ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Villard blanc B



ヴィラール・ブラン、またの名を 12375 Seyve-Villard とする種間交雑による白葡萄である。拙ブログではこちらで取り上げた。ややこしいけど系図は次の通り

系図の SV 12-375 もヴィラール・ブランのシノニムの一つだ。シノニムは8つあり

12375 SEYVE VILLARD
12375 SV
EGER 2
S.V. 12-375
SEIV VILLAR 12-375
SEYVE VILLARD 12-375
SEYVE VILLARD 12375
SV 12-375

VIVC によると上から3番目の「EGER 2」は2017年3月23日までは別の葡萄とされていたようだが同日付でヴィラール・ブランのシノニムとなった、つまりヴィラール・ブランと同一の葡萄ということが判明したということ。

当該葡萄が使える IGP はこちらを見ると一目瞭然だが、ロゼワインはまだしも赤ワインに当該葡萄が使われることなどまず無いはずである。

収量が多かったのでお安いワインもしくは蒸留酒の原料葡萄として使われたのかも知れないが、政府の通達により種間交雑の葡萄は殆ど栽培できなくなったため急激に減少した訳だ。

しかし画像を拝借している Pl@nt Grape によると2016年の栽培面積は 136ha と結構栽培されている。

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Vidoc N



今回画像はこちらから拝借した。

これも前回では登録が無かった葡萄である。ヴィドックはメドックの葡萄ではなくアルザスの INRA 国立農学研究所とドイツの研究所と合同で開発された葡萄とのこと。何のための葡萄かと云うとうどん粉病に耐性を持つ、またベト病にも耐性を有する葡萄を目指したという。

さて病気に強いというこの葡萄、いつもの Pl@nt Grape を見ると 2016年の栽培面積はゼロである。まあフランス政府が新規で登録して目下のところ栽培面積ゼロという葡萄は多数あり何のための登録なのか理解に苦しむ人は多いはず。

仏独共同開発なる当該葡萄は何とも複雑なる種間交雑で系図は次の通り



フランスが開発した VRH3082- 1- 42 を母、ドイツの REGENT ドイツ語読みなのでレゲントを父として生まれた黒葡萄である。

ヴィドックの兄弟葡萄 Artaban アルタバンも同じ系図である。

アルタバンもいつの間にか Pl@nt Grape のサイト に載っているが例によって例の如く栽培面積はゼロである。

系図では最下部の「???」となっているシャンブルサンの父親葡萄はCHANCELLOR シャンスラであるがこれまた複雑怪奇な系図を持つので遡ることは控える。シャンスラはレ・セパージュのサイトには載っているがフランスで栽培される葡萄のサイトにはまだ載っていない。

病気には至って強いがワインにするとどんな味なのか開発者チームは知っているのだろうか? 美味しいワインが出来るなら栽培面積は急増するはずだが・・・
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Dattier de Beyrouth B



フランスの登録名は Dattier de Beyrouth ダティエ・ド・ベイルートだが VIVC の正式名称は AFUS ALI アフュス・アリ、レバノン原産の食用・ワイン用白葡萄である。

最新の VIVC パスポートデータはこちら、ヨーロッパ各国で栽培されておりシノニムの数は何と 232 にも及ぶ。中でも有名なのはROZAKI ロザキでギリシャの国家登録名となっている。REGINA レジーナもよく聞く名前だ。またルーマニアやハンガリーではAFUZ ALI を国家登録名としている。

アフュス・アリ? 実はこの葡萄は別の名前で登録されていた経緯があるようだ。詳しくは VIVC をご覧頂きたい。

大雑把に説明すると JERBI という正式名称で VIVC 番号 22941 として登録されていた葡萄は実は AFUS ALI と判明した訳で 2016年 2月1日に変更があり、また同じくアフュス・アリとは別の葡萄としてVIVC 番号24927 TAMAR CHULATA と登録のあった葡萄が 2019年4月3日にアフュス・アリと統合されたということであろう。

遺伝子解析の結果これまでは別の葡萄と考えられていた葡萄が実は同じ葡萄ということが判ったということ。

画像を拝借している Pl@nt Grape を見るとフランスでは40年前かなり栽培されていた模様だが今世紀に入ってからは2桁だけと寂しい存在となってしまった。

殆どが食用葡萄として販売されワインはネット上見かけることは無いはずだ。
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Victoria B


