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2008年07月08日

Marsannay Les Grasses Têtes 2006 Domaine Coillot

8v0708.jpg「恐怖のブルゴーニュ」ワイン・シリーズ第2弾はドメーヌ・怖いよ(Domaine Coillot)のマルサネ、レ・グラス・テートという畑の名前が付いた赤ワインです。まずは輸入元の生産者に関する説明ですが「マルサネというアペラシオンは、最近注目されてきたとはいえ、昔ロゼで有名になった、目立たないがコストパフォーマンスの高いアペラシオンという印象が強い傾向にあります。ベルナール・コワイヨの現当主であるクリストフは3代目。
ここ数年で突如としてこのワイナリーが話題となり、そんなマイナー産地であるマルサネに、このような傑出したワインが存在する、という事実が世界で渦巻きました。
 20年前から父と仕事をし、7年前に完全に引き継いでからは、除草剤の使用は完全にやめ、ヴァンダンジュ・ヴェルトやエフォイヤージュを積極的に行い、若くても果実味とフィネスのあるワインを目指すようになりました。
 ここ数年ブルゴーニュでは難しいヴィンテージが続いていますが、『2005年は努力しなくても誰もが素晴らしいワインを造ることができたが、2006年や2007年は生産者としての力量やテクニックが必要とされたヴィンテージ。みんな雨が怖くて収穫を8月に開始をしていたが、僕は既に選別をしていたブドウが最高の状態で完熟するのを待っていた。結局は30%以上の収穫減になったけれど、品質は最高のものになったから満足しているよ』と頼もしげに語ってくれました」
とのことです。またこのワインの説明は「ブドウ品種 : ピノ・ノワール100% 、平均樹齢 : 45年 、土壌 : 粘土石灰質 、栽培面積 : 0.6ha 、収量 : 35hl/ha、平均年間生産量 : 2,800本、醗酵 : コンクリートタンク、熟成 : オーク樽(新樽比率:33%、2年目樽:33%、3年目樽:33%、期間:12ヶ月)」 とごく少量であります。なんだか輸入元のセリフばかり並べてしまいましたが、私の知らない生産者ですので悪しからず御了承のほどお願い申し上げます。
先日この生産者のACブルゴーニュを試したのですが、輸入元の説明ではジュヴレ・シャンベルタンのコミューンにあるACブルゴーニュ区画でとれる葡萄で造られたとのことであり、タンク醗酵タンク熟成とのこと。私の判定とは違う見解であります。輸入元に尋ねてみましょう。

ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、開けてみましょう。

キャップシールは一見ではDRCそっくり、しかしコルクは短く45ミリで質は孔が大きい中級品、目下売り出し中なら改善すべきであります。先日のACブル赤と全く同じというのも情けない。
グラスに注ぐと、おやおや大変綺麗な色を呈するではないか! 艶というか輝きのある赤紫色で同時になめし革やブラックベリーやブルーベリー系の果実の香りが漂います。ACブル赤とは全く異なった印象であり、やはりしばらくしてからのテイスティングの方が良かったかと反省。
味わいはと云うと今の時点で甘酸のバランスがとれていて大変飲みやすい、しばらく置いていたらダークチェリーのような香りも出てきて香りの変化だけでも十分楽しめるワインであります。強いて申し上げるなら私には甘過ぎるかも知れません。
普通ブル赤とはあまり相性の良くないモッツァレッラにフルーツトマトにバジルですが、このワインとは悪くありません。朝取りの茄子の皮をむきスライスして塩胡椒、粉を振ってフライパンでソテーする「茄子のムニエル」にも良く合います。

さてマルサネはブルゴーニュに2カ所あります。一つはこのマルサネ・ラ・コート(Marsannay-la-Côte)でアペラシオンで云うと下の通りになります。
AOC - VQPRD
--Bourgogne
AOC - VQPRD
--BOURGOGNE ALIGOTE
AOC - VQPRD
--BOURGOGNE GRAND ORDINAIRE
AOC - VQPRD
--BOURGOGNE GRAND ORDINAIRE ROSE
AOC - VQPRD
--BOURGOGNE MOUSSEUX
AOC - VQPRD
--BOURGOGNE PASSE-TOUT-GRAINS
AOC - VQPRD
--BOURGOGNE ROSE
AOC - VQPRD
--CREMANT DE BOURGOGNE
IGP
--Emmental français Est-Central
AOC - VQPRD
--MARSANNAY
AOC - VQPRD
--MARSANNAY ROSE
LR - IGP
--Volailles de Bourgogne
でもう一つはどこかと申しますとマルサネ・ル・ボワ(Marsannay-le-Bois)で、こちらはワインの生産地ではなく次の農産物の生産地となります。

IGP
--Emmental français Est-Central
AOC - AOP
--Epoisses
LR - IGP
--Volailles de Bourgogne

二つのコミューンに共通するのはエメンタールチーズ(フランス中央西部)とヴォライユ・ド・ブルゴーニュ(食用鶏)で、異なるのはワインの産地ではなくACエポワス・チーズの生産地と云うこと。ならば両者の場所はと訊かれたらマルサネ・ラ・コートはご存知のはず、念のためにコミューン・ドット・コムから申し上げるとこちらになり、もう一方のマルサネ・ル・ボワはこちらに位置します。どちらのコミューンも同じコート・ドール県に属するためややこしいですね。この二つの「マルサネ」、実はディジョンを挟んで北と南にあるわけです。

いつも申し上げますけどワインの勉強は地理を覚えるに等しく、地理と地学の知識があるか無いかで大きく差が付くお勉強事であります。即ち地形と土質が理解できたなら手っ取り早く覚えることが出来るというもの。

posted by:Georges :

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