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2008年07月21日

Château Le Thil 2005 AC Premières Côtes de Blaye

8v0721.jpgまずはこのワイン、第一印象がよくありません。ラベルの一番下にABマークや有機栽培云々の文言が目立ちます。いつも申し上げていることですがラベルに「有機」を表示する生産者に旨いワインは殆どありません。しかし最近はどうやら様相が違ってきたようで、INAOのHPを見たら有機栽培によるワインについての規定がある程度決められたかのようです。もちろんそれを表示する場合はのお話でありますが・・・・。

アペラシオン(原産地統制呼称法)によるラベルへの記載に農法についての表示義務はありません。多くの良心的な生産者は化学肥料を使っていませんし農薬も必要最小限にとどめているはずです。しかしだからといって「旨いワインが造れるかどうか」は全く別のお話であります。ワインは農産物でありどんなに高名な生産者でも時として失敗することがあります。飲んでみてから買うことが絶対に必要なのは言うまでもありません。評論家の言うことなんて当てにならないのはそのサンプルからして違うことを一般には知らされておりません。例えばボルドーの小さな蔵で出来るワインが20樽と仮定しましょう。樽により出来不出来があることは今では既によく知られたことであります。その20樽のワインを全部混ぜるとしたらかなり大きなタンクが必要になりますが、そんなモノは見かけたことがありません。(尤もかのシャトー・ラトゥールにはプールみたいなアサンブラージュ漕があるとのことですけど) 従ってサンプルを評論家諸氏に提出するのはその最も良くできた樽からと云うことになるはずですね。

話が逸れてしまったので元に戻します。アペラシオンはプルミエール・コート・ド・ブライ、何度か取り上げていますので右上の検索からお調べ頂けると詳細がお分かり頂けるはずです。生産者はコルクにもその名がありますけど「C. & J.-L.Hubert, A 33390 Cars」とあるのでコミューン・ドット・コムからその郵便番号を入力してみましょう。「33390」と入れて「Recherche」をクリックすると15のコミューンが現れます。その中で名前が一致する「Cars」をクリックするとこちらの画面になります。右のフランス全土の地図上○印をクリックすると周辺地図が表示されます。場所は先日取り上げたラネッサンのあるキュサック・フォール・メドックのジロンド河対岸の街ブライから東へ3キロほど行ったところです。「カール」と読むのでしょうかこのコミューンはアペラシオンでは何を名乗れるのか念のため調べると

LR - IGP
--Agneau de Pauillac
AOC - VQPRD
--BLAYE

AOC - VQPRD
--BORDEAUX

AOC - VQPRD
--BORDEAUX CLAIRET

AOC - VQPRD
--BORDEAUX ROSE

AOC - VQPRD
--BORDEAUX SUPERIEUR

LR - IGP
--Canard à foie gras du Sud-Ouest
AOC - VQPRD
--COTES DE BLAYE

AOC - VQPRD
--CREMANT DE BORDEAUX

LR - IGP
--Jambon de Bayonne
AOC - VQPRD
--PREMIERES COTES DE BLAYE

例によってワイン関係のアペラシオンは太字で示しております。よって7つのアペラシオンを名乗ることが可能と云うことであります。このワインは一番下のプルミエール・コート・ド・ブライを名乗っているわけですがアペラシオンの詳細情報はこちら、原本は同じところから入ることが出来ます。

前置きが長くなりましたが開けてみましょう。

キャップシールはツーピース構造のアルミ製、トップに孔は二つで色はラベルに少し見える銅の色。コルクはこのクラスとしては上出来の長さ49ミリですが表面処理してあるためワインの色付きは殆どありません。コルクにはシャトー名に先だって生産者名が書いてありこの手のシャトーはネゴシアンから買わずに直接購入できるという証のようなもの。トップボトムにはうっすらと○で囲んだ2005が見えます。

コルクを抜いた瞬間に香りは飛んできません。コルクへの色付きは殆ど無いもののグラスに注ぐとかなり濃い綺麗な赤紫を呈するのでちょっとビックリ。薄い薄いペラペラのビオワインかと想像したのですが肩すかしを食らったみたいです^^! 香りはと云うとブルーベリーのようなベリー系の香りが著しい! これも想像外のこと。味わってみると若干の残留亜硫酸は感じますが、酸とタンニンがしっかりしており果実味もかなりのもの、街中で良く出会う「へタレ・ビオワイン」とは違います。

税別定価で 2,000 と価格も手ごろなのでこの価格帯としてはお薦めできる品質であります。

輸入元の資料によると「ブドウ品種 : メルロー70%、カベルネ・ソーヴィニヨン30%、土壌 : 粘土石灰質、平均樹齢 : 35年、栽培面積 : 12ha、年間平均生産量 : 80,000本 、醗酵 : コンクリートタンクにて」とのこと。関連するシャトー・ペイボノム・レ・トゥールの「塔にのぼってボルドーの街が見える」と云うのはかなり疑わしい文章ですが他のデータなどは概ね間違いはないようです。

posted by:Georges :

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