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2007年07月23日

Beaune 1989 Domaine Bernard Delagrange

7v0723.jpg一連のベルナール・ドラグランジュの古酒であります。1989年と云えば頻繁にフランスへ行っておりましたがブルゴーニュは大の当たり年と云うか収穫が一通り終わっているにも拘わらず、木に残された所謂未熟果までが熟成して美味しい葡萄になった年であります。マルキ・ド・ラギッシュの所有するモンラッシェの畑にはこのような葡萄が残っていましたが食べると実に濃厚な旨味があったのを覚えております。それに比べてその前の年1988年は酷い年で、先ず収穫の前にはとても寒い日が続きピノ・ノワールはまるでデラウエアのような色のまま収穫されたところが多かったはずです。ヴォーヌ・ロマネ村にしばらく滞在しましたがまともな葡萄はサン・ヴィヴァンのルイ・ラトゥールが持つ一角位でその上の例の馬鹿高い葡萄畑は惨憺たる状況であったものの例年並みにワインの本数が出来たというのはまさに信じられない事でありました。この年のその特級畑のワインを買い占めたのが例のイトマン事件の中心人物ですが、ロクでもないものを買い集めたものです。当時は我が国を代表するソムリエ氏もこの年を高く評価していましたが、私は全く反対で一本たりとも買う事はなかった年であります。
前置きが長くなりましたがこの1989年のボーヌ、外観からはかなり薄い色に見えますが・・・・・。

先日はここの蔵の1990年ものを開けましたが蔵の説明はこちらを参考になさってください。リコルクは極力しないとの事ですが私が開けた2本は全てリコルク済みで澱もほとんどありません。コルクは細い目の多孔質で長さは49ミリで「生産者元詰め」表記があるだけで原産地やヴィンテージ、生産者名はありません。グラスに注ぐと液体の色はかなり茶色っぽく見えたのですが、なかなかどうして綺麗な赤色を保っています。エッジこそオレンジですが時間を置いても退色する事はありません。もちろん色全体は濃い色ではありませんが輝きのある赤色でグラスを回すとピノ・ノワールの芳しい熟成香が楽しめます。形容詞で香りを表す事はそもそも無理があるので実際に香りを嗅いで貰いたいと思います。

この時期食卓の定番として枝豆がありますが、カプレーゼと共にワインにはそれほど合うとは思いません。しかしイカリスーパー自家製のローストビーフにはすこぶる相性が良いようです。グレービーソースは必要なくホースラディッシュだけでワインと共に楽しむ事が出来ました。ローストビーフは家で造ると大変手間がかかりますが、イカリスーパーのものは非常に良くできていると思います。ミディアムやウェルダンもありますが買うのはもちろんレアだけ。トマトとレタスと共にトーストにはさんでマスタードタップリのサンドイッチも頗る美味であります。

posted by:Georges :

コメント

はじめまして、いつも勉強させてもらってます。
一つお聞きしたいのですが、どのワインも抜栓してからすぐに飲まれているのですか?
ボルドーや他国含めて、基本的にデキャンタージュや暫くおいてひらかせるといった事はなさらないのでしょうか。
私は今ワインの勉強中なので、飲み方を参考にさせて頂ければと思い書き込みしました。

投稿者 maiko : 2007年07月24日 17:01

maiko さま

ご投稿有り難うございます。メールアドレスを入れて頂ければ詳しく個別にお返事させて頂いております。

私の場合晩酌に毎日のようにワインを開けておりますので待っている訳には参りません。開けてすぐ飲んで判断する必要があると私は思います。その結果は毎日書いている通りであります。

またデカンタについてもたびたび申し上げておりますので今までのコメントをご参考にされては如何でしょうか?

ブルゴーニュの場合フランスのレストランに於いて普通はデカンタはしません。もちろん澱が大量にある場合は別ですが・・・・ この89ボーヌの場合、デカンタの必要はないと考えます。 

飲み頃を推測するにはボトルのありのままを判断する必要があると私は思います。

投稿者 Georges : 2007年07月24日 19:43

こんにちは。

やっぱり88はそんな年だったのですね。何度となく試しましたが感心したボトルとは1度も出会えたことがありませんでした。納得できました。お題のボトルも試してみたいと思います。

投稿者 hirozeaux : 2007年08月04日 11:56

hirozeauxさま

ご投稿有り難うございます。

1988年はボルドーは天候に恵まれ、久々にプティ・ヴェルドが収穫出来たと云って大喜びしているのを覚えております。しかしボルドーは良かったもののブルゴーニュは最悪の年と言っても過言ではありません。2年後の90年に当時大変親しかったドメーヌ・トロ・ボーのナタリーさんは正直に「こんなワインしか作れなかったわ」と云って「買ってくれなくてもいいよ」と云わんばかりでした。

ワインに関する情報は「売らんがための情報」が多く、飲む側の立場というか消費者の声は無視されているのが現状です。

尚このワインはリリースプライスが大変安かったため取り上げたこと、ご理解頂ければ有り難いと思います。

投稿者 Georges : 2007年08月04日 12:30

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