般の方も大歓迎です。詳しくはクードポール・田中氏までお問い合わせ下さい。06-6941-8577

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2006年07月02日

C?tes du Rh?ne Villages Vieilles Vignes 2000 Cuv?e Tradition Chateau du Mourre du Tendre

vinsjuillet-001.jpg壊れたセラーの中にあったワインを箕面まで運ばなければなりません。つい先日腰を痛めたばかりですので私にとってはかなりの重労働ですし、階段の上りでは大汗をかいてしまいました。このコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュは2004年10月に購入してずっとセラーに保管していたワインです。で、恐る恐る開けてみると液漏れ寸前のところでコルクは頑張っておりました。グラスに注ぐと同時に甘い香りが沸き立つようにテーブルに広がります。色はそんなに劣化を感じませんが状態は当にピークを迎えているようです。葡萄のアロマと適度な熟成香が心地良くあっという間に飲み干してしまいました。輸入元の資料によると「ブドウ品種は平均樹齢 60 年のグルナッシュ80%、ムールヴェードル20%、栽培面積は 1.5 ha 」とのことです。また単位収穫量 25~30 hl/ha と低く平均年間生産量は僅か 6000 本とのことですので高いのは仕方ないかも知れません。またドメーヌについては「栽培されているぶどう品種はグルナッシュが80%、ムールヴェードル15%、シラーは5%。総面積は20ha, うちパプは2ha、残りはローヌおよびヴィラージュに使用されます。
ローヌに使用されるぶどうの平均樹齢は40~50年、ヴィラージュは60年以上、パプに至っては85年から105年ほどの古木も使用されます。収穫は全て手作業、除梗は行いません。そのため、タンニンたっぷりのがっしりしたワインができますが、それを樽に頼らずステンレスとコンクリートタンクを見事に使いこなし、時間をかけてじっくり仕上げていきます。これこそジャック・ポメル氏の秘密技と言えましょう。
色とアロマを最大限に抽出させるため長期間キュヴェゾンを行い、さらにノン・フィルタリングで本来の果実味をしっかりキープします。
蔵出しは、ローヌもヴィラージュもパプも収穫から4年後になります」との説明がありますが、私は詳しく見ておりませんでした。
かなり澱が発生していますが粉のように舞い上がるタイプではないので最後まで美味しく飲むことが出来ました。

壊れたセラーにはまだまだワインが入ったままですがサーモスタットのコントローラーを触っていたらとりあえず20℃で安定したみたいです。で、ホッと一安心ですがやはり全てのワインを箕面に移し替えようと思います。しかしこの夏の暑いときに壊れるなんてフランス製でもアテに出来ないのがワインセラー。ワインセラー予備を備えておられない方々に申し上げます。壊れたときの事を考えてセラー一つにワインを集中させないことが肝心です。

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2006年07月01日

Bourgogne Chardonnay 2002 Domaine de Courcel

vinsjuillet01.jpgセラーの一つのサーモスタットが壊れ、恐らく中の温度が上がったり下がったりを繰り返し気が付いたときは5℃まで下がったままでした。コルク栓の大きな欠点はこうした場合に栓の意味を成さないことであります。即ち温度が上がったり下がったりするとコルク栓は動いてしまう訳です。実際にキャップシールから飛び出していたのが2本、その内の一本がこのワインです。以前取り上げましたがかなり前のお話しなのでもう一度登場させますが「赤屋の造る白ワイン」は結構美味しいものがあります。逆に「白屋」が造る赤ワインに旨いものは殆どありません。このドメーヌ・ド・クールセルはポマールの赤屋であります。ポマール最上とも云われる Grand Clos des Epenots の殆どを所有していますが旨いのは実は他のプルミエ・クリュです。何かって・・・・ それはワイン大学に参加されたらお教えしますよ。
アペラシオン・ポマールで、その特徴を感じられる造り手と云えばこのド・クールセルが最右翼でしょう。畑は8ヘクタール程のピノ・ノワールだったはずですがいつの間にか白用に畑を購入したのでしょうか、シャルドネを造るようになりました。
この白ワイン実に良くできています。コルクが半ば抜けそうになっていたにも拘わらず生きていました。色はグリーンがかなり強い黄金色、香りはお化粧なしのシャルドネのフレーバー、残留亜硫酸は全く感じません。味わいは果実味濃厚でしかも辛口、私好みの味であります。市場には滅多に登場しないものの見つけることが出来れば是非飲んで頂きたい一本であります。

ビストロ・プルミエのホワイトアスパラガス、多分今年最後の入荷になるかも知れませんが結構太いのが入ってます。湯がき立ての太いのが3本で1000円という安さ、5本なら1500円とさらにお得! ホワイトアスパラガスのフルコース¥5000というのもあります。近鉄奈良線八戸ノ里から南側の信号を東へ徒歩5分ほどの場所ですのでお近くの方は是非ご賞味下さい。最後の最後、木曜日6日に入るかも知れませんが収穫できるかどうかは分からないとのことです。ビストロ・プルミエ TEL. 06-6727-2123 水曜定休 茄子とホワイトアスパラの冷たいスープ、旨い!

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2006年06月28日

Vire-Clesse l'Epinet 2004 Domaine Sainte Barbe

vinsjuin-013.jpg私が慣れ親しんだ名前はマコン・ヴィレ、しかし今は村名付きマコンから独立してヴィレ・クレッセのアペラシオンを獲得しています。マコン地区でヴィレ・クレッセが単独のアペラシオンを宣言されたのは1998年11月4日ですが、ヴィレが取り上げられるようになったきっかけはドメーヌ・ド・ロアリー(アンリ・ゴヤール)によるところが大きいと思います。ジャン・マリー・シャランが造るマコンについては先日述べましたがこのヴィレ・クレッセは樽醗酵樽熟成のものです。さてこのワイン、先ず色は緑がかった黄金色で輝きがあります。香りは蜂蜜のようなニュアンスを感じ樽の嫌みはありません。口に含むと綺麗な酸と甘みがバランス良くまろやかという表現がピッタリでしょう。タンク熟成のものよりは甘いですがそんじょそこらのコート・ドールの馬鹿高いワインと比べても何の遜色はありません。有名ドメーヌ物が幅を効かす日本のワイン市場では受け入れられにくいと思われますがワインを知る人達にはとっておきの白ワインとなることでしょう。

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2006年06月26日

Vosne Roman?e Vieilles Vignes 2004 Domaine Armelle et Bernard Rion

vinsjuin-012.jpgドメーヌ・アルメル・エ・べルナール・リオンというどこかに似てても違う名前のヴォーヌ・ロマネ、樹齢の高い樹からの葡萄で造ったのでしょう。ダニエル・リオンはジュヴレ村の筈なので姻戚関係ではないと思いますが調べてみます。さてこの2004年というヴィンテージにまつわる面白い話があります。
この2004年の収穫期にコート・ド・ニュイを撮影に来ておられたMさん、丁度ドメーヌ・ルロワの畑を見て大変驚かれたようです。そこにはまるで雪が積もったかのように一面真っ白、実はこれがオイディウムだったのです。勿論今とばかりパチパチとカメラに収めましたがそこに血相を変えて現れたのはかの有名マダム。「写真撮ったらあかん」とでも云いたかったのでしょうけど時既に遅し。かくなる理由で全て格落ちにせざるを得なかったのかも知れませんね。ビオロジックあるいはビオディナミ、実践するには相当の覚悟が必要だという実に明快な事例であります。
葡萄畑のいろいろな秘密はまだまだ沢山あります。ワインに関する著書はどちらかというと生産者養護の立場にあります。当然の如くワインを売るために書いてあるものも少なくありません。しかし実際はこのように知られては困る事柄も多い訳ですので賢い消費者は事実を知る必要があります。
さてこのワイン、今日買ったばかりで今すぐに飲む訳ではありませんが色はかなり薄く見るからに期待は持てません。2004年のニュイはビオディナミのみならず普通で葡萄を育ててもあまり上手く行かなかったと云うことでしょうね。

ダニエル・リオンはニュイ・サン・ジョルジュの生産者でした、大変失礼申し上げました。
ネットで調べたところ出てきましたがこの生産者は旅行者相手にお金を取ってテイスティングさせているようですね。いつも申し上げますがブルゴーニュの蔵元で「デギュスタシオン」などの看板があるところは先ず美味しくありません。たいていは表札だけ、中には表札も掲げないのが優良な生産者であります。所謂観光客相手の生産者の可能性が高いと思います。勿論どんなワインでも飲んでみなければ分からないとは思いますが、生産者のHPを見れば大体の想像がつくものです。

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2006年06月25日

Champagne Mo?t et Chandon Cuv?e Dom P?rignon 1985

vinsjuin-011.jpg「こんなワイン買いました」じゃなくて貰ったワインのご紹介です。云わずと知れたドンペリですが私はワインを飲むようになってからこのシャンパーニュを避けてきたように振り返っております。もっとも飲んでない訳ではありません。バブル絶頂期は香港へしょっちゅう行っておりましたが当時はまだ伊丹の発着で何と生意気なことにFチケットで優雅に飛んでおりました。搭乗と共に用意されるのはこのボトルで行きのJL701便で在庫無くなるまで飲み続けたことがあります。帰りは出発時間の関係でCX502便を利用することが多くローランペリエ・グランシェクルでしたでしょうか、あまりハッキリとは覚えておりませんが・・・。
で、このドザージュ(門出のリキュール添加)の多いシャンパーニュはいつも申し上げるように好みではないのですが、当時の金満連中はことのほかこのシャンパーニュがお好きだったようで仕方なく飲んでおりました。「住めば都、慣れればドンペリ」だったかも知れませんが私は好きにはなれませんでした。ワインは飲み始めの頃、それを教えてくれる先生が一番重要であります。即ちその先生が間違った知識の持ち主だったら最悪の結果となり、とんでもないワインを旨いと信じ込んでしまいます。人間濃い味には弱いモノなのです。小さい頃に練乳の味を覚えたり、カルピスを薄めず氷だけ入れて飲んだりした人はワインにも同じように濃さを求めます。自然な味より濃縮された味に興味を持つのは殆どの人間に当て嵌まると思います。ですからパーカー・Jr.がウケる訳なのです。
さてこのドンペリですが出所は我がワイン大学メンバーのお一人松さんところの並行輸入のモノで、私の知人がお祝いに頂きながら「開け方が分からない?」と5年後に譲り受けた品。どうせ頂けるならもっと前に申し出てくれたらと思うのは贅沢でしょうか。

あの半年で辞めた料理人ですがそれほどの力量があった人物でしょうか? 私の経験は昨日述べましたが、美味しかったと思われる方がおられば具体的に料理名などご教示頂けたら有り難いと思います。焦げたブロッコリーですが本人自ら揚げていて黒く焦げたのを自分の眼で見てるのに付け合わせとして皿に盛るのですよ。この感覚が料理人として最低だと思う訳です。またこの店を褒めていた自称グルメライターのT氏はキュイエールのオーヴンを「わざわざパン焼き用を使って・・・」と云うくだりがありましたが、あのオーヴンは元々パン屋のとき使っていたもので新調した訳ではありません。褒め方一つで自らの無知を晒す訳なので注意が必要です。普通の料理人はパン焼き用のオーヴンなど使うはずがありません。

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2006年06月24日

Macon-Villages Les Tilles 2004 Domaine Sainte Barbe

vinsjuin-010.jpg新しいマコン・ヴィラージュはレ・ティーユというリューディー名の付いたジャン・マリー・シャランが造るもの。蔵元はビオディナミーを実践していますがやはりエチケットにそれらしい文字は見掛けません。ネットでやたらと騒がれるビオの生産者の裏側についてはここでは敢えて申し上げませんが、ビオ専門に生産者を回っている日本人の存在だけは知って貰いたいと思います。ビオでないとワインではないとか、農薬と呼ばれるモノをまるで毒扱いするような人達が目立つのはワイン後進国だけに見られる現象であり、思いこみの激しい人達によって買うワインが偏るのは、ワインの味が判っていない証左ではないでしょうか。ビオディナミーを実践していても不味いワインは山程あります。しかしながらテイスティングしてもそれら不味いワインを買う日本人バイヤーが何と多いことか! そういったバイヤーの多くは英語フランス語がしゃべれるだけの若者ばかりで残念ながら味の判ると思われる人間は殆ど見掛けません。

ワインを輸入する会社の経営は実はそんなに楽なものではありません。ラック・コーポレーションの宝への統合というか事実上の買収、昔の人は知っている名門銀座三美の倒産、その他ブルゴーニュのドメーヌを輸入していたところは次々になくなっております。今はネットで作られた話題に飛びつくユーザーが多いのか漫画、自称ワインライターなど話を作る人、そのワインを輸入している業者、そして人の書いたことをそのままコピーして客引きする販売店が三者共同で動いているように思えてなりません。で、今流行はビオディナミーもしくはそれに近いものか、パーカー・Jr.や評価本高得点のワインかのどちらかであります。買い付ける人間は自分で判断能力を持ち合わせていませんから当然のようにこういったワインばかりが輸入されることになります。
さてこの白ワイン、グラスに注いでも全く気泡が発生しません。色はクリアーなグリーン系、香りは桃や柑橘系を感じます。口に含むと刺激的な酸は一切ありません、まろやかであとに心地よい苦みが残ります。食事時には使いやすいワインであると思います。
いろいろな書き込みからあのテレビで大々的に報じられた新屋氏が恩師の名の東京店を辞め岡山の何とイタリアンのシェフとして収まっているとのこと。最低3年は頑張ると豪語していたのは何処の何方であったでしょうか? 元々この人の父親はカビの生えたパンを平気で売る人物。地元の人から敬遠されたのはごく当たり前の話であります。
でこのキュイエールをことのほか取り上げ続けたのは誰だったでしょうか? ものを書くと云うことは常に新しいネタが必要であり、時には話題性ばかり膨らんでしまうことがあります。実力が伴わないのに話題だけで盛り上がってしまう「作られた料理人」がしばしば登場するのはこのためだと考えます。
私が行ったときは生野菜の不揃いなコンカッセが付け合わせとして2皿続き、メインはその辺の黒門で安売りされてる鰺をパン焼きオーヴンで調理、そして黒く焦げたブロッコリーのガルニ等とても優秀な料理人とは思えませんでした。目の前で本人が作るのですからどうしようもありません。作られた料理人は数々います。ゴムホースメーカーの経営者に頭が上がらない神田川、何とかの鉄人と呼ばれる人の中に多いので皆さんご理解頂けるでしょう。

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2006年06月21日

Vin d'Alsace Tokay Pinot Gris Cuv?e des Pr?lats 2004 Domaine Paul Ginglinger

vinsjuin-009.jpgアルザス・ポール・ジャングランジェのトカイ・ピノ・グリ・キュヴェ・デ・プレラ、直訳すると司教のキュヴェでしょうか、今回輸入された一連のジャングランジェの最後のワインです。まずはコルクですが天然で、ミュスカだけが人造コルクでありましたが何か意味があるのでしょうか? グラスに注ぐと気泡は殆ど出ません。色は比較的薄く一連の中では最も黄金色に近い感じ。香りはやっとトロピカルフルーツのそれで柑橘系は感じられません。味わいは私にとってはへヴィ、重たいですね。好みでしょうがこういう甘いワインは食べ物と合わせるのが非常に難しいと思います。ワインは食事と共に楽しむものであり個性的な味を主張するワインよりあくまで脇役に徹するワインを好むのは私だけではないはずです。輸入元の資料によると「平均樹齢30年のトカイ・ピノ・グリ 100 %、土壌は粘土石灰質、栽培面積は1.30 ha、収量は65 hl/ha、生産量は11,000 本、醸造は大樽醗酵 & 熟成5ヶ月」とのことでありますが最も葡萄品種の個性が感じられた一本であると思います。
さてワインとは関係ないお話し、36年ぶりに高校時代の同級生との再会で南のイタリアンを訪問しましたが残念ながらお料理は評価するに至りませんでした。隠れ家的な地下のお店でしたが端っこがひっついたパスタを食べさせられたのは凡そ10年ぶりでありました。客層は所謂同伴出勤前のカップルが大半でお決まりの時間になれば音もなくスッと消えて行かれましたが次に入ってきたのがタバコを手放せない女性を含む数人の集団、慌ててそのそばを去ったのは云うまでもありません。

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2006年06月20日

Vin d'Alsace Pinot Blanc 2004 Domaine Paul Ginglinger

vinsjuin-008.jpgポール・ジャングランジェのアルザスまだありました、ピノ・ブランの2004年です。コルクは天然物でやはり目一杯詰められています。グラスに注ぐと昨日程ではありませんがかなり泡立ちます。泡が落ち着いたところで色は薄い黄緑色、香りは柑橘系です。ここの生産者ですが葡萄品種の違いによる香りの変化はあまり著しいものではありません。メゾン・トリンバックの場合は(今現在はあまり味わっていませんが)もっとハッキリと香りの違いがありその辺はもう少し努力して頂きたいところです。アルザスは品種の違いを明確に表すことが最も重要であります。
ですがこのワイン、ピノ・ブランとしてはかなり辛口に仕上げてあり個人的には好みであります。口に含むと綺麗な酸を感じアフターにほろ苦さが残りますがこれはアスペルジュ・ブランシュとの相性が良さそうです。そうそうワイン大学のメンバーSさんご夫妻がわざわざビストロ・プルミエまでお越しになりこの白アスパラを堪能されたようです。ディナー・タイムの利用はあまりありませんがこの白アスパラの季節に一度集まりを試みたいと思います。

昨日のアリゴテですが予想に反してバランスは崩れませんでした。私はあれほど強い炭酸含有率のワインを今まで経験したことがありませんでしたが一日置いてバキュヴァンかけるとまだ泡立ちがありました。で、味わってみるとキリッとしていて酸もしっかりあるのです。いやいや失礼申し上げました、ブーズロン・ドメーヌ・シャンジーの2004年なかなかしっかりとしていてお薦めであります。

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2006年06月19日

Bouzeron Clos de la Fortune 2004 Domaine Chanzy

vinsjuin-007.jpg土曜日唯一美味しかった白ワインはヴィレーヌ氏の造るアリゴテだったので久し振りに開けたのがこのワインです。ブルゴーニュ・アリゴテについては以前にも申し上げましたがこのシャニーの外れ、ブーズロン地区のモノが最上であると考えます。コート・ドールでアリゴテはありますがそれはシャルドネに向かない土地のため仕方なしに植えられていると私は思います。コート・ドールで美味しいアリゴテがあると仰る方、その銘柄とミレジムをご教示願いたいと思います。あとアリゴテに向いていると思われる地域はシャブリの近所位ではないでしょうか? とにもかくにもブーズロンがアペラシオンを獲得したのもその美味しさ故であると私は思うのであります。昔はブルゴーニュ・アリゴテ・ブーズロンの名前でしたが、やはり同じアリゴテながらこの地名が付加されていたことには訳があったのだと思います。さてこのワイン、ドメーヌのHPを開くと堂々と通信販売しています。これは輸入する業者にとってはあまり歓迎すべきではないでしょうね、もろに原価というか向こうでの販売価格が露呈されているのですから小売店から突っ込まれる可能性があります。6.85ユーロで直売と云うとFOBの蔵出し価格は4.45~4.80ユーロといったところでしょう。ワールドワイドで公開されている訳ですから輸入の商売も辛いところです。

コルクは天然のモノで質はごく普通、液面から2㎜しか隙間はありませんのでこれから噴きこぼれる可能性大です。グラスに注ぐと凄い泡でワインの色がなかなか落ち着きません。最近お気に入りの蜜柑の新蜜に似た薄い黄緑色を呈しています。香りはかなり強烈でシャルドネとは異質なアリゴテのアロマが生き生きとしています。口に含むとピリピリと舌先を刺激しますがこれは間違いなく炭酸であります。
これだけ炭酸が入っていればさらに噴きこぼれる可能性大で、このワインを扱うには低温輸送が必要です。炭酸で味のバランスを取っているのでこれが抜けると恐らく甘ったるく感じるでしょうね。いくら評価本で褒められても私は褒めることができません。バキュヴァンかけると何分間も泡立ちが続きます。バキュヴァンはワインを保存するだけではありません、中に溶け込んでいるモノを除去して正体を見破ることができます。
しかしながら今こういう作業をしないまま飲むとかなり美味しく感じます。ただ私が申し上げたいのは何かが足りないとき足せば良いという考え方は間違っていると思うのです。醸造技術が進んだ今、酸が足りない2003年などかなりの度合いで補酸されます。こうして人工的に本来のワインからかけ離れたワインに仕上げられるのには不賛成であります。

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2006年06月15日

Chateau Citran 1997 AC Haut-M?doc Cru Bourgeois

vinsjuin-005.jpg久し振りのシトラン、以前にも取り上げたかも知れませんが恐らく1年以上前だと思いますのでお許し下さい。1997年のボルドーは総じて早熟というか悪い言い方をすると「立ち枯れ」のようなワインになってしまいますね。私は早く飲んでしまった方が良さそうに思いますが・・・。さてこのワイン、ブションは至って健康的、ワインと接触していた部分だけがそれなりに色付き横漏れは全くありません。開けると同時に熟したボルドー特有の香りがテーブルの上を漂います。グラスに注ぐとやや濁った暗赤色、レッグは大変長く香りは馥郁たると云う表現が適当なのかは分かりませんが良い感じには間違いありません。口に含むとややざらつきがあり、喉越しのあとには茎をしがんだときのあの渋みというか苦みが残ってしまいます。葡萄の果実味は感じられるのですがやはり1997年全体に思えるのが不健康な年、細かい澱が騒ぎ結果としては「まあこんなもの」程度でしょうか。しかし最後まで飲み終えることができたので悪くはないと表現しておきましょうか。6ユーロ程の現地価格ですので価格的にはお買い得と言えるでしょう。

さてこのシャトーですが1987年に購入して大改革を行ったのは何と大阪出身の井谷助二郎という人物です。東高ハウスという会社の社長ですがバブルの時は勢いがあったのでしょうね。1996年にタイヤングループに売るまでかなりこのシャトーに投資したはずです。

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2006年06月14日

Sancerre Lachaume 2005 Domaine Michel Thomas & Fils

期待していた2005年のワインがボチボチ登場してきました。まずはドメーヌ・ミシェル・トマスのサンセール・ブランです。畑の名前でしょうか Lachaume とラベルに記載がありますが、調べてみると2004年は La Chaume となっています。これはよくあることであまり気にしない方が良さそうです。輸入元の資料によると「平均樹齢 25 年のソーヴィニヨン・ブラン 100 %、土壌はシレックス、玉砂利、粘土石灰質、栽培面積は17 ha、収量は45 hl/ha、平均年間生産量は80,000 本、醗酵・熟成 : 基本的に全て収穫は手作業、収穫量は厳選。栽培は化学肥料や農薬の使用を極力抑えるリュット・レゾネを採用。低温ステンレスタンク醗酵後、澱と共に熟成。必要に応じて軽くフィルタリング。シャプタリザシオンなし。サンセールから4キロほどの小さな町、シュリー・アン・ヴォー所在。代々この土地では『クロタン』というチーズの生産が盛んで、ワイン造りは農業の一環として存在していただけでした。1945年、32歳だったミッシェルの父が本格的にワイナリー事業を開始。現当主ミッシェルが1970年に家業を引き継いだ」とのことであります。

vinsjuin-004.jpg補足するとチーズはクロタン・ド・シャヴィニョールというAOC取得のものです。天然コルクは太い目でしっかりした物を使用、グラスに注ぐと若干泡立ちますがすぐ消えます。色は青っぽい黄色でかなり薄い目、香りは当にグレープフルーツ! 口に含むと実に綺麗な酸、鼻に抜ける柑橘系の香り、後味のキリッと引き締まる感じに残る僅かな苦み、舌に残る甘さは全くありませんし、残留亜硫酸も殆ど感じません。これぞほんまもんのサンセールであります。これならクロタン・ド・シャヴィニョールのフレッシュなものとよく合います。2500円でアペラシオン・サンセールの正統派を知ることができますのでお試し頂きたいと思います。
甘いサンセールや樽に入れたサンセールなど私は全く評価に値しないと思います。

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2006年06月13日

Vin d'Alsace Gewurztraminer Cuv?e Wahlenbourg 2004 Domaine Paul Ginglanger

ポール・ジャングランジェのワインが続き画像が代わり映えしないことお許し下さい。これはゲヴュルツトラミネール、キュヴェ・ヴァーレンブールというワインです。まずはコルクですが天然のそれでミュスカのみ違うのはどういう理由があるのでしょうか? グラスに注ぐとかなり泡立ちますが今までのワインと違いかなり濃い緑がかった黄金色を呈しています。香りはパイナップル、ライチー、パッションフルーツと表現したらよいのでしょうか、かなり甘い熟したフルーツを感じます。口に含むと舌先に感じるピリピリは炭酸、それもかなりハイレベル。まさか瓶内2次醗酵? と思わせる程ですが次の瞬間は「あっまー」であります。私は極めて辛口好み故、この甘さは残念ながら受け入れ難いのであります。

vinsjuin-003.jpg輸入元の資料によると「平均樹齢 30年のゲヴュルツトラミネール 100 %、土壌は粘土石灰質、栽培面積は1.10 ha、収量は60 hl/ha、生産量は9,000 本、醸造は大樽醗酵 & 熟成8ヶ月」とのことで輸入元の分類上は辛口ワインとなっています。しかしこの甘さでは辛口に分類するのはハッキリ申し上げてご遠慮願いたい。エスニック料理によく合うと云われていますが、私は唐辛子の辛味には全く弱いので食べに行くこともありませんし自分でも作りません。
話は変わりますが七味唐辛子は原了郭のもの、一味もここのものを使っていますが使う量はごく僅か、一味の細かさは一度お試し下さい。

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2006年06月11日

Cr?mant d'Alsace Prestige Brut Domaine Paul Ginglinger

先日のクードポールの会で好評だった泡、自宅で検証してみました。まずは開栓、かなりの圧力を掌に感じますが爆発は免れました。フルートに注ぐとやはり15㎜程の泡の層を形成して、そんなに簡単には消えて無くなりません。勿論グラスの底からも止めどなく細かい泡が立ち上り活きの良さを証明しています。香りは酵母系と云うより私にはやはり柑橘系のそれを感じてしまいます。

vinsjuin000.jpg葡萄品種はピノ・ブラン80%、ピノ・オークセロワ20%とのことです。ちなみに赤本によると認められている品種は次の通りです。リースリング、ピノ・ブラン、ピノ・ノワール、ピノ・グリ、オークセロワそしてシャルドネとなっていますが最後の品種が含まれているのは私自身知りませんでした。たまには赤本開いてみなければなりません。法律が公布されたのは1976年4月24日ですので比較的新しいアペラシオンと云うことです。味わいは辛口でスッキリ爽やか系でいかにも夏向き、ドサージュは殆ど感じません。シャンパーニュ方式で造られるためコストがかかるのでしょう、若干価格が高いのが欠点ではないでしょうか? ところでこの生産者の名前ですがネットを見ると随分いい加減に日本語表現されてますね、正しくは「ポール・ジャングランジェ」と表記発音して頂きたいと思います。現在に至ってもトリンバックをトランバッハと発音されている有名ソムリエ氏、「ジョスメイヤー」が現地で通用すると思っているのでしょうか?

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2006年06月09日

Vin d'Alsace Riesling 2004 Domaine Paul Ginglinger

昨日のワイン会でちょっとセメダインのような匂いを感じたので改めて開けることになりました。先ず私はキャップシールは切らずにスポーンと取り除いてしまいます。するとこのワイン目一杯入っていてコルクとの隙間は殆どありません。こんなにツメツメに入れると間違いなく噴いてしまいますので輸送には気を付けなければなりません。輸入元の資料から「 リースリング 100 %で平均樹齢は30 年、土壌は粘土石灰質、栽培面積は僅か1.70 ha、収量は65 hl/ha、生産量は7,000 本、醸造は大樽醗酵 & 熟成8ヶ月」とのことです。

dailywine-011.jpg先日のリースリング・ドレイ・エクサと比べると色はやや薄い目、グラスに注ぐとかなり泡立ちます。で、バキュヴァンすると瓶底からボコボコと大きな泡が立ちのぼります。これは明らかに炭酸ガスでしょう。ワイン会の時に感じたセメダインの匂いはありません。柑橘系の香りがそれもかなり強いのですが、口に含んでから液体を喉に流し込み鼻に抜ける香りは少し荒っぽく感じます。このあたりがトリンバックのフレデリック・エミールとは違いまだまだ洗練されていません。

dailywine-010.jpgご覧の通りコルクと液面の隙間は殆どありません。これからの気温上昇に伴い漏れが心配であります。輸出慣れしていないところはブルゴーニュもそうですがこのように目一杯詰めます。このアルザスも早くスクリュー・キャップにして頂きたいと願います。さて味わいですが炭酸が抜けてからもう一度コメントしたいと思います。今のところポール・ジャングランジェのリースリング、私の好みからするとドレイ・エクサの方がベターと言ったところでしょうか。ですけど残糖分ゼロという極めつけの辛口、私には有り難い存在です。少し買い込んで何年か置いてみたいと考えます。辛口のアルザス愛好家には是非一度飲んで頂きたい両者であります。

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2006年06月07日

Vin d'Alsace Riesling Cuv?e Drei Exa 2004 Domaine Paul Ginglinger

アルザスの衰退という表現をしたことがありましたが、期待の新星が現れたようです。ポール・ジャングランジェという生産者、ラベルをよく見ると Les Chateaux des Comtes d'Eguisheim の表示があります。輸入元の資料によると
「エギスハイム」の地にワイナリーを構える「ポール・ジャングランジェ」は、『アイシュベルグ』と『プフェシベルグ』のグラン・クリュを所有 し、15世紀からのワイン造りの歴史を持つ、由緒ある造り手。

dailywine-005.jpg現当主のミッシェルは13代目にあたります。ランス大学醸造科在籍時は、シャンパーニュ・メゾン「ランソン」社でスパークリング・ワインの技術を習得、商業科のマスターを取得するためのディジョン大学在籍時には、「アルマン・ルソー」にて、ピノ・ノワールの醸造を習得しました。探究心旺盛な彼はその後、南アフリカ、チリへも赴き、計3つのワイナリーで醸造責任者まで登りつめました。そして2000年、アルザスへ戻りポール・ジャングランジェを引き継ぎ現在に至ります。
日本における知名度はまだそれほどではありませんが、地元フランスでは上記2つの グラン・クリュの最新ヴィンテージが『レヴュー・デュ・ヴァン・ド・フランス』誌他で居並ぶビッグ・ネームと肩を並べ最高評価を獲得 するなど、近年グングンと頭角を現してきています。
また、“体質的に” 化学薬品などを受けつけないというミッシェルが手がけるワインには、亜硫酸の使用もミニマムに抑えられており、その造りは「自然派」と呼んでもいい ほど。しかし、彼は決して「自然派」という言葉を使いません。「本当にピュアでナチュラルなら、飲んだらわかるだろ?それでいいんだよ、僕は。」 そう彼は言います。
とのことであります。私の資料からこの生産者のグラン・クリュにはゲヴュルツトラミネールが50%、リースリングが30%、ミュスカ5%、トカイ・ピノグリが15%の割合で植えられ、リースリングよりゲヴュルツトラミネールの方が得意であろうと思っていたので敢えて近付かなかったのです。ワインは食事と共に楽しむものでありあまり強すぎる香りはどうしても食事の邪魔になりそうな気がするのでこの品種はどちらかというと避けて参りました。
で、このリースリングですが葡萄品種独特の甘い香りより柑橘系の香り、特にグレープフルーツを思わせるような香りであります。色はかなり青みがかっていて私好みのもの。味は「極めてドライ」とまでは申し上げられないもののトリンバックの全盛期を思い出させてくれます。
アルザスに限ってかも知れませんが冷やせば冷やす程香りが際立ちます。これはトリンバックのクロ・サン・チューンにも同じことが云えるので間違いないと思います。今まではアルザスというとコルマールから北のワイナリーばかり飲んできましたがこの生産者は南側です。
バルムス・ビューシェールだけに期待してたのですが思わぬところで大発見と云うことになりそうです。

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2006年06月06日

Costi?res de N?mes Domaine de Virgile 2004 Compagnie Rhodanienne

分類上はラングドック・ルーションになりますが地域的にはどう考えてもローヌのワインでしょうね。ボトルはこのアペラシオンのレリーフ入り、ラベルの読み方は少し難解かも知れません。左上に貼ってあるのは Foire aux d'Orange の2005年金賞シールであります。輸入する際こんなシールは必要ありません、生産者はこのシールを買わなければならないからでコスト削減のため不必要であると考えます。

dailywine-004.jpgラベルを読むとヴィンテージを除き「ドメーヌ・ド・ヴィルジル、原産地統制呼称法に於けるコスティエール・ド・ニームのワイン、Gallician でセルジュとティエリー・パレットが葡萄栽培して、ワインをボトル詰めするのはカスティヨン・デュ・ガールにあるラ・コンパニー・ロダニエンヌという会社」と云うことになります。葡萄品種はグルナッシュ60%、シラー30%、サンソー10%とのことです。コスティエール・ド・ニームというとシャンタル・コントおばさんの甘いワインを思い出してしまいますが、このロゼはかなりしっかりした辛口に仕上げられています。
最後のハネシタで引き続きしゃぶしゃぶにしましたが、肉の甘さがブルゴーニュにマッチしたのでしょうがこの辛口ロゼには相反してしまいます。しゃぶしゃぶにはブルゴーニュの甘みがある赤。もっとも私はゴマだれ派ではありません。あくまで柑橘系のポン酢で食べる場合に限り申し上げます。

