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2005年08月02日

鞍下ロース

 一般には肩ロースと呼ばれていますが肉屋さんの間では「鞍下」と呼ばれておりブロックで売られる場合は大体19キロから25キロの塊となります。肋骨の首から6番目と7番目の間を胴切りする訳でそれ以降はリブロースになります。勿論リブロースの後ろはサーロインが来る訳ですが今は鞍下についてのみ説明します。
鞍下は普通そのままスライスされすき焼き用にロースとして売られますが、我が和牛研究会は小割りしています。その中でも最も旨い部分が「ハネシタ」と呼ばれる部位で左右ある鞍下からほんの僅かしか小割りすることが出来ません。
この「ハネシタ」と呼ばれる部分は首に近い辺りから肋骨で云うと前から4番目辺りにかけて存在する平べったい筋肉なのですが、等級に拘わらず殆ど全ての和牛なら綺麗な霜降りになっています。厚みは5センチから最大で10㎝ほどでしょうか左右の大きさは30から50㎝ほど重さで云うと2キロから大きな物で4キロ程度でしょう。

この「ハネシタ」を含む「鞍下」ですがブロックで買っている肉屋さんはあまり数が多くありません。リブロースやサーロインは無駄なく売れても鞍下は手に余るのがその理由です。一頭買いまたは枝肉を買うところは当然ですが鞍下を持っているのですが小割りせずそのままスライスしてしまうのが一般的です。
「ハネシタ」の特徴は何と云っても全く筋が無く刺身に良し、しゃぶしゃぶに良し、焼き肉に良しのオールマイティの部位なのです。私はこの「ハネシタ」を1.6ミリにスライスして貰い刺身で食べるのが最も好きな食べ方です。勿論同じ厚みでしゃぶしゃぶも楽しめます。

ここで一般には知られていない等級の後の「アイウエオ」について少しご説明。
A4とかB3という等級は所謂リブロースの肉質を見た上で判別されるのですが、そのあとに「ア」とか「ウ」とかが付いている牛は要注意なのです。
ア:所謂当たりと呼ばれ、腿に多いのですが大腿骨骨折などで肉に血の大きな塊が
  出来ていることを示します。
イ:これは肉質に斑点があることを意味し、やはり小さい血の塊が点在する物です。
ウ:業界用語は「ズル」で水気の多い肉質(あまり好ましくない)を意味します。
エ:業界用語は「スレ」で枝肉の状態で何かか当たったり、落としたりして一部が
  えぐり取られた状態を意味します。
オ:同じく「熱牛」と呼ばれ体温の高い牛を意味し、肉の色が小豆色に近い濃い色を
  呈しています。

 特に注意を要するのは「ア、ウ、オ」でしょうか、この他脂肪の部分が黄色いものも質は良くありません。

良質の肉は色が比較的薄く、脂身は真っ白であること」が一つの条件です。

鞍下でもう一つ小割りして旨い部分がありますが「カタシン」と呼ばれ所謂ロースの芯の部分です。これは勿論サーロインから続くステーキに一番良く使われる部分と同じ肉質なのですが形が小さいため見た目がショボイので一般に店頭展示はされません。親しいお肉屋さんがあれば頼んだら分けてくれる可能性はあると思います。しかしこの部分は大変小さくステーキにするほどではないので刺身で食べるのをお勧めします。

posted by:Georges :

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