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2006年06月10日
第80回英ちゃん冨久鮨で味わう究極の会
日本全国旨いものは各地に散らばっていますが現地まで出向かなくとも道頓堀で頂くことができます。先月の城下鰈は大分日出の名産、今月は島根県は高津川の天然鮎、さらに若い料理人が韓国産に頼る中、淡路は沼島産に拘る極上の鱧など「英ちゃん冨久鮨」のご主人福田光宏氏の素材選びは妥協を許しません。雑誌やテレビに多く露出する和食の有名人などここを見習って貰いたいと思います。毎月一度の開催は今日で第80回目を迎え、特選素材の集大成となりました。
まずは先付け、鰊寿司です。ご主人は珍味の類にも拘りがあります。酒粕に漬け込んだ鰊は柔らかくクレマンとの相性も悪くありません。
次は口取りとして5種盛り。右上から時計回りで瓢箪の粕漬け、名残の城下鰈昆布〆、一寸豆、自家製唐墨、万願寺唐辛子。瓢箪の収集はご主人の趣味、城下鰈は背の身と腹の身の二切れ、唐墨はここの物を食べると名産品と呼ばれる物が如何に不味いかよく解ります。
沼島の鱧は焼き造りで登場。時間がかかりましたが実は活け鱧を骨切りして皮だけを炙りお造りに。大変手間のかかる「皮の表面だけ炙る」という至難の業、浮き袋の霜降り、生の白子と同じく真子、湯した肝も添えられ山葵入りの梅肉で頂きました。韓国の鱧が国産を上回ると信じて疑わない料理人、勉強不足も甚だしいと思います。旨いものは探せばあります。鱧は骨切りも勿論ですが敢えて申し上げますとその脂でしょうか、多すぎると下品になってしまいます。ほんのりとした脂こそはも本来の旨さであると私は思います。さらに鮮度の良いものには独特の甘みが加わります。
煮物は蛸の柔らか煮、ちょっと写真に失敗。次に鮎は高津川の天然物、ですが注目して頂きたいのはこの焼き方であります。炭で焼いたら良いと思っている人が殆どでしょうが「焦がしたらダメ」なのです。串打ちも見事ですが焼き方に秘密があるのを殆どの料理人は知りません。有名な○○山荘の焦げた鮎に満足している自称料理評論家、上には上があることを知る必要があります。
今日は特選素材が並びますが中でもとりわけ素晴らしかったのはこのさえずりです。鯨独特の匂いなど全くかけらもありません。独自のルートで入る生の鯨ならではの味、知ってしまうと不幸になる食べ物の一つであります。
さらに続くのは鮑のソテー、サンテミリオンのワインとよく合います。生で旨いものは焼いても極上の旨さに。
さらに驚きは「鱧、新玉葱、レタス小鍋」に何と松茸が入っていました。6月の前半なのに早松、香りもしっかり歯応えも十分! 添えられるポン酢は通販でも買えますがポン酢無くても絶品の鱧スープです。
最後はにぎりでしめます。右から穴子、鱧の湯引き、酢でしめた新鰯に生姜、牛トロ、白身は鱸です。デザートはとても身の厚い熟したマンゴー。
posted by:Georges :
コメント
珍味の数々、美味しそうですね。
私には恐い物見たさのようですが、味わってみたい気もします。
投稿者 kobayashi : 2006年06月12日 15:47
小林さま
いつも有り難うございます、英ちゃんの会はどなたでもご参加頂けますので、もしよろしければエントリーお願い申し上げます。
ちなみに7月は15日土曜日です。美味しいものの基準は人それぞれ違うはずですが、私の場合和食では吉兆さん出身故小島晋平氏の料理を、西洋料理では上柿元勝氏のそれを原点と考えております。しかし本当に旨いものを知ると不幸が始まりますのでその辺はご承知おき下さい。
投稿者 Georges : 2006年06月12日 15:48