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2006年06月05日

Pinot Noir 2001 Collection Reservee A mon pere Vin de Pays de Franche-Comte

dailywine-0003.jpgしゃぶしゃぶにピノ・ノワールの第2弾は私にはとっておきのヴァン・ド・ペイ、ヴィニョーブル・ギュヨームのコレクション・レゼルヴェです。この生産者が有名所の苗木を造っているかどうかは別問題として、ワインのレベルは大変高いと思います。蝋封されたコルクはしっかりしていますが液面から1/3程湿っているためどうやらドライコンテナーで運ばれたようです。この輸入元はリーファー・コンテナー使用と裏ラベルに記載していますがかなり怪しいです。
まずコルクを抜いたらすぐ香りが迸るように広がります。艶めかしいあの香りですが昨日のプリューレ・ロックのそれとはかなり異質で私にはむしろ健康的に思えます。色は深紅と表現したらよいのでしょうか、大変綺麗な輝きを持ちレッグもとても長いのです。味わいはリッチですが妖艶、半生のハネシタとポン酢(柑橘系だけで酢は使っていないもの)に狂おしく合います。
なおこのハネシタ刺身で食べることのできる鮮度は実に5日以上保ちます。魚の刺身より随分日持ちするのは不思議であります。もっとも牛肉と云うもの、例えばブロックで真空引きされたものなどかなりの期間熟成に回されます。鮮度が命と思っている人、牛肉の世界は当て嵌まりません。
さてこのワイン、高級ブルゴーニュワインのようでただのヴァン・ド・ペイなのです。もっとも価格は年々高くなってきたようですがそれでも25ユーロ程のもの。人それぞれ価値観が違いますが、ブルゴーニュワイン1本に100ユーロ支払う感覚を私は持ち合わせていません。買わなければ相場は必ず下がります。常識ある価格帯に戻す必要性を強く感じる昨今であります。
ヴィニョーブル・ギュヨームだけではないはずです、優れた生産者は必ずどこかでコッソリ良いワインを造っているのではないでしょうか? 血眼になってコート・ドールを探すより他の生産地を回ることに重点を置くべきでしょう。

ブルゴーニュのワイン全体が高くなった原因の一つに日本人介在の事実を見逃すことは出来ません。Sという人物(今は親子で利益を吸い上げているようですが)の仲介手数料は莫大な額に上るものと想像されます。彼に頼っていたブルゴーニュワイン輸入元のLは大手のTに買収される羽目に陥りました。他にも最近というか近年看板を下ろした輸入業者もこの日本人を使っていたはずです。
元々ドメーヌのワインを輸入する商売など儲かるはずがありません。ドメーヌからは生産する全てのワインを買うように迫られます。それも毎年毎年、悪い出来の年は誰も買いたくないはずですが相手は農家なので買わないと他所に売ると宣います。S氏はブルゴーニュでは誰もが欲しがるルフレイヴやローヌの大成金、マルセル・ギガルなどを押さえていたため大量のワインをLに売り、かなりの手数料を稼いだと想像されます。本来ネゴシアンワイン中心だったのがドメーヌ元詰めに目が向けられるようになって、いち早く一流ドメーヌに近付いていったのはS氏であり結果として一財産を築くことにはなったのですが皮肉にも相手が次々倒産に追い込まれる事態となったのが事実であります。
輸入する方は大変なリスクを背負いますが、ブローカー的存在のS氏の場合手数料稼ぎだけですので何のリスクも背負いません。それも毎年毎年、確実に売り上げが上がったのですから笑いが止まらなかったことでしょうね。またLが買わなくても新興のIやネット販売のいろいろな輸入商社が次から次へと現れます。要するに売り先に困ることはないのであります。取引金額が増えるとパーセントを下げるのが一般的なブローカーですが彼の場合そんなサービスは一切無いと聞きます。フランスワインの流通に思わぬところで日本人長者誕生というのが実情のようです。

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2006年06月04日

Nuits-Saint-Georges 1'er Cru 2000 Domaine Prieur? Roch

ブリューレ・ロックというドメーヌのワインですがこの生産者を大きく取り上げているのは日本だけではないでしょうか? 例えば Le Guide Hachette des Vins や Classement des Meilleurs Vins de France などの所謂ワインの評価本にはかつて登場したことはないはずです。実際フランスにおいてはマスコミの評判はすこぶる悪く取り上げることすらお断りであると聞いております。

dailywine-0001.jpgどうしてこの生産者を日本が大きく取り上げるかというとやはりロマネ・コンティ崇拝主義のおかげではないでしょうか? マダム・ビーズ・ルロワのことをブルゴーニュの偉大な生産者と崇め祀るのも日本人に多く見られます。私は元DRCの共同経営者であったこのご婦人が如何にして経営からおろされたかと云うことをもっと知って頂きたいと思います。80年代よりも70年代からお話ししますと1977年のロマネ・コンティはいくらだったか殆どの人は知らないはずです。正規輸入元は高島屋でデパートでの販売定価は ¥70,000 であったのです。このころ正規輸入の一連のワイン結構数を飲みましたが傑出していたのはロマネ・コンティだけでエシェゾーやグラン・ゼシェゾー等は実にバランス悪く決して美味しいワインとは思いませんでした。
話は逸れましたがビーズ・ルロワ女史が外されたのは彼女が所謂グレイ・マーケットにドメーヌのワインを大量に売っていたからである筈です。1983年のロマネ・コンティのリリース価格はシカゴ・ワインカンパニーでたったの200ドルにまで下がってしまいました。恐らくこの1986年あたりがもっとも多くのフェイク・ワインが世の中に出回りだしたに違いありません。もともと昔から贋作の多いDRCのワイン。何故みんなが欲しがるのか私には不思議であります。
さてこのプリューレ・ロックのニュイ・サン・ジョルジュのプルミエはクロ・デ・コルヴェの樹齢の若い葡萄だけで造られたものと云うことです。他に畑は所有していないから当然と言えば当然でしょう。ワインは濁っており独特の艶めかしい香りがDRCを彷彿させますが同時にやや落ちた酸が少し気になります。もう峠を過ぎているように私は感じてしまいます。
先日のハネシタ、刺身よりしゃぶしゃぶにしたら甘いと指摘されクソ熱いにも拘わらず鍋を出してきました。豆腐と湯葉、はくさい菜と椎茸、ガラスープで鍋にしてポン酢でハネシタのシャブ。肉の甘さとワインの艶めかしさが思った以上によく合います。

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2006年05月31日

Vouvray P?tillant Brut NV Domaine Vigneau-Chevreau

モルドヴァは一休みしてロワールの泡にします。ヴーヴレのペティヤンで造り手はこの地でヴィオディナミを実践するヴィニョー・シュヴローであります。輸入元の資料によると「ドメーヌは1875年から5世代にわたりシャンセィという地で小さなワイナリーを経営する「ヴィニョー」家。常に高品質を求め試行錯誤してきた結果、1995年よりビオディ ナミを採用」とのことですので10年以上の実践であります。データを拝見すると「ブドウ品種はシュナン・ブラン 100 %で、その平均樹齢 は30 年、土壌は粘土質、ケイ土、栽培面積は5 haで収量は50 hl/ha、醗酵はステンレス・タンクで行い、シャンパーニュ方式で造られます。平均年間生産量は30,000 本、ガス圧はペティヤンながら3.98 気圧」とのことであります。

vin-Vouvray.jpgまずシャンパーニュ並みのガス圧で開栓には注意が必要です。泡立ちはきめ細かく色は青みがかった薄い目のイエローでしょうか。香りは例の麦藁ストローではなく柑橘系のものでシュナン臭くはありません。味わいはキリッと締まった辛口で下手なシャンパーニュよりスッキリしていて私の好みであります。
一般のワインは本来葡萄に含まれる糖分を酵母によりアルコールにする訳で全部がアルコールになるなら全く甘くないのが普通であります。然るに殆どのワインには甘さがあります。辛口好みに至るまでは私も味の濃さを求めていた時期があります。1980年代初めはそんな頃でした。ものの味が本当に判るのはやはり40代になってからでしょうね。世の中のことが分かってきて、また人生経験を積むにつれて味のベースができるように思います。本物の味とそう見せかけるテクニックも分かってしまいます。
私のフランス料理の師匠は上柿元勝氏であります。神戸ポートピアホテルにおられたときに師のお料理を随分沢山食べさせて頂きました。世の中料理人は山程存在しますが天才的料理人はそう多くおりません。美味しい料理の原点は上柿元氏の料理であり私の基本とするところです。そののちヨーロッパ各国を回りミシュランの★付きレストランをいろいろ体験しましたがやはり料理そのもので上柿元氏のそれを上回るものには殆ど出会ったことがありません。★付きレストランで印象に残る物はやはりトリュフの質とクリームやブールそしてチーズでしょうか、デセールも素晴らしいものがありましたが・・・・・。美味しい物、上には上があります。ワインもそうですが有名なワインが必ずしも旨いとは限りません。ワインは次々と新しいものが生まれ出てきます。最近ではド・ヴァランドローが良い例でしょう。前にも申し上げたようにサンテミリオンでどんなに高く付いたところで原価は10ユーロ程度ですからそれをいきなり20万円で買ってくれるようになったので驚いたのは生産者その人でありました。

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2006年05月26日

Vin d'Alsace Gewurztraminer 2004 Domaine Dirler-Cad?

実に久し振りのディルレールのアルザスです。ごく普通のゲヴュルツトラミネールなのですが・・・まずコルクの長さは45ミリで少し短め質的には問題なしの天然コルクです。色は青みがかったイエローなのですがかなり薄い目、グラスに注ぐと結構濃度が高いようです。残留亜硫酸は全く感じません。香りは今の時期だけフレッシュなものが出回っているライチーの感じが良く出ています。

vindujour-061.jpgですが口に含むとガーン!「あっまー!」何なのでしょう、この甘さは。アルザスのワインが1980年代からそれまで辛口で通してきたところさえ甘くなってきました。この傾向を私は「アルザスの衰退」と勝手に呼んでいるのですが本来辛口の筈のアルザスが一体どうしてこんなことになったのでしょうか? そこで日本へ登場してきたのがオーストリアの辛口だったのでしょう。
ブルゴーニュのグラン・クリュの白ワイン、例えば Corton-Charlemagne 昔は今のようなスタイルではありませんでした。唯一辛口を守り続けているのは意外にもシャンボール・ミュズィニー村の生産者なのですが・・・。濃縮果汁に補糖、さらに新樽での長期の熟成などアペラシオン本来の味からはほど遠いワインが「凄いワイン」と評価され、まともなワインの存在が危ぶまれている現状を憂うのは私だけでしょうか?

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2006年05月24日

Champagne Beaumont des Cray?re Grande R?serve Brut NV

シャンパーニュが好きで年中飲んでおります。食事の始まる前メニューやワインリストを見ながら飲むのはやはりシャンパーニュ。ワイン大学定例会でもまず始めにシャンパーニュで乾杯するのが通例です。時折ヴァン・ムスーやペティヤンのときもありますが・・・。

vindujour-055.jpgで、ついでに申し上げるとデゴルジュマンのときに添加される「門出のリキュール」の少ないものが好みです。第2次醗酵に時間をかけるものは大概このリキュール添加は少なく、逆に短いものにこのリキュール添加が多いと云うのが現状です。リキュール添加が多いものは一口飲むと「味が濃い!」と感じますが、半分も飲まないうちに飽きてしまいます。1980年代のドンペリがこのタイプ。逆に少ないものは大概が辛口で慣れない人は「酸っぱい!」と引いてしまわれます。しかし食事のときに口の中をリフレッシュさせてくれるのはこのタイプであり慣れるとインパクトの強いシャンパーニュを敬遠するようになります。ワインは食事と共に楽しむものでワインだけ飲まれる方にはなかなかご理解頂けませんが・・・。で、このシャンパーニュは先日の金ラベルより少しお安いスタンダード・ブリュットで何とピノ・ムーニエが60%も占め25%がシャルドネ、ピノ・ノワールは15%という構成です。色は淡いピンク色というと語弊があるかも知れませんがゴールドにうっすら赤みがかかっているような全体的には薄い色です。グラン・レゼルヴより薄い色ですが泡の粒は明らかにこちらの方が小さいです。香りは結構複雑で私には柑橘系の香りとベリー系のそれを感じます。味わいは極めてドライ、安くて美味しいお薦め品であります。
vindujour-057.jpgこのボトルではエチケットの右下ではなく右上に印字がありました。このあたりはフランス人のやることで随分アバウトであります。と云うことはラベルの裏に印字されることもあるのでしょうか? 折角デゴルジュマンの年月日を記すなら位置を定めて欲しいと思います。このボトルは2005年6月15日のデゴルジュマンであります。定温セラーに保管してあったため劣化は感じませんでしたが日本国内ではデゴルジュマンから2年以内に飲んでしまいたいと思いますが・・・。

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2006年05月22日

Bourgogne Hautes C?tes de Nuits Blanc 2004 Domaine Gros Fr?res et Soeur

評価本では2003年のボルドーまたブルゴーニュに高い得点が付いているようですが私は殆ど買うことはありません。物を売ろうと思えば例え悪い年であっても「今年の葡萄の出来は21世紀始まって以来最高の」とかの形容詞を平気でお付けになります。毎年ボージョレ・プリムールがテレビでどう報道されるか思い出して頂ければご理解頂けると思いますが如何でしょうか? さて何故買わないかと申しますとブルゴーニュワイン生産者の多くが補酸しているからです。補糖も好きではありませんがより好ましくないのはこの行為であります。ワインというモノ甘酸のバランスが取れてこそ美味しく感じる訳で本来辛口のワインが甘くては売り物になりませんし、INAOの検査にも合格しません。生産者は分かっていても正直に現状を暴露する者は誰一人おりません。毎年日照が少ない地域にとっては最良の年となったかも知れませんが、中心部コート・ドールで凄いワインが生まれたとは思いません。

vindujour-054.jpgブルゴーニュだけではありません。ロワールも大変バランスが悪いと思いますしボルドーにも期待は持てません。旱の年と云われたヴィンテージに傑出したワインが少ないのは歴史を調べればお分かり頂けると思います。
2003年のワインに見切りを付けた連中は2004年は飛ばして2005年を煽ろうとする動きがあります。これは最近のウェブニュースをご覧になるとお分かり頂けるはずです。評論家という方々は有名になってくるとやたらスポンサーがすり寄ってきます。どんな評論家もお金には滅法弱いもので、悪く書くことは余りなくなります。
さてこのワイン、ベルナール・グロの造る白ワインですが毎年毎年だんだんと上手になってきました。リリース当初は樽だけが強調されたバランス悪いモノでしたが最近は上品に仕上がるようになりました。
ところでヴィンテージのお話し1988年。この年はボルドーでは久し振りにプティ・ヴェルドが豊作だった年ということ、イタリア各地もよい葡萄が採れたとのことでビッグヴィンテージと騒がれましたが、ブルゴーニュに於いては最悪の年と云うことを申し上げてきました。ピノ・ノワールはまるでデラウエアのような色にしかならず、完熟とはほど遠い出来だったのに田崎氏などはこの年を絶賛、評論家諸氏も悪い話は見かけませんでした。
丁度収穫期にブルゴーニュに滞在しておりましたがストーブを点けないと寒くて仕方ありませんでした。翌年翌々年と何度かこの地を訪れましたがテイスティングしたらやっぱり最悪の状態。この頃醸造に関して機械的処理を全くしていなかったのがドメーヌ・トロ・ボー。ドメーヌのナタリーとは既に親しくなっていたのでいろいろテイスティングしましたが明らかに薄くて89年とは比べものになりません。むしろ1987年の方が良かったと記憶しております。
ですから私はブルゴーニュの1988年というヴィンテージのワイン、一切買いませんでした。各地を訪れあるいは長期にわたり滞在している日本人達にお願いしたいのは事実をありのまま伝えて頂きたいと云うことです。ドメーヌやネゴシアンののスポークスマンに成り下がってはいけません。

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2006年05月21日

Champagne Beaumont des Cray?re Grand Prestige Brut NV

シャンパーニュが大の好物で趣味が昂じて何度もランスやエペルネまたアイ・シャンパーニュやアヴィズさらにはメニル・シュル・オジェールにまでも足を運んだものです。ボランジェには3度訪問しましたが他にはテタンジェ、クリュッグ、アルフレッド・グラシェン、ローラン・ペリエ、ジャック・セロス、ブルーノ・パイヤール等々数えたらきりがありません。私がサロンを(恐らく)初めて日本に紹介したのは確か1986年のことです。

vindujour-052.jpgシャンパーニュには人それぞれいろんな楽しみ方がありますがボランジェのアルヌー・ドートフォイユ専務から学んだのは「シャンパーニュの熟成は澱と同居している限り続くが、デゴルジュマンと共にその熟成は終了する」と云うことであります。即ちデゴルジュマンすればなるべく早く飲んだ方が良いという説を私は採っております。しかし英国に多いそうですが「シャンパーニュは瓶詰めされてから熟成する」という説を採る人が多くボランジェの専務は「困ったものだ」と仰ってました。「ボランジェには二つのシャンパーニュしかない、一つは我が社の手塩にかけたヴィンテージ物、もう一つはNVのスペシャル・キュヴェ、あとは頼まれて造ったピノ」と云う言葉も忘れてはいけません。グランダネ、RD、アネ・ラールRDなど元は同じものです。
あの高いモノはビジネス用シャンパーニュと云うことです。
その畑とはボランジェ本社のすぐ前にある一角とブーズィーにあるそうですが造っている本人曰く「高いだけが取り柄」とのつれない返事でした。
vindujour-050.jpgさてこのシャンパーニュ、スタンダード品よりワンランク上の物ですがシャルドネとピノ・ノワールがそれぞれ40%ピノ・ムーニエが20%という割合で造られ色は結構濃いゴールド、香りは熟成香が感じられますがひねてはおりません。泡は細かく味わいは濃いめ、従ってローストしたイチボなど肉料理によく合います。
でラベルの右下をよく見るとデゴルジュマンの年月日が記されています。これは2005年11月17日であることが読み取れます。ワインのボトルの何処かにいろいろな情報が記載されてあるのです。ペトリュスもそうですが出荷先や出荷の時期輸出であるならばどこの国へ出荷したかなどごくごく小さな文字やあるいはドットで記されているのです。シャンパーニュの楽しみ方については諸説いろいろあってどう飲まれても一向に構わないと思いますが、デゴルジュマンの日付は記載すべきだと考えます。

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2006年05月19日

Vouvray Sec 2001 Domaine Georges Brunet

ロワールの白ワイン、ヴーヴレ・セックの2001年ヴィンテージです。作り手はドメーヌ・ジョルジュ・ブリュネでラベルの下の方に収穫は手作業で行ったことが書いてあります。この vendang? ? la main はとても重要なことであります。ロワールは全般的に広大な葡萄畑が多く、法律に規制がない地域では所謂ロボットで摘み取っても良いことになっています。

vindujour-042.jpg手摘みの良さはまず健全な葡萄だけ摘む、次に虫やカタツムリなどを取り除くことができるというメリットがあります。安物ワインによくある雑味と云うモノの由来、考えたら気持ち悪いですよね。Vouvray のアペラシオン、公布されたのは1936年12月8日で結構古い原産地であり泡のムスーと同じくペティヤン、スティルワインは辛口から思い切り甘いモノまでその種類は実に様々。葡萄品種は実は2種類認められています。勿論主な物はシュナンなのですがこういった記載があります。gros pineau ou pineau de la Loire ou chenin et petit pineau ou menu pineau 日本語に直すとグロ・ピノーまたはピノー・ド・ラ・ロワールまたはシュナンそしてプティ・ピノーまたはムニュ・ピノーということになります。ですが後者に関しては実物を見たことはありません。このドメーヌのHPにもその記載はありません。
さてこのワイン、グラスに注ぐとかなり濃厚な液体であることが分かります。色は濃い黄緑色から黄金色と云ったところでしょうか、香りは強烈な麦藁ストローに煮詰めた洋梨のような感じであり味わいは濃縮果汁で造られたようであります。ドメーヌのHPを見ると20年保つとの記載がありますが頷けると思います。こんな濃いワインはやはり熟成させる必要があると思います。とにかく香りが強烈味も濃厚、飲み疲れるワインとしか申し上げることができません。

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2006年05月18日

Le Haut-M?doc de Giscours 1996 のコルク

vindujour-040.jpg昨日のワインのブションですが、ご覧の通り今日になっても紫色を呈しています。ワインの色は煉瓦色とは申しませんがグラスに注いだときのエッジはオレンジ色を帯びていて、どう表現しても赤紫色とも申し上げにくい茶色を帯びた赤色でありました。先日のグリュオー・ラローズといいこのワインといいコルクに付着したのは明らかに紫色。然るにボトルの中身はどちらかというと茶色系赤色。どう考えても不自然であります。10年も経てばコルクに付着した色は黒く変化しているはずであります。またジスクールという文字は含まれるもののジスクールとはほど遠い畑の筈ですから1996年というヴィンテージから考えるともっと早くに売り切っている可能性が高いのではないでしょうか?

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2006年05月17日

Le Haut-M?doc de Giscours 1996 AC Haut-M?doc

漫画で絶賛されているとか云われているワインのヴィンテージ違いですがジスクールのHPをご覧頂くとこのシャトー、実に多くの関連商品を造っています。まずは本体のジスクール、そのセカンド的存在のラ・シレーヌ・ド・ジスクールとここまではマルゴー・アペラシオン。でオー・メドックでは Ch.Duthil と Ch.La Heurigue さらに Ch.Rose La Biche そしてこのル・オー・メドック・ド・ジスクールと4つものワインを生産しています。で、よくこのHPをご覧頂けると分かるのですが樽熟成しているとか醸造をジスクールで行っているとかの記述があるものと無いものがあります。

vindujour-037.jpgこのワインは瓶詰めはジスクールで行っているとボトルのラベルに記載がありますが醸造に関するものあるいは樽熟成については何ら記載がありません。そもそも本体のシャトーの葡萄畑が80ヘクタール余りであり、このル・オーメドック・ド・ジスクールが40ヘクタールもあるというのですからシャトーの名前を最大限利用していると云われても仕方ないでしょうね。ちなみに他の関連ワインはラ・シレーヌを除いて今まで聞いたことも見たこともありません。40ヘクタールという広大な畑があれば年間230,000本程生産できる訳ですからビッグビジネスであります。このワインですがボトルを注意してみるとネゴシアンの Twins から出たものであることが分かります。このネゴシアンは元ブローカーでいつの間にか急成長した会社であります。ボルドー・ビジネスは殆どユダヤ人の支配下にありますが恐らくここの経営者も同じ出身であろうと思われます。ネット上に見掛けるエチケットとこのワインのエチケットはかなり相違点がありますがこれはよくあることなので気にしませんが・・・

vindujour-038.jpgさてこのワイン開けてみてビックリしたのがコルクの新しさであります。液面に触れる部分だけ色濃く着色が認められるものの側面は実にしっかりしていてキャップシール側の1996の焼き印のところは全く黴が付いておりません。これが私には大変不思議に思うのです。さらにそのブションに付いた色が紫色なのにワイン本体はエッジがオレンジのガーネットなのであります。これは先日のグリュオー・ラローズのときと大変似ております。
で、このワインですが大量の澱が発生しております。輸入元は澱の発生していることを裏ラベルに記すべきだと思います。幸いなことに粒子の粗い澱ですのでワインが濁ってしまうのは底の方だけで済みましたが、これはデカンタすべきワインであります。
色は先程述べましたが香りは葡萄のアロマが生き生きとしており熟成香のような香りはあまり感じません。それに混じって感じるのは木材の香り、即ち恐らくこのワインオークのチップを使用しているのではないでしょうか? 味は最初濃く感じますがアフター・テイストはスッと消えてしまいます。最初の一口目は好印象なのですがボトルの半分程で飽きてきます。また地鶏の肝を甘辛く煮たものと合わせたら不思議な程よく合います。醤油、日本酒、味醂とで煮たものとよく合う赤ワインは余り経験がないので、居酒屋向きのワインとしてお薦めできるのではないでしょうか。

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2006年05月16日

Saumur Clos de l'Ardil 2001 Domaine des Guyons

季節により飲もうと思うワインが違ってきます。私の場合寒い時期にはボルドー、温かくなってくるとブルゴーニュへとシフトします。何が好きかと聞かれたらシャンパーニュでありますがアルザスやロワールそしてローヌなどフランスワイン全般、イタリアやスペイン、昔は徹底してナパの赤に凝っていた時期もあります。気が付けば36年もの長きにわたり徹底してワインを飲んでおります。赤ワインの多くについて「飲み頃は10年から20年後」あるいはヒドいモノになると「飲み頃2100年」とか仰る評論家がおられますがそんなワインが日本国内に於いてうまく熟成するとは私は考えません。例えば1982年のムートン・ロッチルドなどリリース直後から十分に楽しめる状態でしたし(勿論1986年のムートンのようにそうでないものも)、ポムロルの銘酒ラフルールの1979年など1983年に味わったときはまるでポートワインのようなまさしく「甘露」でありました。探せばあります、何年も待たないで飲むことができる美味しいワインは!

vindujour-034.jpgで、このロワールの白ワインですが生産者ドメーヌ・デ・ギュィヨンのオーナー・フランク・ビモン氏はちょっと変わった人物のようです。飲み頃になるまで出荷しないという方針なのですが、飲み頃は人により感じ方が違うのでご自分の好みを押しつけてはいないかと・・・・ 少し訝しく思ってしまいましたが、結論から申し上げるとこの判断は正解だと思います。
少し青っぽさは消えていますが輝きのある黄金色を呈し、香りは蜂蜜やマスカットそして桃のようなニュアンスも感じられ熟成の始まりであると考えられます。残留亜硫酸も感じませんし甘酸のバランス取れた優れたワインに仕上がっています。ロワールのシュナン・ブランがお好きな人なら是非お薦めしたいと思います。
輸入元のデータから「ロワール地方ソミュール A.O.C. ブドウ品種:シュナン・ブラン100 % 平均樹齢:70年 土壌:石灰質を含んだ泥灰質土壌 栽培面積:1 ha  収量:40 hl/ha  醗酵:エポキシ樹脂加工のセメント・タンクにて醗酵 熟成:オーク樽にて9ヶ月(新樽比率:15%) 平均年間生産量:5,000本、瓶詰め後は友人達と共同所有している「ギャラリー」と呼ばれる場所で出荷を待ちます。このギャラリーは5キロにおよぶ地下道で、完全に光を遮断(電球もなく、懐中電灯しか使えない!)。温度12度、湿度は80%と、保管には最適の場所と言えます」とのことであります。
先日の怪しげなるシャンパーニュですがパーカー・Jr.が高得点を付けたとかで日本国内の正規(?)以外のルートでも入ってくるようですが、その正規代理店のHPに何らこのシャンパーニュについての説明が全くないと云うこと自体疑問に思います。パーカー・Jr.が高得点を付けたならなおさらのことであり、富山の一販売店だけでなく知り合いであろう成城石井のルートで堂々と販売すれば売り上げももっと上がるはずであります。
説明が重複しますが私が怪しげであると申し上げた主な理由は、このシャンパーニュ・ハウスの設立年が輸入元の説明と明らかに相違すること、次に皇室御用達の事実が疑わしいことの二つからであります。これはこのシャンパーニュ製造元のHPとある程度信頼できるワイン関係のHPを見比べて頂くとご理解頂けると思います。
パーカー・Jr.は持ち込まれたワインに関して下調べすることなくテイスティングなさる傾向があるようです。もう随分昔のことですがレグリーズ・クリネを初めて評価なさったときも同じでありました。ブローカー諸氏の仕組んだ罠に嵌りやすいと云われる所以であります。
日本ではあまり人気のない本ですが“Les Vins de Champagne”という Suzanne Blanchet という人物が著したシャンパーニュに関する解説書があり、これによるとこのアンリ・ジローなるシャンパーニュ生産者は1990年当時その殆どが輸出に回され主な輸出国はドイツ、イタリア、スペイン、ポルトガルや英国とのこと、生産量は年産10万本と云うことであります。
価格さえ高くすれば買う人間が現れるのを旨く利用しただけであると私は判断致します。

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2006年05月01日

Minervois 2003 Domaine Les Augustins

アットランダムに毎日一本開けていくのですが最近は当たる確率が高く我ながら満足していたのです。しかし今日の一本は残念ながら凡庸でありました、と申し上げるよりアペラシオンの特徴がないというかどちらかというとボルドーワインにほど近い味香りのミネルヴォアでありました。

vindujour-021.jpgまず色は透明感のある赤色、つまり薄い目であります。香りが南特有の葡萄品種が全く感じられません。味わいはやはりよくあるボルドーのモノと見分けが付かないぐらいです。ですが嫌みもなく、重たい訳でもなく食べ物との相性も悪くはありません。凡庸ながらついつい飲んでしまうと云うことは決して悪くはないと云うことでしょうか? しかし次また同じワインを買うかと聞かれたら答えは No であります。

このごろ頻繁にトラックバックが現れますがクリックするととんでもないことになってしまいますので絶対にクリックしないで下さいね。

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2006年04月30日

Chateau Croix de Versannes 2002 AC Saint-?milion Eric Degliame

結論から申し上げますと、3000円定価にしては実によくできたワインです。ポムロールのマイクロワイナリーだったら恐らく1万円以上するワインになっていたことでしょう。

vindujour-019.jpgアペラシオンは単なるサンテミリオンですがこのワインには人を引きつける魔法を持っているようです。詳しくは後程書くことにしますがセパージュはメルロー50%、カベソー50%ということでこの地域にしてはカベソーの率が大変高いと思います。醗酵のあとは新樽と一年使用の樽に入れられ熟成させるとのことです。
さてワイン選びに必ず必要なことは実践比較という事柄であります。そのワインが優れているかどうかは比較対照するワインを知っていることが最も重要なことであります。似たような味のワインはどれか、それと比較してどう違うか、価格はどうか、1時間後どう変化するかなど比較すると正当なる評価を下すことができます。
ワインは無名なときは大変リーズナブルな値段で買うことができますが一躍有名になり生産量が少ないと奪い合いになり価格がつり上がります。つり上がってから買おうとするのが日本人であります。他人の評価を鵜呑みにするのも日本人の特徴ではないでしょうか。

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2006年04月21日

Aramon Cuv?e non filtr?e Vin de Table Fran?ais Domaine des Marquises

高校生のときからの友人K住職からワインを数本頂きました。で、彼曰く「アラモンちゅうロワールの品種のワインや」ということで赤本のロワールを探しましたが品種の名前は見当たりません。

0421vindujour001.jpgヴィレッジ・セラーズというインポーターのHPはすぐ見つかりましたがコードナンバー3691を入力しても「該当するワインは見つかりません」となってしまいます。さらにこのHPにはフランスワインのコーナーすらありません。いったい何のためのHPなのでしょうか? 仕方ないのでネットで検索するとある販売店のHPを見つけました。
ロワールではなくラングドックのワインでしたがこの「アラモン」という品種は本来この地で多く栽培されていたのに現在は大変少なくなったと云うことです。
さてこのワイン、色は薄く瓶の中身はロゼのように思いましたが開けてみると石榴ジュースに似ています。決して綺麗な色ではなくやや濁っていてオレンジがかったガーネット色と表現したらよいのでしょうか、香りはベリー系でしょうか味わいは薄くまるで甘さを取った葡萄ジュース。残留亜硫酸は殆ど感じません。自然派ワインと云うことですが私が買い付けを任されたとしたら恐らく買わないでしょうね、理由は保存に耐えることはできないと思うからです。

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2006年04月19日

Chateau de Canterrane 1974 AC C?tes du Roussillon mis enbouteille en 1977

原産地統制呼称法に於けるコート・デュ・ルーションの公布は1977年3月28日です。

winediary-076.jpg然るにこのワインのヴィンテージは1974年なので「おやっ?」と思われたのならかなりのワイン専門家でしょうね。裏ラベルには瓶詰めが1977年と記載されているのでご了承いただけると思います。
このカンテラーヌは古酒を専門にしているみたいですね、あらゆるヴィンテージを網羅しており今まで数種飲んできました。で、このワインは後日飲んでみることに。
 今日は先日からのイタリアはヴェネツィア・ジューリアの白ワイン検証です。ドゥット・ウンの2003年、シャルドネ55%とソーヴィニョン・ブランの混醸、樽醗酵と云うモノです。写真は何日か前にあります。
まず色ですがゴールドに黄緑色をプラスした感じでかなり濃厚でトロンとしています。香りはパイナップルにバターでしょうか? 昔カリフォルニアのシャルドネによくあるパターン。しかし味わいは意外に辛口に仕上がりCAとは違います。しかしとにかく重たいですね、どんな食べ物に合うのかやはり理解できません。ちなみに牛肉のカルパッチョ、パルミジャーノ・レッジャーノにセルバチコ、ルーコラ、バジルにイタリアンパセリ、フルーツトマトにエクストラヴァージンというお皿には合いません。NZのシャルドネにはよく合うのですが・・・。で、最近お気に入りの鶏肝とニラのソテーを作りましたがこれにも合いません。重たい飲み口のワイン、シャルドネだけなら分かるのですがソーヴィニョンと混ぜて美味しいワイン? 未だに出会ったことありません。
半分飲んだら目一杯、バキュヴァンすると・・・ やはり泡立ちますが泡は極めて細かく先日のソーヴィニョンよりはましなようです。何が溶け込んでいるのでしょうか?

