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1989年11月15日

朝早く目覚めたが

昨日の悪夢が口の中に残っているみたいで気分が悪い。ホテルの地下食堂で朝食を、と昨日の晩みたいに騒がしい。まさかと思ったがやはり昨晩のあの団体が来ているのである。例の日本人らしい1人も来ている。蝿もいる。地下はゴメンである。
 車を飛ばしヴォーヌ・ロマネにアンリ・ジャイエ氏を訪ねる。私は3度目の訪問になるが氏はにこやかに迎え入れてくれ早速地下に案内される。蝿はいない。 ヴォーヌ・ロマネ、1級のボーモン、特級のエシェゾー、そしてクロ・パラントゥーのそれぞれ1988年を試飲。更にクロ・パラントゥーの1989年も味わうことに。発酵はセメントの発酵槽で15~21日間、その後伝統的製法によるオークの新樽で18ヶ月熟成させ瓶詰めし、その後2年間は蔵で保管しそれから初めて出荷するという。セラーにはジョルジュ氏の樽も見かけたし、パス・トゥ・グランの表示の樽もあった。アンリ・ジャイエ氏に別れを告げロマコンへ向かう。ここにもヴェルジュが残っていて食べる。旨い!
 車でシャンパーニュまで行くのは大変だ。ボーヌへ戻り高速道路でオーセールまで行き降りて今度は Troyes からシャロン・シュル・マルヌを経てエペルネに。やっとの思いでアルフレッド・グラシェンへ辿り着く。もう夕暮れ、かなりの距離を走った。ボーヌからTGVでパリまで行きシャンパーニュへ行く方が賢明であろう。
 予定よりかなり遅れて到着したため、アルフレッド・グラシェンのセイドゥーさんは大慌てでセラーを案内しなければならない羽目に。とても親切で優しい人物である。事務所に戻り86と82を試飲。82は出来が良いのでミレジメに、86はNVに回すとのこと、蔵には79の在庫があるとのことだった。
 外に出るともう真っ暗、急いでランスへと向かう。エペルネからランスまでは20分ほどの快適なドライブである。かの大聖堂の前の酒屋では Clos du Mesnil 1982690FF, Grand Siecle Cuvee Alexandria 390FF, Louise Pommery Rose 280FF などまことにお安い。各自好みのボトルを買うとおまけにボジョレー・ヌーヴォを2本くれた。勿論今晩の12時を過ぎてから飲むんだよと念を押されたが....
 Boyerに着いたらやはりラムロワーズと同じくすぐに部屋へと案内される。玄関のすぐ上の21がT氏、中庭に面した端っこの、広い24にW夫妻、我々は同じく中庭側の25である。ここはいつ来ても楽しい。
 午後9時少し前にダイニングへ入口でマダムに会い皆を紹介するが今日はご主人は留守のようだ。
 アミューズは牛テールシチューをラビオリで茶巾に包み、揚げてシブレットで括ってある、かなり凝った一品。この美味しいアミューズで始まり4種類のハーフ・ポーションの料理を楽しむことに。
1.オマールのサラダ:絶妙な火の通し方、付け合わせのピーマンのフランはとても薫り高い。
2.パナシェ・ド・ポワソン・グリエ:サーモン・帆立・平目のグリエにパスタの付け合わせ
3.ラ・ファミューズ・トリュフ・アン・クルット:その名の通りトリュフの固まりをパイで包みオーヴンで焼きソース・ペリグール、トリュフのみじん切り一杯のソースで食べる。
4.鹿のポワレ:鹿ロース肉、芯の部分だけをローストし、赤い果実のムースを付け合わせに食べる。
 ワインは乾杯に Bollinger Annee Rare 1970 とても濃厚で蜂蜜の薫り高くきめ細かな泡立ちがいつまでも続く。 Clos Sainte-Hune 1981 グリーン色を呈する恐ろしいパワーのリースリング Ch. La Mission Haut-Brion 1970 をトリュフのパイに合わせる。
 コーヒーはいつものように別室のバーで。ここボワイエでは、食後のコーヒータイムは場所を変えるのである。コーヒーとともに供される薄い薄いチョコレートが実に旨い。シェフの留守が原因かも知れないが、他のテーブルに運ばれた「サラダ・デュ・ペール・モーリス」の酢の匂いがかなりきつかったことと、全体にソースが重くなりすぎていることが気がかりである。
 風呂に入ろうと思うと何故かカーテンが付けられている。今までは付いていなかったのに...恐らく日本人が来始めたに違いない。マナーを守って頂きたいと切に願う。ルームナンバー25は大変広いがクローゼットの広さは日本人向きではない。恐らくパーティー用のドレスを何着も持ってくる英国貴族御用達の部屋であるに違いない。広すぎるクローゼットとシャワーのないバスルームは極めてバランスが悪い。それと風呂の湯の出が悪いし温度コントローラーが潰れているのが問題だ。改善の必要あり。

posted by:Georges :

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