トップページ > こんなワイン買いました

2008年06月22日

Chablis Grand Cru Les Clos 2005 Domaine Vocoret & Fils

8v0622.jpgワインはその名で売れるもの、その代表的な例がシャブリ。アメリカ人にも我々日本人にも非常に親しみやすい名前であります。文字数が少ないのと発音に不自由しないことが受け入れられる大きな要素であります。ムートンやラトゥール、ラフィットにマルゴーも然り。比較的新しいところではサロンやジャック・セロス、さらにはルーチェなども覚えやすいでしょうね。ですがシャブリはグラン・クリュを伴うことで、ステイタスが堪らない魅力として日本人に受け入れられたのではないでしょうか? 「ブルゴーニュ・ワインはシャブリに始まりシャブリに終わる」などと申し上げるつもりはさらさらございませんが並シャブリを飲んだら次にはプルミエ・クリュ、そしてその次には7つもあるグラン・クリュが待っているわけですからオタク体質の多い我が国民性にはピッタリのワインと申せましょう。
とは云え本来ブルゴーニュとは名ばかりの飛び地であるシャブリに於いてモンラッシェみたいな濃厚なワインが出来るはずもなく(ごく一部に例外はあるかも知れませんが)昔からこのワイン群の高すぎる価格設定にクレームを付けてきたのが私であります。並シャブリとプルミエ・クリュに比べ異常に高い設定のグラン・クリュのワインなど買う必要のないことを唱えて参りました。

さてこのドメーヌですが昔は大手のワインメーカーが輸入していましたが現在は東大阪の輸入代理店に変わっています。しかしそこは例のシャブリジェンヌを引き受けたばかりですので、ドメーヌ・ヴォコレは何処かに契約変更するものとばかり思っておりましたが、まだ現在もそのままのようですね(2007年ヴィンテージは輸入されていないのでやはり他社に変わったのでしょう)。

2005年の「レ・クロ」どんなワインか久しぶりに開けてみましょう。

キャップシールはアルミ製、トップには細長い菱形形状に4つの孔が開けられています。その痕跡からキャップシールを填めてから上からプレスしてあるのは間違いないようです。コルクは天然物中級品の長さ49ミリでボトム・トップにヴィンテージはなく側面にも生産者元詰め表示の他は目立った表記はありません。
グラスに注ぐと綺麗な緑色で輝きがあり、パイナップルと洋梨を足して2で割ったような香りがします(?)。
味わいは17℃あたりでは強いミネラルを感じますが、冷やすと葡萄の果実味が一層引き立ちます。
まずは地鶏腿肉のグリエに合わせましたが実に秀逸、さらに料理屋風に湯がいた枝豆といつもの和牛のカルパッチョとの相性は抜群と申し上げたいほどです。

既に輸入元には在庫ありませんが流通在庫で残っていればまずは一本お試し頂きたいと思います。熟成の妙と申したら良いのでしょうか、丸くなっていて刺々しいところは一切無く甘酸のバランスが整った素晴らしいワインとなっていてビックリ!また何より食事との相性が良いのでお薦めしたいと考えます。

推定蔵出し価格12.50ユーロ、シャブリの場合裾モノでは掛け率を下げグラン・クリュは「利益商品」として高い目に価格設定するのが通例(その理由はギフト市場に目を向けていると考えられます)。