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2006年04月09日

Domaine de la Gaffeli?re 1990 AC Saint-?milion

winediary-062.jpg恐らく今までは全く無視されていたサンテミリオンの小さな生産者ですが、今になってやっとその存在が少しは認められたようです。もう何年も前に一連のドメーヌ・ド・ラ・ガフリエールのワインは輸入されておりましたが当時はごく一部のレストランにしかオン・リストされていませんでした。
輸入元の資料からA.O.C. サン・テミリオンでブドウ品種はメルロー 66%、カベルネ・フラン 34%、栽培面積は6.7 ha、平均年間生産量40,000 本、収量45 hl/ha、平均樹齢30~40年と云うことですが、特筆すべきはこのヴィンテージは一切の樽熟成が行われなかったと云うことであります。
ボルドーでは何が何でも樽熟成、それも新樽100%というワインが多い中、こういったワインの存在はかなり珍しいと思います。ワイン誕生の地は諸説様々でしょうけれど例えばグルジアのワインはアンフォラに似た甕に破砕しないまま葡萄を入れ甕ごと地中に埋めて醗酵させる方式で造られたと聞きます。古代エジプトでも多分同じような方法がとられたのでしょう。ワインの製造過程に樽が取り入れられたのは歴史から申し上げるとつい最近のことです。樽熟成に頼らない純粋な葡萄本来の味を極めるのも一つのワインの楽しみ方でしょう。

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2006年04月07日

Sancerre Cuv?e Silex 2004 Domaine Michel Thomas

winediary-061.jpg
どこかにも同じ名前のワインがありますが別に固有名詞ではありませんので誰が使っても問題ないとか。いつも申し上げますがどんなワインでも世界的に有名になれば「甘くなる」という共通点があることに気付いて頂きたいと思います。限られたお客さんを相手に良心的に作っていた小さな生産者が、いきなりスポットライトを浴びる舞台に引っ張り出される訳で世界中から注文が殺到することになってしまいます。で、どんな人が注文するかというと先日申し上げた「ラフィットをコーラで割って飲む」ような輩も大勢いるという事を忘れてはなりません。
ワイン文化の無いあるいは低い国の人々は「飲み物」に甘さを要求します。最近では一部のアルザスワインにその傾向が見られますし、ロワールのビオディナミの連中にもそういう傾向が顕著です。さらに甘くなるだけではなく価格も上昇します。辛口ワインの好きな私にとっては全く好ましからざる方向へ向かっていく訳です。ですからワイン評論家諸氏の騒ぐワインを私は飲もうとは思いません。
さてこのワインですが火打ち石の土壌で造られた葡萄のみワインにしたそうで無濾過、大変ミネラル豊富に感じますが至って辛口。香りは典型的なグレープフルーツと云うよりはレモン系、熟成させると面白みは深まるかも知れません。

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2006年04月03日

Chateau Haut-Colombier 2003 AC Premi?res C?tes de Blaye

winediary-058.jpg昨日のワインはヒゲマスターと一緒に飲むことにして今日開けたのはこちらのワインです。チャレンジ・インターナショナル・デュ・ヴァン・2005金賞のラベルが貼ってあります。
これは分かり易いワインで初心者の人にもお勧めできます。まず濃い色は濁らず透明感があり、香りはカシス系にバニラでしょうか、味も甘酸のバランスがとれ価格が安いので赤ワインファンなら是非一度飲んで頂きたいと思います。
尚このチャレンジ云々のコンクールですが2005年金賞受賞ワインは何と149種類もあります。何のためのコンクールか私には理解しかねます。
葡萄品種はメルロー85%、マールベック10%、カベルネ・ソーヴィニョン5%とのことで生産本数は53333本とのことです。税別1950円のワインとしては非常に良くできています。メルローがお好きな人にはなおさらお薦めです。

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2006年04月02日

Poupille Atipique 2002 AC C?tes du Castillon

winediary-057.jpg残留亜硫酸について私は日頃から極力避けるようにお薦めしてきました。ところが全く使わずワインが出来たとのことで早速買ってみることに・・・
これがそのワインです。
プピーユについては以前申し上げましたが、このワインは普通のプピーユではありません。日本からの要請で作られたそうですが樹齢70年以上のメルローから22hl/haという低収穫量、天然酵母を使い発酵させ24ヶ月新樽100%で熟成させたと聞きます。
少々胡散臭いとは思いますが、早速飲んでみたいと思います。まあ酸化防止剤(ワインの場合殆どが亜硫酸)を全く使わないことを売り物にするというのは如何なものかと思いますが、残留亜硫酸は少ないに越したことありません。
飲んでも判らないという人がおりますが、私の場合敏感に感じてしまいます。しかし仮に亜硫酸ゼロ使用であっても値段が馬鹿高いのは閉口してしまいます。このワインの場合税別販売価格が9,500円もするのが私には不思議であります。他にローヌでこれを売り物にしているドメーヌがありますが、有機農法無農薬栽培を売り物にいているものの不味いワインが結構多いのと同様の結果にならなければよいのですが・・・。
亜硫酸ゼロを喧伝しなくても残留亜硫酸の殆ど無いワインは存在します。しかしそういうワインは「酸がないから保たない」と評価されてしまいがちです。亜硫酸含有率の高いワインを好んで飲んでいるとまともなワインが分からなくなると云う証左ではないでしょうか。

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2006年03月26日

Domaine Viret EARL Clos du Paradis

domaine-viret.txt昨日のワインについて詳細が分かりましたのでお知らせしたいと思います。まずこの生産者の場所についてですがローヌ河左岸でオランジュ付近で合流するローヌの支流 Eygues 川沿いにケランヌを経てその上流に遡るとある村 Saint Maurice sur Eygues であります。
インポーターの説明から
ビオディナミの考え方に由来して、ヴィレ家が独自に編み出した農法…それが「コスモ農法」です。これは健全な植物を育てるために土地、水、空気、そして太陽が重要であり、宇宙のエネルギーも作用している、という考え方です。
畑はローヌ渓谷の標高300mに位置する場所で、ローマ時代の居住跡が残る「天国の丘」と名づけられた区画。南向きの斜面は丸く入り組み「円形闘技場」の形をしています。北側は松林によって風がさえぎられるミクロクリマが、ぶどうの成熟を高めます。

栽培については自然を壊す化学物質の農薬や肥料は一切使いません。ぶどう畑は、周りを松や楢の木が生い茂る森に囲まれ、他の生産者から自然なバリケードのように遮断された理想的な場所になっています。敷地内には非常に独創的な石の建造物があります。古代のマヤ文明やインカ帝国の時代に考えられた「地球と宇宙のエネルギーの調和・交換」を取り入れる大きな石の杭が建っており、このエネルギーが作用して、農薬を使わずとも植物が健全に育つという考えです。
* 除草剤など使わない農業
* 健全で完璧な熟度(酸味&糖分)を待って手摘み、選果。
* 低い収穫量
* プラスティックケースに入れて、潰れないように運搬

ワイン造りに関しては「自然なぶどうを生かした醸造」を追求した結果、「ぶどう本来の香り」と「テロワールの風味」を最大限発揮させるために、亜硫酸を極力控える醸造・熟成を行っています。
化学肥料や除草剤という化学物質を一切使わない農業を行っていて、「ビオディナミ」で使う薬草のほか、ラベンダーをきざんで畑に撒くなど、自然環境を尊重した栽培をしています。
* 100%除梗
* 亜硫酸をほとんど使わない発酵・熟成。
* ぶどうの香味を残すため、セメント槽で発酵・熟成。
ということであります。ブドウ品種 : グルナッシュ 70%、シラー 15%、ムールヴェードル 10%、カリニャン 5%
■ 平均樹齢 : 40年
■ 土壌 : 砂利質、粘土質
■ 栽培面積 : 6.50ha
■ 収量 : 35hl/ha
■ 熟成 : 36ヶ月(セメント・タンク)
■ 平均年間生産量 : 30,000本
税抜き小売価格は¥2,100なので騙されたと思って一度お試し下さい。

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2006年03月25日

Energie Yang 2002 AC C?tes du Rh?ne Domaine Viret

winediary-051.jpg以前この日記でお知らせしましたがドメーヌ・ヴィレのワインが本格的に輸入されてきました。この生産者はただ者ではありません、こんなに果実味それもいろんなフルーツの凝縮された味わいを感じるワインは珍しいと思います。ローヌでありながらローヌ臭くないまさにニュースタイル・ローヌの登場と云っても過言ではないでしょう。
色はそんなに濃くありませんが透明感のあるガーネットと申し上げたらよいでしょうか、香りは本当にいろいろな果実が見え隠れします。所謂ベリー系の香りとカシス系の香りにプラムや杏のような香りもあります。味わいも今までに経験したことのない素晴らしいものです。

日本向けに特別に造られた名称だと思いますが、オーソドックスな方が受け入れられやすいと私は思います。
とにかく今までのローヌのワインとは一線を画する赤ワインの登場であります。好き嫌いはあると思いますがワインの質から申し上げると私は最上級の形容詞が相応しいと思います。著名な生産者やアペラシオンでワインを選んでいる方々にはこんなワインに出会える可能性はゼロに等しいでしょう。
10年後あるいは20年後に著名になるワインも最初は無名の存在であることを肝に銘じなければなりません。

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2006年03月19日

Aramis Moelleux 2004 Vin de Pays du Comt? Tolosan

winediary-040.jpgマディランの地でミクロ・オキシジェナシオンの発案者として知られるピエール・ラプラス氏が造るヴァン・ド・ペイ・デュ・コンテ・トロザンの甘口白ワインです。
久し振りに購入したスクリュープル・レバーモデルで抜栓したのですがどうも上手くセンターに決まりません。以前のものは20年使えましたが今度のは10年保証のマークがあります。これで開けると百発百中、ソムリエナイフなど原始的なものより余程値打ちがあります。カンパニョーロのコルクスクリューにも未練があるのですが肝心のスクリュー部分に歴然とした差があります。
さてこのワイン、色香りは梅酒のようです。で、味わってみると梅酒に限りなく近い味であります。凄く甘いのですがそれなりに酸がしっかりありますのでロックにして飲むと悪くはありません。ですから梅酒の好きな人なら受け入れやすいワインということになります。しかし私は根っからの辛口人間でこういった甘口には滅法弱いのです。

昔お鮨を食べるとき甘口ワイン特にシャトー・ディケムを好んで飲む方がおられました、それも家族全員で。で、その方々はトロ握りのタネの上にお砂糖をかけられるのです。人のの好みは千差万別と申しますが、横で見ているだけで「ゲーッ」となりそうでした。旨いの語源は「甘い」とか、叶匠壽庵の和菓子が阪急百貨店に入ってから甘くなったのも、やはり世の中甘口派の人々が多いって事でしょうか?

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2006年03月17日

Chateau Les Sources de la Marine Les G?n?rations 2002 AC Costi?res de N?mes

winediary-039.jpgアラン・&・ジョルジュ・テソニエールという兄弟が造っているコスティエール・ド・ニームの赤ワインです。この地のワインではシャンタル・コントおばさんの造るチュイルリーをよく飲ませて頂きましたが、こちらは全く違った辛口仕立て、私の好みであります。原産地名称ですが「ヴァン・ド・ペイ、V.D.Q.S.を経て、1986年に A.O.C.昇格。1989年、コスティエール・デュ・ガールから改名」ということです。
私の所有している「赤本」には VDQS Costi?res du Gards の赤用品種についてはこのような記載があります。Terret noir, Carignan, Aramon, Aspiran noir et gris, Cinsault, Mourv?dre, Grenache, Syrah, ?illade, Counoise と10種以上になりますが、ネットで見る限りローヌのそれと同じみたいですね。そもそもこのニームと云う町はアヴィニョンからすぐ西にあり、行政分類上ラングドック・ルーションですがローヌのワインとして扱うべきでしょう。

で、このワインはネット上には登場していないようです。いくら検索しても出てきません。色は大変濃く少し濁っています。香りはローヌの典型と云うよりプロヴァンスの高級品に近い感じで味も濃厚そのもの。決して甘くはありません。まだサンプルなので詳しくは分かりませんがなかなか私のお気に入りであります。
4番の黒毛和種宮崎産ハネシタの焼きしゃぶにブロッコリーのアーリオ・オーリオと合わせ旨い!

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2006年03月14日

Ch?ne Peyraille Bergerac Ros? 2004 AC Bergerac Les Vignerons de Sigoul?s

winediary-037.jpgヴィニュロン・ド・シグーレのベルジュラックシリーズの最後はロゼ。最近フランスではロゼが大流行とのことですがベルジュラックのロゼというのは数年ぶりに飲みました。色はロゼとしては綺麗な方でしょうか、ローズピンクの典型的な色、香りは甘い目です。当然口に含むと私にとってはかなり甘い目。辛口の私の好みからは外れてしまいます。
寒い夜は鍋に限りますね、六白と呼ばれる黒豚肩ロースの脂を削いでもらってからスライスしてしゃぶしゃぶに。白菜と椎茸、白マイタケに湯葉、おろしポン酢に柚子胡椒で食べるのが私の自己流。
豚しゃぶにロゼ。組み合わせとしては非常によいと思いますがこのベルジュラックでは甘すぎました。ロゼといえばタヴェルが一番好きであります。辛口のロゼがもっともっと流行って貰いたいと思います。

話は変わりますがHMVでCDやDVDをまとめ買い。フェデリコ・モンポウの自作自演全集、ポゴレリッチのショパン・スケルッツォ他グラモフォンの買い忘れたもの3枚、ディヌ・リパッティのブザンソン告別リサイタル他3枚ですがショパンのワルツが3枚ダブってしまいました。他にミケランジェリのDVD4枚と10枚組第2巻目とリヒテルの1960年カーネギーホールの実況録音6枚組。モンポウは昔、ミケランジェリがアンコールで弾いた「歌と踊り第6番」で初めて知った作曲者ですが最近まで生きてた人とは知りませんでした。これは素晴らしいCDだと思います。驚いたのはリヒテル、昔CBSソニーから出たLPレコードはノイズがひどくまともに聴けなかったモノでしたが今回のはノイズなど皆無です。リヒテルの好きな人には是非お薦めします。

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2006年03月13日

Mas Karolina Cotes du Roussillon Villages 2003 Caroline Bonville

winediary-038.jpg先日と同じ「マス・カロリーナ」のワインですが、こちらは格上のACコート・ド・ルーション・ヴィラージュで蔵一番のモノ。12ヶ月フレンチオークで熟成させたシラーが34%、別にタンク熟成のグルナッシュ・ノワール56%、カリニャン・ノワール10%とのブレンド。
実はここのワイン輸入するのはボツになったとのことですが勿体ないお話しです。「増す・カロリー」なワインという名前が女性には受けないからでしょうか? 果実味が凝縮されたリッチな味わいにカカオの香りやバニラ香、アフターも長く私はとても気に入ったのですが・・・。フランク・ボンヴィルを輸入しているボニリさんに頼んでみましょう。

このワインの良さはエレガントでわざとらしくないところです。最近はやたら濃い濃いワインが目立ちますが、果汁濃縮のワインはまともな食事には合わないと思います。かなり濃い塩分の化学調味料タップリ使った食べ物を常食している人には受け入れられるのでしょうけれども・・・。
ワインと食事のバランス感覚ですが、若い方にはなかなかご理解しにくいことかも知れません。しかし若いときからこのバランス感覚を身につけていれば将来もっと楽しくお食事して頂けるはずです。高いワインが必ずしも旨いとは限りません、有名でなくても旨いワインは山程存在します。デビュー当初から高いワインなどそれこそ眉唾物であります。

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2006年03月11日

Mas Karolina Vin de Pays de C?tes Catalanes 2003 Caroline Bonville

winediary-036.jpg南フランスはルーションのワインです。ヴァン・ド・ペイ・デ・コート・カタランに分類される赤ワインで、生産者はマス・カロリーナ。2003年がファーストヴィンテージという出来たてほやほやの生産者で経営者はカロリーヌ・ボンヴィルというお嬢様。
ボンヴィルといえばボルドーはアントル・ドゥー・メールのアラン・ボンヴィル、そしてシャンパーニュのアヴィーズにあるフランク・ボンヴィルがありますが家族のようです。カロリーヌはアメリカや南アフリカのワイナリーで働いた後サン・ポール・ド・フヌイエの地を自分のワイン生産地と決めマス・カロリーナを開いたということです。この生産地ですがコルビエールの南側と思って頂いたらよいでしょう。

さてこのワインセパージュはカリニャン・ノワール66%、グルナッシュ・ノワール34%と2種類の葡萄を使っていますが、素直なフルーティーなワインに仕上がっています。香り味共に気品が感じられ作為的なワインではありません。果汁濃縮するワインが持て囃されていますが、私はこのような葡萄本来の旨味を味わうことの出来るワインの方が好みであります。
いつもの魚屋さんから可愛い蛸を買いカルパッチョに、生山葵を鮫皮でおろしお気に入りの塩とエクストラ・ヴァージンで食べるとこの赤ワインと調和します。山葵醤油なら萬膳の登場ですが、この調味料は刺身に大変重宝します。

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2006年03月10日

Ch?ne Peyraille Bergerac 2002 AC Bergerac Les Vignerons de Sigoul?s

winediary-035.jpg協同組合のワインはいくつものラベルで販売されることが多いようです。恐らくここの協同組合だと思われますが、ネットで調べても合致する生産者は見つかりません。もし上記の協同組合であればベルジュラックの約15%を占める1200ヘクタール、200名の組合員を擁する最も大きな組織であると思われます。
アペラシオン・ベルジュラック・ルージュに認められる葡萄品種はお馴染みのカベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、メルロー、マルベックの他次の2種類があります。Fer Servadou フェル・セルヴァドウと M?rille もしくは P?rigord メリルかペリゴールと読むのでしょうね、見たことはありませんが・・・。

さてこのワイン、樽熟成の結構重い目のワインです。香りは一般のボルドーのそれと変わりません。色は勿論味も普通のボルドーと殆ど変わりません。スペイン産ハモン・セラーノにこのタイプの赤ワインはまず合いません。両方を口に入れると鉄分が遊離するのでしょうか、まことに妙な味になってしまいます。生ハムにはスペインによくある少し甘い目の赤、もしくは白ワインが合うと思います。次に地鶏の心臓や肝臓を塩焼きにするとさっきの嫌みとは無縁の心地良い飲み物と変化しました。
ワインという飲み物、食事との相性はいろいろ試してみないと解りませんね。

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2006年03月08日

Foncaussade Bergerac Sec Les Parcelles 2004 AC Bergerac Sec Vignerons de Sigoul?s

winediary-018.jpgフランスワインのカテゴリーで云うと「南西地方」のワインとなりますが、ボルドーはサント・フォア・ボルドーの地続きの謂わば「ボルドーのお隣」のワインです。
サント・フォア・ボルドーと云えば思い出すのが Chateau Hosttens-Picant です。アジアで初めて開催された香港ヴィネスポでは単独のブースは持たず会場をウロウロしてたのがピカンさんの息子さん。で、声をかけられたのが私。「私の父が造ったワインを飲んでください・・・」とのことでボニリジャパンの西尾社長とテイスティングしたのがこのシャトーのワインでした。今ではかなり有名になりましたが当時はどの評価本にも載っていませんでした。
隠れた銘酒はまだまだいくらでもあります。安くて美味しいワインには目もくれず雑誌や漫画の紙面をにぎわすワインに買い物が集中するのは如何なものかと思います。

さてこの白ワインですがまず色がクリアー・グリーンと云った感じで、香りは柑橘系や桃の香り、口に含むと果実味豊富で甘酸のバランス良好と好印象です。葡萄品種は鼻に抜ける香りが麦藁ストローみたいなのでシュナン・ブランかと思いました。
実際調べてみるとベルジュラック白の主要品種にシュナン・ブランが含まれていました。勿論ボルドーの主要品種であるソーヴィニョン、セミヨン、ミュスカデルもありますが聞き慣れない ondenc と云う品種も含まれています。他に補助品種として25%以下だけ混ぜて良いのがユニ・ブラン。
で、ネットで検索しましたがこの協同組合のサイトは見つかりませんでした。残念ながら日本国内では関連サイトが見当たりません。ベルジュラックはボルドーに統合されると聞いたのは5年程前ですが未だに進展はありませんね。しかし安くて美味しいワインがかなりあるとみております。
このブログをご覧の皆様、書き込みしやすくするため投稿者のメールアドレスを必須条件から外しました。楽しいお話しをお待ちしております、ワインのお話し、旅行のお話し、グルメのお話など何でも。

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2006年03月04日

C?tes du Rh?ne 2004 Chateau des Corr?ges

winediary-014.jpg2004年マコンのコンクールで金賞受賞した証が左上に貼ってあるコート・デュ・ローヌの赤ワインです。色はごく普通のワインカラーで特に紫が顕著という訳ではありません。香りはフルーティーと申しましょうか、しかし普通です。口に含むと甘さと酸そして若干の苦み渋みがうまく調和しているようです。
別に何の特徴もありませんがこのワインに金賞が与えられる理由が分かりかねます。いつも申し上げることですがコンクールに出品するにはお金がかかりますし仮に賞を取っても取った証となる貼りマークは買わなければなりません。即ち最終的に消費者が負担する訳で実力より高いワインを買わされることになります。

マコンやパリばかりではありません、世界各国で様々なコンテスト、コンクールがありますがどれもタダでは出品できない訳です。コンクールに出品しなくても旨いワインは山程あります。
凡庸なワインでも金賞受賞できるという見本みたいなワインでした。

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2006年02月26日

Tesch Ros? 2004 Sp?tergunder Ros? Trocken

winediary-011.jpgドイツのナーエの醸造所テッシュのロゼ、使用品種はシュペートブルグンダー、フランスで云うとピノ・ノワール。輸入元の説明によると「TESCH 醸造所 ( 1723年設立。VDP メンバー ) は1997年に300年以上の伝統ある醸造所を引き継いだ若き奇才、マーティン・テッシュ博士(微生物学者)は 『 Gault Millau 2004 』 で3つ星の評価を得るなど注目を集める若手のホープです。彼は、「ブドウの中に存在する全ての要素をワインに取り込むことが重要であり、ワインはブドウ畑で生まれる」といいます。そして、畑にとって一番自然な環境とポテンシャルを引き出すために有機農法(Kontrolliertumweltschonender Weinbau 認定 ) を採用しています」とのことです。winediary-012.jpgドイツワインの最近の法律がどうなっているのか知りませんが、イタリア同様裏を見なければ詳しくは分からないようです。

さてこのワイン、ピノ・ノワールのロゼとすれば比較的綺麗な色でわざとらしい色ではありません。香りはほのかに甘い果実を感じますが味は意外にもセミ・ドライ。残留亜硫酸を全く感じないスッキリしたワインです。豚バラのしゃぶしゃぶに合わせましたが相性抜群です。ワイン大学3月の定例会は23日木曜日午後7時30分といつもより遅い設定にしました。場所は昔のビストロ・ヴァンサンク、今も原シェフの指揮の下、名前を「ル・ヴァンサンク」に変えて営業されています。今回は原シェフのクラシックなお料理と飲み頃1997年ボルドーのアンサンブルをお楽しみ頂きます。参加者募集中です。右のリンクの「前HPの記事を読む」から「ワイン大学」を開いて頂くとお申し込みのフォームが出ます。本物の味を求める方ならどなたでも大歓迎です。

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2006年02月25日

Morgon “Chateau de Bellevue” 2003 Domaine Louis Jadot

wine386_1.gif今日は酔胡王さんと西宮北口の「Top Win」へ。お店の内容はイタリアンと云うより洋風音楽居酒屋といった趣です。ネットで見つけたお店ですが関西で「村公一」ブランドの鱸が食べられる唯一のお店とのこと。この「村公一」ブランドの鱸は尾にタッグが付いていて通常の鱸の何倍もの値段で取引され主に東京の料理屋へ送られるとのこと。
鳴門の鱸の旬は恐らく夏だと思いますが、今から楽しみにしております。日本料理の世界では鱸は夏場のものと決まっており冬場は値が付かない程安くなります。しかし日本海の鱸は冬が旬のように思います。鰹も初鰹と戻り鰹があるように鱸も捕れるところにより夏冬旨い魚であります。
さてこのお店のカウンターは全席禁煙なので非喫煙者にとっては有り難い存在で、店内はクラシック音楽が流れています。マスターは元ピアノの先生でお客さんの多くは音楽関係の方とか。
メニューから田舎風パテを初めに選んだので注文したワインがこのジャドーのモルゴン。2001年にルイ・ジャドー社が購入したシャトー・ベルヴューの畑は35ヘクタール。最近のジャドーの動向は知らされておりませんがボージョレに余程興味があるのでしょうか? シャトー・デ・ジャックを買収するだけで十分なように思いますが・・・

クリュ・ボージョレのましてやモルゴンなど長熟向きのワインです。今飲むのは勿体ないのですが騒がれている2003年なので開けて頂きました。色は綺麗な紫色を呈し香りは閉じていますがガメイ臭さはありません。味はやはりタンニンがきつく5年あるいは8年位熟成を要するでしょうね。まあこういった若いワインをガンガン空けるのが今の若い方だそうですが・・・
階下の「桜咲く頃」も同じ経営で炭焼きメニューなどの出前を取ることができるのもこの店の特徴です。飲み物は希少な焼酎有り、モルトウィスキー有り、カクテルも有りの何でも有りです。クラシック音楽愛好家で非喫煙者の方なら是非一度お出かけください。

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2006年02月22日

Chateau Soutard 1992 AC Saint-Emilion Grand Cru

winediary002.jpg明日のワイン会用ですが順番を決める都合上飲んでみることに。そもそもこのワインが突如注目されるようになったのはパーカーJr.が最初の本を出版した1985年からでありますが、最近ギ・ド・アシェットにもル・クラスマンにも全く載っていません。秘密にしておきたいなら自分の本に載せる必要はないと思うのは私だけでしょうか?
ここで現在のアペラシオン・サンテミリオンに関する法律について申し上げると1984年1月11日からはサンテミリオンとサンテミリオン・グラン・クリュの二つしか存在しないと云うことです。1936年11月14日に定められたサンテミリオン、サンテミリオン・グラン・クリュ、サンテミリオン・グラン・クリュ・クラッセ、サンテミリオン・プルミエ・グラン・クリュ・クラッセの格付けは書いても良いけどアペラシオンとしては上記の二つしかないということで、その何が違うかというと収穫量ぐらいだと云うことです。

さてこのワインですが熟成の極みでしょう早く飲んでしまわなければなりません。まずコルクは意外にしっかりしていて漏れなど一切ありません。しかし色は薄くグラスに注ぐと赤色は僅かに保っている程度で空気に触れすぎるとオレンジから茶色に変色していくのが目で見て分かる位脆いものです。香りはまさに熟成香、心地良い甘い香りとしか思い浮かびません。グラスを回しすぎない方が良いでしょう。これ以上置いておくと厭な酸が出てきます。

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2006年02月21日

Champagne Gonet Sulcova Blanc de Blancs Brut NV

wine-diary-0218.jpgたまにはシャンパーニュを飲んでみたいと思いセラーに残っていた最後の一本を開けました。ゴネ・シュルコヴァはエペルネに本拠を構えるRMですが、元々はヴェルチュー出身でル・メニル・シュル・オジェールに住んでいたシャルル・ゴネという栽培農家がそもそもの始まりです。
シャルル・ゴネの息子ジャックが畑を拡大して、その息子のヴァンサンが1985年栽培農家だけでは飽きたらず自分でシャンパーニュを造るために設立したのがこの会社です。畑は生まれ故郷コート・デ・ブランのヴェルチュー、ル・メニル・シュル・オジェール、そしてオジェールさらにはずっと南のオーブのバルボンヌ・ファイエルやモントグーに広げています。15ヘクタールの畑にはシャルドネ80%、ピノ・ノワール20%が植えられていて年産12万本のシャンパーニュを造っています。

さてこのシャンパーニュですが色は綺麗なグリーン色が鮮やかで、泡立ちも細かめ、香りはアーモンドと柑橘系の果物が混在した感じです。味わいは結構リッチで軍鶏のタタキによく合います。シャンパーニュとポン酢、私は大変良く調和すると思います。今の時期、河豚にはシャンパーニュがとてもよく似合います。

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2006年02月20日

Saint-Maurice Les Colonnades 2001 AC C?tes du Rh?ne Villages Saint-Maurice Domaine Viret

winediary001.jpgフランスはコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュのアペラシオンのワインです。村の名前はサン・モーリスで南部ローヌ川左岸の小さな区画です。造っているのは Alain & Philippe Viret 両氏でドメーヌでは10種類のワインを生産しています。
レ・コロナードは畑の名前で葡萄品種はグルナッシュ、ムールヴェードル、そして高い樹齢のカリニャンとのことです。葡萄は全て手摘みされ収穫量は25~30hl/haとかなり少なめです。醗酵の後24ヶ月という長い樽熟成の後瓶詰めされるとのことですがこのワイン、コラージュもフィルターも無し、さらには瓶詰め前の亜硫酸添加もないということです。

ずっしり重い(790グラム)ボトルに収まったこのワイン、色はかなり濃い暗赤色を呈し香りはローヌの一般的なものからは随分乖離しているようです。ダークチェリーのシロップ漬けのような香りにブルーベリージャムの香りといったらよいのでしょうか、しかし口に含むと意外に辛口です。濃厚なクレム・ド・カシスを辛口に仕立てたような味わいです。アルコール度数は15度と高く今飲んでも美味しいですが長期の保存も可能でしょう。

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2006年02月16日

Mas des Chim?res Coteaux du Languedoc 2003 Domaine Guilhem Dard?

wine-diary-089.jpgモンペリエから車で約1時間、コトー・デュ・ラングドックの北の端オクトンという村で協同組合に葡萄を売っていたギレム・ダルデ氏は1993年独立し自分でワイン造りを始めたとの事です。造り始めて間もなく目を付けたのが雑誌ワイン・スペクテイターで1994年ヴィンテージから掲載しているようです。
さてこのワインですがグラスに注ぐと鮮やかな赤紫色を呈し、香りはカシスのリキュールを想像させます。口に含むと甘酸のバランスが良くタンニンは少し粗いように感じますが鴨胸肉のタタキと合わせると全く気にならなくなりました。

輸入元の資料によると「A.O.C.コトー・デュ・ラングドック、ブドウ品種はグルナッシュ40%、シラー35%、ムールヴェードル10%、カリニャン8%、サンソー7%で平均樹齢は21年、栽培面積は9.0ha、醸造後フレンチオークにて12ヶ月(新樽5%、その他3~5年使用)※マディラン、ポムロール等さまざまな生産者の使用樽を組合わせる。瓶熟6~8ヶ月、年間生産量は18,000本」とのことです。

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2006年02月15日

Arom C?tes du Rh?ne 2003 Les Vignerons de St Hilaire d’Ozilhan

wine-diary-091.jpg南部ローヌはアヴィニヨン近くローヌ川右岸のサン・イレール・ドジラン村など三つの村の農家が集まって造った協同組合はRen? Blisson率いる112人の組合員を抱え、735ヘクタールの葡萄畑を持ち年間37000ヘクトリットルのワインを産出しています。
組合では数多くのワインを造っていますがスタンダードはこのワインでアペラシオンはコート・デュ・ローヌ。手摘みで収穫されたグルナッシュ70%、シラー30%は品種別にタンクに入れられ28度で8日間かけ醗酵、タンクで熟成の後瓶詰めさらに2年間はセラーで寝かされ出荷を待ちます。
熟成に数年から数十年必要なボルドーの高級ワインがインターネットでバンバン売られ、2003年のクリュ・クラッセを「今飲んで旨い」などと煽っているワイン業者が多い日本の販売事情を彼らは知らないでしょうね。いくら早飲みの時代とは云え樽熟成に2年を要するグラン・ヴァンは瓶詰めしてからセラーで寝かせる期間は最低4年必要と考えます。

さてこのワインとても綺麗なガーネット色を呈し、艶があります。香りはブルーベリージャムのようです。味は思ったよりも甘くなくクセもありません。比内地鶏の手羽を網焼きしてワインと合わせたらバッチリでした。

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2006年02月06日

Bourgogne Chardonnay 2004 Mis en bouteille par Jacques Parent

wine-diary-071.jpg裏ラベルには「ドメーヌ・パラン ブルゴーニュ・シャルドネ」とありますが表ラベルからはそのことが読み取れません。パランはポマールのドメーヌ兼ネゴシアンですのでこの白ワインはネゴシアンとしてのジャック・パランの物と云うことになります。輸入業者としてはきっちりご理解頂きたいと思います。
さて赤屋が造る白ワイン「どんなんかなあ?」と思って開けましたが、かなりの残留亜硫酸があります。ですからしばらく放置してグラスに注ぐと色は綺麗なグリーン色を呈しています。スキンコンタクトの時間を多くとっているのでしょうか、香りはメロンのようなフルーツの香りがします。余計な樽も感じませんのでかなりハイレベルなシャルドネかも知れません。しかし樹が若いのでしょう青臭さは否めません。
今日は鴨鍋、昆布出汁にビーフブイヨンを足して鍋出汁に、具は椎茸、白菜、豆腐に湯葉と至ってシンプル。おろしポン酢に九条葱と柚子胡椒を入れるのが我が家流。鴨はイカリスーパーで買いましたが実に柔らかい良質の物、やはりイカリは信頼できます。ブイヨンもイカリの物です。鍋出汁を毎日変えることにより変化を楽しんでいます。我が家では冬場は殆ど鍋であります。

