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2006年05月15日

昔よく飲んだシャンパーニュ

vindujour-031.jpg美味しかった頃のクリュッグ、グラン・キュヴェです。セラーの片隅にくすぶっていましたが残念ながらこれは空瓶です。裏ラベルは三楽レミーとなっているので1980年代後半のものと思われます。この頃食通、ワイン通と云われた人々の間でシャンパーニュと云えば「ドン・ペリニョン」全盛で、クリュッグを好んで飲む人はごく少数でした。この頃の社長はアンリ・クリュッグでコニャックのレミー傘下ではありましたが品質第一主義でワイン造りを行っていました。私は80年代は頻繁にフランスに行っておりましたのでクリュッグ社へもよく足を運びました。一番旨かったのは以前申し上げたと思いますがアンリの招待で訪れたランス駅前当時一つ星ル・フローレンスで頂いたクロ・デュ・メニルのファースト・ヴィンテージ1979年。止めどなく立ち上る細かい泡と馥郁たる香りは忘れられません。
vindujour-032.jpg80年代後半日本国内でクリュッグを抜栓すると大概コルクが萎んだ状態になっておりました。泡立ちこそ細かかったのですがその勢いは残念ながら乏しくシェリー香を発するものもありました。しかしフランスの例えばランスのボワイエなどで開けるとコルクはパッと広がり泡立ちは細かく凄い勢いがありグラスからピチピチ飛び跳ねる程でしたのでその差は歴然としていました。何度かクリュッグ社を訪問して、あまりにも日本で飲まれているモノとの差が大きいので、「クリュッグは瓶口が狭いのでコルクの細胞が壊れる」と社長の弟レミー・クリュッグに指摘しましたが聞き入れては貰えませんでした。コルクが早く傷むこともあったでしょうがやはり輸送方法にかなりの問題があったのでしょう。

クリュッグが旨かったのはもう随分昔の話であります。アンリの息子オリヴィエの代になってから味は悪くなる一方です。前にも申し上げましたが今のグラン・キュヴェはキンキラキンのド派手なボトルに入っておりますが、昔のあのハニー香など微塵も感じることはありませんが、逆に気味悪い異様に強い酸味が口の中を支配します。こんなのが旨いと感じる人々は、それはただ単に高いから旨いと信じておられるだけで、たとえどんなモノでも慣れれば旨いと感じるだけなのです。
シャンパーニュの比較試飲は何度も行いましたが私の場合常温に戻してから行います。冷えていると旨いと感じるのは夏場に飲む冷えたビールと同じです。敢えて常温で比べると今のクリュッグが如何に不味いかお分かりになると思います。勿論旨い不味いは人により違いますが私が申し上げたいのはクリュッグに関しては今と昔では味香りが異なると云うことであります。
今は話題にも上りませんが Gosset というシャンパーニュ・メーカーに赴いたことがありますが、第一次発酵のワインを試飲して驚きました。もう既にピークを過ぎた感じがするのです。そのワインを第2次発酵させたところで旨くなるはずがありません。同じように感じたのがクリュッグの1989年と同じく1988年でした。スタイルが変わったところで旨いと感じるか旨くないと思うかは個人の自由でしょうが私は16年ほどまともなクリュッグを飲んでおりましたので今のクリュッグに関しては不味いとハッキリ申し上げます。

posted by:Georges :

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