このワインのことを申し上げているのではありませんが、普通の場合ギフトのカタログに載っているものに旨いワインはありません(定説です)。

posted by: Georges : 2008年06月22日

2008年06月20日

Gevrey-Chambertin Vieilles-Vignes 2005 Maison Jean-Philippe Marchand

8v0620.jpg滅多に買わない生産者のワインですが、日本でだけ持て囃されているあのパ○レは自分で醸造設備を持っていないためここを間借りしてやってます。畑も借り物なら醸造設備も借り物、そんなワインを評価する人の気が知れませんが実際には買う人が多いとのこと。まあ私には縁のないワインですけど。
前年に比べたらどの生産者も大成功と云われた2005年なのでとりあえず一本だけ買ってみました。ラベルの“Vieilles-Vignes” の下に「Elevé et mis en bouteille par」と明記されていますので熟成と瓶詰めだけはこの生産者が行ったことが確かです。その前に「Vinifié」が付いていれば「醸造」も自分のところで行ったことになります。
しかし元々このジュヴシャンのヴィエイユ・ヴィーニュは「生産者元詰め」表示があったはず。ですからマルシャンとは親しい間柄のボニリ・ジャパン西尾社長に聞いてみましょう。
西尾社長の説明によるとやはりこのワインは自分の畑の葡萄がほぼ100%のはず、ところが株式会社組織に会社を改め、SA・ジャン・フィリップ・マルシャン社としてワインの醸造・瓶詰め専門会社にしたため葡萄は家族から買う形になるとのこと。従ってドメーヌ表示は出来ずにネゴシアン物として売らなければならないとのことが判明しました。
さらにこのメゾン・ジャン・フィリップ・マルシャンですがジュヴシャンの中心部に何かのモニュメントがあり、その前でやっていたのは昔のお話で、その場所は弟に譲り「マルシャン・フレール」という名前でワインを造っているとのこと。今では国道N74を東に渡って一キロほど行ったところの元菓子製造会社に会社を設立したとのこと。かなり大規模な工場で例のパ○レ以外にも数社のワインを引き受けているとのことです。
やはり持つべきは強い味方! 西尾社長はしょっちゅうフランスに行っておられるのでさすがに詳しいです。知らないことは知らないまま放置せず、知っている人に聞いて理解すべきです。周りに詳しい人が居るからこそワインの理解が深まるというもので評価本を鵜呑みにするのは間違いの元であります。

例によって前置きが長くなりましたが開けてみましょう。

キャップシールはアルミ製孔は長方形型に四つ、コルクは天然物で長さは49ミリの中級品、家紋だけが描かれヴィンテージなどはありません。
グラスに注ぐと大変綺麗な赤紫色を呈していますが他と比べるとかなり薄い目、香りも実に軽い目でやはり大量生産方式に移行しているのでしょうか。
味わい的には軽い割にしっかりした樽のエキスを感じます。まあ元々ブルゴーニュのワインと云えばそんなに濃い濃いワインではありませんでしたのでこんなのもありかな?という印象です。薄いと云ってしまえばそれまでですが、将来性はあるように感じます。決して濃くはなりませんが華やかに熟成することは十分考えられますので3年から5年の熟成の後にもう一度飲んでみたいと思います。気の短い人にはお勧めしにくいですが、上手に保管さえ出来たらブルゴーニュの熟成香を楽しめるかも知れません。

しかし高くなったものですね、推定蔵出し価格で11.25ユーロ、輸入元の税別定価は5000円、また熟成を待たなければならないこともあり現状では難しいとしか云えないです。

posted by: Georges : 2008年06月20日

2008年06月17日

Roussette de Savoie Frangy 2007 Domaine Lupin

8v0617.jpg日本では珍しいサヴォアの白ワインです。まずは輸入元の説明をご覧下さい。キャッチ・コピーは「お待たせしました! アルテス種のスペシャリスト、ブリュノ・リュパンのフランジーが新入荷です」とのことで、説明は「生産量の大半が自社のレストラン等で完売してしまう希少なサヴォワ・ワイン。レモン等の柑橘類、ミネラルが存分に感じられる爽快な香り。さわやかな酸味は口中を洗い流してくれるようです」とあります。
まず最初の謳い文句ですがこれでは「フランジー」がワインの名前と勘違いしてしまう恐れがあるのではないか? このワインのアペラシオン名称は「ルーセット・ド・サヴォア」であり「フランジー」とはこの生産者のあるコミューンの名前であります。「畑の名前」と輸入元の担当者は勘違いしているのではないでしょうか?
ワインの説明文は極めて妥当な見解であると思いますがキャッチ・コピーは頂けません。
ラベルの生産者のところをよくご覧下さい。ドメーヌ名の隣に「Viticulteir-“Les Aricoques”-74720 Frangy」とあります。コミューン・ドット・コムで調べる方法もありますがINAOのHPからでもコミューンの検索が可能です。場所が何処にあるかはコミューン・ドット・コム、そのコミューンのアペラシオンが知りたければINAOのHPが便利です。
まずは場所を見てみましょう。こちらがその「フランジー」の場所を表すコミューン・ドット・コムのページで、地図上に示された○印をクリックすると周辺地図が現れます。
次にINAOのHPの左のメニューから「Produits」をクリックして上から2番目の「Recherche par commune」をクリックして検索画面を立ち上げ「frangy」と入力すると「二つのコミューンが存在する」と表示が出ます。で下の74 frangy を選ぶと下記の画面が現れます。
LR - IGP
--Emmental de Savoie
IGP
--Emmental français Est-Central
AOC - AOP
--Gruyère
LR - IGP
--Pommes et poires de Savoie
AOC - VQPRD
--ROUSSETTE DE SAVOIE
LR - IGP
--Tomme de Savoie
AOC - VQPRD
--VIN DE SAVOIE
AOC - VQPRD
--VIN DE SAVOIE MOUSSEUX
AOC - VQPRD
--VIN DE SAVOIE PETILLANT
LR - IGP
--Volailles de l'Ain
お分かりでしょうか、チーズならグリュイエールのアペラシオンとなっておりワイン関係はルーセット・ド・サヴォアをはじめ全部で4つのアペラシオンの範囲内にあることが書いてあります。
で、そのルーセット・ド・サヴォアをクリックすると下記のワイン群が表示されます。
--ROUSSETTE DE SAVOIE
--ROUSSETTE DE SAVOIE
--ROUSSETTE DE SAVOIE FRANGY
--ROUSSETTE DE SAVOIE MARESTEL OU MARESTEL-ALTESSE
--ROUSSETTE DE SAVOIE MONTERMINOD
--ROUSSETTE DE SAVOIE MONTHOUX
即ち「ルーセット・ド・サヴォア・フランジー」で一つの言葉、一つのデノミナシオンを形成することになります。「フランジー」だけが一人歩きすることはあり得ないわけです。
ではそのデノミナシオンの詳細はと云うとこちらをご覧下さい。
ワインと云うもの正しい知識を身につけると間違った表現はすぐ見抜くことが出来ます。
前置きが長くなりましたが開けてみることにしましょう。

