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1989年11月13日

朝7時、辺り一面に立ちこめた霧、

さすがはパリ郊外。外国らしくてとても良い。と、それもほんの1時間ほどで快晴に。冬とは名ばかりで太陽がとてもまぶしく、高速道路で一路ブルゴーニュへ。途中でトイレ休憩に立ち寄るがトイレに何と2人で入っているホモが...ゲーッ、気持ち悪い。トイレのチップは英国の強制的なもの(入口に10p入れないと入れない)よりフランスの方が良い。一銭も持ち合わせていなかったのだ。おばさんゴメンナサイ!
 ボーヌに付いたのは正午。ところがどういう訳かレストランは殆どお休み。頼りのダーム・タルティーニも休業。 L.Jadot社に電話して「ジャック・レネ」を紹介して貰う。パトリアルシュやシャンソンの会社のすぐ近くで一軒家をレストランに改造した趣で豪華な構えである。
 MENU A 180FFはぺトンクルのクーリ・ド・トマトのアミューズにムール貝のスープまたはエスカルゴのカソレット、メインはブレスの鶏の煮込みでフロマージュはご当地のラミー・デュ・シャンベルタンやエポワセ、そしてシェーブル。 とても新鮮で柔らかいエスカルゴに満足、量もたっぷり。シェーブルはフレッシュ、ドゥミ・セック、ドゥーと熟成段階が選べるのが有り難い。
 ワインは Taitinger の Brut Reserve 350FFからはじめ次に大冒険してPuligny-Montrachet 1959のネゴシアン物シャンソン600FF。「酢になってても構わない」との議決を得て注文。ソムリエ君は勢いよく開けようとしたが案の定コルクが折れ、何とかして無事飲むことができたが、これが非常に濃厚で香りも強烈、実に大正解であった。フロマージュにここを教えてくれたJadot社に敬意を表してBeaune Clos des Ursules 1984 を注文。オフヴィンテージにも拘わらず色も濃く実に旨い。W氏はデザートのメレンゲにご満悦。洋梨のムースも甘さを抑えたとても口当たりの良いデセールであった。 お勧めの店である。
教訓「ボーヌに行くなら月曜はダメよ」 しかしこの店は別。
食後 Chagny まで車を飛ばし待望の☆☆☆ Lameloise へ。温かい出迎えを受け何も書かされずチェックイン、部屋に通される。まことに感じがよろしい。普通はやれパスポートを見せろとかカードをチェックされたりして手間取るものであるが私はリピーターである。すごく広いが980FFと格安、暖房も既に入っており快適だ。欠点といえば冷蔵庫が無いのと鍵が少々かけ辛いという2点か。荷物を片づけて車に乗り込み夕暮れの Montrachet に到着。ラギッシュの畑に何と葡萄がたわわになっているではないか! 一つつまんで食べてみるとさすがは Montrachet 非常に甘く濃い味である。この残された葡萄でワインを作らないのかという疑問を抱きながら次から次へとパクつくのはとても楽しい。ジャック・プリュールの畑にいた兄ちゃんに「DRCのは何処?」と尋ねたら Comte Lafon の隣のごく僅かな部分だとの答え。特級格付けの畑を見学の後 Pierre Morey を訪問。地下の方がかなり暖かい。しばらくして当主が登場テイスティングが始まる。
Bourgogne Chardonnay Meursault
Meursault-Charmes Meursault-Perrieres Batard Montrachet Montrachet
さらには赤の Meursault Monthelie Pommard Epenots と続いた。
そして頼みもしないのに Batard Montrachet 1986 のボトルを開けてくれ各々2杯ずつ飲ませて頂いた。ここでは随行全員にテイスティングの仕方を説明したのだが「もったいない」と全部飲んだ人がいて後の☆☆☆ディナーの席で眠ってしまうのであった。可哀想に....。
 宿泊先に戻り夕食に。このレストランには何度も来たことがあるのだが今日はシェフソムリエの姿がない。メガネの若僧が近づいてきたが感じ悪いヤツだ。案の定82のEchezeaux が無いと云う、リストに載っているのに...
 リストを見直し見つけたのは1959 Beaune M.Gaunoux 今日は昼夜1959である。700FF.バニラのような香りとおよそ見当もつかないポルトのような甘さ何という素晴らしいワインである。280フランのコースは最初にアミューズ、スモークサーモンに帆立のパイ、鶏肝のムースとラングスティーヌのポワレ、エギュイエットの鴨(レアで頼んだが少し火が入り過ぎていたが)そしてフロマージュの構成。付け合わせに至るまで全ての素材が良く、ソースの類も素晴らしいの一言。料理の合間にエクルヴィスが出てきたがこれもまた絶品で天然の車海老のようで身が甘く美味しい。とてもザリガニとは思えない。特筆すべきはフロマージュの勧め方。チーズの盛られた皿には生の葡萄と胡桃パンそして丸パンがレイアウトされているのだが、この丸パンが曲者で中には例の香辛料が入っている。エポワセには必ずこのパンというかこの香辛料が必要である。
 メインのデセールの前にクレム・ブリュレが出てきたがやはりクリームの質が違う、旨い。でメインはというと厚さ10センチ余りの大きなミルフィーユで中には赤い実のフルーツと生クリームアイスクリームがたっぷり。この巨大なデセールが何と50フランなのだ。

posted by:Georges :

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