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2007年06月20日

嵐山高級料亭のワインリストを分析その2

先日の続きです。一つ断っておきますが私は普段こんなお高いワインを飲んでいる訳ではございません。昔からワインに親しんでいるため昔と比べて今の価格は異常であるといつも申し上げております。
さて泡の後はスティル・ワインです。シャンパーニュでは所謂大手を押さえてはいますが抜けているのがボランジェとルイ・ロデレールでしょうか? 話題性なら007によく出て来たボランジェ、そして皇室云々を宣うならボランジェもそうですが歴史のハッキリしているルイ・ロデを取り上げるべきであの胡散臭いアンリ・ジローとやらは却下すべき銘柄ではないでしょうか?

さて白ワインの産地は随分限定されています。

French White Wine

◆J. Moreau et Fils/J・モロー・エ・フィス社
Chablis Grand Cru Les Clos/シャブリ・グラン・クリュ・レ・クロ
’03 16,380

◆Domaine Marcel Vincent/ドメーヌ・マルセル・ヴァンサン
Chateau-Pouilly-Fuisse シャトー・フィッセ
’01              11,340
’03 11,340

◆Ladoucette/ラドセット社
Baron de L バロン・ド・エル
’02   17,640

◆Joseph Drouhin/ジョゼフ・ドルーアン社
Montrachet/モンラッシェ
’02   88,420
Chassagne-Montrachet/シャサーニュ・モンラッシェ
’03   22,680

順番からして不思議なのはブルゴーニュの北の外れはシャブリからいきなり南のプイィ・フュイッセに飛んだかと思うと、今度は地域の違うロワールのソーヴィニョン・ブランに移り、最後は思い入れがおありなのかドメーヌ・ド・ラギッシュのモンラッシェ系で締めくくってあります。ボルドーの白ワインが無視されていますが、世界中からお客さんが来るのであればせめてアルザスのリースリングやボルドーのペサック・レオニャン位はオン・リストして頂きたいと思います。

ラドゥーセット男爵のものはワインの名称プイィ・フュメが抜けております。またドルーアンのシャサ・モンですがこれは恐らくドメーヌ・マルキ・ド・ラギッシュの白ワインのはずですので分かり易く説明が必要だと思うのですが? もしそうであれば、20%と云うお高いサービス料を計算に考えると意外にリーズナブルであることが解ります。モンラッシェも同じく他のブル赤と比べればまだまだリーズナブルかも知れません。

次はここに来る人達が如何にお金持ちなのかがよく解るブル赤の羅列であります。お料理が税サ込みで4,5万円なら普通飲み物はそれ以下に抑えるのが一般のお客さんのはず。しかしここでは銀座や北新地の高級クラブにでも置いてそうな価格のワインがずらりと勢揃いしています。

まともな感覚ならこの下のクロ・デ・レア位しか頼めるものはないと考えますが如何でしょうか? しかしこのワインにも奇妙な解説が付いています。ドメーヌ・ジャン・グロと長男をごっちゃにしておられるのでしょうか? 普通はこういう表現をしないのが一般のソムリエ諸氏の常識であります。ましてやヴィンテージは2003年。親爺はとっくの昔に引退しておられます。格付けを重要視されている割には第1級が抜けていますが・・・・。


French Red Wine
BOURGOGNE ブルゴーニュ地方
◆Domaine Michel Gros/ドメーヌ・ジャン&ミシェル・グロ
Vosne -Romanee Clos des Reas/ヴォーヌ・ロマネ・クロ・デ・レア
                         ’03    21,420

◆D,R,C/ロマネ・コンティ社
Echezeaux/エシェゾー          ’96   151,200
                         ’00   109,620
’99   94,500

La Tache/ラ・ターシェ ’00   277,200
  ’99   403,200

Romanee-Conti ロマネ・コンティ ’85   1,827,000
’86   1,134,000

上記の料金はサービス料20%と消費税5%を含めた料金を表示しております。
Service(20%) and tax(5%) included

昔からワインに詳しい方ならば絶対に注文しない価格設定であります。しかし普通の感覚の持ち主が料理の代金の何倍ものワインを飲むとはとても考えられません。高島屋が輸入していた頃のロマコンの定価は1985年で確か15万円、86年で12万円位だったはず。最近の成金族向けの価格でしょうか、またそんなお客しか行かなくなったという証左でしょうか? 

次は文法的に? 間違った表現と云うよりケアレスミスを顧みない様子がよく解ります。ボルドーのはずが横文字もカタカナもブルのまま。ワインの素人が見てもすぐ判るこの為体。

このリストは最近になってから揃えたのではないかと思われる価格設定であります。ご存知ラフィットは我が国皇室御用達であるが故に一番先に載せてありますが45の次が99と2つヴィンテージしかありません。しかし45は本当に飲むことが出来るのでしょうか? 45年が今でも飲めるとしたら驚きであります。

ここで疑問ですが次のラトゥールのヴィンテージの並べ方、今度は新しいもの順かと思えばバラバラな年代配列。普通は新しいものから並べますけど・・・・。

このワインリストでデュ・テルトルの次にリーズナブルなものは敢えて申し上げるならばムートンの90年でしょう。1982年ヴィンテージは良識あるソムリエなら定価で3万円の頃に仕入れしているはずです。こんな法外とも云える価格で平気でワインリストを作っているのは昔からワインを知らない証左であるか、さもなければワインでボロ儲けを企む輩としか思えません。

BOURGOGNE ブルゴーニュ地方
◆Medocメドック地区 Pauillac ポイヤック
Ch.Lafite/ラフィット           ’45   567,000
                        ’99   75,600

Ch.Latour/ラトゥール          ’92   47,880
’86   79,380
’89   88,200
’82   352,800
’70   289,800
’45   630,000

Ch. Mouton/ムートン ’99   44,100
’90   65,520
’82   239,400
’89   69,300

Les Forts de Latour/ レ・フォール・ド・ラトゥール
’00   31,500
’89   37,800

◆MARGAUX マルゴー地区
Ch.Margaux/マルゴー ’82   264,600
’99   59,220

Ch. Du Tertre/デュ テルトル ’90   20,160

◆Pomerol ポムロール地区
Ch.Petrus/ペトリュス ’66   352,800
’81   189,000
’96   201,600
Ch.Lepin/ルパン ’99   201,600

上記の料金はサービス料20%と消費税5%を含めた料金を表示しております。
Service(20%) and tax(5%) included

posted by:Georges :

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