ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

シェリー酒の葡萄について



スペインはアンダルシア地方ヘレスを中心に造られる酒精強化ワインは世界的に有名だが葡萄に関してはパロミノ、ペドロ・ヒメネスそしてモスカテルの3種類と認知されているはず。

スペインワイン法からその葡萄規定についてコピーすると

F) VARIEDADES DE UVA DE LAS QUE PROCEDE EL VINO

La elaboración de los vinos protegidos se realizará con uvas procedentes del Área de Producción de las variedades siguientes: Palomino, Pedro Ximénez y Moscatel,
Cualquiera que sea la sinonimia utilizada para cada una de ellas.
Al menos el 60% de la uva de la variedad palomino utilizada para la elaboración de los vinos protegidos deberá de proceder de viñedos de la zona del Jerez Superior, tal y como aparece definida en el apartado C.1.

太字がご存知の3つの葡萄、まずは Palomino から始めてみたい。

Palomino をVIVC で検索すると Palomino だけを名乗る葡萄は2つ出てくる。一つは PALOMINO FINO でもう一つは全くシェリーとは無縁の正式名称 BUCKLAND SWEET WATER という食用葡萄でイギリス原産。

パロミノ・フィノが正式名称であるがスペイン政府はなんと LISTAN BLANCO リスタン・ブランコを正式名称と登録している。

またフランス政府も当該葡萄を Listan B と登録しているので話はややこしい。

拙ブログではこちらに纏めているのでご一読頂きたい。パロミノ・フィノの突然変異で生まれた PALOMINO DE JEREZ パロミノ・デ・ヘレスについても触れているので参照されたし。

最新情報だが、パロミノ・フィノの親子関係についての「YES」をクリックすると ALBILLO FORASTERO という白葡萄が現れる。今のところどちらが親でどちらが子かは未解明である。
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Ugni blanc B 正式名称 TREBBIANO TOSCANO

画像はこちらから拝借したがユニ・ブランの最大のメリットはその収穫量の大きさである。


葉の画像はいつもの Pl@nt Grape のサイトから拝借した。

フランスではユニ・ブラン、しかしながらイタリア原産の白葡萄で正式名称はトレッビアーノ・トスカノ、拙ブログではこちらで取り上げた。

当時の VIVC パスポートデータはその母親がガルガーネガとなっていたが、現在のパスポートデータはこちら、コピーすると

Prime name  TREBBIANO TOSCANO
Color of berry skin    BLANC
Variety number VIVC  12628
Country of origin of the variety  ITALY
Species  VITIS VINIFERA LINNÉ SUBSP. VINIFERA
Pedigree as given by breeder/bibliography
Pedigree confirmed by markers
Prime name of parent 1
Prime name of parent 2
Parent - offspring relationship   YES

母親の名前は消え失せブランクになっている。しかし親子関係を示す右の「YES」をクリックするとガルガーネガが現れる。ガルガーネガとの親子関係は否定された訳ではない様子である。

しかしレ・セパージュのサイトではなんとユニ・ブランの親子関係にあるのはガルガーネガではなくヴェルメンティーノであるとしている。またこのサイトではユニ・ブランとユニ・ロゼをいずれも画像を載せ紹介しているが VIVC ではユニ・ロゼなる葡萄は載せていないユニ・ルージュは載っているがユニ・ブランとの繋がりは無いようだ。

それでは VIVC からヴェルメンティーノを開いてみよう。該当する母親と父親の名前は無いが親子関係だけは示されているが、その名は ROSSOLA BIANCA であり、ユニ・ブランとヴェルメンティーノの間の親子関係は見えてこない

同じく ROSSOLA BIANCA を開くと親子関係としてヴェルメンティーノが出てくるが、ユニ・ブラン正式名称トレッビアーノ・トスカノの名前は出てこない。従ってユニ・ブランとヴェルメンティーノの間に親子関係は今のところ認められるとは言い難い訳である。

