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2008年03月09日

Histoire d'1 vin Le Blanc Vin de Table de France

8v0309.jpegこのエチケットには明らかに法律無視の姿勢がありありと見られます。すなわちヴィンテージの表示、これはヴァン・ド・ターブルには認められておりません。ですが誰が見てもラベルに2003とあるのは明らか! で、このワイン一般の販売店では売られていません。一ネット店舗のみの販売なので不公平なお話であります。ネットでは安売りの競争しているように思われるかも知れませんが実はこのように独占販売することによりかなりの利益を上げている場合があります。
さてこのフィリップ・カリーユ氏が南仏で造ると云われる白ワイン、ネットで云われる通りそんな貴重なワインかどうか試してみましょう。
その前にまずこのワイン、一体どこで造られているのでしょうか?手がかりは郵便番号の 66220 いくつかのコミューンが存在しますが恐らくここ St. Paul de Fenouillet だと思われます。場所はピレネー・オリエンタル県、スペインとの国境近くで有名な町と云えばペルピニャンが近いと云えば近いかも。無理矢理付近の地図を探し出したのはこちら。ここで輸入元のこのワインと同じ名前の赤ワインについての説明をコピーさせて頂くと「イストワール・ダン・ヴァン N.V.  2003年にルーションに購入した畑から造られる。
ピレネー山脈、スペインとの国境付近であるため、夏はとても暑くブドウ以外は何も育たないような貧しい土壌。シスト土壌が複雑味、ボディをもたらしており、できるだけ果実味のあるスタイルを目指して造られている。
A.O.C.の申請はしておらず、ヴァン・ド・ターブル・ド・フランス。その為、ヴィンテージ表記は出来ないのだが、ラベルにデザインとしてヴィンテージである「2003」という文字を薄く印刷している。彼らしい発想である(笑)」とのこと。
また名前の由来については「イストワール・ダン・ヴァンとはフランス語で「ひとつのワインのお話」を意味する。その「お話」と言うのが、廃業した農業組合の良い畑だけを購入したフィリップのこと。良いグルナッシュの畑が目的で購入したのだが、葉の無い時に購入した為、後にグルナッシュ・グリが混ざっていることが判明し、前の所有者ともめた。そんな騒動も含め、『ひとつのワインの話』、つまり、『ひとつのワインを造るのにいろいろあったさ~』というような含みを持たせて、そんな名前をつけたそうです」と付け足しがあります。
場所で云うとアペラシオン「COTES DU ROUSSILLON」を名乗れるはずですが葡萄品種が違うのでしょうか? 調べてみるとマカブー55%、グルナッシュ・ブラン40%、そしてミュスカ5%とのこと。COTES DU ROUSSILLON で辛口の白ワインなら「- vins blancs : grenache blanc - maccabeu - tourbat - marsanne - roussanne
vermentino grenache blanc maccabbeu+tourbat >= 50%
vermentino+marsanne+roussane >= 20% dès 2006」との規制がありますのでミュスカを入れるだけでアペラシオンは名乗れないと云うことでしょう。ちなみにCOTES DU ROUSSILLONのINAOのHPはこちらをご覧下さい。

前置きが長くなりましたがアルコール度数15%と云うこのワイン、早速飲んでみましょう。


コルクは長さはそこそこ(49mm)あるもののかなり孔の目立つ中級品、さすがにヴィンテージは入っていなくてサイドには枠で囲んだ中にワインの名称とヴァン・ド・ターブルの表示があります。グラスに注ぐとき奇妙な香りが漂ってきます。あまり馴染んでいない葡萄のアロマでしょうか? 色はそれほど濃くなく青みがかった明るいイエローでそんなに彩度の高いものではありません。レッグは長くグラスに鼻を近づけるとアルコール濃度が高いのはすぐ分かります。口に含むと一言「変な味!」。フルーツトマトとモッツァレラ・バッカにバジルとエクストラ・ヴァージン2007の組み合わせを食べながら試したのですが全く相性は合いません。南仏の白ワインに合わせて美味しいのはニンニクの入ったお料理です。従って思いついたのが新タマネギとエノキダケにベーコンというお料理。ニンニクオイルでそれらの材料をソテーするだけですが味付けに少量の酒と醤油を使い和風に。この料理にはこの重たい白ワインは何とか合うことができました。しかし私には香りも馴染めませんし取り立てて申し上げるほどの値打ちは全く感じません。

推定蔵出し価格2.50ユーロ、とある販売店は税別1280円で売っていますのでかなりの利益商品であるのは確か。私は送料支払って買う気にはなりません。ですがこういった重い白ワインを好む人々も大勢おられます。人の好みは千差万別、テリーヌ・ダイユなどには合うでしょうね。

posted by:Georges :

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