で、この白ワインですがポン酢で食べる鍋との相性は抜群であります。結構酸があるので相性がよいのでしょう、クセのない鴨なので赤ワインでない方が良かったのかも知れません。ですが今日の主役は湯葉かも? 最近ブログで知った京都近清のさしみ湯葉。九代目ご主人の心意気が伝わります、滅多に食べない漬け物もここのはとても旨いです。特に千枚漬けは出色!http://www.doblog.com/weblog/myblog/4780 

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2006年02月05日

Muscadet 2005 Domaine Jo Landron

wine-diary-71.jpgミュスカデの類には3つのアペラシオンがあります。気を付けねばならないことはまず最初に制定されたアペラシオンが Muscadet des Coteaux de la Loire とMuscadet de S?vre et Maine で1936年11月14日であるという事、何も付け加えられていないMuscadet は約一年後の1937年9月23日公布されています。葡萄品種は単に melon または melon de bourgogne と書いてある教科書が多いですが、リーブル・ルージュによるとセパージュは Muscadet との記述があります。ミュスカデと云うワインの葡萄品種はミュスカデと云うことになります。勿論呼び方が違うだけで同じ葡萄品種です。

でこのワインですがまるで水みたいに薄いです。色は薄いグリーン香りも薄く何もかも水で薄めたようなワインです。

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2006年02月03日

Gevrey Chambertin Clos Prieur 2003 Maison Jean-Philippe Marchand

wine-diary-069.jpgいつも見慣れたのではない、一風変わったジャン・フィリップ・マルシャンのエチケットです。リューディの名前「クロ・プリュール」がついているただの村名ジュヴレイ・シャンベルタンのワインであります。ワインの醸造熟成そして瓶詰めはマルシャンが行っていますが葡萄は契約栽培農家のものでドメーヌ物ではありません。
まずまずの長さのブション、香りはまだ閉じていますが色はかなり濃い綺麗な赤紫色を呈しています。少し残留亜硫酸を感じますが、まあ一般レベルということでしょうか? 味はと言うと色からは想像しにくい希薄な感じです。決して悪くはありませんが、まあ、こんな物と云うことです。自宅のセラーが満杯になり(もう1基あるのですがコンセントを入れてないので使っていない)、ピアノの部屋(エアコン無し)に並べていたら室内は何と6度、ワインが冷たすぎたから味が出なかったのでしょう。

posted by: Georges : 2006年02月03日

2006年02月01日

Vin d'Alsace Pinot Gris 2003 Domaine Georges et Claude Freyburger

wine-diary-068.jpgアルザスのピノ・グリです。Haut-Rhin県 Bergheim の生産者なので場所は非常に恵まれているはずです。実際コルマールの北に広がるリボーヴィレ地区には数多くのグラン・クリュやクロがあります。
Bergheim では Louis Freyburger という生産者はそこそこ名が通っていますがこの生産者は私は知りません。とりあえずコルクを抜いてグラスに注ぐと色はゴールド、香りは甘く口に含むと妙な苦みが感じられます。基本的には甘い訳ですが舌に残る渋みは好ましくありません。アルコール度数は高くやはり2003年の暑すぎたことが原因でしょうか、失敗作でしょうね。まあワインは飲んでみてなんぼの物、こんな時もあります。

posted by: Georges : 2006年02月01日

2006年01月31日

Beaujolais-Villages 2005 Domaine Ruet

wine-diary-067.jpgボージョレ・ヴィラージュのプリムールではない2005年です。Mis en Bouteille au Domaine Christiane-Jean-Paul Ruet と明記されています。ヌーヴォでないということはマセラシオン・カルボニックは用いていないということですが、飛行機で輸入したのでしょうか?
色は大変健全と云うべき綺麗な紫色を呈していますが、甘ったるい香りは皆無です。最初はやはり亜硫酸の影響でしょうか「何やこれ?」と思ったのですがしばらく置いてテイスティングすると意外や意外! 結構イケるではありませんか。
しっかりし過ぎる訳ではありませんが酸はハイレベル、果実味もありバランスは良好です。しかしこういったドライなボージョレは一般には敬遠されるのでしょうね。
ワイン大学メンバーさんの一部の方にはお知らせしましたが、ブルゴーニュはニュイの著名な生産者ドニ・モルテが自殺したという一報が入っております。詳細は不明ですが http://perso.wanadoo.fr/bourgogne-seikatsu/ をご覧になればお分かり頂けると思います。

posted by: Georges : 2006年01月31日

2006年01月29日

Chateau Bonnet 2003 AC Entre-2-Mers Andr? Lurton

wine-diary-066.jpg普段飲みのワインでも随分高品質の物がありますが、残念ながら雑誌や漫画は取り上げません。
シャトー・ボネは著名なアンドレ・リュルトン氏が現在住んでいるアントル・ドゥー・メールにあるシャトーです。氏は他にラ・ルーヴィエールやクリュ・クラッセのドーザック等も所有、まさにビッグ・オーナーであります。シャトー・ボネは畑の面積何と225ヘクタールという巨大な農園ですが自分が住んでいるだけあってワイン造りは大変丁寧です。

さてこの2003年は葡萄の果皮をすぐ取り除かないでしばらく浸しておく手法を取っているのでしょう、とても緑色が濃く残っており、しかも透明度は高く綺麗に輝いています。香りは葡萄のフレッシュな感じで味わいもフルーティーそのもの、香りだけからは「やはり03年は甘いのかな」と思ったのですが、飲んでみると辛口に仕上がっています。地鶏白菜椎茸に湯葉という家庭鍋には樽とは無縁のこんなワインがよく合います。
白ワイン用の葡萄畑は103ヘクタール、ソーヴィニョン45%、セミヨン45%、ミュスカデル10%の割合で植えられています。実にバランスの良いボルドー白ワインの基本的存在であります。希望小売価格 ¥1600 なので是非お試しを!

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2006年01月27日

Beaune Clos du Dessus des Marconnets 2002 Domaine Pierre Labet

wine-diary-064.jpgワインを理解するということはとにかく飲んでみること即ち実践あるのみで、書物を読んで飲んだような気になってはいけません。他人がどう言おうが自分の舌を信じて飲み比べをすることが大切です。
世間(と云っても一部の雑誌や漫画)が騒いでいるワインを追い求めるのは商業的な戦略に引っかかっているだけで賢者の選択ではありません。人知れずそっと咲く綺麗な花を知らない人が多い訳で、無名のワインの中から将来のスターを見つけ出すことこそ大事だと私は思います。

今日は我が住居近くのボニリさんの試飲会、飲んだのは(ボニリさんの表記で)
1)ル・グランムートン・ノワール 2002 シャルドネ・ヴィオニエ VDP d’oc 
2)ブルゴーニュ ブラン シャルドネ VV 2002 / ピエール・ラベ 
3)モンタニー 2003 レ・ギニョット / ミシェル・アンドレオッティ
4)モンタニー 1級畑 2003 / ミシェル・アンドレオッティ
5)モンタニー 1級畑 2004 / ミシェル・アンドレオッティ
6)ボーヌ 白 クロ・デュ・デッス・デ・マルコネ 2002 / ピエール・ラベ
7)ランスピラシオン・デ・ミオドー 2003 / ベルジュラック 
8)ル・グランムートン・ノワール 2001 カベルネ・シラー フランスVDP d’oc
9)ボーヌ 赤 クロ・デュ・デッス・デ・マルコネ 2003 / ピエール・ラベ
10)ジュヴレシャンベルタン ラ・ジャスティス 2002 / レイマリー
11)シャンボール・ミュジニー 1級畑 オー・ゼシャンジュ 2001 / レイマリー
12)チェンナトイオ キャンティ・クラシコ 2002 / トスカーナ
13)ボスコ ロッソ・デイ・モンタルチーノ 2003 
14)オフェオ・サティロ・ダンザンテ 2001 IGT イタリア シチリア
15)エトゥルスコ 赤 2000 IGT イタリア トスカーナ
16)キャンティクラシコ 2001 モンセネセ / アンジェリーニ
17)コートデュローヌ 2003 / JJ ボメ
18)ジゴンダス 2000 / ベラール・ペール
19)シャトーヌフデュパプ 2002 / テール・フェルム
20)サンジョセフ 赤 2000 / ベラール・ペール
試飲が終わってから近所のチャイニーズ綉花へ、今日のトップはこのボーヌの白でしょうか。

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2006年01月25日

Saumur Cuvee Vent du Nord 2004 Domaine des Guyons Franck et Ingrid Bimont

wine-diary-058.jpgロワールは中流域ソミュール・アペラシオンの白ワインです。去年リリースされた2002年は「?」という感じでしたが2004年はキリッとした辛口に仕上がり果実味豊富でミネラル感もあり、酸がしっかりしていて食事との相性も良しと驚く程の変化です。ワインは毎年味が違って当たり前ですが、2002年の妙に甘ったるくシュナン臭さが鼻につくワインとは全く別物のように感じます。
フィルターをかけないためか少し澱のような物が舞っていますが色は自然な緑がかった黄色というかかなり薄い色です。香りは洋梨のような果実の香りが顕著で麦藁のストローを噛んだときの匂いはあまりありません。グリーンオリーヴとモッツァレラチーズのピッツァとの相性も良くベーコンと水菜の温かいサラダともよく合います。

輸入元の資料によると「ブドウ品種はシュナン・ブラン100%で平均樹齢は35年、栽培面積は2ha、単位収穫量は50hl/ha、平均年間生産量は11,000本、熟成期間は12ヶ月で、醸造はコンクリート・タンク使用(樽使用一切なし)」とのことです。
葡萄栽培にはできる限り化学物質は使わないとのことですが「ワインは飲み頃と判断するまでリリースせず、地下のカーヴで熟成させたあとに瓶詰めし、友人達と共同所有している『ギャラリー』と呼ばれる場所で出荷を待ちます。このギャラリーは5キロにおよぶ地下道で、完全に光を遮断(電球もなく、懐中電灯しか使えない!)。温度12度、湿度は80%と、保管には最適の場所と言えます」という輸入元の説明から分かるように「出来たワインはさっさと出荷して売りさばく」タイプの商業至上主義の生産者ではありません。

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2006年01月22日

La Frontiere Grande Cuvee Cabernet Sauvignon 2004 Vin de Pays d'Oc Mis en Bouteille par Bergerie

wine-diary-056.jpgブションには Vigobles du Sud de la France と表示があり、エチケットの片隅に Pezenas の場所があるため恐らくドメーヌ・ポール・マスが生産に関与していると思います。開けてみるとやはりそのようです。果実味が豊かでタンニンもそこそこ、酸もしっかりありバランスは良好です。残留亜硫酸も気になりませんので普段の食事にはよいと思います。
ちなみに本日は焼きそば。黒豚の切り落とし・玉葱・ピーマン・キャベツを炒め、別フライパンでお気に入りの玉子入り麺をオリーヴオイルで熱して具と合わせます。塩胡椒と嵯峨野匠庵野菜ソースで軽く味付け。具と麺が半々位の野菜炒めみたいな焼きそば。

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2006年01月15日

Les Fiefs de Lagrange 1998 AC Saint-Julien

wine-diary-0115.jpg東大阪の会社の近所にあるセラーには長期熟成用のワインを詰め込んであります。で、たまには整理しないとと思い開けてみましたが、やはりごちゃ混ぜにいろんなワインが入っていて箕面に持ち帰ることに・・・。
買ったのは5年ほど前の筈のラグランジュ・セカンドですが、かなりの澱が発生していてエッジはオレンジがかり、しっかり過ぎるほどの熟成感があります。でもセカンドはセカンドで好ましい熟成状態ではありません。即ち香りは青臭さが抜けず味わいだけがひねた感じになっています。1998年というヴィンテージ、ブルゴーニュもボルドーもさほど大した年ではないことの証明でしょうか? 1995年の馬鹿高いボルドーワインは殆ど買いませんでしたが、そういえばこの1998年も殆ど買わなかったように思います。

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2006年01月14日

Chablis Vieilles Vignes 2004 Domaine Vocoret

wine-diary-0114-1.jpg我が家の冬の定番は鍋、日によって鶏か豚または牛肉とメインは変わりますがベースは利尻昆布の出汁にブイヨンを半々にして野菜を食べるのがどちらかというと主体。欠かせないのは湯葉と白菜それと地元の椎茸でしょうか、この椎茸ですが石丸の朝市のものも旨いのですが大丸ピーコック外院で販売している物は秀逸です。
さてワインはヴォコレのシャブリ、ヴィエイユ・ヴィーニュの2004年を開けましたが、こんな濃い緑色を呈するワインも珍しいのではないでしょうか? 若干気になるのが残留亜硫酸、できたらデカンタして飛ばしてから飲むのをお勧めしますが¥2700定価の割りには果実味濃厚でシャキッとした酸があり良くできていると思います。今日は播州地鶏腿肉の鍋ですが相性もバッチリです。

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2006年01月13日

Chateau Marjosse 2003 AC Bordeaux Pierre Lurton

wine-diary-0113.jpgとても信じられないような触れ込みのワインなのですが「百聞は一飲にしかず」なのでとりあえず飲んでみることに。
何が信じられないかと言いますと輸入元のコメントでは「1991年、34歳という若さにしてシャトー・シュヴァル・ブランのオーナーとして迎えられ、2004年5月よりシャトー・ディケムの総支配人も兼任しているピエール・リュルトン氏。彼自身がボルドーの辛口白ワイン産地として名高い、アントゥル・ドゥ・メール地区に自宅とともにシャトーを構え、1990年から所有しているのが、このシャトー・マルジョス」という前口上。
で、どんなワインかと調べてみると「ブドウ品種はメルロー55%、カベルネ・ソーヴィニヨン30%、カベルネ・フラン10%、マルベック5%。 平均樹齢は40年、土壌は粘土石灰質、栽培面積は30haで平均年間生産量は150,000本、醸造は温度管理されたタンクにて30度で醗酵を行う全体の50%を樽で熟成、残りはステンレスタンクにて保管し、ブレンドすることによりフレッシュさを大事にする」との事です。

この他説明には美辞麗句が並んでいますが、抜栓すると香りはスパイシーと言うより埃っぽい感じ、色は少し透明感に欠け「騙されたかな?」とはじめは思いましたが、いざ口に含んでみると味は旨く纏められています。甘酸のバランスが良く果実味も程良い感じで食中酒としての条件は問題ありません。1900円定価では納得の一本と言えるでしょう。

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2006年01月11日

Domaine Madegas 2003 Vin de Pays des Cotes Catalanes

wine-diary-060111.jpgシンプルなエチケットですがよく見るとアルコール度数が14.5%とかなりのレベルまで上がっています。生産者は Philippe Dubois と云う人物、どこかで聞いた名前ですが思い出せません。輸入元の資料によると「ジスクールの元醸造家が自然な造りを求めて移り住んだルーション。プピーユの天才醸造家カリーユ氏をコンサルタントに迎え濃縮度とエレガンスの見事なバランスを見せています」とあります。
さて早速開けてみましたが抜栓した途端甘い香りが漂ってきます。色はさほど濃くありません。グラスに注ぐとやはりグルナッシュの葡萄の香りが立ちこめます。で、ほんの少し口に含むと「メチャ甘い・・・」ではありませんか、これは甘口ワインに分類すべきかなりの糖度があります。モーリーやヴァニュールスとは云いませんがこれ程甘いと食事に合わせるのは難しいでしょう。

ですからこれはワインバーなどで、あまりワインを飲み慣れていない女性などには歓迎されると思います。ブルー・ドーヴェルニュやゴルゴンゾーラなどのブルーチーズと合わせるのは良いかも知れません。フランスではロックフォールチーズにシャトー・ディケム等のソーテルヌを合わせることがありますが、これは現地のロックフォールは実に甘さがあり全く塩辛くないから合うのであって、日本に輸入されるあの塩辛いロックフォールとは全く別物であります。
昔と比べワインの輸入環境はかなり改善されたためヨーロッパで飲んでも日本で飲んでもさほど変わりありませんが、チーズに関しては時代にそぐわない輸入規制があるのでしょうか、本場で食べるものと輸入品では全く性格が異なることを知って頂きたいと思います。

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2006年01月10日

Pernand-Vergelesses 2003 Domaine Denis Pere et Fils

wine-diary-002.jpgブルゴーニュのどちらかと言えば白を得意とする生産者です。この2年ほど注目しておりましたがまさに2003年は完成度の高いワインに仕上がっています。
まず色は綺麗な緑色が残っています。シャルドネという品種、はじめからゴールドになるのはかなり考え物です。余計な樽の影響さえなければ健全なグリーン色が出て当たり前だと思います。香りこそ閉じているように思われますが本来シャルドネの香りはそんなにナッティーではありません。ワインに関しては定説が正しいとは限りません。ワインを売ろうとする人達が勝手に造り上げた定説が実はとても多いのです。

余計な樽も強すぎる酸もこのワインは持ち合わせていません。しかし前年度のモノより遥かに分厚い存在感があります。これは長期の熟成にも耐える素晴らしいシャルドネであると断言できると思います。

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2006年01月09日

Chateau Calon-Segur 2002 AC Saint-Estephe

wine-diary0109ラベルがいつの間にか変わっているのですね、見慣れたものとは随分違い綺麗になったと思います。このシャトーは昔から出来の善し悪しが極端に違うワインを造ってきました。品質が一定していないのはムートンも同じだと思います。
コルクは良質の長い物で抜栓すると液面に触れている部分だけが綺麗な赤紫色を呈していて、漏れなど皆無です。グラスに注ぐと泡立ちまでが赤く着色しているのでかなりの濃さを期待しましたが口に含むと意外にあっさりしています。タンニンもさほど感じませんし飲み辛さが殆どありません。「ゴクッ」と飲み込んだあとに鼻に抜ける香りがいかにもサンテステーフなのですが、味わいだけではその原産地を言い当てることは難しいと思います。イベリコ豚のスライスをしゃぶしゃぶにして食べながらついつい一本飲んでしまいました。若いのにこんなに飲みやすいカロン・セギュール、これでよいのでしょうか?

イカリスーパー豊中店は最近のお気に入りです。大量消費する「湯葉」が安いですし、あまおう、さちのかなどの苺も実に品質が高くしかもお安いので助かります。さらに最近気が付いたのですがパンが美味しいのです。特にクロワッサン系がサクサクしていて食感が良く、バターの風味から察するところかなり上質のものを使っているようです。今日使ったイベリコ豚もここでの買い物でした。

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2006年01月08日

Bourgogne 2002 Domaine Ramonet

060108.gif昔はアンドレ・ラモネの名前でしたが今はドメーヌ・ラモネになっている「モンラッシェの雄」が造るACブルゴーニュです。
かなり分厚い重いボトルに入っているので期待しましたが、色こそ濃いものの香りはピノ特有のものは感じられず味もかなり薄い目。時間が経過すると変化があるかと待っていましたが残念ながら変化は殆どありません。
ACブルゴーニュはかなり広い地域で生産が許されています。即ち北はシャブリの近所から南はボジョレーまで、コート・ドールで造られるACブルゴーニュとしてはこのラモネのワイン少し異質のように感じます。どちらかというとシャロネーズやマコンのような軽い味わいです。ですが補糖はあまり感じられず、飲み口はとてもスッキリしています。ですからもう少し(あと2年は置いた方がよいでしょう)熟成させて香りが良くなるのを待った方がよいでしょう。

ACブルゴーニュで赤白共に旨いところは何処でしょう? 私ならまずドメーヌ・ド・クールセルの物をお勧めしたいと思います。次にドメーヌ・トロ・ボーがお勧めです。赤白共に旨いのはどちらかと云うとコート・ド・ボーヌに多いと思いますが如何でしょう? 

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2006年01月05日

Les Brulieres de Beychevelle 2002 AC Haut-Medoc

060105.jpg有名なベイシュヴェルはボルドー市内からD2を北上するとサンジュリアン村に入ってすぐ右手にある綺麗なシャトーですが、このセカンドは確かアミラル・ド・ベイシュヴェルのはず。アペラシオンはオー・メドックなのでサン・ジュリアンを名乗ることができないと云うことだとただ単なるオー・メドックしか名乗れない地区の畑と云うことになります。ラベルの下方に Recolte, Eleve et mis en bouteille a Saint-Julien-Beychevelle (Gironde) France par S.C. Chateau Beychevelle Proprietaire と明記されているのでシャトー・ベイシュヴェルにて生産されているのは間違いありませんが、セカンドやサードワインではありません。

輸入元の説明によると「2002年はカシスやチェリーなどの果実味にあふれたヴィンテージで、とてもクリーンでさわやかな印象と長い余韻が特徴です。とてもバランスの良いワインと言えるでしょう。タンニンもまろやかで嫌な渋みがありません。さらに熟成させることで、よりボディの厚みがあり、まろやかな味わいになるでしょう。 ワインの区分はオー・メドック A.C.、ブドウ品種 : カベルネ・ソーヴィニヨン 56 %、メルロー 44 %、平均樹齢 : 25 年、栽培面積 : 12.6 ha、収量 : 47.6 hl/ha 、年間生産量 : 66,000 本、熟成 : オーク樽にて15ヶ月」さらに「シャトーの畑の隣に位置する、オー・メドック A.C. の区画のブドウから造り出すワインがこのブリュリエール、ワインの醸造・熟成にあたるのは、ベイシュヴェルと同じスタッフというから頼もしい限り!熟成には、新樽を10%使用し、残りの90%はシャトー・ベイシュヴェルの熟成に使用した樽を使います」と絶賛していますが、飲んでみると何ら大したことありません。
ボルドー有名シャトーのセカンドはまだしも名前だけを冠したワインは注意が必要です。輸入元の定価は3000円ですが私が買うとしたらせいぜい1500円止まりでしょう。有名シャトーの名前が入っていてもアペラシオンに注目してください。サンジュリアン村であってオー・メドックしか名乗れないというのはかなり問題です。

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2006年01月04日

Morey-Saint-Denis Vieilles Vignes 2002 Domaine Jacky Truchot-Martin

060104.jpgこれも去年池原商店さんから頂いたワインです。キャップシールは回るのですが少し漏れたあとがあるのが残念、やはり輸入経路が問題です。ブションは瓶口から2㎜凹んでいますがこれは一時的にかなりの低温にさらされたと考えられます。ワインにとって最もダメージが大きいのは高温にさらされることですが、低温もダメージを与える要因の一つです。
ジャッキー・トルショという人物は存じ上げませんが、この人の造るワインは独特の香りがあります。先日のジュヴレイにも同じ香りがありましたが、例えばアンリ・ジャイエーのワインでも特有の香りがありますのでこれは私には何ら問題ありません。かなり濃厚な果実の風味があるので気に入りましたが味の方ははじめは少し気になるところがあります。酸がかなり少ないように思うのです。
ですが時間が経つにつれくっきりとした酸が浮き上がってきました。。

モレ・サン・ドニというより「ジャッキー・トルショ」のワインと言うべき典型的な造り手が前面に出るワインです。実はアンリ・ジャイエのワインもこういったタイプで一口含めばすぐ生産者が思いつくモノなのですが、昔新地のワインバーで飲まされたものは全く違うワインでした。今から思えばあのころから偽物が多かったのです。
話が逸れてしまいましたが、この2002のワインは実に良くできていると思います。輸送には問題が残りますがその影響でワインが傷んでしまっているようなことは感じません。濃厚な果実の風味ですが、時間が経つにつれてますます味が濃くなるように感じます。愛好家には堪らない味と言えるでしょう

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2006年01月03日

Chateau Bel Orme Tronquoy de Lalande 1975 AC Haut-Medoc と Bourgogne 2001 Domaine Emmanuel Rouget

060103.jpg お正月に託けて毎晩飲み過ぎでしょうか、75年のボルドーを開けてしまい、ついでに未だ開けるべきではない若いブルゴーニュまで開けてしまいました。
まずボルドーですがこれは先日のソシアンドマレと同じ村のワインです。サン・スーラン・ド・カドゥルヌという村は長熟に向く葡萄の産地なのでしょうか見事な保存状態です。約一ヶ月ほど立てて置いてそれから寝かせておりましたが、澱は殆ど舞い上がらず色こそエッジはオレンジでありますが綺麗な石榴色を呈し輝きがあります。香りはどちらかと云うとサンテミリオン系のメルローやフランの類のような感じがします。飲み口は大変良くあっという間に空けてしまいました。

輸入元の説明では「シャトー・ベル・オルム・トランコワ・ド・ラランドの28haの畑は3区画に分かれています。1つ目は深い砂利質、2つ目は4~7mの深さの砂利質、3つ目は粘土砂利質。 ワインは深い色合いで、大変タンニンがしっかりしています。その為、長熟に向いており、今回の'75年も骨格がしっかりした仕上がりになっています」とのことです。セパージュを調べると「メルロー 60 %、カベルネ・ソーヴィニヨン 30 %、カベルネ・フラン 10 %」とのことでやはりメルローが多かったのです。このワインは定価で何と驚きの5500円。今年と言っても未だ三日しか経っていませんが恐らくトップのコストパフォーマンスでしょう。
次のブルゴーニュはあまりにも有名になってしまったルジェのモノ。私が80年代から90年前半によく伺ったH.Jayer氏のセラーにはいつもこの甥っ子の樽を見掛けました。ERの焼き印は全てこの甥っ子のワインで当時はジャイエー氏の管理であったことは確かです。恐らく原価は15ユーロほどするのでしょうが納得の味わいです。
で、この2001年ですが大変良くできています。久し振りに旨いACブルゴーニュに出会った感じであります。

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2006年01月02日

Morey-Saint-Denis Clos de la Bidaude Monopole 2002 Domaine Robert Gibourg

060102.jpg La Bidaude という名前の畑は 2ha63a49ca ありますが、この「クロ」が前に付く畑の詳細は分かりかねます。裏ラベルには畑の位置が記されているので同一だとは思いますが、クロで囲まれているかどうかは不明です。赤白両方とも存在するはずですがこのワインは白ワインです。
ロベール・ジブールは赤の生産者だと思っていたのですが白も造っていたとは・・・ 開けてみると案の定、やはり慣れないことはしない方がよいと思います。

白ワインで緑色の消えているモノに果実味は残っていません。樽の余分な影響だけが出しゃばっていて評価するに及びません。白ワインで樽熟成に耐えうるのは余程濃厚な果実味を保っていないと無理だという訳です。然るにこういった樽熟成の白ワインは世の中に山ほど出回っております。こういうワインであれば熟成しても旨くなるはずがないにも拘わらず世間の評論家は点数を付けて飲み頃が何年先とか云っております。評論家が信用できないことが明白なのは1988年のブルゴーニュでしょう。ボルドーやイタリアは良かった年ですがコートドールは悲惨な年であったと記憶しております。
ワイン造りは上手な人もおりますが下手な人も沢山いる訳で上手な人に教えて貰った造り手はやはり上手に造りますが、料理と同じで下手な先生に教えて貰った醸造家はそれなりのモノしか造ることができません。
また赤は上手でも白は全く下手な人、またその逆のケースもありますし、年によって大失敗に終わることもしばしば見てきました。

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2006年01月01日

Champagne Beaumont des Crayeres Fleur Blanche Blanc de Blancs Brut 1998

060101 日記をご覧頂いている皆様、明けましておめでとうございます。本年も何卒宜しくお願い申し上げます。
まず最初にこのHPはブログに移行致します。新しいURLは決まり次第お知らせ致しますので今しばらくお待ちください。
元旦はお休みですが明日二日から私は仕事です。朝からクードポールさんのお節でシャンパーニュを開けました。ボーモン・デ・クレイエールは最近リュット・レゾネで葡萄を栽培していますが別にラベルにはその記載がありません。やたらと有機栽培を宣伝するところにろくなワインがないのはいつも申し上げている通りです。
ここの特徴はやはりプレスではないでしょうか、一番搾りしか使わずソフトプレスなので葡萄の種などが潰れてえぐい味がでることがありません。本拠地はエペルネ郊外ですがすぐ南側にはシャルドネの宝庫「コート・デ・ブラン」が広がっており高品質のシャルドネをふんだんに使ったこのプラン・ドゥ・ブランは最近の一番のお気に入りとなっています。

泡は細かくいつまでも続きドライな中にくっきりとした旨味成分が感じられます。色は綺麗な青みがかったゴールドで香りはとても上品です。
シャンパーニュはブランドビジネスの典型です。名前さえ売れれば大儲けができます。ですから映画などに頻繁に登場する訳です。葡萄の価格は決められていますからグラン・クリュの例えば Ay-Champagne のピノ・ノワールはそこそこの価格はします。しかしその原価はいくら高くても5ユーロを超えることはありません。ですから数年間寝かせることを考慮して、一般的な生産者であれば定価は4000円から7000円が妥当であると言えます。
ジャック・セロスなど私が初めて日本に紹介したときなど安い値段のシャンパーニュでしたが今は恐ろしい程高い価格になっているではありませんか! 常識ある定価で普通より遥かに旨いシャンパーニュがありますが名前が通っていないため誰も買わないのであります。雑誌が騒ぐシャンパーニュにどれだけ旨いモノがあるのでしょうか?

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2005年12月28日

Vouvray Sec Cuvee Domaine 2004 Domaine Vigneau-Chevreau  

051228.jpgヴィニョー・シュヴローの新しいヴィンテージは2003を飛ばして2004年です。ロワールのワインは最近甘い物が目立ちますが、昔のアルザスのようにアメリカ向きに造っているところが多くなったということでしょうか。
でもこの生産者は辛口に拘っているようで、これはセックですがたとえドゥミ・セックであっても決して甘さが口に残ることはありません。色は薄いゴールドで昨日のと同じく洋梨系の香りを感じます。
輸入元の説明によると「柑橘類やカリンを連想させるアロマ。十分なミネラルと酸により、骨格がしっかりしたワインです」とありますのでやはり人それぞれ感じ方は違うと云うことです。表現方法などよりその香りが心地良いかそうでないかが重要であり、好ましからざる香りを捻くった表現で肯定するのはおかしいと思います。昨日の畑の名が付いたのよりは酸が多いのは確かです。

アルコールは11.5%と少なめ、シュナン独特の麦藁のストローのような香りは殆ど感じませんしイベリコの肩ロース、黒胡椒炒めなどの料理とも実によく合います。
そうそう、ビオディナミワインのお嫌いな友里さんにもお勧めです。残留炭酸ガスなど微塵もありませんし定価で2100円ととてもリーズナブルです。

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2005年12月27日

Vouvray Clos de Rougemont Abbaye de Marmoutier 2004 Domaine Vigneau Chevreau  (2005.12.27)

1227wine.jpg ロワールのヴーヴレと云えばどちらかというと甘い目のイメージがあると思いますが、この単一畑で造られるのはキリッとした辛口に仕上がっています。
まず色はそんなに濃くありません。薄い黄緑色を呈しグラスに注ぐと輝きがあります。香りはどちらかというと柑橘系より洋梨系でしょうか、そんなにきつい香りではありません。口に含むとまずかなりの辛口でその後ミネラルを多く感じます。

輸入元の説明では「1995年からビオディナミでブドウ栽培を続けるヴーヴレのドメーヌ。煮詰めたリンゴやジャスミン、蜂蜜を連想させる香り。果実の旨味の中にミネラル感がしっかりと生きたワインです」とありますが香りについては、ちょっと私とは異なる見解となります。
また裏ラベルを見ると「セック」の表示がありますがドメーヌの貼ったラベルにはその語句は記載されていません。
2400円定価なので結論としては大変お薦めのワインと言えます。ロワールでこれだけミネラル感が強く味のしっかりしたワインは珍しいでしょう。

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2005年12月26日

Le Nid de Mas Marsanne 2004 Vin de Pays d'Oc Mise en bouteille par Les Domaine Paul Mas

1226wine.jpg先日のミュスカもかなり良かったのですがこのマルサンヌは驚きの一本です。ルーサンヌ・マルサンヌといえばコート・デュ・ローヌ白の主要品種ですが、私が若い頃から親しんできたシャプティエのイメージとは全く違うフルーティーでフレッシュなマルサンヌなのです。
インポーターの説明では「華やかな印象を持つマルサンヌ100%のヴァン・ド・ペイ。白い花、なし、メロンなどの香りとまろやかで程よい酸味はシーフードやレモンを絞ったサラダなどに良く合います」とありますが熟したラ・フランスのような香りが確かにあります。

ワイン通と呼ばれる方々はこんな安いワインには目もくれないでしょうが、そもそもはじめから高いワインなど一つも存在しないのです。20年ほど昔のお話しですが、私はLAによく行き当時アメリカの人もあまり知らなかったサンタ・バーバラのワインをよく飲んだものです。キュペや三角ラベルのABCなど数ドルでよく買いました。赤ワインではオーパス・ワンもこの頃確か50ドルはしませんでしたが、美味しくてよく飲んだのはダンやシルバーオーク。
私の場合全世界のワインを公平な立場で見ております。価格に見合う価値があるワインは評価されて当然ですが、販売店はその努力をせず手っ取り早く話題性の高いワインばかりを売ろうとしているような気がしてなりません。

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2005年12月23日

Le Nid de Mas Muscat Sec 2004 Vin de Pays d'Oc Mis en bouteille par Les Domaine Paul Mas

1223wine.jpg 南フランスは Pezenas を本拠にするドメーヌ・ポール・マスが瓶詰めしている地元に根付いた葡萄100%使ったワインの1種で、他には赤のカリニャン、白のルーサンヌがあります。
輸入元の説明によると「ミュスカセックはアペリティフとしてフランスでも人気の高いワインです。マスカットの華やかな香りはドライアプリコットやレモンなどの香りも混ざり合いとても複雑です。程よい酸味は期待以上に飲み応えがあり爽やかな印象が口の中一杯に広がります。ワインの区分としてはヴァン・ド・ペイ・ドック、ブドウ品種はミュスカ 100 %で、その平均樹齢は12 年、畑の面積は3 haで生産量12,000 本、熟成はステンレスタンクで行う」とのことです。
合成コルクで栓をするならスクリュー・キャップにして欲しいですね。まずこのクラスとしては香りが高くお薦めです。ミュスカでのお気に入りはアルザストリンバックのミュスカ・レゼルヴ、イタリアはアルト・アディジェ、サンタ・マッダレーナのモスカート・ジャッロでしょうか。
それらはそこそこのお値段ですが、この「ル・ニ・ド・マス」は定価で1200円なので気軽に楽しむことができます。残留亜硫酸もさほど感じませんし、後味がスッキリしているので料理の邪魔もしません。

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2005年12月19日

Chateau de Chelivette 1995 AC Premieres Cotes de Bordeaux Jean-Louis Bouliere

1219wine.jpgフランスワインの良さを存分に味わうことのできる一本です。プルミエール・コート・ド・ボルドーという名称は所謂アントル・ドゥー・メール(ガロンヌ川右岸とドルドーニュ川左岸の三角地帯)の中で、ボルドー市内からランゴンにかけてのガロンヌ川右岸沿いに広がる地域であります。そのプルミエール・コート・ド・ボルドーの北部、ボルドー市内からすぐの所 Ste.Eaulalie という所にある小さなシャトーがこのシュリヴェット。
輸入元の説明によると「わずか2.4haの栽培面積の小さなシャトー。粘土砂利質で作られるメルローを中心としたまろやかながら力強いボディーで、10年の熟成により複雑味も感じられます」とのことですのでごく最近輸入されたところなのでしょうか。

コルクを開けると実によい香りが漂ってきます。色は非常に濃い赤紫と申し上げたらよいのでしょうか、ボトルの肩辺りに澱がこびり付いているのを見つけましたがデカンタせずにそのままグラスに注ぎます。味わいは濃縮された果実味がたっぷり、しかも上品で嫌みがありません。
葡萄品種構成はメルロー65%、カベルネ・ソーヴィニョン25%、カベルネ・フラン10%とのこと。葡萄は全て手摘みされ熟成は新樽で行うとのことです。今年出会った最高のコスト・パフォーマンスと申し上げて良いと思います。

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2005年12月16日

Beaune 1er Cru Les Cent-Vignes 1984 Domaine Duchet

1216wine.jpg たまにはこんなワインも飲まなくてはと思いキャップシールを剥がしてみるとブションは真っ黒け。目減りが殆ど無かったのでつい買ってしまいましたが液面に触れているところもまた反対側も同様に真っ黒け。ボトルをよく見ないで買うとえらい目に遭います。
全くの濁り酒というか酸化してとても飲める代物ではありません。香りはブルゴーニュの古酒しているのですが、やはり飲まない方が無難なのでしょう。しかしグラスに注ぐとレッグが長く飲めそうです、そうそうこのレッグの長さもワインを判定する物差しにはなりません。結局は全て流してしまいました。
何年か前にある人の自宅でワイン会があり参加しましたが、グラスに注がれるワインが殆どこういった濁り酒。白ワインで無濾過だと濁って当たり前と云われるのですがそんなことはありません。大きい粒の澱なら問題ありませんが、濁るほど細かい澱が騒ぐのは大概の場合劣化している証拠です。Montrachet であろうが Meursault Domaine des Comtes Lafon であろうが、如何に買った値段が高くても状態の悪い劣化したワインなど何が旨いというのでしょうか?

