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2008年05月19日

Château De Rochemorin 2004 AC Pessac-Léognan

8v0519-1.jpg一見するだけでは何ら問題ないと思われるこのエチケット、ですがこれでもフランスの法律には適合していません。何が不足しているのかすぐお分かりの方はかなりのワイン通ですね。さてこのワイン、去年の7月にもご紹介しておりますが久しぶりに飲んでみたいと思います。評論家が取り上げるワイン以外にいくらでも良いワインがあることを申し上げているのですがその代表的な例がこのワイン。あまり芳しくないはずのヴィンテージですが去年の7月ではまだまだフレッシュでフルーティー、ほぼ10ヶ月ぶりですがどのように変化しているのか楽しみであります。
まずキャップシールはゴールドに着色されたビニールコーティングのないアルミ製で結構硬いのが特徴です。トップに孔はなく生産者の名前とシャトー名がレリーフされています。また瓶口付近に「117-7 L05-185」その下に「D 15083」 が印字されています。

コルクの状態は家庭用セラーに保管してあったためでしょうか1/3ほど横に漏れ出ようとしています。我が家のセラーはユーロカーヴ、構造は普通の冷蔵庫みたいなものでしょうからあまり信用はしていません。コルクには隙間無くびっしりと印字がありますが内容は次の通り「CHATEAU DE ROCHEMORIN シャトーのイラスト GRAVES PESSAC-LEOGNAN 2004 MIS EN BOUTEILLE AU CHATEAU」。家庭用のセラーにお高いワインを入れておられる方が多いと思いますが、所詮は電気製品ゆえ故障して当たり前の道具に過ぎません。見せびらかすためにセラーに保管する必要のある方なら仕方ありませんが大事なワインは専門の業者に委託する方が賢明と考えます。

もっとも私の集めるワインなどせいぜい50ユーロまでの物、セラーが壊れたところで仕方ないと諦められる物ばかり。私は現地のセラーで長年寝かされて飲みごろを迎えた物を買い、美味しい間に飲み切ってしまうという方法をお薦めしています。いつ飲みごろを迎えるか分からないものを大量購入してそのままお亡くなりになった方々も結構存じております。残ったワインを遺族が好んで飲むとは限りません。

さて法律に基づく裏ラベルは次にご案内します。

8v0519-2.jpgご覧の通りこれが本来表になるべきラベルであります。では表のラベルには何が欠落していたのでしょうか。答えは原産地を示す「APPELLATION CONTRÔLÉE」が抜けています。原産地名称の「Pessac-Léognan」は確かにあるのですがそれを囲むかその下にこのアペラシオン・コントロレの表示が必要なのであります。もう一つありますがそれは生産者の(本社)所在地であります。ですからこうして裏にもう一枚ラベルを貼る必要があるのです。そうそうもう一つ忘れてました「フランス産」表示も必要事項です。

さて肝心のワインですがグラスに注ぐとフレッシュ・アンド・フルーティーさは依然として残っています。香りこそややおとなしくなったものの色はまだグリーン系が健在で少しも衰えを見せません。口に含むときつい柑橘系は姿を潜め洋梨や桃と云ったフルーツを思い浮かべる味わいに変わってきています。ところが全く甘さは感じず、味の密度は濃厚即ちミネラル分が前面に出てきたような雰囲気です。一年前よりかなり複雑な味わいを示すようになったので今後のさらなる熟成が期待出来そうです。

輸入元の資料によると「17世紀末にはワイン造りを行っていた歴史の古いシャトーで、モンテスキューも幼少期を過ごしています。豊かな果実味と樽香のバランスがよく、芳醇でふくよかなワインです」との説明、データには「ブドウ品種:ソーヴィニョン・ブラン 100% 、醸造・熟成:オーク樽熟成 10ヶ月(新樽比率25%)、希望小売価格(税抜) 3,100円 」などと以前とは変わっていますので私の指摘は無駄ではなかったようです。ですが価格はかなり高くなってますね、でもこれはユーロが異常に高いため仕方ないことかも知れません。高くなったところで有名銘柄の例えば「スミス・オー・ラフィット(03で税別¥11,300)」とか「カルボニュー(05で税別¥7,600)」などと比べたら遙かにお安くそれらの半値を軽く下回ります。しかしながらアペラシオンは歴としたペサック・レオニャンなので品質レベルは変わりません。むしろ余計な樽の影響が少ないので遙かに飲みやすいと判断致します。

さて輸入元のデータですがよく見ると生産者のHPのデータと食い違う点があります。同じ訂正するならしっかり見極めて頂きたいと思いますが新樽比率が違います。

先ほどのペサック・レオニャンのシャトーに続いて今現在のボルドー有名シャトーの価格をご覧下さい。05エール・ダルジャンが¥14,500、05カリュアド・ド・ラフィットが¥27,000、05パヴィヨン・ブラン・ド・シャトー・マルゴー¥28,000、04レ・フォール・ド・ラトゥール¥30,000などと呆れてしまって開いた口がふさがらないのはこのことです。特に第1級シャトーのセカンドの上げ幅が異常ですがカリュアドやパヴィヨンなどは高くて5000円まで買えたわけですから馬鹿らしいも程があるというもの。ボルドーの有名シャトーは手の届かない存在になってしまった感がありますが別に有名ブランドさえ追わなければ美味しいワインは山ほど転がっています。他人の評価をアテにする人が大勢居るからこんな結果になってしまうわけであります。

さてさて全く別のお話ですがバーガンディ・リポートのサイトが一新されました。よくご覧になると面白い発見があるかも知れませんよ!

posted by:Georges :

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