まずはキャップシールですがとてもアバウトというか太めに作られ皺だらけになり被せてあります。ツーピースのアルミ製で栓は合成モノの「nomacorc」、長さはたった38ミリですので「早く飲んでしまえ」と云われているみたい。
ワインには残留亜硫酸が残っていますが気になるようでしたら温度が高い内にデカンタしてもう一度ボトルに戻してからワインクーラーに入れて冷やします。色はかなり彩度の低いレモンイエロー、香りは独特の柑橘系。味わいは極めて辛口と思ったのですが意外にマイルド。残留亜硫酸を飛ばしたのでそう感じたのかも知れませんが辛口好みの人には合うと思います。

ブロッコリーを茹で、エクストラ・ヴァージンで作ったニンニクオイルでソテーします。このワイン、ニンニクの風味とよく合うので試してみてください。

posted by: Georges : 2008年06月17日

2008年06月16日

Château Couronneau 2006 AC Bordeaux Supérieur

8v0616.jpgメルマガでふと目についたのがこのタイトル「数々の当社のワインが選ばれました!! 別冊「一個人」決定! 「2000円以下」極旨ワイングランプリ」。
雑誌で「輸入ワインを気鋭のソムリエ6人がブラインド・テイスティングで厳正審査!」とのこと。2000円以下のワインの中でナンバー1に選ばれたのがこのワインと輸入元は鼻高々であります。

3人集まれば文殊の知恵と申します。何処の誰かは雑誌を見ておりませんので分かりませんが「気鋭のソムリエ」が6人集まって選んだのですからそれなりに品質を見極めていると考えるのが普通でしょうね。

ところが私はまずこのラベルを見て「これは大したワインではない」と早くも意気消沈であります。

まずはラベルの最下部をご覧下さい。いつも申し上げていることですが「有機農法とか無農薬栽培を表に大きく書いてあるワインに旨いものなし」という私の定説に当て嵌まります。
次に生産者の場所にご注目下さい。「33220 Ligueux」はこちらのHPから右手の地図の丸印をクリックすると詳細地図が出てきます。ここはボルドーと云ってもサント・フォア・ボルドーに含まれるコミューンでベルジュラックのすぐそばではありませんか

ボルドー・シュペリュールに指定される地域は大変広範囲にわたりますので注意が必要なのは何度も申し上げております。

とりあえず開けてみましょう。銀色のキャップシールはアルミ製のトップと周りが別物のチープなもの、孔は二つです。コルクは長さ46ミリ色白でトップとボトムに○で囲んだ2006、側面にはシャトーのイラスト二つに挟まれるようにシャトーの名前と「0408 051」という数字が見えます。

グラスに注ぐと色は悪くありませんが多少濁り気味で輝きがありません。アルコールの強そうな香りに私は複雑さと云うより埃っぽい匂いを感じてしまいます。味わいは至って普通! ですがこの「普通」なものを一般の人は評価されるのです。薪で炊かれるお米を泣いて喜んだりする趣味は私にはありません。めざしにも感動を覚えません。造りと云えば年中鮪のトロを出されては全くの興醒めであります。
このワインは普通に美味しいだけで、何ら感動を覚えません。これがベストに選ばれるのだったら他のワインはよっぽど不味かったのではないかと考えます。

恐らく機械での摘み取りでしょう、色の濁りはそのためです。複雑な味わいと雑な味とは根本的に違います。輸入元の資料から「メルロー 95%/カベルネ・ソーヴィニヨン 5%、醸造・熟成 2/3を95hl、1/3を225Lの樽にて12ヶ月熟成」とのことですがよく見たら税別定価2100円、税込みなら2205円になるではありませんか! この「一個人」という雑誌そのものもあまり信用できないのではないか?

