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2007年10月24日

Château Cardinal-Villemaurine 1977 AC Saint-Emilion Grand Cru

7v1024.jpgこのワイン実は今年の5月に買いましたがそのままセラーに立てて置いてそのまま忘れていたものです。そのときの日記に生産者に関する問題を提起しましたがそれもそのままになっていました。物事何でもそうかも知れませんが疑問を抱いたら放置せずとことん調べることがワインについても言えると思います。
いつもと順番は逆かも知れませんが先ずアルミ製のキャップシールを剥ぎ取るとこのワインは比較的最近に出荷されたことが分かります。ミレジムは1977年ですがキャップシールをとれば中のコルクは真っ黒け。キャップシールはクルクル回るのに中は漏れワインであります。もっとも蔵のセラーに寝かされているワインはそれこそ黒黴に覆われていますから漏れでも何か分からないまま黴を取り除かれ(できればリコルクして頂きたかった)キャップシールを被せられたと考えます。輸送の途中の漏れは外から見たらすぐ分かりますが、生産者のセラーで眠っていたワインについては全く外観では見分けが付きません。事実このワインも目減りは殆どありませんでしたから。

ですがコルクは長さ48ミリで恐らく縮んだのでしょう、全体にワイン色が行き渡り表記文字がやっと見える程度の状態。コルクの側面に表示されているのは枠で囲まれた「CHATEAU CARDINAL VILLEMAURINE 1977 GRAND CRU St EMILION PIERRE CARRILLE P MIS EN BOUTEILLE AU CHATEAU」とあり、疑問は解決しました。頭文字Pしかラベルにはなかったのですがコルクにはちゃんと「PIERRE」とありますので「フィリップ・カリーユ」ではなく「ピエール・カリーユ」であったことが判明しました。ではこのピエール・カリーユ氏はフィリップ氏の親戚と云うことは十分想像できますがネットで調べても出て来ません。日本の販売店のHPでやっと「おじいさん」との記載を見つけましたが輸入元に確かめることにします。
さてこのワイン、長い間立てていたにも拘わらず濁りがありデカンタして大きな澱は取り除けましたがかなり傷んでいるようです。

グラスに注ぐと先ず甘い香りがあるので瀕死の状態ながらまだ生きていることが分かります。お陀仏になると一口では表現できませんがウースターソースのような香りになり、さらに酸化が進むと酢に近くなります。色は濁ってはいるものの赤みは十分に残り真っ茶色ではありません。

最近イカリスーパーで大々的に売り出しているオーストラリア・ビーフですが店舗により販売価格はまちまちで豊中店では100グラム598円のテンダー・ロインが箕面店では何と798円と3割以上高いのは解せません。豊中店と箕面店は車で15分かかりませんのでもう少し配慮が必要だと思います。でもこのOGビーフですが価格の割には大変品質が良く、業務スーパーに売っているものとは比較にならないほど美味しいので試してみて下さい。勿論肉の色を見て判断しなければなりません。周りが黒ずんでいるものや色の赤黒いものはダメ、ドリップの多いのも避けなければなりません。きれいな赤色を呈して脂肪の色が真っ白なものは間違いないでしょう。

話は逸れましたがそのOGテンダーロインを塩胡椒だけで網焼きして胡瓜とトマトのサラダと共にワインと合わせると、肉との相性よりも生の胡瓜に微妙によく合います。実に不思議なワインであり残さず飲んでしまうことができました。

1977年、寒く雨の多い年でしたが70年代のパリ、冬になると毎日氷が張っていて一日中溶けない日が多かったのです。トリュフの美味しい季節は非常に寒かったはずですが今は全く違うようです。

推定蔵出し価格10.00ユーロ。輸出するなら状態を見極め、リコルクしてから出荷して頂きたいと思います。

posted by:Georges :

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