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2008年04月22日

Saint-Aubin 1'er Cru Les Pitangerets 2005 Domaine Louis Carillon et Fils

8v0422.jpg私にとっては随分と慣れ親しんだワインであります。1980年代のヴィンテージから当時摂津市千里丘にあったボニリ・ジャパン社が輸入を始めたので、毎年毎年ヴィンテージが新たになれば買っておりました。つい最近この生産者についての評価が一段と高くなったそうですが、評価が高くなったからと云って買おうとするのは如何なものかと思います。人それぞれ好みがありますので他人がどのように評価しようが自分の好きなものを否定してまで他人の意見に従うというのは愚の骨頂ではないか? ごく普通の安くて旨いワインが如何にして「お宝ワイン」に変身するかはいずれまとめて書いてみたいと思います。ワインという飲み物ですが裕福になれば飲むようになるというのがその文化のない我が国の現在の状況です。成人してからまずビール、日本酒を飲み始め所謂グルメと名の付く食事をするようになって初めてワインに触れる、ところが両親がワインに親しんでいるケースは殆ど無いので他人の云うことを聞く、もしくはソムリエを信じる、又は本を読むかネットを調べる。そうした他人任せのワインの情報ですから自分自身判断が付かないわけではないか? ネットでも殆どが他人の言葉を借りたワインの表現であり、また教科書に書いてあることをそのまま羅列するに過ぎない表現を多く見掛けます。
前置きが長くなってしまいましたが要するにワインというもの、長年飲んだら味を覚えてしまうのですが毎年のヴィンテージの違いはあるものの鳶が鷹を生むことはないわけであり、突如有名になったからと云って旨くなるものでもないと云うことをご理解頂きたいと思います。

ルイ・カリヨンはピュリニー・モンラッシェ中心に畑を持っていますが最上級というとビアンヴニュ・バタールでしょうか、典型的な白ワインを得意とする生産者でドメーヌのHPはこちらをご覧下さい。英語版もありますのでご理解頂けると思います。ここの赤ワインで濃厚なものを期待するとがっかりしますがこれも好みの問題であります。

開けてみましょう。

先ずはこの特徴あるラベル、1980年代からずっと変わりません。70年代も同じだったはず、ぱっと見て分かるのは良いかも知れませんがアペラシオンをよく確かめないと間違うことがあります。ちなみにシャサーニュ・モンラッシェの赤もありますが並みの畑であり、このサントーバンは第1級格付けであるにもかかわらず毎年同じ価格で売られています。「モンラッシェ」と名の付くワインはマイナーなアペラシオンより高く取引されるからであります。裏ラベルを見ると「この畑はピュリニー・モンラッシェのすぐ裏側の斜面」との説明がありますが、これは間違いで正しくは「シャサーニュ・モンラッシェの最北部にある Petingeret (もしくは Les Vergers )に隣接するサントーバンの第1級畑」であります。もっともシャサーニュとピュリニーは引っ付いていますのであながち誤りというわけではありませんが位置関係で申し上げるとピュリニーよりはシャサーニュにより近いわけであります。

キャップシールはクリーム色に着色されていて薄いのですがこの材質は錫、トップに生産者名とその所在地が浮き彫りされ中央に四つの孔があります。コルクは天然物上質の長さ50ミリ、液体に触れた部分だけが赤紫色に染まってますが色は極めて控えめです。

毎度お馴染みですが決して濃い赤ワインを期待してはダメなのです。白屋の赤ワインに濃いものはおまへん。ですがこういうサッパリとしたワインが好きだという方も世の中には結構おられるわけですから。
しかし例年に比べて05は極めて濃い色を呈しています。既に紫色の成分はあまり残っていないようですがローズ系というかスカーレット系の赤色で大変輝いています。既に果実香は奥に引っ込みなめし革のような香りが出ています。またグラスを回せば梅干し系の香りがあるのでかなり保存に耐えられるでしょう。味わいは渋みが前面に出て所謂休眠状態突入であります。最初の頃のフルーティーさは消え現在熟成途上中の一番飲んではいけない時期かも知れませんね。しかし豚フィレ肉を鉄鍋で焼いたら何とか楽しむことが出来ました。肉を焼くとき鉄製のフライパンで焼くと牛肉でも豚肉でも旨くなります。付け合わせは山盛りのクレソン。

posted by:Georges :

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