以前はフランス政府の定める「フランスで栽培される葡萄」に登録が無かった葡萄である。画像はいつもの Pl@nt Grape から拝借するがヴィクトリアという正式名称を持つ葡萄はVIVC によると3つも存在する。フランス政府がハンガリー原産のそれも人工交配による葡萄をわざわざフランスで栽培される葡萄として登録する必要があるのか不思議であるが、同サイトからその栽培面積を見ると何とゼロである。

ヴィクトリアのオリジンは le Cardinal Rg par le Dattier de Beyrouth B との説明があるが VIVC のパスポートデータでは次のようになっている。

Pedigree confirmed by markers CARDINAL × AFUS ALI
Prime name of parent 1   CARDINAL
Prime name of parent 2   AFUS ALI

カルディナルが母、アフュス・アリが父親、フランス政府の登録名ダティエ・ド・ベイルートの正式名称が実はこのAFUS ALI ということである。母親のカルディナルは拙ブログの古くはこちら、新しくはこちらをご覧あれ。父親葡萄のダティエ・ド・ベイルートはそのベイルートが首都であるレバノンの葡萄であるがいつの間にかフランス政府が登録していたので、別の機会に書いてみようと思う。

食用葡萄なのでワインは造られていないはずだ。
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Vermentino B



イタリア原産の葡萄なのでイタリア語読みするとヴェルメンティーノ、フランス語読みするとヴェルマンティノかもしれないが・・・ 拙ブログでは2013年7月6日にこちらで取り上げた。もう6年ほど前のことである。

画像を拝借している Pl@nt Grape を見ると近年の栽培面積増加は著しく、前回示した 4,297 ha (2011年)をはるかに上回る 6,035ha (2016年)となっている。

VIVC の最新パスポートデータはこちら、親子関係を示す Parent - offspring relationship の右側の「YES」をクリックすると ROSSOLA BIANCA ロッソーラ・ビアンカというイタリア原産の白葡萄が現れる。

レ・セパージュの示すユニ・ブラン(正式名称はトレッビアーノ・トスカノ)との関連性は無いと思われる。理由としてトレッビアーノ・トスカノのシノニムに似たような ROSSELA BLANCO、 ROSSOLA、ROSSOLA BRANDINCA、ROSSOLA BRANDISCA、ROSSULA BRANDINCA はあるが ROSSOLA BIANCA は含まれてはいないからである。


さて1990年代後半の遺伝子解析による葡萄の識別作業が始まる前は当該葡萄とは別の葡萄と考えられていた PIGATO は現在のイタリアワイン法に今もなお載っているのである。その法令とはRIVIERA LIGURE DI PONENTE D.O.C. 葡萄規定をコピーすると

"Riviera Ligure di Ponente" Pigato, anche nelle tipologie superiore e passito:
Pigato minimo il 95%;
possono concorrere alla produzione di detto vino le uve di altri vitigni, non aromatici, a bacca bianca, idonei alla coltivazione per la Regione Liguria, fino ad un massimo del 5%.

ちなみに Pigato の由来はリグーリア方言の pigà もしくは pigau で「汚れた」転じて「斑点」を意味する。果実が熟成すると葡萄果実表皮に汚れたような模様が見られるようになるのでその名が付いたとされる。

イタリアのワイン法には VERMENTINO DI GALLURA D.O.C.G. に代表されるヴェルメンティーノという表示リグーリア州でのピガートという表示を認めていることと相成る。2つは同一葡萄を示すのだが、フランスの法令よりも大雑把なので仕方ないのかも知れない。

もちろんVIVC に正式名称ピガートなる葡萄は存在しないし、あくまでもヴェルメンティーノの一つのシノニムに過ぎない。

フランスでのシノニムのうち最もポピュラーなのは Rolle ロールでありプロヴァンスや南フランス全般でそう呼ばれるがコルスでは MALVOISIE CORSE もしくは MALVOISIE DE CORSE マルヴォワジー・ど・コルスと呼ばれる。

尚このマルヴォワジーはいろんな葡萄のシノニムとして使われ「訳の分からない葡萄」即ち MALVOISIE と呼ばれてしまうらしい。
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