トップページ > ワイン雑感 > 流行るワインと流行らないワイン

« Rheinhessen Wei?er Burgunder Trocken 2004 Weinhaus Steffen | トップページ | Poupille Atipique 2002 AC C?tes du Castillon »

2006年04月01日

流行るワインと流行らないワイン

ブルゴーニュの割と名前の知れた作り手が自殺してからその価格が高騰していると聞きます。でもそれはそのワインを買い込んだ連中の仕掛けた罠。ワインの価格は噂で高くもなり安くもなります。
パーカー・Jr.を呼び寄せたコート・デュ・ローヌのある村のたくらんだ仕業を知る人はあまりいないと思いますが、ポムロールのあるシャトーのワインを全て買い込んでから同氏を招き入れたドイツ人ブローカーの話はビデオにもなっているからご存知の方も多いと思います。評論家の上前をはねる輩がずいぶん多いというのがワインの世界なのです。
所謂右岸には雨後のタケノコの如く多数のマイクロ・ワイナリーが誕生していますが、雑誌に載るのはホンのごく僅かであります。そして誕生して間もなく人気が出た(否、人気を捏造した)ワイナリーは高値で売り抜けられ所有者が次々に変わるという噂を耳にします。
赤ワインの価格というか原価はいくらかかるか? 地域により違いますが仮に賃貸で畑を借り、そこで葡萄栽培してワインを造るとするなら年間の賃貸料から逆算することが可能でしょう。アバウトですが有名な生産地で4~10ユーロ、大規模な農園なら2~5ユーロもあればできるのではないでしょうか。
名もない生産者を一躍有名にするのはボルドーのネゴシアン組織のおかげであります。生産者も儲かりますがそれ以上に利益を上げるのは販売組織であります。例えばルーチェ。モンダヴィとフレスコバルディのコラボですがこのワインに初めて異常な高値を付けたのは東京の某イタリアンなのです。
生産者の目論んだワインの目標希望価格は定価で50ドル、然るにこのお店は独占販売を理由にお店での売値は何と6万円。それを若者向けの雑誌で煽ったのは自称ワインライター。知らないセレブ達は話題を先取りしようとしてせっせと通ったと聞きます。世界中の市場であっという間に価格がつり上がったのは云うもでもありません。当時そのソムリエ氏曰く「ルーチェは私どものビジネス・ワインでございます」。
一方全く無名のままごく一部の愛好家に飲まれているワインも探せばあるのです。マスコミの取材を受けまくり拡大路線を突っ走るイタリアンが決して美味しくないのと同じく、雑誌に持て囃されるワインが必ずしも旨いとは限りません。麒麟は一切の雑誌取材に応じないのですがとても旨い中国料理を供します。麒麟は常連客だけで一杯なので本に載るのは困る訳です。ワインとて同じ事、あるドメーヌのワインなど直売先が決まっていて雑誌に載ることなどありませんが、決して高くはないと云うことが両者の共通項であります。探せばあります、安くて美味しい店、安くて旨いワイン。

posted by:Georges :

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://dks.moo.jp/mt332/mt-tb.cgi/706

コメント

コメントしてください




保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)