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2008年01月25日

Château d'Aiguilhe 2004 AC Côtes de Castillon

8v0125-1.jpgもうかなり昔のことですが鳴り物入りで登場したシャトー・デギュイユ、いつの間にか驚くほど高くなっているのですね、知りませんでした。確かこのワインを大きく取り上げたのはワインスペクテイターではなく当時はまだごく一部の人しか読んでいなかった「La Revue du Vin de France」だったはず。ネットでの情報が少なかった頃は専ら専門誌が少なからず影響力を持っていたかも知れませんが今は状況がかなり変わってきています。
でも専門誌が騒ぎ立てたところで価格が篦棒に上がることはあまりなかったはず。ところが日本の場合、中高年層まで愛読者がいる男性向け雑誌の影響力が強いとのことと聞き及んでいます。例えば「Luce」、このワインを当時としては破格の6万円で売ったのがエノテカ・ピンキオーリ東京銀座店ですが、それをさも妥当かの如く喧伝したのはこの雑誌であります。ロサンゼルスやサンフランシスコのワインショップでルーチェを買い漁る日本人を見かけたのはこの雑誌の発売以降で、その後ヨーロッパのネゴシアン全般にまで価格高騰現象が見られました。一般の人の購買意欲は恐ろしいと思ったのもこのころのお話です。

で、いつの頃か忘れましたがこのシャトー・デギュイユが国内市場に出た頃は確か日本円で定価2500円前後、ところが今日購入したのは定価で税別5200円もしました。為替の影響もありますが所詮はボルドーACに少し毛の生えた程度のアペラシオンとしては恐ろしいほど高くなったものであります。

生産者はこちらに立派なHPを立ち上げていますがさすがは由緒正しき貴族のやること、お金がかかっているのでしょうね。
キャップシールはずっしり重い錫箔、葡萄茶色に染められ金線が入り金色で家紋があしらわれています。トップはレリーフでシャトーの名前が入り孔は開いていません。

8v0125-2.jpgコルクは大変良質の天然物で長さ50ミリ、ボトムとトップには○で囲んだ2004が、サイドには枠で囲んだ中にシャトー名と家紋のイラストアペラシオンにヴィンテージ、枠外にシャトー元詰めの表示があります。ワインに触れた部分だけが赤紫色に染まっています。

抜栓と同時にバニラと丁字のような香料の香り、グラスに注ごうとすると木イチゴジャムのような甘い香りが漂います。色はこれでもかと云うほど濃厚で正直申し上げると濁っています。まあ特定の評論家相手にワインを造ると皆こんなになってしまうのでしょうね。ノン・フィルターは結構なことかも知れませんが濁っていては私は興醒めしてしまいます。

さて口に含むと思ったよりはソフトで飲みやすいので驚きであります。もっと強いのかと思ったのですが意外に食事と相性は良いかも知れません。ですが鏡の前の自分の口元を見てびっくり!口紅を塗ったかのように唇の色がどす黒くなってしまいました。濁っていた正体はこの遊離してしまった色素だったのでしょう。

濃いイカスミのパスタを食べた経験の方ならお分かり頂けると思いますが、やたら濃いワインは女性に飲んで貰うわけには参りません。歯にまで色が付きそうな勢いなので女性に勧めるとそれだけで顰蹙買う恐れがありますから・・・・。

味わい自体は先ほど申し上げたとおりソフトで果実味濃厚なのですが如何せん色素過多症候群のためティッシュ片手に飲み続けるのは如何なものかと思います。

ネゴシアンからの推定出荷価格12.50ユーロ、既に飲み頃かも知れませんが熟成して色素が分離してしまうとただの酒になってしまう恐れがあります。これも程度の問題でしょうがバランス的には問題ありと云われても仕方ないでしょうね。

posted by:Georges :

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