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2006年07月16日

Corton-Charlemagne 2003 Domaine Denis P?re et Fils

vinsjuillet-013.jpgこのブログで取り上げるワインはマスコミで持て囃されるようなものはありません。ランキング上位に取り上げられるワインは旨い不味いに拘わらず価格だけは異様に高い訳でそれらを飲んで自慢するようなブログとは無縁の存在であります。例えばコルトン・シャルルマーニュと云えば恐らくは「コシュ・デュリーが一番旨い!」など仰るワインマニアがおられると思いますが、私は同調できません。価格と酒質のバランスが重要であると考えます。コルトン・シャルルマーニュ、昔からワインをお飲みの方にはご理解頂けると思いますが1970~1980年代の我が国では何と云ってもルイ・ラトゥール社がトップの存在でした。輸入元はバークレイ、今はもうありませんがその頃フランスワインの輸入に関しては大きな力を持っていました。ジョセフ・ドルーアンを輸入していた雪印も強かったですね、ブルゴーニュと云えばネゴシアン物がその殆どを占めておりました。意外なことに当時サントリーはカルヴェと云うネゴシアンと蜜月の関係、このローヌ出身のネゴシアン、フランスではそんなに評価の高いネゴシアンではありませんでしたがサントリーは実に長い期間ここだけと取引していた模様です。サントリーがドメーヌと直接取引を開始したのは1980年代後半だったはずで最初はちゃんちゃらおかしいカミュ・ペール・エ・フィスなどを「これがエレガントなシャンベルタン・・・」などと紹介したものです。私は論外と一蹴しましたが、この頃あったサントリーのワイン課の連中、真剣にこんなものを旨いと思っておりました。サントリーのパリ現地法人にはワインの味が判る人間など一人もいなかった模様です。買い付ける人間のレベルが低いとこういう結果になってしまいます。
さてこのワイン、造っているのはドニと云う生産者、モレ・サン・ドニのドニと同じですが白ワインが得意なペルナン・ヴェルジュレス村のドメーヌです。果実味は豊富なのですが残糖分が少ないため「分厚い・甘い」コルトン・シャルルマーニュとは全く違います。樽は使ってはいますが新樽比率は低くそういったワインを好まれる向きにも理解しにくいとは思いますが、実はこのようなワインこそ長熟して本来のコルトンの旨さを発揮する訳です。他にこうしたコルトン・シャルルマーニュの造り手が意外なところにおられるのですが日本ではあまり紹介されていません。
セラーさえ壊れなければ10年後が楽しみなワインであります。

ブルゴーニュ・コート・ドールのコート・ド・ボーヌ地区には二つの白ワイン特級畑群があります。一つはモンラッシェを将軍に迎えバタモン、シュヴァリエ、ビアンヴニュ・バタールと従える群れとこのコルトン・シャルルマーニュと白のコルトン、滅多に見られないけどル・シャルルマーニュのコルトン・シャルマの類の二つでありますが、どういう訳か後者は日本では不人気であり価格が安いため私は重宝しております。アベラシオンのグラン・クリュにはどっちが上とか下はありませんので当然の如く品質に差はないはずですが価格は下手すると何倍も違ってきます。モンラッシェで一番高い価格が付くのはDRCですが、その畑は別に取り立てて陽当たりが良いような区画ではありません。水はけが良く陽当たりの良い斜面は何処かと申しますとそれはマルキ・ド・ラギッシュ所有の最もムルソー寄りの畑でその上にあるシュヴァリエは良いのですがラギッシュの畑の隣側(ムルソー側)は断層でかなり低位置にありそこで造られるプルミエ・クリュは残念ながら大したことはありません。バタールも殆どが平地で陽当たり悪くシャプタリザシオンのお陰でその名称を保っていると云っても差し支えないかも。葡萄の生育は悪くても注文はひっきりなしに増えるのでシャプタリザシオンしてアルコール度数だけ上げる訳です(アルコール度数が規定より低いと格落ちにしなければなりません)。葡萄の出来が悪いと云うことは葡萄の持っている力もない訳でありそんな葡萄でワインを造っても美味しいはずはありません。然るに有名な蔵には異常なまでの注文が殺到するのであります。

posted by:Georges :

コメント

知名度でしか判断されないので難しいところです。価格と品質を考えれば素晴らしい蔵と思うのですが・・・もっと売れて欲しいです。CCHを探していた4年前、偶然彼の蔵にたどり着き、試飲をしてこれならいける、と思ったのですが、名前が知られていないのでちょっぴり苦戦しています。蔵で試飲した、90のCCHは素晴らしい熟成をしていました。セラーが壊れていなかったら!とのことですが、壊れないよう、お祈りしておきます!

投稿者 Midoc : 2006年07月24日 19:21

Midocさま

先程のコメントは掲載するのが不適切ならすぐさまお申し出下さい。

ワインの品質についてはなかなかご理解頂けないのが実際のお話であります。良くできたワインよりもよく知られているワインしか売れないのは仕方ありません。マイナーなブログであってもいつかは分かって頂けると信じてボチボチ取り上げていきたいと思います。

投稿者 Midoc : 2006年07月24日 19:21

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