葡萄の親子関係解明はまだ始まったばかりと云っても過言ではないので、常に最新の情報を掴むよう心掛けるべきである。

フランスでの栽培はコニャックとアルマニャックに集約されあとはプロヴァンス地方などに分散するが1979年ピークの127,468ヘクタールから比べるとかなり落ち込んでいた。しかし最近は少し増加傾向にあるようだ。

Pl@nt Grape のサイトから2016年のフランスでの栽培面積は85,158ヘクタール。

コニャックのサイトからコニャック全域での葡萄畑の総面積は75,000ヘクタールでその98%が何と当該葡萄であるとのこと。フォル・ブランシュやコロンバールはいずれも過去の葡萄でフィロキセラ以前の話だそうだ。

一方アルマニャックはと云うとネットではいろんな説が流れているが、アルマニャックだけを生産するであろう葡萄の畑の面積は4,200ヘクタール程度でありその55%は当該葡萄、2番目に広く栽培されるのは何とバコ・ブラン 35%、3番目がコロンバールで、フォル・ブランシュはせいぜい1%とのこと。

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Trousseau gris G


トゥルソー・グリ、画像はいつものPl@nt Grape のサイトから拝借した。

Les Cepages のサイトでは果皮の色は全く違うように見える。


さて拙ブログではこちらで取り上げたが現在の VIVC を見ると妙なことが載っている

2018年3月28日に正式名称が変更になったとの由、こちらがその原本である。同日付でベキニョル・ロゼからトゥルソー・グリになったとのことだが、拙ブログで取り上げたのが2013年6月23日であるから矛盾が生じるわけだ。

当時取り上げた旧VIVC のデータはこちら、2007年7月17日の日付があり、正式名称 TROUSSEAU GRIS、シノニムはCHAUCHE GRIS、GRAY RIESLING、GREY RIESLING、GRIS DE SALCES、TERRET D'AFRIQUE とあるのでこの時点での正式名称は間違いなくトゥルソー・グリであった。

約3年前のトゥルソー・グリのデータはこちら、これは2016年9月28日に取られたウェブ魚拓である。この時点でシノニムにベキニョル・ロゼは含まれていない。

ところが現在はこちら、従って2016年9月28日以降に一旦正式名称がベキニョル・ロゼと変更になり2018年3月28日にもう一度正式名称トゥルソー・グリに変更されたということなのか? すぐには信じがたい正式名称変更事案である。

またトゥルソー・グリの栽培面積についてVIVCでは次のデータを載せている。

ARGENTINA 203.90ha 1991年
PORTUGAL 4,442.00ha 1989年

フランスの栽培面積は載っていないしポルトガルでの栽培面積はトゥルソー・ノワール(PORTUGAL 1,100.00ha 2007年)のそれをはるかに上回る。

ちなみにポルト酒の原料葡萄は次の通りの規定がある。

6. UVAS DE VINHO
最も良い葡萄
35, Bastardo, R, T; 正式名称トゥルソー・ノワール
113, Donzelinho-Tinto, R, T;
187, Marufo: R, T;
293, Tinta-Francisca: R, T;
20, Aragonez: R, T; (Tinta-Roriz);
307, Tinto-Cão: R, T;
312, Touriga-Franca: R, T;
313, Touriga-Nacional: R, T;
111, Donzelinho-Branco: R, B;
272, Sercial: R, B, (Esgana-Cão);
128, Folgasão: R, B;
142, Gouveio: R, B;
330, Verdelho: R, B;
175, Malvasia-Fina: R, B, (Boal) (4);
240, Rabigato: R, B;
337, Viosinho: R, B.

良いとされる葡萄
99, Cornifesto: R, T;
178, Malvasia-Preta: R, T;
77, Castelão: R, T, (João-de-Santarém )(1) (ou Periquita) (2);
262, samarrinho: R, T;
317, Trincadeira: R, T, (Tinta-Amarela);
288, Tinta-Barroca: R, T;
22, Arinto: R, B, (Pedernã);
271, Semillon: R, B;
83, Cercial: R, B;
275, Síria: R, B, (Roupeiro);
338, Vital: R, B;
199, Moscatel-Galego-Branco: R, B;
259, Samarrinho: R, B.

