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2005年03月10日

クードポールさんのワイン会。

こちらの説明役をさせて頂いてやはりもうすぐ丸20年になります。いろいろ飲みましたが今日はこのワインを挙げておきましょう。
Chateau Fort de Vauban 1975 AC Haut-Medoc
マルゴー村とサン・ジュリアン村の間に位置する年産6000本程の小さなシャトーとのことです。葡萄品種はカベルネ・ソーウ゛ィニヨン 50%/メルロー 45%/プティ・ウ゛ェルドー 5% が植えられ驚くほど長持ちするワインを造っています。70年代は化学肥料の悪い影響があり、多くのワインが思ったより長持ちしませんでしたが、これはまだしっかりとしております。色は大変濃く勿論エッジは茶色味を帯びていますがそれは仕方のないことで、香りはカベルネの熟成香が強く感じられます。ボディもしっかりしておりあと何年かは持ちそうな感じです。
 1975年と言えば思い出すワインがあります。1988年パリはサル・プレイエルでのコンサートのあと(ウィーンフィルとポリーニのベートーベン)食べるところが殆ど無かったので仕方なくホテルのダイニングで軽く済ませることに。その時頼んだ Chateau Figeac 1975 AC Saint-Emilion 1'er Grand Cru Classe 当時確か400フラン前後だったと思いますが、熟成の極みだったのでしょう、それこそ甘露になっていました。余りにも美味しいのでフロマージュを頼みもう一本同じワインをオーダーしましたが実に見事なものでした。
 しかし帰国してからがいけません。フランス本国でピークを迎えているこのフィジャックを日本で買おうと思った同行者が私の知らないうちに注文してしまいました。よりによって怪しげなインポーターに・・・
 結果は無惨としか言えませんでした。届いたボトルは外観からは分からないものの中身は真っ茶色の液体で香りも何もありません。飲んでみようという気にもなれませんでした。当時はドライコンテナーで輸入していたのでしょうし出所も分かりません。12本全て廃棄処分することになってしまいました。
 今注意しなければならないのは「安いオファーには飛びつかないこと」です。世界中にはびこる「極東バブルの遺産ワイン」に要注意ということです。目立つのはこの70年代の銘柄物で欧州各地のネゴシアンが極東地区での不良債権化したワインの残りを買い戻しているのです。汚れたワインなどはリコルクやりラベルも平気だそうです。中身は本物なので詐欺ではありませんが酷い商売もあるものですね。

posted by:Georges :

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