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2008年04月21日

Muscadet Sèvre et Maine sur lie Le Fief du Breil 2004 Domaine de la Louvetrie

8v0421.jpg昔の教科書とちょっと違った名前にお気付きの方はかなりのワイン通でしょう。このワイン、パーカー・Jr.が91ポイントと評したのと毎度お馴染みの「エコセール認定ワイン」とのお墨付きがあるゆえ発売直後に完売となったワインであります。ですが最初に味見したのは明らかなブショネ、ちょっと間を置いてしまいましたが2度目の挑戦であります。

先ずは30ケース限定と買いを煽る輸入元の説明文をご覧下さい。「パーカー91点! パリの三つ星レストランL’Astranceやあのタイユヴァンなどでも愛されるミュスカデ登場! 30函限定!!」さらにこのドメーヌの裏話として次のように書いてあるのですが如何でしょうか?「聞くと、ランドロンではミュスカデの古いヴィンテージを非売品も含めると15ヴィンテージほど持っています。『ミュスカデが熟成するとどうなるのか?』個人的にとても興味があったのですが、偶然にも今年の2月、南仏でジョゼフ・ランドロン氏とお会いする機会がありました。そして食事も半ば、ランドロン氏のサプライズ、“ Special bottle ” のブラインド・テイスティングが始まりました。『品種はミュスカデ、熟成感はあるけどまだまだフレッシュ、ヴィンテージは・・・古く見ても'01年?』というのが大方の意見でしたが、それは何と『フィエフ・ド・ブライユ』の'96年!
この区画、フィエフ・ド・ブライユはランドロンが所有する好立地の畑の中でも車では入れない低木に囲まれた場所にあり、特にミネラル感を表現する特別な畑。『いまだかつて悪いヴィンテージが出来たことがない』 というほど素晴らしいテロワールを持つのだそうです。
『'96年でこのフレッシュ感を残していること、そして熟成が進むほどにふくよかさが出てメインの料理と相性が良くなってくるのがミュスカデの素晴らしさ』 というだけあって、鯛のポワレや鴨のローストとのマリアージュは素晴らしいものでした。
残念ながらミュスカデの実力はフランスでもまだ一部の人にしか認められていないため、ランドロン氏はこのフィエフ・ド・ブライユを、その良さが分かってもらえ、そしてワインに合う料理をきっちりと作ってもらえる限られたレストランにしか販売していない そうです。
“ パーカーの高得点、三ッ星レストランで使用 ” ・・・ その本当の意味が分かった一晩でした」と云う裏話でありますがどうでしょう、私は田舎のオッサンにまんまと引っ掛かったのではないか?と思ってしまいます。

まあとりあえず開けてみましょう。

キャップシールはアルミ製でトップに二つ孔、引っこ抜くのは簡単でコルクは中級品の長さ45ミリ。トップボトムに何の印字はなくサイドに生産者元詰め表示しかありません。そんなに長持ちするのであればもっと丈夫なコルクを使って然るべきであります。
INAOのHPからこのアペラシオンの詳細についてはこちらをご覧下さい。なおこのアペラシオンの原本はこちらをご覧下さい。

グラスに注ぎますが最初は13℃、色は薄い目の金色で青みはあまり感じません。香りはムロンですから無論あまり高いものではありませんがレベル的にはかなり低い。味わいは嫌みはありませんが酸が強めの単なる辛口で全く余韻が感じられません。味の密度が高ければこんなにアッサリしませんのでいくらか贔屓目に考慮したところで単なるミュスカデ。シュル・リーならもっとアミノ酸が多くミネラルも強いはずですが所謂「噛んでみたくなるような味わいの厚み」など全くありません。

8℃まで温度を下げてみましょう。

温度を下げると少しは飲みやすくなりましたが喉を通ると舌に残るワインの旨味成分はすっと消えてしまいます。安物ソーモン・フュメに新玉葱のスライス、レモンを搾って合わせましたがワインとの相性は「別に・・・」と云った感じで可もなく不可もなく、三元豚フィレのピカタにトマトソースを合わせましたが全くの水みたいに、自家製ジャガイモとミンチのコロッケなどにも全く相性は良くありません。ですから鴨などには合うはずもありません。

最近の相場は知りませんが味わいレベルで申し上げるなら2.50ユーロ、それ以上出して買うというのは普通考えられないお話であります。試飲用のワインだけ特別製だったのでしょうね、昔ブルゴーニュでこんな目によく遭いましたがいまだにこの手を使う生産者が居るのでしょう。

posted by:Georges :

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