認定葡萄でかなり良いとされる葡萄
41 Bical: A, B;
143 Gouveio-Estimado: A, B.

良いとされる葡萄
206, Mourisco-de-Semente: A, T;
276, Sousão: R, T;
289, Tinto-Bastardinha: A, T;
291, Tinta-Carvalha: A, T;
311, Touriga-Fêmea: A T;
93, Côdega-de-Larinho: A, B;
145, Gouveio-Real: A, B.

定番の葡萄
12, Alvarelhão: A, T;
74, Casculho: A, T;
76, Castelã: A, T;
96, Concieira: A, T;
154, Jaen: A, T;
163, Lourela: A, T;
178, Malvasia-Pret: A, T;
196, Moreto: A, T;
232, Pinot-Noir: A, T;
31, Baga: A, T;
90, Cidadelhe, A, T;
304, Tinta-Tabuaço: A, T;
116, Engomada: A, T;
296, Tinta-Martins: A, T;
189, Melra: A, T;
300, Tinta-Penajóia: A, T;
309, Tinto-sem-Nome: A, T;
28, Avesso: A, B;
34, Barreto: A, B;
52, Branco-Guimarães: A, B;
249, Ratinho: A, B;
122, Estreito-Macio: A, B;
125, Fernão-Pires: A, B, (Maria-Gomes);
177, Malvasia-Parda: A, B;
218, Pé-Comprido: A, B;
22, Arinto: A, B, (Pedernã);
228, Pinheira-Branca: A, B;
235, Praça: A, B;
242, Rabigato-Moreno: A, B;
333, Verdial-Branco: A, B.

平凡な葡萄
5, Alicante-Bouschet: A, T;
14, Alvarelhão-Ceitão: A, T;
120, Espadeiro: A, T;
223, Petit-Bouschet : A, T;
286, Tinta-Aguiar: A, T;
297, Tinta-Mesquita: A, T;
301, Tinta-Pereira: A, T;
302, Tinta-Pomar: A, T;
255, Roseira: A, T;
328, Varejoa: A, T;
39, Batoca: A, B;
13, Alvarelhão-Branco: A, B;
50, Branco-Especial: A, B;
85, Chasselas: A, B;
179, Malvasia-Rei; A, B;
205, Mourisco-Branco: A, B;
310, Touriga-Branca: A, B.

良くないとされる葡萄
21, Aramon: A, T;
68, Carignan: A, T;
72, Carrega-Tinto: A, T;
140, Gonçalo-Pires: A, T;
148, Grand-Noir: A, T;
149, Grangeal: A, T;
194, Mondet: A, T;
213, Nevoeira; A, T;
216, Patorra: A, T;
234, Português-Azul: A, T;
237, Preto-Martinho: A, T;
263, Santareno: A, T;
266, São-Saul: A, T;
274, Sevilhão: A, T;
294, Tinta-Lameira: A, T;
166, Malandra: A, T;
292, Tinta-Fontes: A, T;
213, Nevoeira: A, T;
325, Valdosa: A, T;
326, Valente: A, B;
66, Caramela: A, B;
70, Carrega-Branco: A, B;
109, Dona-Branca: A, B;
106, Diagalves: A, B;
155, Jampal: A, B;
197, Moscadet: A, B;
240, Rabigato: A, B;
245, Rabo-de-Ovelha: A, B;
267, Sarigo: A, B;
279, Tamarez: A, B.

