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2004年11月18日

今日は11月の第3木曜日である、 

ということはボージョレ・プリムールの解禁日。すでに解禁は午前0時をもって済んでいるので朝から並んで買う人はいないだろうが・・・・。新聞の折り込みチラシを見ているとやはりこの新酒を扱ったものが多い。スーパーマーケットは大体2080円、2180円、そして「ヴィラージュ」の名前が付いたもので2480円から酷いものになると3380円とビックリするほど高いものもある。今年の特徴は「無濾過」や「酸化防止剤無添加」という付加価値を付けたものが登場ということ位か? 
しかし、このフランスの安酒をわざわざ高い航空運賃を払って日本まで送ってもらい、時差の関係で「日本が一番早く飲める」と喜んで飲んで良いものかどうか私はかなり疑わしく思う。大体ブルゴーニュといえば代表する葡萄品種はピノ・ノワールであり、ガメイではない。ブルゴーニュでは最も南のはずれとでも表現すべきボージュ地方の、ピノ種が育たない土壌に於いて、仕方なく植えられるガメイ種のワインはいったい幾らするか考えて頂きたい。

元々この『ヌーヴォー』と呼ばれる新酒が登場したのはいつかご存じだろうか? 法律が公布されたのは、1967年11月15日のこと。実に最近のことであり、フランスで昔から行われている行事でも何でもない。ボージョレだけではないことは最近ようやく知れることになったが、赤ワインではローヌ地方のコート・デュ・ローヌ、コトー・デュ・トリカスタン他いろいろ、その他の地域ではコトー・デュ・ラングドックもあり、ロワールではトゥーレーヌやアンジューもある。更にロゼワインも白ワインにもこのヴァン・ド・プリムールは存在する。
では、どうしてこのボージョレ・プリムールだけが有名になったのか? 答えは仕掛け人ジョルジュ・デュブッフというボージョレ地区に住む、実にお金儲けの上手い人物と輸入業者の、謂わば民間による商業活動に、ワイン文化のない日本国民がまんまと乗せられているだけなのだ。だから数多く生まれる新酒の中でも、ボージョレだけが取り上げ続けられるのである。それを知らずにマスコミ、それもNHKまでがニュースで取り上げるのは如何なものか?
それでは、ボージョレ・ヌーヴォーはフランスでお祭り騒ぎをして飲まれているのか? 答えはNOである。パリ市内では観光客用に飲んでいることをアピールするレストランもあるだろうが、ご当地に近いリヨンやブルゴーニュの中心部、ボーヌやニュイサンジョルジュで馬鹿騒ぎをするのを見たことはない。遠く離れた異国の日本で、紳士淑女が夜中に集まってフランスの安酒に乾杯する光景をTVで見てフランス人はどう思うか尋ねてみたいものである。
この新酒は、箱にはいついつまでに開けてはならぬと印刷されてはあるものの、毎年決まってフライング、即ち掟破りする酒屋やレストランがある。早いところでは火曜日に飲んでしまっているバーがある。そもそも第2週の水曜日には出荷されるので「飲むな」と云われても飲みたくなるのが人情。日本の法律上飲んでも何らお咎めはないはず。
まともな流通価格はいくらか? 今日の新聞折り込みの中でひときわ目立ったのが「楽市」のものであった。デュブッフのプリムール2004年が1780円ブシャール・エネのが1598円最も安いチラシ広告である。しかしこれでもかなりの利益がある。数年前まで頑張っていた徳岡は何と998円で売っていたはず。現地価格は1980年代はたったの3フラン前後、ミネラルウォーター並みの価格いやそれより安かったかも・・・。
この時期だけ航空運賃の値引きはない。何故ならば安くする必要がないからだ。
安酒に高い航空運賃を支払って有り難く飲む日本国民の多いことに憂いを思うのは私だけだろうか?

posted by:Georges :

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