また評論家諸氏の中でオールドヴィンテージシャンパーニュを飲むことがシャンパーニュの本当の楽しみ方であると主張しておられますが、私はそうは思いません。泡のないシャンパーニュを愛好することはハッキリ申し上げて劣化したワインを平気で飲むのと同じ行為だからです。以前にも述べましたがお亡くなりになる前クリスチャン・ビゾー氏ご夫妻と共にご自宅で食事しましたがその時に飲ませて頂いた Bollinger Anne Rare RD 1959 は思い出に残る素晴らしいシャンパーニュで泡立ちは細かくいつまでも続きオレンジの香りがしました。
ナッティーな香ばしい香りというのは聞こえがよいですが実はこの香り、シャンパーニュにとっては保存状態が悪いときに発生する香りで所謂酸化臭の一種なのです。シャルドネの多いシャンパーニュによくあることなのですがピノ・ノワール100%のシャンパーニュでもこの香りが発生することがあります。

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2005年12月12日

Poupille 2001 AC Cotes de Castillon Vignobles J.M.Carrille

1212wine.jpg一昔前に静岡のインポーターが日本でのイクスクルーシヴを取り「やれペトリュスと最後まで争った・・・」とか云う話で盛り上がったこともあるワインです。このインポーターですがリーファーと言いながら平積みして目一杯詰め込んでいるコンテナーの写真を堂々と雑誌に載せてるのを見て笑ったことは以前に書きました。
「ワインは香りだけで判断できる・・・」など信じる人は数少ないはずでいつの間にかインポーターが変わりました。久し振りに飲むこのワイン、コルクは上質で長く色も濃く樽の上質さが窺える香りも昔と変わっていません。味は若干軽い目でしょうか、タンニンは少し粗いように感じます。
約二時間かけてゆっくり味わいましたがフィルターをかけていないため後半はかなり澱が混ざってしまいました。迂闊でした、折角かなりの期間立てて置いてたのにデカンタすべきでした。
自分で作ったハヤシライスにはとてもよく合います。ドミグラス系のソース、例えばビーフシチューとかラグー等との相性は良いでしょう。

ワインの参考書は主にフランスで買いますが、たまたま見つけた「イタリアワイン最強ガイド」なかなか内容が濃いので買ってみました。私の勧めるワインが結構載っております。著者には裏方で活躍する日本人、また暗躍する日本人を装う人物についても突っ込んで欲しいと思います。

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2005年12月11日

Tavel Cuvee Royale 2004 Les Vignerons de Tavel

1211wine.jpg最近の流行りはというと「赤・泡・辛」とロゼ全般とか、透明ボトルの綺麗な色なので開けてみました。Tavel は1936年5月15日に制定された原産地名なのでかなり昔から有名であったことが分かります。葡萄品種は10種類位が決まっており次の通りです。grenache, cinsaut, clairette blanche et rose, picpoul, calitor, bourboulenc, mourvedre, syrah, carignan この協同組合ではどの品種をどれだけ使っているかは分かりませんが綺麗な色の割に香りがありません。
シャトー・ド・セグリエスの方が遙かに優れていますね、ワインには香りの良さが必要です。で味はと言うとかなり甘い目です。タヴェルというと辛口ロゼのはずですが何故か甘さが目立ちます。飲み口は悪くないのですがキノコ鍋を突きながらグラスはすすみません。

色だけは綺麗ですが香り味とも凡庸、ガッカリのワインでした。
瓶の肩辺りにはタヴェルのレリーフがあり間違いなくタヴェルのワインであることは明らかなのですが瓶に凝るより品質に拘って頂きたいと願います。またタヴェルも熟成向きではないのでスクリュー・キャップにして頂きたいですね。

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2005年12月10日

Chateau Saint-Pierre 1999 AC Pomerol

1210wine.jpg久々に先斗町つか本さんへ。路地の奥、怪しげな階段を上がるという場所なので一見さんはまず来ません。牡蠣と雲丹の柚子釜で始まり青首の鴨、松葉蟹やいろいろ食べて〆は鴨汁蕎麦。

ワインは
1. Beaumont des Crayeres Fleur Blanche Blanc de Blancs 1998 Brut
2. Chambolle-Musigny la Combe d'Orveau 2003 Domaine Anne Gros
3. Chateau Olivier 2001 AC Pessac-Leognan
4. は表題のワインです。

ボーモン・デ・クレイエールのブラン・ドゥ・ブランは最近のヘビー・ローテーション、とても気に入っております。アンヌのシャンボールは鴨との相性良かったですね。このコンブ・ドルヴォーというリューディはグラン・クリュとプルミエ・クリュにも同名のがありますが彼女の持っている部分は格付け無しの並畑。オリヴィエ・ブランも最近よく飲んでます。で最後のポムロールですが懐かしい優しい味です。ポムロールという土臭さがちゃんと残っています。最近の果汁濃縮機、思い切り新樽の濃い濃いのがポムロールと思っている人たちに飲んでいただきたいこれがポムロールの典型と言えます。葡萄品種構成はメルロー 65%/カベルネ・フラン 20%/カベルネ・ソーヴィニヨン 15% とのことです。

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2005年12月09日

Morey-Saint-Denis En la Rue de Vergy 2003 Domaine Michel Gros

1209wine.jpg 真面目で実直そして優しい人物ミッシェルのワインですが、あまり話題に上りません。この「アン・ラ・ルー・ド・ヴェルジー」という畑ですが三方をグラン・クリュで囲まれた理想的な位置にありながら並畑というか第1級にもなっていないため見逃されているのだと思います。しかし実力は大したもので価格以上の価値があるので毎年買うことにしています。モレ・サン・ドニというアベラシオンはシャンベルタンやロマネの名の付くアベラシオンと比べると随分軽視されていますが味香りに大差ないのでお買い得と云うことになっています。
ドメーヌワインはその生産者の人柄を知ることが必要であると考えます。有名であっても日本で恥ずかしい行為に及んだ輩もおります。こういう輩のワインを買う気がしないのは私は当たり前だと思います。生産者の顔が見えないワインは要注意であります。

出所不明のワインも私は買いません。昔ですがスイスのローザンヌからもうとっくになくなったはずのワインがケースで続々と出てきました。このワイン商日本人が欲しがるワインを調達することで有名ですが今でも同じ商売をしているのでしょう。ドメーヌに聞いてもそんなところへは売っていないと云ってるのに「蔵出しです」と堂々と売っているのはどういう事でしょうか?
その点生産者から流通状況、船会社から運輸倉庫までしっかり分かっているものは安心です。

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2005年12月08日

クードポール第247回ワインを楽しむ会

1208wine.jpg クードポールさんのこの会も20年以上一度も休むことなく毎月一度開催してきました。田中シェフのお料理はオーソドックスなフランス料理で素材重視、ボリュームたっぷり、奇を衒ったような料理は全くありません。
メニューやワインリストは別に書き込みましたが今日の注目は鱈のポワレ鱈場蟹のソースにシチリアの赤との組み合わせです。ネロ・ダーヴォラの「ネロマッカリ」は魚介類との相性はすこぶる良好です。アジェンダ・アグリコーラ・グルフィのワイン、シチリア本来の旨さを満喫できる素晴らしいものです。
さらに面白かったのは和牛ローストに合わせた二種類のボルドー。まずグリュオー・ラローズの97ですが一口目は甘さが目立ちますがグラスを回して空気に触れさせると元気になってきます。味香りともさすが第2級の実力、これはしばらくの間楽しめそうです。そして90のボイド・カントナック。

ワインは飲み比べて初めて理解できるもの。料理との相性やワインそのものの比較は絶対に必要なことです。希少な高いワインを奉り、料理などは二の次というワイン会ではいつまで経っても自分好みのワインを見つけることはできません。

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2005年12月07日

Chateau Can-Mille 1977 AC Cotes du Roussillon

1207wine.jpg コート・デュ・ルーションがAOCとなったのは1977年3月28日のことです。ですからこのワインはアペラシオンとして初めて名乗れる記念すべきヴィンテージのワインなのであります。赤本を調べてみると赤・白・ロゼがあり赤のセパージュとしては Carignan, cinsaut, grenache, Iladoner pelut, syrah, mourvedre, maccabeo が列挙されていますが、最後の葡萄は白の品種です。この品種は赤ワインとしては10%未満、ロゼでは30%未満しか使ってはならないとの記述があります。
このワインの裏ラベルには使用品種として le Grenache Noir, le Calignan, le Mourvedre, le Syrah と書いてありますがその割合は70%,20%,5%,5%とのことで輸入元の説明によると
「収穫が終わると、毎年、エノログにブドウを見てもらい、常に持ちこたえる事のできるワインにするための研究をしています。
品質的に良い、と判断したものに関してはボトリング用に選別され、仮に“そうでない”と判断したものに関しては、バルク売りします。中でも特に厳選されたヴィンテージは、約2年間キューブ内で保管され、そのヴィンテージの持つ自然なキャラクターを表現するようにします。

ワインは最初の熟成段階から、厳格にコントロールされていきます。そしてボトリング。13度に温度管理されたカーヴ内で長い熟成に入ります。リリースまで伝統的に最低でも4年間、カーヴ内で熟成されてから出荷されます。これがシャトー・カンミルです」
ボトルはセラーに寝かせていたので肩の部分に澱がへばりついていました。飲む1週間前位に立てておいた方が良いでしょう。デカンタしましたが澱は殆ど入らず保存状態は極めて良好です。私の開けたのはリコルクされていませんでしたが開けようとするとコルクがかなり柔らかいので慎重にしないといけません。熟成香が楽しめ味わいは健全そのもの2450円という価格からは信じられない完成度。お薦めです。

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2005年12月05日

Vind'Alsace Riesling Cuvee Particuliere 2001 Maison Gustave Lorentz

1205wine.jpg 今日はセラーに燻っているかなり前に買ったアルザスを発見。ネゴシアン物ですが色は全く健全なグリーンが残っており、香りは一段と鋭さを増したように思います。味はまだまだ熟成したとは思えません、きりっとした辛口は変わらずどちらかというとミネラルが強くなったように感じます。リースリングは結構長持ちし10年位あるいはそれ以上保つ物なのです。昔はアルザスのロマネ・コンティと呼ばれるトリンバックのクロ・サン・チューンを沢山飲みましたが一番旨かったのは1979年でした。最後に飲んだのは1996年だったと思いますが…

アルザスと言えば辛口白ワインの代表だったのは昔の話なのでしょうか? 最近の例えば Marc Kreydeweiss などはメチャメチャ甘いです。ビオディナミは総じて甘いと云われても仕方ないでしょうね。先日のクーレ・ド・セランはロワールですがあれもえげつなく甘かったですし・・・

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2005年12月03日

Bourgogne Chardonnay 2002 Domaine de Courcel

1203wine.jpgあおり烏賊を買いました。700グラムを超える結構な大きさ、ミミが好物なので真っ先に食べるのはここ。本体よりもこのペラペラが食べるとコリコリしていて好みなのです。烏賊を糸造りにするとき筒切りのように横に切ってはいけません、縦に細く切る必要があります。
生姜醤油が定番ですが、細かく挽いたフルール・ド・セルに山葵を混ぜエクストラ・ヴァージンでペーストみたいにした物と合わせても結構いけます。生山葵ペーストとでも名付けましょうか? 特にワインと合わせる場合はこちらの方が良さそうです。
で、セラーの奥から残っていた秘蔵のワインを見つけました。これはお値打ちのACブルゴーニュです。何と云っても舌を刺激する厄介者はみじんもありませんし香りは自然でおとなしく味はボーヌのプルミエクリュのような深みがありしかも価格は手ごろなのであります。

ワインは農産物です。上手く造れるときもありますが年によって失敗の時もあるのです。有名銘柄でも同じ事、どんなに名の知れたドメーヌでも失敗することが度々。高いお金を出して有名銘柄を買うのはもちろん自由ですが安い物の中にこのようなお宝があることを忘れてはならないと思います。

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2005年11月28日

Cheverny 2004 Domaine Philippe Tessier

1128wine.jpgシュヴルニーと表記したらよいと思いますがロワールのAO VDQSから最近格上げされ1993年にAOCになった産地名称で場所はヴーヴレイの東の広さ400ヘクタールの地域です。
輸入元の資料によりますとブドウ品種はソーヴィニヨン・ブラン85%、シャルドネ15%、熟成はステンレス・タンクで4ヶ月、平均樹齢は15~20年、土壌は痩せた粘土質に砂が混ざる土壌、栽培面積は3.50haで、単位収穫量は23hl/haとかなり低く、平均年間生産量13,000本との事です。
資料にはさらにこう書いてあります「フィリップ・テシエ氏は、所有畑20haのうち8haで、1999年から実験的に有機栽培を開始しました。その後、彼は有機栽培を全区画で実践し、2004年には“エコセール”の認証を取得。結果、今やアメリカやフランスの有名レストランで取扱われるまでとなりました。しかし、商業的な有機表示に抵抗を感じると言うフィリップ氏は、ラベルに有機を名乗ろうと名乗るまいと、ワインは変わらない。大切なのは中味!と語ります」

私がいつも申し上げるように「ラベルに堂々と有機農法や無農薬を掲げるところにろくなワインは無い」と云うことの裏付けでしょうか?

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2005年11月27日

Beaumont des Crayeres Fleur de Rose Brut 2001

1127wine.jpg昨日のシャンパーニュとの比較はできませんでしたがこちらはフレッシュで色も綺麗ですし香りが全く違います。ひねたところはなく樽の余計なニュアンスも皆無です。シャンパーニュに樽香は不要との説に頷くことができると思います。もちろん樽といっても様々でバニラ香なら違和感も少ないかも知れませんが余剰のタンニンはシャンパーニュには向かないはずであります。
で昨日のアンヌ・グロですがコメントは非常に申し上げにくいのですが敢えて云わせて頂くと昔の良さが全く消え失せているとでも表現したらよいのでしょうか、クロ・ヴージョの香りが全く消えていました。色だけは濃いのですが独特の芳香が時間をかけても出てくる様子がありません。感じ取れるのはバニラ香のみで過剰なタンニンが舌を刺しバランス云々の話どころではありません。
一体どうしたことでしょうか? これがグラン・クリュとはとても思えません。せっかく持ってきて頂いた客人には申し訳ないのですがドメーヌの姿勢が変わったとしか思えないので敢えて書かせて頂きます。人気が出ると奪い合いになるドメーヌワイン、このアンヌのワインの裏ラベルには全く聞き覚えの無いインポーターの名前があります。

BMヴァンでしたっけ、日本向けにはベルナール・ムーニエ氏がアンヌのワインを一手に販売しているのでしょうが、金さえ出せば何処にでも売るというのは如何なものでしょうか? 元々ボニリ・ジャパンさんがメインのインポーターだったと思いますが、情けないことに新たな新興勢力がボニリさんより先んじて輸入しているのが現状です。ワインのインポートという仕事は実に大変でワインのことをよく知っていないと肝心のワインがダメになってしまいます。
ところでこのところ大田原牛が取りざたされるようになりました。友里さんのところにも出ています。昨日松阪で品評会がありましたが最高落札価格は一頭2006万円、高いのは高いですがこちらは正真正銘の保証付き。大田原牛はとある肉屋の登録商標、勝手に値段を付けているだけでその根拠は明らかでありません。

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2005年11月26日

Clos Vougeot le Grand Maupertui 2003 Domaine Anne Gros

1126wine.gif土曜日は淡路・岩屋の魚屋さんが来ます。今日は何と1.5キロの鮃を丸ごと一尾買いました。5枚に下ろして貰って野菜室に保管晩まで身は活かってました。鮃はこの位の大きさになると旨味が一段と増すようです。特に腹側の二枚は味わい深くゲランドのフルール・ド・セルとエクストラ・ヴァージンだけでその旨さを十分堪能できました。天然の鮃は縁側や肝も全く匂いません。頭や中骨は軽く塩して網で焼きましたがこの上ない旨さで炭火の必要性は全くありません。

ワインは客人持参の Jacques Selosse Grand Cru Rose Brut と表題のワイン、我が家のセラーから Beaumont des Crayeres Grande Reserve Brut NV, Bourgogne 2002 Domaine Ramonet と贅沢に飲ませて頂きました。
アンヌ・グロはフランソワ・グロのお嬢さんですがドメーヌ・トロ・ボーの息子さんと結婚しています。エチケットはいつの間にかコロコロと変わり今のは実に愛想のない、偽物が造りやすいデザインとなっています。クロ・ヴージョそのものは50ヘクタールもある大きなグラン・クリュですが彼女の持つ区画ル・グラン・モーペルチュイは斜面の上層部水はけの良い最も理想的とされる位置にあります。樹齢80年以上の古い樹が植えられていたはずですが vieilles Vignes の表示はありません。
料理の材料が良ければワインは結構なんでも合うものなのです。この鮃は刺身にしても山葵も要らない位旨いですし焼いて赤ワインと合わせても全く違和感ありません。ワインとの相性は素材が新鮮で尚かつ質が高ければ赤白そして泡を選ばないと考えます。

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2005年11月21日

Bourgogne Chardonnay 2003 Francois Mikulski

1121wine.jpg 裏ラベルには「ドメーヌ・フランソワ・ミクルスキ ブルゴーニュ・シャルドネ」とありますがこれは間違いです。前にも述べましたがこのワインはフランソワ・ミクルスキが瓶詰めしていると云うだけで自分の畑の葡萄かどうかは一切の記載がありません。
Mis en bouteille par Francois Mikulski であり Mis en bouteille au Domaine ・・・ ではないのです。色は濃いめの黄色にやや緑を帯びていて健全ですが残留亜硫酸は多め、口に含むといがらっぽく補酸したように感じます。樽の影響でしょうか葡萄本来の香りとは無縁の匂いが鼻につきます。
あまり多くは飲むことができません。名前が売れると生産が追いつかないのでしょうか? 有名ブランドを欲しがる人には売れるのでしょうが私は多分二度と買わないでしょう。ブルゴーニュの雰囲気すらないただのシャルドネ。料理用に使うしかありません。

本日、単品宮崎産5番の鞍下28キロの物、知り合いの肉屋さんに見せて貰いましたがかなりの上物です。リブロース側を見るとロースの芯が大きくBMS10位の細かいサシがあり、私の指定箇所の部分はかなり期待が持てると思います。十分熟成してありますがさらにもうしばらく置いた方が良いとの見解のため今週土曜日に切って貰うことにしました。
銘柄牛例えば神戸牛や松阪牛はその生産量も多くピンからキリまであることが分かってきましたが、村沢牛や大田原牛と云うものこれらはテレビなどで意図的に取り上げられネットでも騒がれているようです。本当に価値あるものでしょうか?

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2005年11月20日

Meursault 2002 Domaine Arnaud Ente

1120wine.jpg丁度700グラムの重量級ボトルにとても長いしっかりとしたコルクに守られた液体。かなりのプロテクションですが他の生産者も見習って頂きたいと思います。4511本の普通瓶と21本のマグナムが造られたとラベルに記載ありますが本当に限られた数しか造っていないので漫画などには載せて欲しくないワインです。
色はかなり薄い目ですが薄緑色を呈し、香りから樽の強さを感じることはあまりありません。しかし液体の濃度が高くグラスに注ぐときに重さが手に伝わってきます。
このワインが真価を発揮するには恐らく5年の歳月が必要でしょう。しかし今味わってもその非凡さは判る人には分かるはずです。

比内地鶏は寒くなると旨味がうーんと増してきます。今日のは特別でしょうか、胸肉にスポットのように赤色が浮かんでおり腿はまるで鴨のように濃い色を呈しています。ガラスープは極上の仕上がりで胸肉をしゃぶしゃぶで頂きます。そして肝は先日の和製フォアグラとまでは達しないもののとても大きな白肝で軽く塩胡椒して網焼きに。大阪一美味しいと云われる焼鳥屋よりもこちらの方が旨いです。
今日は料理もワインも極上です。調子に乗ってコンティ・ゼッカのノヴェッロやいろんなワインを開けてしまいました。

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2005年11月19日

Clos de la Coulee de Serrant 2003 AC Savenieres Coulee de Serrant Domaine Nicolas Joly

昔は高島屋の専売だったクロ・ド・ラ・クーレ・ド・セラン、ニコラ・ジョリーの前A.ジョリーの頃から飲んでおります。驚いたのがこのヴィンテージは甘いと云うこと。数年前から所謂ヴァンダンジュ・タルディヴが造られているのは知っておりましたがこの2003年のラベルには何らその表示はありません。
極甘口とは云いませんがかなりの甘さであることに違いはありません。

ビオディナミは総じて甘いと批判されることが多いですが、こんな甘いクーレ・ド・セランは私は初めての経験です。ニコラ・ジョリー氏のワインについての理論はご立派でしょうが、このワインに使われているコルクは至極安物であります。昔からそうですが高い価格の割りに実にお粗末なコルクを使うのは如何なものかと思います。
昔の話で恐縮ですが昭和の時代に一世を風靡した白ワインが幾つか存在しました。このクーレ・ド・セランもその一つであったかも知れません。ワインが重要なギフトであった頃、この上に鎮座していたのが北部ローヌのシャトー・グリエ。単独のアベラシオンを持っているという理由だけで途方もない高い値段で売っておられました。最近は全く話題にも上りませんね。
当時この両者について言えることは「自分では買わない」ことでしょうか? 従価税だったこともありとても高嶺の花、しかしギフトにはよく使われたワインでした。

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2005年11月16日

Ch. Meyney 1997 AC Saint-Estephe Cru Bourgeois

1116wine.jpgボルドーの名門ネゴシアン、コルディエが所有しているサンテステーフのクリュ・ブルジョワ。私はこのコルディエが昔所有していたサンジュリアンのタルボや同じくグリュオー・ラローズが大好きでした。双方ともどのヴィンテージもあまりハズレが無く安心して飲むことができたのがその理由の一つ。
香港のレミー・ニコラでこれらコルディエの古いビッグ・ヴィンテージの物を沢山買って飲みました。61年、70年、75年など今から考えたら気の遠くなりそうな安い価格で買えたのです。
さてこのメイネイ、先日の宴会で空けた一本が美味しかったので早速注文しましたが現在品切れとのこと。今日セラーの整理をしてたら偶然最後の一本を見つけたので開けてみました。
97ヴィンテージは避けて通る人が多いそうですが、決してそうは思いません。コルクを抜いた瞬間、ほとばしり出るように熟成香がテーブルの上を漂います。ワインの持つ他の酒類にない要素はこの香りの変化ではないでしょうか? 人によっては若いアロマが好きかも知れませんが、私はこの何とも言えない熟成のかぐわしいブーケがことのほかお気に入りです。

このワインの価格は3500円、午前0時を過ぎると解禁のプリムール物の中で「ドメーヌ物で無濾過」とか「酸化防止剤不使用」の表示のあるものと大差ありませんが、私にとっては2倍も3倍も心を満たしてくれる良いワインだと思います。
去年も書きましたがヌーヴォー大国、日本。「酒」というもの、急いで造るとろくな事がないのは日本酒もワインもウィスキーも同じではないでしょうか? 「酒」造りに「熟成」は欠かすことの出来ない重要な要素であると考えます。

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2005年11月10日

Clos Fourtet 1982 AC Saint-Emilion 1'er Grand Cru Classe

私は大のサンテミリオン・ファンであります。メドックの重さが苦手と云えばそれまでですがサンテミリオンの軽快さがとても気に入っております。
初めてニースに行ったのは確か1983年のことだったように記憶していますが、泊まったオテル・ネグレスコのメインダイニング、シャント・クレールにはかのジャック・マクシマンが厨房の長として君臨していました。今でも忘れない料理「オマールの3種の調理法」は正直驚きました。

シャンパーニュは何だったか覚えていませんが、横綱みたいな超重量級のシェフ・ソムリエが次に選んだのは Ch.Latour Figeac 1975 サンテミリオンのグラン・クリュ。オマールのココットに実によく合いました。
さて本日はクードポールさんのワインを楽しむ会で詳しくは別に書きますが、印象に残るのはこのクロ・フールテの1982年。コルクはかなり怪しい状態でしたが、ワインは生きていました。茸の香りやミントのニュアンス、香りはグラスの中でいろいろと変化します。熟成の極みでしょうか、甘さと妖艶さが口の中一杯に広がります。
長年アンドレ・リュルトンの所有する蔵でしたが、最近どうやら売却したようです。

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2005年11月09日

En Sol des sens Vin de Pays de l'Herault 2004 Domaine Pech Laurier

1109wine.jpg 昼食はカヴォー・ド・シャサーニュ、布施駅南のフレンチバルで人参とクミンのポタージュ、鶏肉のバスク煮込み、自家製パンにサラダ。食後にパコジェットで即座にできる無花果のソルベとコーヒー。9席しかないカウンターのお店ですがランチとしてはマニアには堪らないほどフランスそのままの味をキープしています。ランチメニューはコーヒー付きで850円という安さ! ソルベは300円、フランスに行かれた経験のある方には是非ともお薦めのバルです。
帰り道でいつもの魚屋さんを発見、鮃を買う。キロ6000円で身が厚いモノは夜食べる頃には旨味が増しています。薄造りにして山葵醤油とフルール・ド・セルにエクストラヴァージンで食べ比べると塩・オイルの方がワインにはよく合います。99のカルドンヌを空け、次に開けたのがこの南仏ワイン。刺身に赤ワイン? 気味悪がられるかも知れませんが、新鮮な魚の脂には赤ワインは決して合わないものではありません。

さてワインですがコルクが安物ですね、多孔質といってもこれ程穴が多いとワインの栓としては不適格です。透明感のある赤紫色を呈し、光を当てるととても綺麗な色。香りからグルナッシュ、サンソーなどの葡萄品種が思い浮かびます。味は癖のない一般には受けるものだと思います。エチケットはちょっと色っぽいですが・・・

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2005年11月07日

Pouilly Fume 2004 Domaine Tabordet

1107wine.jpg今日発売されたばかりのプイィ・フュメで早速飲んでみました。柑橘系の香り高いものと想像しましたが、ミネラルたっぷりの濃厚な味にちょっと驚きました。
輸入元の説明によると「イヴォンとパスカルのタボルデ兄弟が1981年に設立したドメーヌ。父のレイモンはサンセールに畑を持ち、ワインを生産していましたが、兄弟が1981年にプイィ・フュメに畑を購入し、現在のドメーヌ名になります。
サンセール(6ha)とプイィ・フュメ(7ha)に所有する標高200~220mの畑で、リュット・レゾネを実践。農薬や除草剤、化学肥料などはほとんど使用していません。
10℃でデブルバージュを行った後、16~18℃で約2ヶ月かけて醗酵するため、非常にクリアーなワインを造り出す生産者です」とのことです。

私はロワールの白を味わうときかなり強めに冷やし、徐々に温度が上がるようにしながら味香りの変化を楽しみます。低温の時はキリッと締まっていても温度が上がると甘ったるくぼけてくるワインが多い中、このプイィ・フュメは温度が上がるとますますミネラル感が強くなります。独特のスモーキーなフレーバーも同じく温度が高くなるとはっきり現れてきます。
定価が2600円なので有名なバロン・ド・Lの1/3以下です。アペラシオンの特徴がよく出ているのでお薦めです。

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2005年10月24日

Chassagne-Montrachet 1'er Cru Morgeot la Cardeuse Rouge Domaine Bernard Moreau

1024wine.jpg シャサーニュ・モンラッシェのプルミエ・クリュと言ったらその半分位がモルジョを名乗れるはずです。モルジョの広大な区画にはそれぞれクリマの名前が付いていますが、この畑はドメーヌ・ベルナール・モローの単独所有となっている「ラ・カルドゥーズ」です。
場所はシャサーニュ・モンラッシェ村のほぼサントネイ寄りの部分、全部で96アールほどの広さのうち赤ワイン用は75アール残りが白のシャルドネが植えられていると推測出来ます。
ベルナール・モローというドメーヌはやはり白屋で赤ワインは得意としていないようです。買ってから2年以上セラーに寝かせてありましたが色は薄く香りもそんなにありません。白ワインの得意とするドメーヌが赤ワインを造ると殆どがこういう結果になります。
昔ピエール・モレイの赤を抱き合わせで買わされましたが(確か1985年のポマールのプルミエ)同じく薄く脆かったように記憶しています。
逆に赤ワインしか造っていなかったドメーヌが最近白を造り始めたところ、例えばベルナール・グロ、アンヌ・グロ、そして先日ご紹介申し上げたメオ・カミュゼなどは上手に白を造ります。

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2005年10月23日

Cremant de Bourgogne Rose NV Maison Louis Picamelot

1023wine.jpg 泡物大好き人間ですが、大手メゾンのシャンパーニュを開けると本来のシャンパーニュとは違う何だか薬臭いことが多いと思います。また泡の粒が粗く口の中でぼこぼこする感じはあまり好ましいとは思いません。
そこで普段飲む泡というとこのメゾン・ルイ・ピカメロのクレマン・ド・ブルゴーニュになる訳です。このブルゴーニュはコート・シャロネーズ、リュリーに本拠を持つ泡専門の生産者で、タストヴィナージュと前述のジャンヌ・トマスそしてこのロゼがメインの売り物ですが全て辛口に仕上げられスッキリ爽やかなアペリティフにピッタリの泡です。
ロゼの泡は大変細かく、フルートグラスに注ぐとビールのように上部に細かい泡が生じ、底からも泡が止めどなく立ちのぼります。ロゼ・シャンパーニュには結構甘い物が多いと思いますがこれはそんな心配は無用です。ドサージュの多いモノは始めの印象は強いのですが飲んでいると飽きてしまうときがよくあると思います。

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2005年10月21日

Vosne-Romanee 2003 Domaine Gros Frere et Soeur

1021wine.jpg 2003年というと猛烈な暑さがフランス全土を襲った年ですがその11月に売り出されたボジョレー・プリムールはあっという間に完売、やはり甘いと売れると云うことが証明された年でありました。翌年2004年の同じプリムールのワインはかなり売るのに苦労したと聞きます。毎年思うことですが「今年の葡萄は出来が良い」とは農家であれば誰もが言う台詞。
ですがプリムールではない普通のワインはどうだったのでしょうか? 私の知る限り偉大なワインが出来た年とはとても思えません。もちろん今から、本格的にこの年のワインが入ってくるはずですからまだ何とも言えないのが現状です。
で初めて開けてみたこのヴォーヌ・ロマネ、とても良い香りというか香水みたいに広がる芳香があり甘酸のバランスがとれています。果汁濃縮の成果でしょうか? 何だかちょっと出来すぎのような感じがしますがもう既に飲んでも大丈夫ではないでしょうか?
この香りは昔、1961年の名もないドメーヌのヴォーヌ・ロマネを開けたときのそれと似通っているように思います。その後1964年のサン・ヴィヴァンDRCも凄い香りを発しました。そんな昔を思い出させてくれる一本。期待出来るワインです。