良くないとされる葡萄でも葡萄規定にその名がある限り使っても良いという意味であろう。しかしながらポルト酒に使用できる葡萄にトゥルソー・グリのシノニムに該当するものは見当たらない。つまりポルト酒には使うことが出来ない葡萄のはずである。ならば4000ヘクタール以上を何のワインの原料にしているのか?
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Trousseau N



正式名称はTROUSSEAU NOIR、カタカナ表記するとトゥルソー・ノワール、フランス原産の黒葡萄だが主な産地は何とポルトガル。ポルトガルではBASTARDO バスタルドと呼ばれポルト酒の原料葡萄として大々的に栽培されている。

拙ブログでは2013年6月19日にこちらで書いたが親子関係については新たに次のように書き換えられている。

葡萄の世界的データベース VIVC からトゥルソー・ノワールのページを開くと

Prime name  TROUSSEAU NOIR
Color of berry skin   NOIR
Variety number VIVC  12668
Country of origin of the variety  FRANCE
Species   VITIS VINIFERA LINNÉ SUBSP. VINIFERA
Pedigree as given by breeder/bibliography
Pedigree confirmed by markers  ? × SAVAGNIN = TRAMINER
Prime name of parent 1  ?
Prime name of parent 2  SAVAGNIN = TRAMINER
Parent - offspring relationship  YES

今の時点ではトゥルソー・ノワールの母親葡萄は不明だが父親は理論上存在すると考えられるサヴァニャン=トラミナーということになった。このように葡萄の戸籍謄本は往々にして書き換えられるわけだ。

親子関係を示す右の「YES」をクリックするとベキニョル・ノワールクルビュウ・ノワールが登場する。

その内ベキニョル・ノワールのパスポートデータは書き換えられていてこちらの通り

Prime name  BEQUIGNOL NOIR
Color of berry skin   NOIR
Variety number VIVC  1147
Country of origin of the variety  FRANCE
Species  VITIS VINIFERA LINNÉ SUBSP. VINIFERA
Pedigree as given by breeder/bibliography
Pedigree confirmed by markers  SAVAGNIN = TRAMINER × ?
Prime name of parent 1  SAVAGNIN = TRAMINER
Prime name of parent 2  ?
Parent - offspring relationship YES

ベキニョル・ノワールは父親が不明なままで母親がやはり同じ理論上存在すると考えられるサヴァニャン=トラミナーとなっている。

このように多くの葡萄の祖先としてサヴァニャン=トラミナーが次々と明らかになってきた。この先まだまだ新たな祖先が見つかっても全く不思議ではないと思う。

似たような名前のトゥレソは拙ブログのこちらにまとめている。
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Touriga nacional N



トゥリガ・ナシオナルと読むポルトガル原産の黒葡萄、拙ブログではこちらに書いた通りポルト酒の主要原料葡萄である。

Pl@nt Grape のサイトからこちらを見るとフランスでの栽培面積は2008年では1ヘクタール、以前のブログを見返すと2011年も1ヘクタール、ところが2016年ではなんと8倍の8ヘクタールと急増している。

それには理由があった。南仏で当該葡萄を栽培してワインを造っている生産者が居るのだ。

こちらがそのワイン、ヴァン・ド・フランスだがトゥリガ・ナシオナル100%で造られている。生産者はドメーヌ・ピエール・クロ、かなり評判良いらしく、このワインを取り上げているブログを見かけるようになった。一例はこちら

日本でもこの生産者のワインを輸入しているが肝心のトゥリガ・ナシオナルのワインは扱っていないらしい。こちらをご覧あれ。

この生産者がトゥリガ・ナシオナルを8ヘクタールも栽培しているとは思えないので恐らく近隣の農家も栽培し始めたのかも知れない。

トゥリガから始まる葡萄は全部で4つ存在するが白葡萄のトゥリガ・ブランカはトゥリガ・ナシオナルとは無縁の正式名称 Branco Gouvães という葡萄で、他の TOURIGA FEMEA はトゥリガ・ナシオナルと MALVASIA FINA の交配で生まれた葡萄、TOURIGA FRANCA は MARUFO と トゥリガ・ナシオナルとの交配で生まれた葡萄である。

トゥリガ・ナシオナルの特徴は紅葉すること、VIVC から画像を拝借して公開させて頂く。

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