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2008年05月26日

Les Colombiers de Feytit-Clinet 2004 AC Pomerol

8v0526.jpgフランスワインが好きなのはこのブログの数で示す通りであります。次にイタリアワインでしょうか、決して買わないのは日本ワイン。私はいつも書いている通り大凡の蔵出し価格を把握しております。品質に比べて極端に高いのが日本のワイン、凡庸なものを賞賛する気にはなれません。飲まずに申し上げているわけではなく試飲会ではそれなりにテイスティングしております。
さて今日飲んだワインはネットで調べてビックリ、とある女優がその名を冠したことがあると書いてあったのです。日本だけで話題になったのかも知れませんがヨーロッパでは聞いたことも見たこともありません。
「クリネ」の名が付くシャトーはいくつか存在すると思いますが本家シャトー・クリネが有名に成ったのはジャン・ミッシェル・アルコート氏が購入してからのことであります。確か1985年のことで彼の代の前はジョルジュ・オーディの持ち物だったはず。ジャン・ミッシェル・アルコート氏が初めて造ったワインはシャトー・クリネの1986年ヴィンテージだったと思うのですが日本ではセスタスの加勢さん(現在のヴィーヴァン倶楽部代表者)はさすがに目が早くこの86年をオン・リストされていました。当時の販売価格は定価で5000円程度、蔵出し価格で50フラン前後だったはず。ところがそれから10年ほどでアルコート一家は亡くなってしまいました。海難事故と報じられましたが地元ではそのようには思われなかったと聞いておりますし、ご子息は父親から事業を引き継ぐと社長就任演説の最中に心臓発作でなくなったと記憶に新しい。

このフェイティ・クリネはそのシャトー・クリネのすぐ南西にあり1967年からジャン・ピエール・ムエックス社の傘下となっています。その当時は畑は7ヘクタール、葡萄品種構成はメルロー75%、カベルネ・フラン25%、現在は福田氏のHPによると若干狭く品種の割合も少し違っているようです。

前置きが長くなりましたが抜栓してみましょう。

真っ赤なキャップシールは錫箔で、Les Colombiers de Feytit-Clinet と金文字がトップにレリーフされていますがトップの中央にあるのは先日のワインと同じマークです。しかしこちらはアメリカのワインですし何らかの関連性があるのでしょうか? 単なるデザインなのでしょうか?

コルクは天然物の長さ50ミリ、両端は○で囲んだ中に2004、サイドには枠で囲んだ中にワインの名前とポムロールそして2004、別枠で生産者元詰めの表記があります。コルクからは果実の風味よりバニラとキャラメルの香りが^^、果実の出来が悪いことを証明しているようなものですね。コルクの端面の色付きは浅くポムロールに於いても2004年は大したヴィンテージではないと云うのが明らかです。

グラスに注ぐと濁ってはいないものの色は赤黒くお世辞にも綺麗なワインレッドなどとは申し上げることが出来ません。香りは安物メルローにありがちな右岸特有の匂いで先ほどのバニラ香がアンバランスに感じてしまいます。色・香りだけで妥当な価格を申し上げると4ユーロ以下、アペラシオンなど考慮しないのが私の考え方であります。味わいは刺激的な酸は微塵もなくかなり甘く感じます。また舌に残る余剰色素はあるもののタンニンは丸くなっており既に飲みごろに達していると申し上げて問題ないはず。味わいレベルを評価して6.50ユーロまでが妥当な価格ですが恐らくネゴシアンの出荷価格は8ユーロを超えるものと思われます。ポムロールというボルドーでは希少なアペラシオンと云うことで評価されているだけのことで、このレベル以上のコート・ド・ブールやプルミエール・コート・ド・ブライはいくらでもあります。

posted by:Georges :

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