8h0616.jpg
「毎日飽きずに同じ物を食べるのですね」と尋ねられることがありますが、この形になるまでいろいろ試行錯誤しておりました。結論から申し上げると、「牛肉のカルパッチョ」に霜降りの高級和牛は必要ありません。和牛であれば3番で十分、5番だと脂が多すぎてカルパッチョには不向きです。部位はウチヒラと呼ばれるところがベストで150グラムあれば3人前は十分、適当な大きさに切り、皿に敷き詰め軽く塩胡椒して下味を付けます。野菜はパック入りのルーコラか今日使ったベビーリーフ・ミックスなどがよいでしょう。スーパーで100円から高くて200円までのものを水洗いして水気は十二分に取り除きます。パルミジャーノ・レッジャーノは固まりで買ってピーラーで削ります。これがその状態、後はバルサミコとエクストラ・ヴァージンを振りかけるだけ。

posted by: Georges : 2008年06月16日

2008年06月15日

Rosso dei Notri 2007 Azienda Agricola Tua Rita

8v0615.jpgイタリアはトスカーナの赤ワインです。昔からワインに親しんでいる者の一人として、ヨーロッパのワインの中で最も割高感の大きくなってしまったのがイタリアのワインではないかと思います。通貨の統一とその後の為替の関係なのでしょうけれども、8000リラ程度のモノがその10倍くらいの現在の価格になってしまったと私は感じます。従って有名所のワイン、例えばアンティノリのワインなど馬鹿らしくて全く買う気になれません。専ら新興のワイナリーでまだそんなに知られていないところのモノか、協同組合組織など評論家諸氏があまり目を向けない生産者にスポットを当てることになります。
とは云うもののこのワイン、トゥア・リータはかなりの有名所ですがたまたま目に留まったため開けることになりました。
裏ラベルにこの年2007年の葡萄品種割合が記されています。「Sangiovese 50% Merlot 30% Cabernet Sauvignon 10% Syrah 10% 」とのことで輸入元のコメントは「限定生産のメルローやシラーを一部使用された、非常に品質の高いベースワイン。サクラ、塩分、ブラックチェリー、バジルなどの複雑な香りがあり、肉厚でタンニンがシルキー」と書かれています。

早速開けてみましょう。

キャップシールはアルミ製、トップに孔は二つ開けられていますが後で開けたのではなく最初から孔開きとして成型されたキャップシールです。コルクはお世辞にも上等とは云えない品質のもので長さは45ミリ、トウァ・リータの文字はなく「Stefano Frascolla」の名前しか入っていません。
で、このステファーノ・フラスコッラって誰だか調べたらトゥア・リータのオーナーの娘婿に当たる人物でありました。
ならば、本家とは別物ワインなのかと聞かれたらラベルに「トゥア・リータ」と明記してあるので所謂セカンドワイン的な存在なのでしょう。

グラスに注ぐと大変綺麗な赤紫色を呈しており、香りは昔よく飲んだ「チェパレッロ」を彷彿させるものを感じます。イタリアワイン独特の香りと申したらよいのでしょうか、特徴ある芳香ですが同時に強すぎる酸と濃縮果汁のような煮詰めた香りも感じてしまいます。

味わいも濃厚、はじめからデカンタして一時間以上置いた方が良かったかも知れません。

静岡のアメーラとモッツァレッラ・ブッファーラにバジルの葉をたっぷり載せエクストラ・ヴァージンの2007年を振りかけカプレーゼ、さらに先日ご紹介した牛肉のカルパッチョと合わせましたが、それなりによく合いました。

トゥア・リータのお高いワインには全く興味がありませんけどこの赤ワインなら家庭で十分楽しめる価格帯なのでお薦めできるでしょう。推定蔵出し価格は6.25ユーロ、日本国内の一輸入元の税別定価が2750円なので随分控えめな定価設定であると評価できます。

posted by: Georges : 2008年06月15日