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2006年12月26日

Taittinger Grands Crus Magnum “2000”No.166568 L9182YL010

v12-24.jpgテタンジェ社の想い出のワインです。このボトルはマグナムですが何と2200グラムもある重量級のもの。中身は1996年に採れた葡萄ピノ・ノワールとシャルドネが半々ですべて特級格付けの畑だけという贅沢なもの。これをメーカーとしては2000年を迎えるカウントダウン用にと考えたのですがこれがそもそもの間違いでありました。当時は1997年から続く空前のワインブームで「限定もの」にことさら弱い日本人は予約受付と同時に注文を入れすぐに完売状態になってしまいました。で、よくは覚えていませんが1999年の12月半ばでしたでしょうか輸入されたばかりのこのシャンパーニュは「酸っぱいー」の一言。これではクレームが出るのは当たり前という状況でありました。案の定年明け早々輸入元には返品続出! ドザージュの多い、やや(私からすればかなり)甘い目のドンペリに慣れている自称シャンパーニュ愛好家諸氏からは非難囂々。輸入元としては全くの誤算であったに違いありません。予約の段階で完売していた訳ですから買っていない販売店に声をかけるのも格好が悪かったのでしょう。倉庫にそれこそ「お蔵入り」になる羽目に・・・。

それから丸一年、いやもう少し経ったかも知れませんがこのシャンパーニュは処分されることになりました。ボトルの両サイドに「2000」という数字がかなり大げさにレイアウトしているため処分せざるを得なかったのでしょうね。この数字さえ入っていなかったら、またミレニアムと騒がなかったら処分する必要は全くなかったと考えます。事実テイスティングしたものは例の「酸っぱさ」は収まり旨味に変化していたのであります。分厚いマグナムボトルは中身をしっかり保たせ非常によい状態をキープしておりましたので早速購入を決めたのであります。
このとき思ったのが「強い酸を持つシャンパーニュはすぐに飲まずに熟成に回す」という私なりの結論であります。熟成というメカニズムは未だ解明されてはいないと思いますが強い酸は熟成により旨味成分に変化することは確かなようで同じく強いタンニンは熟成により甘みに変化することも間違いないようであります。しかしシャンパーニュは間違っても(日本の)室温では熟成しません、傷むだけです。私の場合シャンパーニュは14℃のセラーに保管しております。
シャンパーニュを判断する要素として泡の細かさとその持続性が最も重要でありこの大切なことを忘れていては確かな判定は出来ません。味や香りはドザージュによりごまかせても泡の大きさまで変えることは出来ないからであります。サイダーのようにボコボコと泡立つ最近流行りのメーカーなど私は評価の対象とは致しません。ドザージュによる濃い味のものより瓶内2次醗酵を低温で長く行われるものこそ本当に旨いシャンパーニュと考えます。勿論第1次醗酵ではきっちりした酸が必要でありシャンパニザシオンする前のワインが健全でなければならないのは当然であります。

posted by:Georges :

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