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2005年10月12日

Bourgogne Aligote 2004 Vigne Plantee en 1929 Francois Mikulski

1012wine.jpg 裏ラベルには「ドメーヌ・フランソワ・ミクルスキ」と記載されていますが、これは全くの間違いです。表のエチケットの何処にもドメーヌの文字は見当たりませんし、Mise en bouteille par の後にフランソワ・ミクルスキと表示があるだけなので瓶詰めしたのがミクルスキということだけなのです。
Crozes-Hermitage の Alain Graillot も同じように、いつの間にかドメーヌ表示のないボトルが見受けられます。両者とも急に有名になったため生産が間に合わず、近所の名のない生産者のワインもしくは葡萄を買っているのではないかと思われます。
エチケットには1929年という樹齢76年という葡萄の木の表示がありますが、アリゴテ種という葡萄は古木の方が良いワインが出来るというお話は聞いた覚えがありません。
私の経験ではコート・シャロネーズもしくはシャブリの近所でしかこの種の葡萄の良いワインに巡り会ったことがありません。
色は青っぽくて健全ですがやはり香りに乏しく、味的にはこの種の葡萄特有のキリッとした酸味が全くありません。目隠しで飲んだらブルゴーニュ・アリゴテとは誰も感じないと思います。別に不味いという訳ではありませんので飲むには問題ありませんがアペラシオンの意味が無いように思われますので価値観は低いと思われます。

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2005年10月11日

Chateau Carbonnieux Blanc 2002 AC Pessac-Leognan

1011wine.jpgカルボニューは昔から「紅白」のワインセットとして使われてきたのでよくご存じの筈です。このシャトーの起源は大変古く西暦1234年あるいはそれ以前に遡るとのことです。僧侶の間でお酒が御法度だった時代には「オー・ミネラル・ド・カルボニュー」として珍重されたとかの逸話も残っているこの白ワインですが、1980年代は全て新樽熟成、しかしその期間は経ったの3ヶ月でありました。
しかし今はその作付け面積も43ヘクタールと増え樽熟成(新樽の割合は1/3)は10ヶ月とかなり長くなりました。葡萄品種はソーヴィニョン65%、セミヨン34%、ミュスカデル1%が植えられています。
個人的な好みを申し上げると昔の方が飲みやすかったと思います。価格的にも・・・
グラーヴの白ワイン、特にペサック・レオニャンの有名シャトーのワイン、最近の高値は異常に思います。定価で5000円を上回るほどの価値観を持たないのは私だけでしょうか? 名のないシャトーの方が余程価値あるように思います。勿論ドメーヌ・ド・シュヴァリエ・ブラン、クーアン・リュルトン、ド・フューザルなど素晴らしいワインもあるにはありますが・・・
ド・クリュゾー、ロッシュモランなどのペサック・レオニャンなら半値ほどですし、グラーヴACにはダルシャンボーやアルザック等比較すれば大差のない白ワインがいろいろあるはずです。
(写真は1999年をインポーターさんから借りました)

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2005年10月06日

Chateau Cos d'Estournel 1988 AC Saint-Estephe

1006wine.jpgワイン大学のメンバー、Sさんが是非飲みたいということでとある洋食屋さんに持ち込みさせて頂きました。
ブションはとてもしっかりしているのですが半ばから少し上まで赤く染まり漏れてはいませんがかなり温度変化があったようです。ワイン自体の色は健全なのですが香りが少しコスのそれとは異質のように感じます。即ち鉱物質というか金属的というか表現は難しいですが鉛のような匂いが気になります。
本来デカンタすべきでしょうが、それを頼むにはまだ親しい訳ではありませんし、ご夫婦二人だけの小さなお店はラジオやテレビでよく見かける顔で満席状態なので致し方ありません。
色はとても濃い赤色を呈していて濁りもありません。ただ後半に至っては粒状の澱と肩口にへばりついていた大きな澱にSさんは驚かれていたようです。
結論から申し上げますとあと5年から10年は保存可能と思います。今飲んで飲み頃かと聞かれたら3年早いかな? というのが正直な感想です。

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2005年10月04日

Chateau Poupille 2001 AC Cotes de Castillon

1004wine.jpg 10年程前だったでしょうか、静岡の出来たてほやほやのインポーターが騒いでたワイン、それが当時ペトリュスと比較しても引けをとらないと云われたプピーユのことでした。素早く嗅ぎ付けたのが若い人向けの雑誌やさらには新聞までも結構大きく取り上げたものでした。
当時そのインポーターの広告を見て思い切り笑ってしまいました。コンテナーに平積みされたワインの箱、一睡の余地もなく積み上げられていますがその広告には「リーファーコンテナー使用」と堂々と書いてあります。普通リーファーコンテナーでワインを運ぶ場合、パレットを使い風通し良いように間隔を開けて配置し冷気が循環する訳で、隅々までぎっしり詰め込むような事は断じて致しません。こんな宣伝をしたら嘘丸出しになってしまいます。
またこのテイスティングを務める女性は当時香りだけでワインを判断するという特技を持っておられたようですが、最近余り話題に上りませんね。

で、つい最近のお話しですがこのプピーユの若きオーナーがサンプルを携え大阪のインポーターを訪問、正式の契約をしたと聞き早速飲んでみる事にしました。まずはセカンドというか新樽熟成をしないシャトー・プピーユから。
ブドウ品種はメルロー80%、カベルネ・フラン20%で平均樹齢は30年、熟成は古樽とタンクで18ヶ月とのことですが実に上手に造ってあり、果実味濃厚で酸と甘さのバランス良くタンニンもシルキーで邪魔になりません。今飲んでも十分楽しむ事の出来るワインです。

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2005年10月03日

Champagne Beaumont des Crayeres Cuvee Nostalgie Brut 1995

1003wine.jpg既にインポーターでは完売になった95年のノスタルジーはボーモン・デ・クレイエール社の最高級シャンパーニュであります。若干ブションがしょぼい事を除けばほぼ完璧な仕上がりです。まず綺麗なゴールドの色に無数の泡が細かく立ち上り香りはと言うと例の蜂蜜香であります。昔のKRUGは全てのボトルにこの蜂蜜香がありました。今から10年ほど前からでしょうか? その香りがだんだんとひねた香りに変わってきたのは・・・
クリュッグを飲み始めたのは1980年代の初めでしたでしょうか、確かインポーターはアサヒビールだったと記憶しています。初めてランスのクリュッグ社を訪問したのは確か1984年でした。このときはアンリが社長を務めていてオリヴィエは未だ入社していなかったと記憶しております。ランスの本社で飲んだクリュッグはグラン・キュヴェの旨さが際立っておりやはりクリュッグはこのグラン・キュヴェを飲むべしと心に刻んだものです。当時の現地価格は300フラン、ミレジムが450フラン、ロゼが500フランでその後リリースされたクロ・デュ・メニルが600フランだったと思います。
インポーターがレミー・ジャポンに代わり社長が弟のレミー・クリュッグに替わった頃は頻繁に日本に来てました。その後アンリの息子が日本に常駐していた事は広くマスコミに知られています。
1980年代から1993年にかけてのスタンダード・シャンパーニュの価格はオーブ地区なら50フラン、グラン・クリュのコート・デ・ブランのRM物でさえ70フランが相場、有名ブランドのネゴシアン物で80フラン程度の物。それに比べるとクリュッグの300フランというのはとてつもない高値であった事がお分かり頂けると思います。
ボーモン・デ・クレイエール社は高品質にも拘わらず日本のインポーターの努力により安く提供されています。日本での価格はパリのレストランより安いかも知れません。

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2005年10月01日

Bourgogne Hautes Cotes de Nuits Clos Saint Philibert 2002 Domaine Meo-Camuzet

メオ・カミュゼにはネゴシアンラベルの物とドメーヌ・メオ・カミュゼがありますがこれは後者に属します。裏ラベルに地図が記載されていますがオート・コート・ド・ニュイは広い地域なのですが、このクロ・サン・フィリベールは何処にあるかというとその半分ほどがフラジェ・エシェゾー村にあり、ヴォーヌ・ロマネのレ・ボーモンなどのプルミエクリュを見下ろせる標高400メートルほどの高台に位置する3.5ヘクタールの畑であります。
The Burgundy Report によりますと1993年がファースト・ヴィンテージで現在の植え付け面積比率はシャルドネ90%、ピノ・ブラン10%とのことですが、ワイン醸造となるとセパージュは95%がシャルドネとのことです。2002年の収穫量は55hl/haですが、2003年は26hl/haと極端に少なくなっています。醗酵などについての詳しいコメントはありませんが発酵温度は28度を超えないようにしているとのことです。新樽比率は20%とのことですので余計な樽の影響もありません。
まだまだ樹齢が若いのでそんなに複雑な味香りを呈することはありませんが、芯のしっかりとした果実味や爽やかな酸味が味わえ食事の良き友になります。

ネットで見つけた天然記念物「見島牛」スネのブロックと鞍下スライスを注文したのは先月の初めでしたが品物が届いたのは27日木曜日でした。この「見島牛」なるもの我が和牛研究会の調べでは「無角和種」のはずであります。スライスは少し厚めですき焼き用に切られていますが霜降りの度合いから想像すると4番でしょう。肉の赤身は綺麗な赤色で脂身は真っ白ですので上質の肉であることは間違いありません。軽く塩胡椒してサッと炙りましたが結構な美味しさです。

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2005年09月28日

Vosne-Romanee 1966 Domaine Gros Frere et Soeur

0928wine.jpg コレット・グロを引き継いだのはミッシェルの弟ベルナールです。そのベルナールが管理する古酒をまとめて輸出に回したのはもう何年か前のお話しです。64、66、67、69・・・・いろいろなヴィンテージのACヴォーヌ・ロマネ、その他グラン・クリュのクロ・ヴージョ等もあったように思いますが、その中の一本を久し振りに開けてみました。
リコルクされて澱も少ないですが念のため早めに栓を抜きデカンタしました。香りは強い熟成香に何か金属質を感じます。色はエッジこそ茶味がかっていますが綺麗な赤色には艶があります。
蔵出しならではの本物の熟成した味は表現の仕方が難しく、ただ「メチャ旨い」と云う言葉しか出てきません。
たまにはこういう贅沢も良いかも知れませんね、フォアグラのテリーヌにトリュフ・ノワールを射込んだ古典的前菜のあとブレスの鳩のシュプレームをサヴォアキャベツで包み軽く蒸した一皿、ワインはことさら鳩によく合うようです。

東大阪のチョコレート屋さん「Ryoco」が雑誌に掲載されました。おっさんが見るような雑誌ではありませんが「シュシュ」とかいう若い女性向きの本だそうです。チョコレート系は勿論ですが私の好みはミルフィーユ。出来たてを食べると病みつきになること間違いなしの旨さです。

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2005年09月27日

Les Faisses 2003 AC Coteaux du Languedoc Domaine Paul Mas

0927wine.jpg ラングドックのワインですがとても丁寧に造ってあります。このドメーヌ・ポール・マスのワインは全体にお安い価格で売られていますがこの「レ・ファイス」は数あるポール・マスの中の最高峰、一番お高いワインです。と言っても定価は \2,150 という安いものです。
葡萄品種はグルナッシュ・ノワール60%、シラー40%という構成で、グラスに注ぐとき発生する泡まで赤く大変濃厚な液体に仕上がっています。香りは葡萄の果実香で過剰な樽香は感じられません。口に含むと果実味と酸のバランスが良く、しっかりとタンニンを感じますが舌触りは実に滑らかです。
余談ですがこのボトルは大変重たく何と920グラムもあります。中身は大凡750グラムでしょうからボトルの方が重たいことになります。コルク栓もそんなに長くはありませんが良質のコルクを使っています。
騙されたと思って数本買い、セラーの奥に保管してみては如何でしょうか? 恐らく3年程でお宝ワインに変身すると思います。

私の経験上申し上げることが出来るのは「梅干し」のニュアンスのあるワインが将来旨くなる一つの条件だということです。過去に於いては「Chateau Falfas les Chevalieres 1990 Cotes de Bourg」「Chateau Lagrange 1990 AC Saint-Julien」などが良い例でした。最も顕著な例は「Chateau Mouton-Rothschild 1986」ですがこの86年という年はリリース前からチェルノブイリの影響で全く評価されなかった年でした。今でこそ高値を付けていますがリリース直後は暴落に近い価格まで下がっておりました。

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2005年09月26日

Les Arums de Lagrange 2002 AC Bordeaux

0926wine.jpg メドックの1855年格付け第3級のと言うよりサントリー所有のと言った方が現実的でしょうか? ラグランジュの造る白ワインです。
ラグランジュというとナポレオン3世の時代は300ヘクタール以上あった畑ですが、1925年先代の所有者スペイン人のマニュエル・センドーヤ氏の手に渡った頃は僅か50ヘクタールになってしまいました。
昔、1970年代から80年代にかけて開けたこのラグランジュは見事に全てハズレでした。その頃の植え付け面積比率はメルロー40%、カベルネ58%、プティ・ヴェルド2%ですが醸造に際しては凡そ50%強のメルローを使っていたそうです。「格付けだけで世界中の人が買っていく」そう表現するしかないワインになっていました。
1983年に買収した日本人の英断ですが当時「ワインの知らない日本人がよくもあんなどうしようもないシャトーを買ったものだ」と嘲笑の対象となっていました。しかしエチケットから二人の騎士が消え1985年がリリースされた1987年には驚きの賞賛に変わりました。元々恵まれた環境にあるから良いワインが出来て当たり前だという信念のもとに造られたワインはやっと世間並みの価格に戻ってきたようです。1985年のリリース価格などとても安く、途方もない品質にも拘わらず1990年も今から考えると驚くべき安さでした。
さてこの白ワイン、初めて売り出されたヴィンテージは1997年ですが実はかなり前から造られていて、90年代の初め頃から接客用に使われていたそうです。2002年のセパージュはソーヴィニヨン・ブラン 53%/セミヨン 36%/ミュスカデル 11% ということです。

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2005年09月25日

Chateau Andron Blanquet 1997 Cru Bourgeois AC Saint-Estephe 

0925wine.jpg 1999年パリコンクールのブロンズメダル受賞シールが貼られていますが、いつも申し上げる通りコンクールに出場するには出品料というお金がかかります。出品料を払わないとコンクールに参加することは出来ません。
あるアメリカのワインが雑誌広告でこんな表現をしていて思わず「プッ」と吹き出してしまいました。「我がワインは全米(多分?)コンクールで優勝し、アジアアフリカコンテストでも優勝、そしてさらにヨーロッパのコンクールでも優勝しました。故に世界一のワインとなったのです」それではそのコンクールにどんなワインが出ていたのでしょうか? シャトー・ラトゥールが並んでいたのでしょうか? ロマネ・コンティと比べられたのでしょうか?
世界各地で頻繁に行われるいろいろなコンクールですが、出品料を払った上に仮に何らかの賞を頂いても今度はそのシールを買わない限りボトルにそれを表すことが出来ません。その分余計な出費を購入者は支払うことになります。

で、このワインですがボルドーの懐かしい香りと味なのですがこれといった特徴もなく凡庸としか思えません。しかし食事との相性から考えるとオールマイティーかも知れません。「無難」と言えばそれまでですがレストラン向きのワインであることは間違いないようです。あまりワインに感心がないレストランなら「パリコンクールでブロンズ賞受賞のワインですから…」などと説明出来るのは間違いないですから。

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2005年09月21日

Champagne Christian Bourmault Cuvee Hermance Brut NV

0921wine.jpg 最近はRMシャンパーニュを流行らそうとする傾向にあります。
ドンペリやクリュッグなどのプレミアム・シャンパーニュに飽きてきたのでしょうか? 「シャンパーニュは高い」とお思いの方が多いのでシャンパーニュの原価について申し上げたいと思います。最も価格の高い葡萄で造られるのは当然の事ながら100%Cruの村で採れる葡萄を使ったもので、それが仮に特定の区画から生産されたものでも原料葡萄の価格は変わらないということを覚えておいて頂きたいと思います。
地域でいえばモンターニュ・ド・ランスの Ay や Bouzy あるいは Ambonnay や Verzenay などとコート・デ・ブランの Chouilly, Oiry, Le Mesnil-sur-Oger そして Avize, Cramant などが有名です。これらの地に於いて葡萄栽培しシャンパーニュを自ら生産している農家はそれこそ山程あります。日本には輸入されていないだけで良心的な価格で提供しているところが意外に多いのが実情です。
ところがいざガイドブックなどに載ると所謂ブローカーや独占販売権を持っていると自称する人物などが現れ価格が高騰するのです。日本人のバイヤーは彼らの話に乗せられ高い価格で買ってしまうのが現状かも知れません。

話は逸れてしまいましたがこのクリスチャン・ブルモーは Avize に本拠を持ち輸入元の説明によると「1870年から続くブドウ栽培家系。現当主クリスチャンが相続した時の畑は、僅か1ha。1981年にドメーヌを設立し、以来少しずつ畑を買い増やしています。
現在では、コート・デ・ブラン地区に4ha(シャルドネ)と、ヴァレ・ド・ラ・マルヌに2ha(ピノ・ノワールとピノ・ムニエ)の畑を所有しています。ドメーヌとしての品質基準に満たないブドウや果汁は、ネゴシアンに販売してしまうため、ドメーヌの年間生産量は10,000~15,000本程。クリスチャンと息子のアントニーの二人だけで運営しています。栽培方法はリュット・レゾネ」とのことです。

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2005年09月20日

Chateau Mouton 2003 AC Bordeaux Superieur Jean-Philippe Janoueix

0920wine.jpg
先日はこのセカンドを飲みましたが今日はムートンの登場です。もっとも Rothschild が後に付くポーイヤックの第1級銘柄ではありません。
輸入元の資料から「AC ボルドー・スペリュール ブドウ品種:メルロー70%、カベルネ・フラン25%、プティ・ヴェルド5% 平均樹齢:約36年 栽培面積:19ha 平均年間生産量:30,000本 醸造:収穫後ブドウは、破砕せずにタンクへ入れる。30日間マセラシオン。アルコール発酵の間は果肉をパンチダウンする。その後、マロラクティック醗酵を含め、9ヶ月樽にて熟成」とのことですが、実に上手に造られています。まず過剰なタンニンや残留亜硫酸が少なく果実味豊富で飲み飽きしないタイプのワインです。
香りがいつまでも続き数時間置いても変化しないのは酸化しにくいことの証明でしょう。昨日のポムロルと比べるとコルクは固くて長さも2ミリ程長い良質のものを使っています。名前から仔羊のローストに合いそうですが、ニンニクの効いた和牛リブロースのソテーなどにも合いそうです。
ACから考えると少しお値段は高いように思えますが飲んだら納得の一本だと思います。熟成の香りが楽しめると思いますので3年から5年間はセラーで寝かせたいと思いますが、今すぐ飲んでも十分楽しめるはずです。

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2005年09月19日

Chateau de Sales 1999 AC Pomerol

0919wine.jpg ポムロルの中では異様に大きなシャトーで畑は47.5ヘクタールもありますが位置的にはポムロールの境界線ぎりぎりで隣はラランド・ド・ポムロルになります。歴代A.de Laage家の所有で現在はその子孫のアンリ・ド・ランベールと息子のブルーノが経営しています。
畑は70%メルローで残りの30%はカベルネですが貴族経営にありがちなそれなりのワインしか造っていません。ペトリュスのおかげで全世界から注目を集めた生産地であるだけのワインだったので例えば「クラスマン」などの評価本には記載すらありません。生産本数も半端ではありません。シャトーの名前で造られるワインは13万本から20万本でセカンドワイン(Chateau Chantalouette)だけでも1.5万本から5万本という大量生産です。
ポムロルのワインは他の地域から比べると過大評価の値段で高止まりになっています。1985年にジョルジュ・オーディからジャン・ミッシェル・アルコートに所有者が変わったシャトー・クリネに例をとると1986年の日本での定価は僅か5000円でした。それでも私は高いと思いましたがそれから暴騰したのは周知の事実です。後にこのアルコート一族には不幸なことがおこり1990年には現経営者のJean-Marie Laborde に買収されています。
ポムロルは大変狭い地域ですが、ボルドーであることに変わりはなく隣のラランド・ド・ポムロルの価格からすれば異常に高いことに気付いていただきたいと思います。

コルクはごく一般的なサイズですがかなり柔らかいものを使っています。ですからそんなに長期の保管には不向きであると思われます。この1999年は既に飲み頃でかなり大きな澱が発生しておりデカンタした方が良いでしょう。味はそんなに特徴のあるものではありませんが松茸としめじの軽い煮込みには大変良く調和しました。

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2005年09月17日

Chateau Saint Pierre 2002 AC Saint-Julien

シャトー・サンピエールは1970年代は Chateau Saint Pierre Sevaistre という名前でしたが1982年にグロリアの創始者アンリ・マルタンによって買収され急速にその評価を高めることになりました。元来1855年格付け第4級の由緒あるシャトーですがブラネール・デュクリューと共に日本では余り評価されていません。
ボルドーから車でぶどう園巡りに出掛けるためには普通D2を北上するのですが、シャトー・ベイシュベルの所でD2は右にカーヴしています。その交差点を右へ曲がらずまっすぐ突き抜けるとベイシュベルの村中に入り、それを抜けるとすぐ右手にあるのがこのサンピエールです。
畑は細かく分散しておりシャトー周辺をメインに、南側のグリュオー・ラローズに隣接する区画があり、さらには東側デュクリュー・ボーカイユーの中にも点在しています。現在総面積17ヘクタールの畑にはカベルネ・ソーヴィニョン70%、メルロー20%、そしてカベルネ・フラン10%が植えられ計算上は8000ケースのワインを産出しているはずなのですが、シャトーでは毎年5000ケースだけがサンピエールとしてラベルが貼られます。恐らく厳しく樽を選別しているのでしょう。
果実味がしっかりしていて酒質はかなりのハイレベルに達しています。今すぐ飲むにはもったいないかも知れませんが仔羊の岩塩包みなどにはよく合うと思います。勿論将来の可能性は大いに期待できます。

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2005年09月15日

Chateau le Conseiller 2003 AC Bordeaux Superieur Jean-Philippe Janoueix

0915wine.jpg 実に良くできたワインです。ブラインドで飲めばプロのソムリエでもアペラシオンは分からないでしょう。ポムロルや高くなってしまったサンテミリオンのグランクリュと比較すれば納得されると思いますがこれはただのボルドー・スペリュール。アペラシオンだけでワインを判断してはならない良い見本です。
輸入元の説明によると「ブドウ品種:メルロー100%、平均樹齢:約35年、栽培面積:27ha、平均年間生産量:18,000本、醸造:温度管理されたコンクリートとステンレスのタンク。100%フレンチオークにてマルラクティック醗酵。1/2がシガータイプの樽で、1/2が通常のボルドー樽」とのことですが、このシガー樽というのは従来のボルドー型より長く幅の狭い形でかなり細長く、葉巻の形に似ているのでこう名付けられたとのことです。
かなり濃い紫がかった暗赤色を呈し、香りはカシスの果実にバニラ香が混じり上質の新樽を感じます。アフターテイストも長く続きとても3000円クラスとは思えません。これはお買い得なワインです。

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2005年09月12日

Jurancon Moelleux Noblesse du Temps 2001 Domaine Cauhape

0912wine.jpg昨日に引き続きジュランソンの今日は甘口です。私が注目したのはこの1986年がリリースされたときでした。ワインを判別する方法として私が用いるのは「実践比較」ということです。数多くのソーテルヌやドイツワインのトロッケン・ベーレン・アウスレーゼを飲んで参りましたが甘口の代表はイケムではないかと思い比較的おとなしい1982年と比較しましたが、アフターの長さをも含めてまさるとも劣らないと判断しました。その時の価格は確か5000円。イケムの何分の一で買えるなら私はこちらを選びたいと思いデザートワインのトップに位置づけました。
で、新しいミレジム2001年ですが毎年毎年新しくなる度に濃厚さは増してくるようです。思い切り3℃まで冷やすのですがトロッとした液体からは馥郁たる芳香を発し、「温度が低いと香りが楽しめない」というワインの常識が嘘だと云うことが分かります。ロワールのサンセールなどもガンガン冷やして特有のグレープフルーツ香が強烈に香るものこそ良いワインであると考えます。

甘口のワインを普段そんなに沢山飲む機会はありませんが、フォアグラのテリーヌに合わせてみると楽しいと思います。果物では濃厚な旨さのマンゴー。大概のソーテルヌはこの果物に負けてしまいますがこの「貴族の時間」は決して負けないと思います。

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2005年09月11日

Jurancon Sec Chant des Vignes 2003 Domaine Cauhape

0911wine.jpgジュランソンの鬼才、アンリ・ラモントーの造る辛口の白ワインです。ジュランソンと言えば甘口のイメージが強いですが、甘口を極めたラモントー氏が今取り組んでいるのは「究極の辛口ワイン」かも知れません。
直訳すると「葡萄樹の歌」と名付けられたこのワインは確か2002ミレジムがスタートだったはずです。9月に収穫されるグロ・マンサン100%で造られる辛口は料理の材料を選びません。2003年はさらに辛口が洗練されてきたように思います。
ドメーヌ・コアペは、1980年に創立されました。ジュランソンACの中心から南西に臨む斜面の31haを所有し南西地方特有のぶどう、グロ・マンサン(gro manseng)種とプティ・マンサン(petit manseng)種を栽培しています。これらのブドウ品種は、山岳気候と海洋性気候をあわせもつこの地方に非常に適しています。ACではこれらの他クールビュ(courbu)種、カマラレ(camaralet)種、ローゼット(lauzet)種が認められていますが彼は今のところ使っていません。

日本では所謂ワイン評論家と呼ばれている方々は全く取り上げていませんが、ラモントー氏の造るワイン(複数)こそ最高のコスト・パフォーマンスを誇るワインであると敢えて私は申し上げます。

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2005年09月09日

Reserve du Chateau Mouton 2003 AC Bordeaux Superieur

0909wine.jpg 「ムートン? エーのん飲んでる!」って云われそうですがACからお分かりの通りポーイヤックの極上銘柄とは何の関わりもないシャトー・ムートンのセカンドです。
生産者はボルドーは右岸に強いジャン・フィリップ・ジャヌイクス氏。父はあの「クロ・デ・リタニ」を手がけるジョセフ・ジャヌイクス氏。
シャトー・ムートン(ボルドー・シュペリュール)は1997年から氏の所有になりましたが、ブドウ品種はメルロー70%、カベルネ・フラン25%、プティ・ヴェルド5%とのことで平均樹齢約 36 年、栽培面積19 haで平均年間生産量95,000 本造られています。醸造はコンクリートとステンレスタンクにて、5週間かけて醗酵。その間毎日、ポンピングオーバーを1日3回。一部マロラクティック醗酵を含め、9ヶ月樽にて熟成。

データは上記の通りですが残念ながらヒドい「ブショネ」これは飲めたものではありません。このブショネに遭遇する確率は5%というかなり高率であるという説もあります。幸いなことに私は最近出会いませんでしたがやはりコルクを使う限り仕方ありません。ニュージーランドやオーストラリアのようにキャップスクリューを積極的に取り入れて頂きたいと思います。

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2005年09月06日

Santenay 1'er Cru Clos de la Comme 2003 Domaine Borgeot

0906wine.jpgサントネイはシャニーのラムロワーズのすぐ近くの産地ですが地元ではカジノで有名な町です。ラムロワーズは云わずと知れた☆付きレストランですが2005年は2つ☆に格下げされています。このレストランには3度伺いましたが日本人にはとても親切でホテルの部屋も可愛らしく、しかもお安い。三つ星にありがちな過剰なサービスはなくアットホームに寛げたので残念な気持ちです。
さてこのワインですが、産地の特徴と云うよりもかなり薄く感じます。まず色は赤色なのですが透明感が強いというよりやはり薄いと表現した方がよいでしょう。香りはピノのアロマなのでしょうが上品というよりやはり力強さに欠けます。味はスッキリ爽やかなのですがこれではアペラシオンを感じるまでには参りません。やはりこのドメーヌは赤より白が得意な所謂白屋さんでしょうね。昔のピエール・モレイを思い出しました、彼も同じように白に全神経を使い赤はこんな感じになってました。1980年代の昔話ですが・・・

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2005年09月04日

Alsace Gewurztraminer 2002 Maison Gustave Lorentz

透明感のある綺麗なグリーン色を呈しながら香りは意外にあっさり系です。葡萄品種からすると少し物足りない感じがするのではないでしょうか。口に含むと辛口に仕上がり好ましいのですが雨の影響なのかかなり薄味に感じます。水っぽいと言えば適当かも知れません。
近年甘口に走り出した Marc Kreydenweiss に苦言を呈してきましたがこのメゾン・ロレンツは逆に辛口志向になってきたようです。これは実に歓迎すべき傾向だと思います。
さてこの2002年ですが輸入元はこのミレジムを避け翌年の2003年を選んだ模様です。未だ2003年は飲んでいませんがやはりこの薄さが嫌われたのでしょうか? しかし食事にはこの位の方がよく合うので惜しい気がしないでもありません。

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2005年09月02日

Bourgogne Passetoutgrain 2002 Domaine Emmanuel Rouget

先日はこの2001年を飲んでちょっと如何なものかと思いましたが、2002年は健全なようです。私は決して「一度悪かったら2度と飲まない」ということはありません。ワインを美味しいと思うかそうでないと感じるかは、飲む側の体調で結構変わってくるものだと思います。先日来赤ワインを飲み始めましたが気温のちょっとした変動で随分ワインの感じ方が違ってくるのではないでしょうか?
家では滅多に揚げ物は作りませんが、黒豚のフィレの良いものを手に入れたので一口カツを作りました。下味はゲランドの塩と白胡椒だけ。生パン粉でカラッと揚がりました。そのまま何も付けずに食べます。我が家では豚カツソース、ウースターソースすらありません。何か付けるとしたらお醤油かポン酢でしょうか。
今日の昼のビストロ・プリムールですが鶏魚の身はすごく活かっていて皮が弾力に富み縮こまっているのですがとても旨いのです。活かった魚を焼くと必ずこういう現象というか当たり前かも知れませんが、魚は踊るようその姿を変化させます。いろんなブログに登場する魚料理。一見するといかにも美味しそうに見えますが身から比べて皮が縮んでいないもの等は全て活かっていない魚であると断言できます。

料理の写真についてですが皆さん、騙されてはいけませんよ! 写真の料理は如何にも旨そうに見えるように拵えた料理なのです。即ち「写真のための料理であり、食べても旨くない料理」なのです。
「皮がパリパリで身はしっとり」の魚料理、実は魚の鮮度が良い証拠にはなりません。
さて今月の英ちゃんは17日土曜日に決定しました。多分子持鮎の塩焼きが出ると思いますが是非この機会に一度お試し下さい。私自身若い頃はなかなかこのお店は敷居が高くて踏み込めないところだったのですが今から思うと「もっと早く知っておけば・・・」と後悔しております。世の中そんなに驚く程旨い店はやたらとありません。

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2005年08月31日

Saumur Blanc 2003 Domaine du Collier

0831wine.jpg ロワールの白ワイン。今日はかなり暑いのでやはり赤より白を飲みたいと思い開けたのがこの少々値の張るソミュール。ラベルを見てお分かりの通り表示はアペラシオンより生産者の方がデカいというのが面白いと思います。
「クロ・ルジャールのフコー家出身の若手醸造家アントワヌが有機農法で造るソミュールのドメーヌ。ボリューム感があり、柑橘類を連想させる酸味がきれいな白ワインです」というインポーターの説明がありますがむしろ「フィリップ・パカレやD.R.C.とも親しく付き合っている」ことを強調した方がこのワインを売るときに役立つはずです。日本の場合、今話題のワインに買いが集中する傾向にありますが、やっと生産者に目が移ってきた現在、話題の生産者に近い存在と云うことをアピールした方が手っ取り早いと思うからです。

近所の綉花に持ち込みさせて頂き5000円のコースと共に味わいましたが特にきぬがさ茸の蟹あんかけとの相性は良かったように思います。ACソミュールは赤白そして泡といろいろありますが個人的には白と泡が好みです。

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2005年08月30日

Chateau Cadet-Gratadour 1983 AC Saint-Emilion

0830wine.jpg 少し涼しくなりました。朝方になると寒いぐらいの気温に下がります。涼しくなると赤ワインを飲みたくなるのは私だけでしょうか?
といっても濃い濃い赤ワインなど未だしんどいのでセラーを探していたら見つけました。1983年ですから20年以上経過していますがコルクも大丈夫でワインは全く健全そのもの。
コルクはかなり柔らかくなっていますが、もう20年以上使っているスクリュープルのレバーモデルというオープナーで一発に開栓出来ました。私は儀式が嫌いですので滅多にソムリエナイフなど使いません。スクリュープルは確実にコルクを抜くことができ、★付きのレストラン、パリの例えばギー・サヴォア等は昔からソムリエ諸氏が使用しています。ワインは飲んで楽しむもので開けるのに苦労する必要はありません。キャップシールも切らずにそのまま引き抜いて何も問題ありません。ワインにコルク栓など不要であるのは昔から申し上げてきましたが、一刻も早くスクリュー・キャップにすべきだと私は思います。
で、このワインさすがにエッジは茶色っぽくなっていますが透明度の高い綺麗な赤色を呈しています。香りは一言で言うと熟成香、表現の仕方はいろいろでしょうが好ましくない香りは一切ありません。口に含むと甘さが広がり開けて良かったと思います。このワインに合わせてエリンギと白マイタケをエシャロットのアッシェと共にソテーしてブイヨンを加えニンニクビネガーとバルサミコで少し酸味をきかせたフリカッセに。旨い!

