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2008年07月22日

Saumur 2001 Autrefois... Domaine des Guyons

8v0722.jpg「Autrefois... 」とは畑の名前とかそういった類のものではなく「昔々」の意味のはずであり、変わったネーミングであります。ところが輸入元の資料を見てもこの名前の由来については何も触れられていません。

何も疑問に思わないのでしょうか?

私なら一番先に、何故こういったサブタイトルを付けているのか尋ねると思うのですが・・・。

さて今回輸入されたワインの説明はあまり詳しくないので3年前のこのワイン、ヴィンテージは2000年の資料を見ると「ブドウ品種 : カベルネ・フラン 90% カベルネ・ソーヴィニヨン 10%、平均樹齢 : 55年、栽培面積 : 0.6ha、単位収穫量 : 50hl / ha、平均年間生産量 : 3,000本、熟成期間:14ヶ月(220Lの3年樽使用)、発酵 : コンクリート・タンク醗酵、特記事項:ルモンタージュ、ピジャージュは全て手作業。コラージュとフィルタリングは無し」とのことであります。

ヘクタール当たりの収穫量が50ヘクトリットル即ち 5000リットルで、畑の面積が 0.6ヘクタールなら、生産量は 3000リットル、750ccのボトルに詰めると 3000÷0.75=4000本になるのは小学生でも分かるはずですが、今年のデータを見ても生産本数は 3000本と明記されています。

仮に生産者が示したデータであったとしても疑問を感じないのは現代日本人若者の傾向なのでしょうか? 

さてロワールの赤ワインについては何度か申し上げたかも知れませんが殆ど買うことはありません。たまに付き合いで買っても「渋いか、飲みづらい」と全く前向きにはなれませんでした。

確か1985年頃、シャンパーニュ・ゴッセの親戚とやらが営むシノンの蔵を訪問したことがあるのですけど、遠いところ苦心して訪問したのですが全く買う気がしませんでした。

その後パリのキャレ・デ・フィヤンだったかな? 当時一つか二つ星のレストランで飲んだ Saint-Nicolas de Bourgueil 1985 (生産者失念)に気を良くしたものの、日本に帰れば相変わらず香りが馴染めなくてずっと敬遠しておりました。もちろん飲まず嫌いではありません、事ある毎に一応テイスティングは続けてきたつもりでいたのですが・・・・、やはり最初が印象悪いと引きずってしまいますね。

まあ今回も白のついでに試してみようと思っただけでしたが・・・ 

結論から先に申し上げますと「目から鱗が落ちる」とはまさにこのワインのこと! いやいや実に驚きました。アンジューやソミュールそしてシノンなどイヤと云うほど飲んだつもりでおりましたが「井戸の中の蛙」だったのは実は私自身でありました。偏見を持ってはいけませんねえ、こんな旨いロワールの赤があったとは驚きであります。

まずキャップシールは他のと同じアルミ製二つ孔、コルクはお世辞にも立派とは云えない長さ45ミリの中級以下の品質、その割れ目に沿ってワインが30ミリほど染み出そうとしています。ところが抜栓と同時にふわっと広がる何とも云えない熟成香! あの若いときのピーマンというか苦渋そうな香りとは全く縁もゆかりもなさそうなブーケであります。グラスに注ぐと色は濃いめのルビーレッド、香りはまさにスミレの花の香りでしょうか! 味わいも渋さや酸の強さが消え、補糖ではないスッキリとした甘さまで感じます。ワインとしての状態はほぼパーフェクト、まさに飲みごろをようやく迎えたかのようであります。

この状態がいつまで続くか私は予測不能でありますが短くても3年は持ち堪えるはずであります。

ヴィンテージは2001年、この蔵の続くヴィンテージ、2002、2003、2005などどんなワインを造っているのでしょうね、ソミュールだけに限らずロワールの銘酒と呼ぶに相応しい素晴らしいワインであります。

アペラシオン・ソミュール・ルージュについてはこちらをご覧下さい。葡萄品種はカベルネ2種の他「pineau d'aunis 」ピノー・ドニスも使われるみたいですね、植えられているのは見たことありませんが。

posted by:Georges :

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