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2005年08月29日

Saint-Paul de Dominique 2000 AC Saint-Emilion Grand Cru

0829wine.jpg 「品質は向上しているのにまだまだ値頃なシャトー・ラ・ドミニクのセカンドラベル。果実味に溢れ、同時にエレガントさ、きめ細かさもあり完成度が高い」とはインポーターの説明。的を射たコメントです。
3000円台で食事の時に飲むワインとしては今のところお薦めです。メルロー80%、カベルネ・フラン15%、カベルネ・ソーヴィニョン5%という畑の構成ですが、全体のまとまりが良く例えば松茸の吸物や鶏肉、牛肉の炙り等和食との相性も抜群です。

シャトー・ラ・ドミニークで思い出すのは、西麻布にあった頃の平松ご夫妻のお店「ひらまつ亭」。今や上場企業にまで成長したレストランですが、当時一人でお昼に伺ったにも拘わらず大阪からやってきましたと申し上げると、特別に鴨を焼いてくれました。で、私が選んだのがこの1989年。未だ若いワインでしたが鴨との相性は抜群で夕方近くまで食事が続いたのを覚えております。その後現在に至るまで新店をオープンさせるたびに案内が届きます。律儀な方です。

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2005年08月26日

Chambolle-Musigny 1'er Cru Les Combottes 2003 Domaine Henri Felettig

殆ど知られていないドメーヌですが結構優れた生産者です。まず色がしっかりしているというかブルゴーニュによくある薄い色ではありません。かなり濃い紫がかった赤色を呈し香りはしっかりとニュイ独特の果実を感じます。
口に含むととても果実味が濃厚で後味もながく、しっかりした酸とタンニンも感じられますが決してくどくはありません。私の経験では強すぎる酸や舌が痺れるようなタンニンを持つワインが熟成して素晴らしいワインになるということは殆どありません。
この生産者のワインはACブルゴーニュからプルミエ・クリュのものまで全てグレードの高いものばかりです。ワイン関係のグラビア雑誌や漫画で騒がれているワインなど私には無縁の存在です。

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2005年08月24日

Champagne Beaumont des Crayeres Grande Reserve Brut

今日は布施の Caveau de Chassagne でランチ。剣先烏賊の胴に茸のリゾットを詰めたものがメインでトウモロコシの冷たいポタージュと赤蕪のジュリエンヌとレタスのサラダが付きます。自家製のパンも美味しく食後のコーヒーまで付いて850円は安いと思います。帰りがけに魚屋に出会い500グラムの身の厚い目板鰈をゲット。平目やあまて鰈と違い頭が小さいのでコストパフォーマンスは抜群です。分厚いフィレを薄造りにしましたがとても美味しくシャンパーニュを合わせることにしました。
ボーモン・デ・クレイエールは協同組合組織ですが最近年々美味しくなってきました。泡がクリーミーでいつまでも消えることはありません。良質のシャンパーニュが安い値段で買えるのに気付かない人が多いのはやはり日本人のブランド志向が原因でしょうか?

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2005年08月21日

Saint-Chinian Cuvee Lo Tabataire 2002 Domaine du Tabatau

0821wine.jpgMas de Daumas Gassac から独立したブルーノとジャンポール・グラシア兄弟が造る上質の赤ワイン。しかしこのドメーヌの使うブションはいけません。所々に細胞の欠落が見られる質の悪いものです。折角上質のワインを造り出してもコルクがこれでは台無しです。
インポーターの説明によると「 A.O.C. サン・シニアン、ブドウ品種グルナッシュ 41 %、シラー 28 %、カリニャン 16 %、ムールヴェードル 15 %。栽培面積4.5 ha、生産量9,700 本で醸造・熟成は2/3を小さな木樽と600L入の「ドゥミ・ミュイ」で、 残り1/3はタンクにて14ヶ月。樽は1~6年樽。樽熟 後タンクで均一化して約3ヶ月落ち着かせる(新樽なし)」とのことです。このワインは極めて残留亜硫酸が少なく身体に優しい自然なもの、そしていろんな食材に対応します。アヴォカドとロメインレタスのサラダ・バルサミコのドレッシング、鶏のハート、賀茂茄子カレーなど全く抵抗がありません。
鶏の心臓を好んで食べています。半割にして血液を抜く作業が面倒ですが塩胡椒と最後に醤油を垂らすだけでとても美味しく食べられます。

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2005年08月19日

Sancerre La Chaume 2004 Domaine Michel Thomas et Fils

0819wine.jpg「ブドウ品種ソーヴィニョン・ブラン 100 %で基本的に全て収穫は手作業、収穫量は厳選。栽培は化学肥料や農薬の使用を極力抑えるリュット・レゾネを採用。低温ステンレスタンク醗酵後、澱と共に熟成。必要に応じて軽くフィルタリング。シャプタリザシオンなし。平均樹齢25 年、土壌はシレックス、玉砂利、粘土石灰質」とはインポーターのコメントです。
まさに柑橘系の香りにグレープフルーツの苦みまで感じます。スッキリしすぎる位の辛口ですが、夏はこんなのを思い切り冷やして飲むのが好みです。味はかなり濃いめなので氷を入れて薄めても構わないと思います。
赤ワインでもフランス人はミネラルウォーターで割ることがあります。日本では外資系の証券会社の重役氏がムートンをビールグラスに入れ氷を入れてがぶ飲みしていたのは感心しませんが、ワインは嗜好品故どんな飲み方をしても個人の自由であります。しかしそれを他人に無理矢理勧めるのは如何なものかと思いますが・・・

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2005年08月15日

Chateau Ricaudet 2002 AC Medoc

ボルドーはメドックのシャトー・リコーデ。これを飲むと賢くなると云うなら売れるのでしようが・・・・ クリュ・ブルジョワでパリ金賞という肩書きを引っさげていますが、味自体はタンニンが粗く?っという印象です。しかし鹿児島産和牛A4のラム芯をニンニク多い目の角切りステーキにして合わすとそのタンニンが驚く程丸くなります。と同時に果実味も増してとても飲みやすく変化しました。
ワインは食事と共に楽しむものです。?と思ったワインですが知らない内に一本空けてしまいました。
明日から一週間の夏休みです。とりあえず18日は高槻のフレンチで次のワイン大学の打合せ。あとは京都祇園か先斗町をウロウロする予定です。写真はデジカメの調子がイマイチなのでまとめて更新するつもりです。

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2005年08月14日

Bourgogne Passetoutgrain 2001 Domaine Emmanuel Rouget

Vin non filtre と表示されている割に殆ど澱が発生していないというワインです。いつも申し上げますがワインの顔たるラベルにやれ「有機農法でございます」「パリコンクールで金賞を取りました」あるいはこのように「フィルターしておまへん」という表記のあるものは「大したこと無い」と自分で云っているのと同じです。
相変わらず高値で取引されているようですが酒質にはかなり疑問が残ります。まずローブですがうっすらと茶色味を帯びていますし、香りが全く上がってきません。味はかなり強い酸を感じますがこれもかなりの疑問です。
ドメーヌの名前だけで売れるのはそんなに長い間続くものではありません。

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2005年08月01日

Tavel 2004 Chateau de Segries

先日美味しいと思ったら売り切れていた2003年を残念がっていたのですが、ようやく2004年ミレジメの登場です。クレーレット種が多いのでしょうか色は明らかに紅色系の輝きのあるピンクです。オレンジ系(悪く云えば玉葱の皮の色)ではなくとても美しい色は一度お試し下さい。
リーブル・ルージュを調べるとセパージュは何と10種類も認可されています。主な品種はグルナッシュ、サンソー、そして次にクレーレット・ブランシュと同じくロゼという表記があるのでクレーレット種にも「分かれ」があるのですね。さらにピクプール、カリトール、ブールブーラン、ムールヴェードル、シラーそしてカリニャンと続きます。
タヴェルはロゼだけのアペラシオンですのでそれなりの重みがあるのでしょう。2004年も大変素晴らしい出来だと思いますが2003年の方が辛口に仕上がり私はどちらかというと2003年の方が好みです。「無い物ねだり」かも知れませんが・・・

会員ページに「客が店を育てる」の一例を書こうと思います。私は数々の店に通いその店を一流と呼ばれるまで叱咤激励を飛ばし続けました。ところがその店が「有名」になってしまうと料理人の態度が一変するのです。

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2005年07月27日

Chateau Citran 2002 AC Haut-Medoc

たまにはポピュラーなボルドーをと思い開けてみました。2002年なので当然の如く未だ飲み頃という訳には参りません。色は既に紫は消え濃い赤色を呈していて香りは実に華やかです。南仏やイタリアものが多かったので懐かしい香りが安らぎを誘います。
味わいはまだタンニンが粗く刺激が強すぎる酸が目立ちます。ロメインレタスとトマトのサラダはフルール・ド・セルと引き立て白胡椒に今日はニンニク風味のビネガーと2004年のエクストラヴァージンを振ります。黒毛和牛の3Aの枝からマル芯だけを切り分けて貰いステーキに。脂が極端に少ないですが中性脂肪過多の我が身にはヘルシーです。ワインと合わせるとタンニンは丸くなりますがやはりコクに欠けます。クリュブルジョワの格付けはやはりかなり疑問ですね。クリュブルジョワの表示がないオーメドックのワインでこれよりさらに味わい深いワインが幾らでも存在します。

東京ではやれ鮨がどうたら天麩羅がどうたらブログで賑わっているようですが、人間の味覚は年と共に変わると云うことに余り触れられていないみたいですね。店の主人の味覚も当然変わってきます。30代の時旨いと感じた「沼島の鱧」が40代には普通になり50代になれば「韓国産の方が旨い」と云う人は稀ではありません。
20代で物の味云々するには稚拙すぎますが50代になったからと言って「旨い店はここだ」と決めつけるのも如何なものでしょうか? 人によって旨さを測る尺度は違うもので年齢や経験によって旨いと感じるか感じないかはかなり差があります。白身を殆ど食べない人にいきなりあこうを食べさせても旨いと云わないようにどんなものでも食べ比べして初めて違いに気が付くと云うことをご理解頂きたいと思います。
また、人によって旨い店は違うのだと云うことを念頭に置く必要があると思います。無作為に選んだ100人が100人とも「あの店が一番」などあり得ない話です。若い頃は若い主人の店、年をとってそれなりの経験を積めば熟年の主人の店に通うのが良策ではないでしょうか?

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2005年07月21日

Chateau de Padere 2003 AC Buzet

ビュゼの殆どは Vignerons de Buzet という組織にコントロールされています。このシャトーも同じで単独名称で売られるのは毎年10万本前後ですが組織全体では2000ヘクタールの広大な畑を持ち年産実に1400万本を誇っています。勿論他に小さな所もあるのでしょうが輸出されるには至らないようです。
ワイン関連の本に「カオールがブラックワインと呼ばれる・・・」の記述を目にしますが実際もっとそれに近いのがこのビュゼのワインでしょう。注いだだけでその色その香りから容易にアペラシオンが分かるというのも珍しいワインではないでしょうか。葡萄品種はメルローが5割、カベルネ・フランとソーヴィニョンが25%ずつとのことですが品種からは想像のつかない香りが特徴です。ビュゼには白ワインもありますが私はお目にかかったことがありません。

黒ワインで思い出したのが最近若い人のブログで目に付く有名店の焼け焦げた鮎。鮎という魚は香魚と呼ばれますが何の香りかご存じない方が多いようです。写真で見るだけですがあれほど焦げていては香りも何もあったものではないと思うのですが・・・。昔雲月という京都の料亭に行ったとき笹葉に盛られた焼き鮎にどういう訳か火が回り、仲居さんが悲鳴を上げて調理場に飛んでいったのを覚えています。

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2005年07月19日

Vin de Pays d'Oc Rose 2004 Domaine Victor

瓶底が出っ張った形のボトルに入った綺麗な色のロゼ。アンドレ・カンカール系列の生産者のワイン。色は輝きのあるピンクでどちらかというとベリー系の香りがしますがそんなに強い香りではありません。口に含むと辛口は辛口なのですが私には甘さを感じてしまいます。恐らく大量に造っているのでしょうが残留亜硫酸などはあまり強くなく飲みやすいと思います。
播州地鶏の胸肉を蒸してレタスと胡瓜にマヨネーズで和えます。マスタードを少し入れると夏向きの前菜に仕上がります。ワインとの相性はとても良く食欲が増します。モヤシをカレー炒めしてガルニチュール、和牛ラム芯はニンニクオイルでサッとソテーするだけでメインディッシュに。
ドメーヌ・ド・ニザスの1998年が50ケース再リリースされるとのこと。このワインは以前にこの日記に紹介しましたが実にコストパフォーマンスに優れたワインです。ナパのクロ・デュ・ヴァルのオーナーがラングドックの地で最高のワインを造るために開いたというワイナリー。ご興味のある方はメール下さい。

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2005年07月18日

Chateau Tour Boisee a Marie-Claude 2001 AC Minervois

梅雨明けしても暑苦しい毎日が続きますが、「何もこんな時期に飲まなくても良い」と云われそうなワインを飲んでおります。
「流行りのワイン」という言葉、私は「日本だけで流行っているワイン」と付け加えます。ある漫画とかブルータスで騒いでいるワインがその類です。もう収束したようですが「ルーチェ」の馬鹿騒ぎなどその典型です。フレスコバルディとモンダヴィのコラボですが、まず目を付けたのが銀座コアビルのワンフロワを借り切っているイタリアン、次に前述の雑誌。イタリアンの付けた価格にビックリですが、それを喧伝した雑誌のワインの知識の乏しさには驚きました。「俺が書いたおかげでそのワインの値段が3倍になった」などと自慢する輩にワインライターの資格などあり得ません。

世の中には探せば美味しいワインが五万とあります。他人がいくら褒めても自分の好みかどうかは分かりません。ワインは嗜好品なので人によって好みが違うのは当たり前のこと。如何に数多くのワインを試飲しその中から良いものを見つけ出すのが本来の姿であると考えます。ライターの好みに自分の好みを合わす必要などありません。
さてこのワインの生産者ですが赤用に65ヘクタール、白に15ヘクタールの畑を持ち平均生産量48万本を造るかなりの大手です。この白ワインはマルサンヌがその殆どみたいですがバナナのような香りとやはり熟していないバナナの味がします。色は黄金色ですが凡庸という他言葉が見つかりません。

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2005年07月17日

Castelmaure Corbieres Grande Cuvee 2003

11360 Embres-et-Castelmaure という地がある位ですからこのメーカーはかなり大規模なのでしょう。コルビエールは1951年にVDQSに、その後1985年にACに昇格した比較的新しい原産地ですが赤ワイン用にはカリニャン、グルナッシュ・ノワール、シラー、サンソーそしてムールヴェドルの品種使用が認められています。

色はかなり濃いめの暗赤色、香りは南の香りですね。シラーのアロマは割に好みですがカリニャンが多いと何か安物臭く感じてしまうのは私だけでしょうか? なんだか薬草酒みたいな感じで少し抵抗があります。口に含むとやはり?という感じですが「南のワインにはニンニク」ということで4-Aのラム芯をニンニクのスライスと共に頂くと俄然とワインの味が変わってきました。薬草風味が消え葡萄のアロマが蘇り実に美味しく飲めるようになるのは不思議な話ですが本当のことです。
鞍下を好んで食べておりましたが医師から中性脂肪の多さを指摘され部位を変えなければなりません。ラム芯は赤身ですが細かいサシが適度に入り実に美味しいところです。ただ普通の肉屋さんに頼んでもこの部位だけ買うことはまず不可能でしょう。柔らかい赤身ですが旨味もたっぷり。
ワイン大学の古株メンバーにビストロ・プルミエを紹介しましたが高い評価を頂きました。サラダ、スープにメイン料理、デザートにコーヒーまで付いて1000円の安さです。私はすぐ近くなので毎日行くことが出来ますが遠方より来られても決して損はありません。

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2005年07月16日

Pernand-Vergelesses Blanc 2002 Domaine Denis Pere et Fils

ブルゴーニュはペルナン・ヴェルジュレスの白ワイン。造るのはクリストフとローラン・ド二兄弟で畑は僅か0.8ヘクタールで生産量はたったの3600本しかありません。これぞマイ・ワインと思ったらケースで買ってチョビチョビ開けていくのが玄人の飲み方。
柑橘系の香りにソリッドな味わいはまだ飲み頃とは言えませんが、将来が実に楽しみなミネラルたっぷりのワインです。ブルゴーニュの殆どのワインはシャプタリザシオンされ残糖分が多くリリースしてすぐに美味しいと感じるように造られますが、何年か保管しているとへたばるものが多いのが事実です。

「鳴門の漁師、村公一君」http://www.9393.co.jp/furukawa/kako_furukawa/2004/04_0817_furukawa.htmlの鱸でなくても旨い鱸は山程あります。鱸程旨い不味いの極端な魚はないでしょう。キロ当たりの値段も随分違うものです。私の場合淡路島は岩屋からやってくる魚屋のおやじと約50年の付き合いがあるので極上ものに巡り会うことが出来ます。
薄造りにして特製の山葵ダレで食べるとまさに絶品。ワインとの相性も絶妙です。

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2005年07月15日

Tavel Rose 2003 Chateau de Segries

コート・デュ・ローヌはタヴェルの地でアンリ・ド・ランザック氏が造る綺麗な色のロゼ。葡萄品種はグルナッシュ・ノワール、サンソー、シラー、クレーレットですが輝きのあるとても美しい色です。香りは葡萄ジュースそのもの甘い香りなのですが、味はキリッと締まった辛口です。大人のワインですね、タヴェルを代表する辛口ロゼと云っても過言ではありません。
近所の綉花でピータン、クラゲと胡瓜(この胡瓜はお願いして添えて貰いましたがとても旨い)、蒸し鶏、小龍包、焼売、四川麻婆豆腐に締めは汁ソバ。
場所が悪いのであまりお客さんは多くありませんが、料理は全て本格派です。香港まで行かなくてもここで納得の飲茶を味わうことが出来ます。
欲を言えばフカヒレメニューの充実、清蒸紅班などの海鮮料理、竹笙(きぬがさたけ)や中国野菜のメニューなどあったらいいなと思います。

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2005年07月13日

Cabalie Vin de Pays des Pyrenees-Orientales 2003

あまり見掛けないボトルのシェイプに風変わりなラベル、文字からはフランスワインに見えません。しかしよく見るとヴァン・ド・ペイの表示があります。ピレネー・オリエンタルのヴァン・ド・ペイですが普通のボトルより遙かに太くて異様な感じです。
色は透明感のある赤、赤紫色を呈しとても薫り高いワインです。甘酸っぱい香りは葡萄そのもので味もやはり想像通りの甘酸っぱいものです。アルコールはかなり高く表示では14.5%になっています。この手のワインは昔マドリッドに行ったとき飲んだものと同じで、早く酔っ払いそうです。
ワインだけ飲むと大変美味しいのでしょうが、食事とのバランスは良くありません。最近運動のつもりで買いに出掛ける「森正」の豆腐(どういう訳かまじめに営業していて今のところ火曜日のみ定休)や「火打ち」を煮込んだポトフなど料理には合いません。
案の定、急に眠たくなってきました。ボトルはまだ半分ほどしか飲んでいませんが・・・

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2005年07月12日

La treille muscate 2003 AC Corbieres Blanc

Padernの地で Chatherine Marin-Pestel という人物が造るコルビエールの白ワインです。色は薄い黄緑色ですが靄がかかったように透明度が低いです。香りはグラスをのぞき込むようにしなければ出てきませんがパイナップル系の香りです。で、口に含むとまず渋みが強いですね、?って感じです。「渋みが熟成により甘みに転ずる」と本に書いてありますが「渋いまま終わってしまうワイン」も数少なくありません。
「南のワインにはニンニク」柳の下に泥鰌ではありませんがニンニク風味の豆腐ステーキに合わせてみましたが今一つ。このワインは残念ながら好みではありません。
さて水曜以外のお昼は八戸ノ里のフレンチ、ビストロ・プリムールにお世話になっていますがここのご主人鈴木氏は「スープの達人」と云っても過言ではありません。今日の冷たいトウモロコシのスープは絶品です! 色はそんなに濃くないのですが、トウモロコシの香りが口の中一杯に広がり思わず「旨い!」と唸ってしまいました。ガスパッチョも凄いですがこのコーンスープは初体験の旨さで、パッセの仕方が絶妙です。

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2005年07月11日

Chateau Richard 2003 AC Bergerac

ベルジュラックのワインで葡萄品種はボルドー地区とほぼ同じなら味香りも変わりません。ラベルの下に帯が付いていますがここにはエコセールの表示があります。
色は暗赤色で濁りもなく香りは一般的なボルドーとしか表現できません。残留亜硫酸は全く感じませんが残念なことに旨味が削がれているように思います。かなりきつい目にフィルターをかけてあるのでしょうか?

最近テレビでやたら大田原牛の露出が目立ちますが、これも神戸牛や松阪と同じ黒毛和牛に変わりありません。神戸や松阪ではもう面白くないのか、普通の人が余り知らない大田原牛に目を付けたのは放送作家かプロデューサーでしょうか? 新たなブームを作り出そうとしているのでしょうがあまりの高い値付けに大きな疑問を感じます。200グラム63000円という事はキロ当たり31万5千円ということになりますが高級松阪牛の枝肉相場は高くてキロ4000円位のものですのでいくらサーロインだと云ってもキロ8万までが限度ではないかと思います。
京都では個人が育てた和牛を売り出そうとしていますが、それを売り物にしているあるフレンチレストランですが実に不味い調理法で供していました。

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2005年07月10日

Bourgogne Pinot Noir 2003 G.A.E.C. Henri Felettig

シャンボール・ミュジニー村の生産者 G.A.E.C.Henri Felettig のACブルゴーニュです。輸入元の説明によると「1965年、シャンボル・ミュジニーに設立されたドメーヌ。現在は3代目のアンリ・フェレティグ氏が子供達とドメーヌを運営しています」とありますがギ・ド・アシェットでは「1969年に設立したドメーヌで1993年にGAECに組織を改め現在はクリスティーヌとジルベール・フェレティグ兄弟が運営に当たる」と書いてあるように思います。
まあ、いずれにせよ設立してまだ40年ほどのドメーヌで一般には全く無名の存在ですが、私はかなり高く評価致します。まずコルクを引き抜くと香りが飛んで出てきます。その香りもニュイ独特のカシスのようなフルーツ香です。色はかなり濃い赤紫を呈し口に含むとタンニンの粒子は粗いですがニュイの雰囲気は強く感じます。単なるACブルゴーニュとは一線を画する大変な優れ物です。
ACブルゴーニュとしては、ドメーヌ・ド・クールセルの赤、白と並び高く評価できます。輸入元の説明によると平均樹齢は30年、土壌は粘土質、栽培面積は1.10haで単位収穫量は55hl/haとのこと。オーク樽熟成は12ヶ月で新樽は使用せずとのことで平均年間生産量はたったの2,000本。価格は2000円なのでお得です。

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2005年07月09日

Beaujolais Nouveau 2004 Robert Gibourg

赤ワインには珍しい無色透明ガラス瓶に入った去年のヌーヴォです。ロベール・ジブールはモレ・サン・ドニのネゴシアンですがボジョレーも造っているとは知りませんでした。
両端を面取りしたコルクを使っているためか、液面に触れる部分だけが色付いて一切の漏れはない理想的な保管状況です。この面取りしたコルクを初めて見たのはナパのボーリュー・ヴィンヤードでしたがフランスでも積極的に取り入れて貰いたいものです。酒石が多いのですが結晶が大きいので濁ってはいません。
色は驚いたことに紫色を保持しています。香りはガメイ特有の葡萄の香りです。味はかなり渋みを感じますが除梗していないので仕方ありません。
国産のマンゴーの季節になりましたが、私はメキシコのアップルマンゴーの方がリーズナブルだと思います。箕面のイカリスーパーにはかなりデカくて重たい物が探せばあります。せいぜい高くて780円ですから宮崎産高級品の約1/3程度です。追熟させる必要のない物が並んでいるので一度お試し下さい。糖度は国産の物と変わらず旨味も濃厚です。見た目は真っ赤な国産モノの方が良いとは思いますが、別に皮を食べるわけではないので・・・
ドマッシュノ・ヨーグルトと共に頂きますがとてもバランスの良いデザートです。

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2005年07月05日

Roches d'Hillac 2003 Les Vinerons de Buzet

ボルドーからガロンヌ河沿いに上流向かうこと凡そ60キロから75キロほどの左岸に広がるアペラシオン、ビュゼ。これよりもボルドーに近いアペラシオン:コート・デュ・マルマンデやアジャン近くのコート・デュ・ブリュロワ位までもボルドーに含めてしまおうとする動きがあるらしいです。ビュゼも近年まではコート・ド・ビュゼという名称でした。ヴィニュロン・ド・ビュゼは何と2000ヘクタールの畑を抱える協同組合で多くのブランド別ワインを生産しています。
このロッシュ・ディヤックはメルロー58%/カベルネ・フラン36%/カベルネ・ソーヴィニヨン6% のセパージュから判るようにボルドーワインと同じような品種構成です。
色はかなり濃い暗赤色、香りはビュゼ特有のモノを感じますが言葉で言い表すのは難しいですね。味は一言で云えばタニックでしょう。果実味が増せばもっと飲み易いと思うのですが・・・

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2005年07月04日

Minervois Cuvee Ines Blanc 2003 Le Moulin des Nonnes

南仏はラングドック、アペラシオンはミネルヴォワの白ワイン。キャップシールのところにエコセールのシールが貼ってありますが、このシールは買わなければなりません。
裏ラベルにはフランス語と英語で細かく解説してありますが、ルーサンヌ50%、グルナッシュ・ブラン40%、ミュスカ・プティ・グレン10%を別々に温度管理されたステンレスタンクで醸造、フランス製のオーク樽で3ヶ月熟成させたということです。
色は黄色に少し青みがかっている程度ですが艶はありません。香りはグレープフルーツのような柑橘系ですが口に含むとベターとしたしつこさが・・・ワインだけ飲んでも「?」生産者はルイ&アンリ・アンドリュー、シャトー・ラ・レーズの所有者です。
で、南仏と言ったらニンニクですのでこれを使い料理を作ります。新玉葱、洋人参、ピーマン、ズッキーニを細切りして豚トロの細切りと共にソテーします。生姜のすり下ろしと酒みりんに醤油で合わせ調味料を造り、水溶き片栗でとろみをつけます。チャイニーズみたいですがこの料理とワインはとてもよく合います。ベターっとしたしつこさが消え、香りはさらに柑橘系が強くなり双方とも楽しむことが出来ました。
ワインは料理と共に楽しむもの。「不味い」と感じたワインもちょっと工夫すれば旨くなります。

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2005年07月02日

Chateau Lamouroux 2002 AC Graves

ボルドーはグラーヴの辛口白ワインです。輸入元の説明によると「キアンティ・クラシコの銘醸シャトー、カステロ・ディ・アマのオーナーの所有するグラーヴの白。コンサルタントにムートンの元醸造長を迎え入れている」とのことです。
葡萄品種はセミヨン100%ですのでセミヨンの風味を覚えるにはもってこいの一本だと思います。余計な樽のニュアンスもなく自然にグラスが進みます。
色はグリーンがかった黄色と云うよりつやのある黄緑色と云うべきでしょうか? 香りは上品で嫌みのない青梅のような香り。味わいはキレのある辛口で飲んだ後もスッキリしています。

500グラム強の流線型をした平目と淡路のウニを買い平目の雲丹巻き山葵醤油と合わせましたが、味がバラバラになってしまいました。ニンニクをアッシェしてエクストラヴァージンで炒めそこへ生雲丹を、これをソースにソテーした平目に掛けて食べるとワインにマッチしました。生で旨いものは火を入れてもさらに旨味が増します。本当に雲丹が美味しくなるのは今から約一ヶ月。古串屋の殻付き雲丹を食べに行きたいなあ!

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2005年07月01日

Saumur Cuvee Vent du Nord 2002 Domaine des Guyons

ソミュールの南東、ル・ピュイ・ノートル・ダムという村でフランク・ビモン氏とイングリッド夫妻が造る白ワイン。インポーターの資料によるとブドウ品種はシュナン・ブラン100%でその平均樹齢は35年。栽培面積は2haで単位収穫量は50hl/haとのこと。平均年間生産量は11,000本。熟成期間は約12ヶ月ですが飲み頃にならないと出荷しないというポリシーを守っています。 醸造はコンクリート・タンク使用(樽使用一切なし)特記事項としてシャプタリザシオンとコラージュは無しとのことです。
出来うる限り化学物質は使わないという姿勢は評価できると思います。色は黄金色に少し緑を帯びている感じで香りはシュナン独特のスモモのような果物の香りがしますが、口に含むと先ずその濃さに驚きます。ミネラルも多く含み複雑な旨味を持っていますがアフターにかなりの酸を感じます。これは好みの分かれるところでしょう。
生ハムとメロンにはとても相性がよいと思います。鶏腿肉でクリームシチューを造りましたがこの料理ともバッチリ合います。

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2005年06月28日

Cabernet d'Anjou 2004 Domaine des Sablonnetes

サブロネットの2本目はロゼ、カベルネ・ダンジューです。ミレジムは2004年とフレッシュですが色はどちらかというとオレンジ系かも知れません。香りだけでも容易に甘さが想像できますが、一口含んでみるとやはり甘いです。
普通カベルネ・ダンジューというのは辛口に仕上げるはずなのですが、この甘さは如何なものかと思います。しかし甘い目の好きな人なら多分歓迎するはずです。人の好みは千差万別ですので無理に好みでないワインを飲む必要はないと思います。私は全くの辛口好みですので、こういうワインは好んで飲む対象ではありません。

しかし不味いわけではありません。残留亜硫酸は殆ど感じませんし、綺麗な色はワインバーには似合うはずでしょうし、甘口と言ってもベタッとするしつこい甘さではないので一般受けすると思います。ただ食事時に飲むべきモノではありません。
インポーターの資料によるとブドウ品種はカベルネ・フラン100%で平均樹齢 25年。土壌はシスト混じりの粘土質土壌で栽培面積 2.0haで 単位収穫量は 45hl/ha 平均年間生産量 15,000本とのことです。当主ジョエル・メナール氏は元機械技師、1982年からワイン造りをはじめ91年から有機農法に、94年から補糖を止め2000年からビオディナミを実践しているそうです。

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2005年06月27日

Pernand-Vergelesses 2002 Domaine Denis Pere et Fils

ブルゴーニュはコートドール、コルトンの丘の麓ペルナン・ヴェルジュレス村のワインで生産者はロランとクリストフ・ドニ兄弟です。ドメーヌの所有する畑は全部で12.5ヘクタールで、特筆すべきはグラン・クリュのコルトン、コルトン・シャルルマーニュに0.8ヘクタール畑を持っていることでしょうか。
私の感想ではここは白屋、所謂赤ワインよりも白ワインを得意としていると思います。
畑では有機農法を全面的に取り入れていますがエチケットには何らその記載がありません。いつも申し上げますが「有機農法無農薬栽培の葡萄からワインを造りました」などをエチケットに謳っているワインは胡散臭いと云うことです。
色はそんなに濃くありませんがピノでは当たり前のことです。香りはベリー系の香りです、特にフランボワーズのニュアンスが強いのではないでしょうか。味はナチュラルで決して甘くはありません。夏野菜のスパゲティを造り、ワインと合わせるととてもバランスが良くなりました。

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2005年06月26日

Saumur Brut NV Grande Cuvee Les Caves de Grenelle

ロワールはソミュールの泡、生産者は協同組合のカーヴ・デ・グルネル。葡萄品種はシュナンとシャルドネそして何とカベルネ・フランを使っています。
コルクを開けようと針金をほどいた瞬間、押さえる間もなく発射してしまいました。かなり内圧が高いのでしょうか? 別に温度が高いわけでもなく、吹きこぼれることもありませんでしたがとにかくビックリしました。
泡立ちはとても良く時間が経っても続いています。抜栓後複雑で蜂蜜のような親しみやすい香りが広がってきます。甘い香りながら味は至って辛口で私の好みです。
ピカメロのクレマン・ド・ブルゴーニュと共にお手頃泡のお薦め品です。

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2005年06月25日

第68回英ちゃんの会

詳しくは英ちゃんへ書き込みましたのでご覧下さい。
シャンパーニュ・ミッシェル・ロリオについて少々。ヴァレ・ド・ラ・マルヌ左岸にある Festigny 村にあるRMで主にムーニエ種を栽培しています。ここは変わったコルクを採用しています。液体と接する部分にプラスティックのようなもので蓋を被せてあるのです。ブショネを防ぐためなのでしょうか?
創立はレオポルド・ロリオにより1908年と文献に出ていますが、このキュヴェ・マリー・レオポルドは2000年ヴィンテージのムーニエ種80%、シャルドネ20%で構成されている変わり種です。
今日は鮎と鱧の特集でしたが、「せごしのうるか和え」「鱧の煮こごり」など東京ではまず出てくることはないでしょうね。最後の椀物ですがじゅんさいの質の高さは注目に値します。そして何と云ってもこの時期の松茸など祇園界隈でもまず出ません、英ちゃんならではの醍醐味です。

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2005年06月24日

Vin de Pays des Portes de Mediterranee 2003 Domaine Edem Cuvee Saint Castor

Saint Veran というローヌの中のコート・デュ・リュベロンの中心地にあるドメーヌでシャトー・エダムも同じ生産者です。ポルト・ド・メディテラネというヴァン・ド・ペイについてはネットで調べることにしますが、概ねこのコート・デュ・リュベロンに準ずるものと思われます。
コルクの質はあまり良くありません、打栓機が良くないのでしょうか? コルクがひん曲がっています。ワインの色は黄金色で香りはあまり感心したものではありません。ブショネ寸前状態?
まあたまにはこんな日もあります。黒毛和種のタンは皮が付いているとすぐ見分けられます。このタン元をブロックで買い薄切りにして網焼きに、軽くレモンを搾りレタス包みにして食べるととても旨いです。

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2005年06月23日

Chateau Cos d'Estournel 1992 AC Saint-Estephe

ワイン大学第244回定例会は神戸ポートピアホテル、最上階のアラン・シャペル個室での開催、関西の超グルメ・グルマンのお集まりとなりました。山側の景色が時間と共にきらびやかに輝きロケーションの良さが際立ちます。
「ワイン大学」にメニュー・ワインリストなどは書きますが中でも1992年の Cos は完璧な状態をキープしていました。ワインはコルクでその履歴が判ります。先ず液体に接する端面だけが色付き、サイドは全く綺麗そのもの。次に全体の形はストレートな円柱であり、堅さも均一です。コルクの質が高いのはこのクラスでは当たり前のことですが、低温できっちり保管され殆ど移動されていないときに限りこういう状態となります。
少し残念だったのはデカンタされなかったこと。勿論事前に打ち合わせしなかった私が悪いのですが、これ程しっかりしているとは思いもしませんでした。
3時間前に抜栓、その1時間後にデカンタすればさらに完璧な物になると思います。

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2005年06月22日

Anjou les Genets 2002 Domaine des Sablonnettes

ロワールはアンジューの白ワイン。輸入元の説明によると1982年に父を手伝いながら、現在のドメーヌを設立。1991年に有機栽培を開始し、2000年からはビオディナミを実践しています。( 認証機関による認定は“エコセール”のみ。“デメテール”の認証は受けていません。)とありますが、ワインのエチケットには「有機農法で育てた葡萄で造ったワイン」とだけしか記載がありません。
私がいつも指摘することは「有機栽培あるいはビオディナミを実践していてもエチケットに記載していない生産者の物こそ旨い」わけで、大々的に有機農法を宣伝するようなワインに旨い物無しということです。
早くからビオディナミを実践しているコート・ド・ブールのシャトー・ファルファのラベルには一切その記載がありません。
さてこのワインですが色は黄金色です。香りはシュナン特有の麦藁香とでも申し上げるべきでしょうか。味はかなり甘さが目立ちますが少し異様な酸も感じます。近所のサンソニエールを模倣しているとしか思えません。かなり大量の澱が発生しており輸入元は裏ラベルに記載した方が無難でしょう。

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2005年06月20日

Vouvray Sec 2002 Domaine Vigneau-Chevreau 

これは素晴らしいロワールの発見です。グラスに注ぐときに液体濃度の高いことが窺えます。色は緑黄色を呈し輝きを持っています。香りはシュナン独特の甘いアロマを感じますが同時にアカシアの蜂蜜の香りも併せ持っています。口に含むと味の密度が高いと云うべきでしょうか、とにかく濃厚なミネラルとアミノ酸を感じます。甘酸のバランスも良くほんのりと炭酸を感じます。残留亜硫酸は全く気になりません。
調べてみると1995年からビオディナミを実践しているとのことです。日本には今まで紹介されていないため全く無名ですが、これは大発見だと思います。
ビオディナミを実践していても全てが旨いというわけではありません。葡萄畑だけはご立派でワイン醸造設備が大変不潔な生産者もいることを私は知っています。

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2005年06月18日

Cremant de Bourgogne 2001 Maison Louis Picamelot

蒸し暑い日にはやはり泡が欲しくなります。泡と云えばシャンパーニュでしょうけれども手軽で旨いモノがあります。コート・シャロネーズはリュリーにあるピカメロが造るクレマン・ド・ブルゴーニュ。
ワインは全て生産者を選ぶ必要があります。自分の好みに合う生産者を見つけ出すことこそ最も肝心なことです。人の好みは千差万別。他人がいくら褒めたとしても自分の好みに合うとは限りません。
私は辛口好みですが、辛いだけで旨味の少ないのは嫌いです。泡であればそのきめ細かい泡を要求します。サイダーみたいにボコボコする泡モノは敬遠します。
ピカメロは自分の畑を持っているのですがごく僅かです。ですが契約栽培農家まで生産者自ら摘み取りに行くという姿勢を評価します。シャンパーニュ同様手摘みこそクリアな味の決め手です。
ピノ・ノワール40%、シャルドネ35%、アリゴテ25%のブレンドですが、大概の大手シャンパーニュスタンダードレベルのモノよりは飲み応えがあり飽きることもありません。
セラーで1年ほど寝かすと熟成香も楽しめます。\2,300 という安さが何より!

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2005年06月17日

Chablis Cuvee Vieilles Vignes 2004 Domaine Alain Geoffroy

滅多にシャブリは飲みませんがたまに開けてみると色が少しピンクがかっています。シャルドネの果皮が色付いたのでしょうか? それとも樽熟成の際に付いたのでしょうか? ピノ・ノワールが混じったような薄いピンク色が気になります。
香りはグラスをのぞき込むようにしてもさほど立ちのぼることはありません。味はと言うと少し渋さが気になります。ブショネではないもののあまり誉められた状態ではありません。瓶差があるのでまた次のボトルで評価してみます。
A5の鞍下から肩芯を譲り受けましたが、これは素晴らしいお肉です。脂がきつすぎずに丁度良い加減です。生で刺身にするとき塩だけで食べても旨味が感じられますし、ちょろっと網で炙ると最高のご馳走です。
ハネシタは真空引きして貰い来週の楽しみに残しました。

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2005年06月11日

Saint-Chinian Camprigou 2003 Domaine du Tabatau

これこそこのドメーヌの一押しではないでしょうか? 1650円という安いワインながら実に楽しみな一本です。インポーターの説明によると「 A.O.C. サン・シニアンでブドウ品種 : グルナッシュ 54 %、カリニャン 28.5 %、シラー 15 %、ムールヴェードル 2.5 % 栽培面積 : 4 ha 生産量 : 11,000 本 醸造・熟成 : 70%除梗をしてから天然酵母で発酵。4週間のマセラシオン中、ピジャージュとデレスタージュを組み合せ繊細なタンニンと色素を引き出す。セメントタンクにて10ヶ月間熟成(樽熟なし)」との事。
若干の残留亜硫酸を感じるものの、色は大変綺麗な紫色を呈しています。一日立てておきましたが上の方は透明感のある見事な色合いでしたが無濾過のため半分も飲まないうちに濁ってしまい底の方は濁り酒状態に。飲む前に3日ほど立ててデカンターしてから飲むことをお薦めします。
香りの中に梅干しを感じます。クエン酸が多い証拠でこのワインは素晴らしく熟成することが期待できると思います。ワインは値段で選ぶべきではないというよい見本です。

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2005年06月10日

Vin de Pays des Monts de la Grage Cuvee Genevieve 2004 Domaine du Tabatau

お待たせしました、マニア待望のフランスワインの登場です。造り手はあの Mas de Daumas Gassac で96年まで醸造長を務めていたブルーノ・グラシア氏と弟のジャンポール兄弟で有機農法、手摘み、低収量さらには補糖、補酸をしない自然な醗酵を心がけ無濾過で瓶詰めするなど自らの理想を追求するため1997年僅か4㌶でスタートしたドメーヌです。
初めに紹介するのはヴァン・ド・ペイ、ラングドックのモン・ド・ラ・グラージュの白ワイン。葡萄品種はシャルドネ42%、グルナッシュ・ブラン38%、ルーサンヌ20%で構成。22.22hl/haという低い収量で12ヶ月の樽熟成。新樽比率はたったの8%という低さ。ドーマス・ガサックのオーナーは昔から知っておりますが年々甘さが目立ち昔ドメーヌを立ち上げた頃とは大きく造りが変わってきたように思います。

まず色は薄く、青みは帯びていますが黄色っぽくもありません。香りは柑橘系というより葡萄本来の香りに近くまだ固く閉じたような香りです。口に含むと味の密度が濃いですね。舌にへばりつくような重さがあります。果実味が凝縮されていて質は高いのですが、やはり今すぐ飲んでこのワインの価値を語るには早すぎます。造りがしっかりしているため濃さはありますが甘さは皆無です。少なくとも3年の熟成が必要だと思います。出来れば5年以上は置きたいですね。1本\2200 なので買っておく価値は大です。

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2005年06月04日

石鰈に Saint-bris 2003 Domaine Verret

毎週土曜日の楽しみは魚屋さんの到来です。5歳の頃からのなじみで気心は知れていて800グラムの石鰈をゲット、5枚に下ろして貰い冷蔵庫の野菜室で保管。他に鱧の骨を貰いました。
薄造りにして山葵醤油で食べようとしましたが、先にワインを一杯飲んでいたので魚臭さが目立ちます。フルール・ド・セルを細かく挽いてエクストラ・ヴァージンと合わせ生山葵を混ぜて「タレ」を作るとワインにはよく合うようになりました。肝は茹でてから冷水に取り刺身と共に頂きますととても甘く美味しいです。
今まで VDQS と思っていたのですが AC Saint-bris になっていました。2001年からのAC昇格です。AC全体で103㌶の内5.33㌶所有しているこの地では大手と云っても良いドメーヌでギ・ド・アシェット2005年版によると★★の評価をもらっていました。
色はグリーンの色調が濃く香りは実に爽やかな柑橘系、口に含むとフレッシュそのもので亜硫酸も感じません。辛口好みの私にはピッタリです。

まだ無名なのかコンクールの金賞ラベルを貼っていますが不要だと思います。コンクールには出品するだけでお金掛かりますし、仮に受賞してもそのラベルを買わないといけないシステムです。コンクール受賞ワインは普通私は買いません。

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2005年04月30日

Sudtirol Eisacktaler Muller Thurgau 2003

ドイツやスイスに近い地域なのでしょう、葡萄品種からはドイツワインだと思ってしまいました。瓶の形はどちらかというとローヌのそれに近いのではないでしょうか。
結論から申し上げると今回色々頂いたサンプルの中で最も良くできたワインです。キレの良いしかも残留亜硫酸は微塵も感じることはありません。イタリアワインとはとても思えないほどバランス良く仕上がっています。この辺りの繊細な味を理解するには余程食のセンスを磨かなくてはなりません。
ワインは食事と共に楽しむもので、美味しいワインを見つけ出すには美味しい食事を心がける必要があります。日頃添加物の多い食事を取っていては美味しいワインなど分かるはずがありません。

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2005年04月22日

Clos du Marquis 1993

Michel Delon氏がお亡くなりになってから、どうやら別のワインになったようです。2000年からでしょうか? 畑も仕込みも何もかもそれ専用になったそうです。思えば昔は良かったですね、この1993年や1994年は沢山買いましたが、ハズレはことごとく少なく品質の割に安くて十二分楽しむ事が出来ました。今日のこの一本も申し分ありません。今流通している物で安いのは1997年位でしょうか、お好きな方は買っておかれた方が無難でしょう。2000年はかなり高かったように思い買いませんでしたし、2001年も注意しておりませんでしたので買っていません。
フルーツトマトが大変美味しくなりました。今までは高知のシュガートマトをお勧めしてきましたが、高値安定のままですので他の銘柄を試したら、農業の進歩でしょうかそれ以上に美味しくて酸もしっかりしている物が数多く出現しています。静岡産の多分アメーラだと思いますが少し大きめで糖度も非常に高いのでお勧めです。レストランでは湯むきしてバジルをちらしオリーヴオイルを振り掛けモッツァレッラと合わせますが、家庭では皮は剥かずに四つ切りにして軽く塩をふりオリーヴオイルだけでもとても美味しいと思います。

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2005年04月20日

Coteaux du Languedoc 1998 Domaine de Nizas

インポーターの説明に「クロ・デュ・ヴァルのオーナー、ジョン・ゴエレ氏によるワイン。初ヴィンテージの1998年はいきなりスペクテーター91点を獲得。南仏のハーブやブラックベリー芳醇な香りとリッチでまろやかな口当たりが魅力です」とあります。正直申しまして全く見落としていました。実に良くできたというか、フィネスを備えています。
シラー95%、グルナッシュ・ノワール5%の構成ですがまことにこなれた香り、果実味豊富な味の余韻は長く続き、舌を刺激する残留亜硫酸など微塵も感じません。税抜き定価 \2,700 ならそれは売れるはずです。慌てて注文すれども完売とのこと。実に残念!
クロ・デュ・ヴァルと言えばナパとカーネロスのカリフォルニア・ワインなのですがいつの間にかフランス進出していたのですね、最近ワイン・スペクテイターも読んでないし・・・

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2005年04月19日

Champagne Beaumont des Crayere Grande Reserve Brut

一般的にピノ・ムーニエを多用すると舌触り悪いとか、ねちゃつくとか何だかんだと文句を付けられることが多いのですが最近のデカンタ誌等にはこのシャンパーニュ、絶賛されています。それもそのはずここ数年でかなり美味しくなりました。Krug,Bollinger,Taittingerなど20年以上数限りなく飲んできた私が申し上げるので間違いありません。シャンパーニュの美味しい条件はまず葡萄の生産地にあります。グランド・モンターニュ・ド・ランス、グランド・ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・ブランと呼ばれるグラン・クリュの中心地域の優良生産者の物がオーブなどの新進気鋭の生産者の物より不味かった例はありません。次に圧搾方法ですがここの場合所謂プルミエ・タイユと呼ばれる一番搾りしか使いません。従って渋みやえぐみには無縁です。二次発酵の場所や温度そして期間も重要ですがやはり味のポイントは一次発酵までの原酒にあると考えます。ピノ・ムニエ 60%/シャルドネ 25%/ピノ・ノワール 15% で構成されるにも拘わらず非常に飲みやすく泡立ちも良好です。新鮮なことも旨さの秘訣でしょう。日本での長期滞留品など私は一切買いません。シャンパーニュは現地蔵での熟成でのみ旨くなるわけで温度変化の激しい日本に運ぶまでに先ず不味くなりますし況やこの国での保管状況で旨くなるはずはありません。

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2005年04月17日

1985 Vin Santo del Chianti Rufina Villa di Vetrice

28日のイル・ギオットーネの会に使うデザートワインを探していたのですが、実に格好の良いスリム・ボトルが気に入ったので早速飲んでみました。
結論から申し上げますとウーン、シェリー酒ですね、甘いのは甘いのですがデザートワインとしては少々使いにくいと思います。シェリーのお好きな方には受けると思いますが、私は食前酒にドライな辛口を一杯だけ頂く程度ですので最後の締めくくりとしてはちょっと辛いです。
でもワインバーで飲むのでしたら理想的かも知れません。ヴィンテージは1985年なので今年二十歳を迎える人のプレゼントとしても使えるでしょうね、瓶の形は超スリムで喜ばれると思います。オリーヴ・オイルがとても美味しいグラーティ社の製品です。小売価格は税別 \3,300

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2005年04月11日

久々に美味しいローヌ

Cotes du Rhone 2003 Chateau de Segries Domaine Henri de Lanzac a 30126 Lirac
コート・デュ・ローヌのワインは一般的に味が濃いので私の場合飲み飽きてしまう事が多いのですが、このワインは実にフルーティーで所謂ローヌ臭さが無く、ブルゴーニュ好きの方にでも受け入れられ易いと思います。甘酸のバランスがとれていて余剰な亜硫酸も感じません。コルクは短いですが状態は非常に良く低温で輸送された事が裏付けられています。色は綺麗な紫がかった赤色で透明感があり、時間が経過しても退色する事はありません。ワインは葡萄で造られるものですからフルーティーさが大切だと思います。\1500で買えるワインとしてはかなり評価出来ると私は思います。
4-Aのフィレ肉をニンニクオイルでソテーし、付け合わせに椎茸のソテーを添えましたが実に良くワインと合いました。

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2005年04月01日

Chateau Maucaillou 1998 AC Moulis

川西の変わった名前の蕎麦屋に行きました。駐車場が2台分しかありませんので忙しそうな時間帯を外していったのがむしろ正解だったようです。手打ち出石皿そば 璃維孟莟(リーモーガン)で店内にはジャズが流れています。皿蕎麦は5皿で850円でちょろっとの長芋のすり下ろしと海苔そして刻み葱と山葵が薬味として付いてきます。残念ながら山葵は合わせでした。蕎麦はつるつるしていて二八か三七位ではないでしょうか? つゆは辛口で好みなのですが鼻に抜ける香りはありません。
すぐ近所にイタリアンと洋食屋があり、下りきって左側行き止まり手前に高級そうな和食屋も発見。川西探索も面白そうです。
「宝くじ当たりました!・・・」とエイプリル・メールを送ったら見事に引っかかった方が居られました。ごめんなさい!
ワインはモーカイユーの98年です。カベルネ・ソーヴィニョンが6割メルローが3割位でしょうか? クリュ・ブルジョワクラスでは良くまとまっていて、まずまずの出来だと思います。癖のない味でインパクトがないと言われるかも知れませんが、食事と共に楽しむには十分です。

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2005年03月31日

Chateau Sainte-Colombe 2001

葡萄をくわえた鳩にハートをあしらった面白いエチケットはギフト向きなのでしょうか? AC Cotes de Castillon には新興のシャトーがたくさんありますがこれもその一つで所有者はサンテミリオンのスター、ジェラール・ベルス氏でコンサルタントはお馴染みミッシェル・ロランという豪華取り合わせであります。
葡萄品種はカベルネ・ソーヴィニオンは一切使わずメルローとフランだけということですがきっちり造ってあり田舎臭さを感じません。綺麗な色を呈し上品な香りがあるのでフレンチにはピッタリではないでしょうか? そんなにタンニンがきついわけではなくむしろ甘さが残るフィニッシュなのでどなたにも好まれると思います。

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2005年03月30日

Bourgogne Hautes Cotes de Nuits 2002 Michel Gros

ブルゴーニュの2002年は巷で評価が高いようですが、上物よりも裾物を飲んでみるとその評価がどうか確かめ易いと思います。グロ家の系図を持っているわけではありませんがこのミッシェルはジャンの長男でミッシェルの弟はというとベルナールなのですが伯母さんに当たるコレット・グロが引き継いでいるドメーヌ・グロ・フレール・エ・スールを任されています。ミッシェルとベルナールの間にアンヌがいますが彼女はドメーヌ・パランの息子と結婚しややこしいドメーヌの名になっています。有名な方のアンヌはジャンの弟フランソワの娘なのですが、シングルマザーと書いてある雑誌はでたらめでドメーヌ・トロ・ボーのジャン・ピエール・トロと結婚しています。

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2005年03月27日

比内地鶏で鍋を作りました

ネットで検索すると「比内地鶏」と称する鶏肉はいくらでも出てきますが、私の経験上美味しい物に出会ったことはありません。秋田の養鶏場から届いた物は腿肉の色が赤く厚みがあり分厚い脂に囲まれています。
一羽の鶏ガラでかなり濃厚なスープがとれますのでガラは大変貴重なものです。
で、合わせるワインはといいますと Chateau Puygueraud 2002 AC Bordeaux Cotes de Francs ティエンポン・ファミリー所有のシャトーですが、この2002年は意外にもあっさり目に仕上がっています。色は大変濃いのですがコクが少ない目、クレール・ミロンにもよくあることです。
鶏の味が濃いので、ワインが薄く感じるのかもしれません。このシャトー、どう表記したらよいのか困りますね、「ピュィグロー」なのでしょうか? ラベルのデザインがいつの間にか変わっています。たしかシャトーの絵はカラフルなものでした。

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2005年03月17日

ワイン大学第242回はイル・ギオットーネに決定

久し振りに京都は八坂の塔の隣の「予約の取れない店」として有名なイタリアン、イル・ギオットーネに行って参りました。雨にも拘わらず店内は満席で賑わってます。シューの生地に赤ピーマンのムースとアヴォカドそして鱒の卵があしらわれたアミューズに始まり、ショー・フロワの前菜、お得意の野菜のパンナコッタ(今日はカリフラワー)、名残のトリュフ・ノワールたっぷりの自家製パスタ、フォアグラの入ったリゾット、鳩のローストなどお腹一杯食べてしまいました。さらにデザートは数種類の中からいくらでも選べるとあって別腹まで満タンになりました。
シャンパーニュで乾杯の後、ペサック・レオニャンのブランに続いて飲んだのが Le Chambertin 1991 Maison Jean-Philippe Marchand ドメーヌ物ばかりがもて囃されるブルゴーニュですが、今から20年ほど前の日本ではそれこそ全く逆でネゴシアン物が幅をきかせておりました。ルイ・ラトゥールやジョセフ・ドルーアン、ルイ・ジャドーなど大手が市場を握っておりました。
ジャン・フィリップ・マルシャンはジュヴレイ・シャンベルタンの町のど真ん中にある小さなネゴシアンでそんなに有名ではありません。1991年というと偉大な90年の陰に隠れたヴィンテージですが私はその頃ブルゴーニュによく行っており斜面の畑は比較的良かったように覚えております。
このワインは流石にグランクリュだけあって薫り高いですね、グラスを回すとテーブルの上にブーケが漂います。熟成の極みとまではいきませんがトリュフの香りが感じられます。ちょうど名残のトリュフが出てきてベストマッチングでした。
4月28日木曜日午後7時30分の第242回ワイン大学定例会はここイル・ギオットーネで開催致します。この日記をご覧頂いている方優先で只今からご予約承ります。お席は24席1階のメインフロワを貸し切るような形で占領します。笹島シェフのお料理をご堪能下さい!

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2005年03月16日

神戸牛パート2、中バラ

Bourgogne Pinot Noir 2001 Domaine de Courcel
バラ肉の類は三角も含めて鉄板で焼くと表面が固くなります。大体ユッケとか刺身で食べる部位は焼くと固くなるところが多いと思います。この中バラは霜降りが粗く「これほんまに神戸牛?」と疑いたくなりますが、生で食べるとやはりアミノ酸に乏しい味です。肉は熟成によりタンパク質から旨味成分のアミノ酸へと変化していくのでしょうがその熟成が足りないためだと思います。
中バラと共に知り合いの肉屋さんは鞍下も買ったのですが、こちらはかなり熟成してから小割りするよう要望しておきます。
さて、肉は炙って食べるのが一番だと思いますが今日は薄切りしてフライパンで炒めてオリーヴオイルを振りかけて食べました。合わせるのはACブルゴーニュ、ドメーヌ・ド・クールセルがコート・ドールはポマール村の畑でとれた葡萄で造られる物。このワインなかなか良くできていてデカンタしてしばらく置くとかなりポマールらしい香りが出てきます。我が門下生のワインバー店主曰く「明くる日に飲んだ方が旨いです」との事。フレーズの香りというかベリー系の香りが心地よく、味も中庸というかきつくありません。昨日テレビで三國清三氏が子供たちに料理を指導していましたが出来上がったスープを生徒諸君は「薄い!」と言ってましたね。子供の頃から化学調味料が多く入った物を食べさせられていると本来の味を理解出来ないようになってしまいます。味の濃い物ばかり食べていると当然濃いワインを欲しがるようになります。なるほど濃い味のワインは一口含んだだけで「旨い」と感じるでしょうが、2杯3杯と飲み続けると「もう、えーわ」と匙を投げたくなるはずです。ボトルの半分飲んだら飽きてしまうワインはやはりあまり感心出来ないワインということです。
テイスティングの時、ファースト・インプレッションだけで決めつけるとそのワインの正体が掴めないことが多いのです。購買の決定権のある人は特に注意しなければなりません。
クールセルのワインは地味ですが、味わい深くポマールの良さを良く表現していると思います。大人のワインとでも申し上げましょうか?

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2005年03月15日

神戸牛と称する牛肉を買いました。

Chateau Beaumont 1999 AC Haut-Medoc
銘柄牛が本当に美味しいか?会員ページにも書いたことがありますが、例えば松阪牛の場合など子牛は何処で生まれたかというと殆どが兵庫県下で生まれるわけです。フランスワインのAOCの規定のように厳密ではないのです。淡路島で生まれてもある一定の期間松阪の指定地域(これがまたかなり広い地域になりますが)で飼育されれば松阪牛となります。
肉屋さんのHPを拝見する限り等級はA-5の処女牛だけと思っていたのですが、松阪牛に関するネットオークションhttp://www.mie-msk.co.jp/auction/ を見るとA-2でも「松阪牛」で販売しても良
いことになっています。15日に入札があった模様で今回はすべてAになっていますが、前回はB-4もありました。
さて話を元に戻しますがこの神戸牛ですが菊の御紋が入った証明書は付いているのですが、色が濃いです。まず「貝の身」と呼ばれる部分を刺身で食べましたが、つるっとした舌触りですが甘みはあまり感じません。次に三角から続く部分を同じく刺身で食べましたがやはり同じく甘みに欠けるようです。もっと熟成させた方が良かったみたいです。
気を取り直して焼いてみました。6ミリの厚さに切りゲランドの塩と白胡椒をほんの少々、餅焼き網で炙ります。2年前に購入したスタンダード・ボルドー、シャトー・ボーモンの1999年を開けましたが、色が少し濁っているように見えます。買ってすぐ飲んだときはもう少し透明感があったように思います。このクラスに多いのですがやはり雑味が多いのではないでしょうか、ホコリっぽく感じます。早い内に飲んだ方が賢明と云うことでしょう。刺身では違和感があったものの焼くとワインとのコンビネーションは良くなります。

posted by: Georges : 2005年03月15日| コメント (0)

2005年03月13日

たまにはこんな事もあります。

ワインセラーは長期保存用の250本入るものを2基自宅に置いておりますが、全く整理整頓していないので何処に何が何年燻っているか分かりません。で、いつ買ったかも覚えていない
Chateau Lanessan 1985 AC Haut-Medoc が奥の奥に隠れていたのを取り出してみると、かなり目減りしています。私の場合規定容量入っていない物はいくら古くても買わない主義なので恐らく貰い物だったのでしょう。
キャップシールは勿論回りません。恐る恐るカッターで切ったら黒くなった物がこびり付いています。水に浸したタオルで拭き取りスクリュープルのレバーモデルで栓を抜くと・・・
意外にも簡単にブションは取り出すことができました。コルクは全面にわたり色付いていて完璧な「漏れ」のワインでした。一応デカンタしてグラスに注ぐと色は頂けませんね、濁ってはいないものの赤みを帯びた茶色。熟成した香りというものは何ら発しておりません。少しだけ口に含むと酸っぱさだけが強調され、まるでワインの味とは縁遠いものになっております。残念ながら全てボツと云うことに。
「漏れ」のワインについて申し上げますと昔は随分ありました。ボルドーの古いものはもとより殆どのワインはドライコンテナーで運ばれたため液温が上がり噴きこぼれていました。
最近でもまだドライコンテナーで運んでいる輩が結構おります。そんなところに限って堂々と「リーファーコンテナーで輸入」などとシールを貼っているのでこちらが吹き出してしまいます。マルセイユやル・アーブルのシッパーにもこんな輩がいて「喫水線以下に積むと大丈・・・」などとほざいております。そんなことを真に受けて未だにドライで引っ張る業者が多いのは実に嘆かわしいことです。ネット通販で「ラベル汚れ」などと称して売っている連中は全てこの類だと思って間違いありません。
こういった輸入を平気で行っている業者は「少々漏れても大丈・・・」などと平然と言ってのけますが実際本当でしようか? 
比べてみると一目瞭然なのですが、例えば若いワインなら噴きこぼれていても「飲めないほど不味く」ということにはなりません。もっとも状態の悪いワインばかり飲んでいる人からすれば「美味しい」と感じるかも知れません。しかしまともな輸送経路のワインを日常飲んでいると色、香り、そして味の違いを指摘出来るようになります。
「漏れ」のワインに「旨い」ものなし と覚えて頂いた方が賢明です。

posted by: Georges : 2005年03月13日| コメント (0)

2005年03月11日

比内地鶏の肝と心臓が届きました。

秋田からだと2日掛かるので生はご遠慮下さいと注意書きがあります。ゲランドの塩と白胡椒で網焼きに。先ずは肝だけ焼いてみますと鶏の肝とはとても思えません。フォアグラのソーテに似た味ですがそれよりは淡泊です。
合わせるワインはBourgogne Clos de la Fortune 1993 Domaine Chanzy
ブルゴーニュはコート・シャロネーズ、アリゴテで有名なブーズロンに1974年設立されたドメーヌです。アリゴテ種はコート・ドールの中心部では土壌が合わないのか美味しいワインは出来ません。このブーズロンに於いてこそ味のあるワインになると思います。それからもう一箇所シャブリの近くにもアリゴテの美味しい地域がありますね。
このワイン、白なのにヴィンテージは何と1993年。程良く熟成していますが飲み頃を超えた感はありません。しかしとても安い価格で販売されています。蔵のHPを覗くと直近のミレジムの蔵での販売価格は6.65EUR 日本での販売価格は妥当というより格安ではないでしょうか? 
さて、26日開催の英ちゃん会ですがメニューはご覧頂けたでしょうか? 「春は名のみの風の寒さや」ですので名残の河豚そして松葉蟹を盛り込んだ素晴らしい内容です。今日までのお申し込みは4名だけですがまだ間に合いますよ! 詳しくは左の「英ちゃん冨久鮨で味わう究極の会」をクリックして下さい。

posted by: Georges : 2005年03月11日| コメント (0)

2005年03月07日

皆さんは生ハムを何処でお買いになるでしょうか?

一本丸ごと買うと大変歩留まりが悪いことをご存じでしょうか?
スライスしてパックしてあるものは風味が全く消えていると思います。勿論海外では目の前でスライスしてくれその場で真空パックしてくれるお店もありますが、日本ではまだそこまで行かないと思います。日本では今スペイン産のベジョータばかり取り上げられていますが、生ハムはイタリアのプロシュート・ディ・パルマやサン・ダニエッレも忘れてはいけないと思います。今まで豚なんか見向きもしなかった連中が流行りだしたら猫も杓子も黒豚、イベリコ豚と騒ぐのは滑稽としか言えません。肝心なのは作り方と熟成の度合いでしょうし、メーカーによっては不味いイベリコ豚の生ハムも多く存在します。
ところで私はスライスされたばかりの生ハム、それも中心部の最も塩分の少ないところを買いパルミジャーノ・レッジャーノやはり真ん中をスライスして上にのせ、極上のオリーブオイルをふりかけルーコラを添えて頂きます。合わせるのはイタリアの白ワインが良いのでしょうが、今日はボルドーはペサック・レオニャンのこのワイン。
Chateau de Rochemorin 1999 AC Pessac-Leognan
かの「法の精神」で有名な法学者モンテスキューが幼少の頃住んでいたという由緒正しいシャトーとか。葡萄品種はソーヴィニオン90%、セミヨン10%とのことです。食中酒としては角が取れていて飲み頃ではないでしょうか? 生ハムの風味を損なうことはありませんしチーズとの相性も悪くはありません。生ハムをお代わりしてしまいました。定価2400円でこの味わいは納得の一本です。

posted by: Georges : 2005年03月07日| コメント (0)

2005年03月03日

昨日期待もせず開けたワインに、

正直かなりビックリしました。シャス・スプリーンのセカンドかサードワインに辟易したので「やはりボルドーの数多く造るところは避けた方が・・・」と思ったのですが、これは◎の良くできたワインでした。ブションも理想的な形です。抜いたときの形でそのワインの経歴が解ります。温度変化にさらされたワインのコルクは歪な形になりますが温度管理が最後まで行き届いている場合は綺麗な円柱形(液面に近い方が膨らんでいますが)になることは意外にも教科書にはあまり書いてありません。ある一部分が異様に膨らんでいたりしているコルクは保管方法か輸送途中で大きく温度変化があったことを意味します。
かなり前の話ですが月刊茶の間という広告誌に静岡のインポーターの宣伝があり、その写真を見て吹き出してしまいました。「リーファー・コンテナーで運ばれた・・・」という説明があるにも拘わらずコンテナーの中には平積みされたワインの箱がぎっしり隙間無く詰まっています。これはドライコンテナーにワインを詰めるときの手法でリーファーでは必ず空気の通り道を造るためパレットを使用することが殆どです。リーファーコンテナーで輸入しても電源を切られれば何も意味がありません。到着した港で電源を切られたまま通関手続きを待っているコンテナーも実際よく見掛けます。
話は逸れてしまいましたが肝心のワイン、Ch.La Cardonne 1999 Cru Bourgeois AC
Medoc 非常に濃い色を呈していますが、今飲んでちょうど良い見事なバランス。かなり澱が出ていますがこれも熟成の証拠です。葡萄品種はメルロー 50%/カベルネ・ソーウ゛ィニヨン 45%/カベルネ・フラン 5% (植えられる面積の比率でセパージュではありません)との事ですが、タンニンが落ち着いてローストビーフとの相性は抜群。定価2600円のワインとしてはとてもお買い得だと思います。

posted by: Georges : 2005年03月03日| コメント (0)

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