ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Château de Pichon - Longueville Comtesses de Lalande 1959 AC Pauillac
久し振りに緊張した。恐らくパリ郊外にあったニコラのセラーに眠っていたはずのボトル、香港のレミー・二コラで何度か見た思い出がある。カプセルを外してもらったところでバトンタッチ、小生が抜栓を引き受けたのである。

こんな時役立つのは2ピースのティール・ブション Tire-Bouchon 、ザ・デュランドというちょっとお高い優れもの。スクリュー式オープナーとプロング式オープナーの合体したみたいな構造だ。

コツはブションの真ん中にコルクスクリューをねじ込むことに尽きる。次にプロング式の2つのブレードをボトルとコルクの隙間に差し込むわけだが、これが実に難しい。スクリューをねじ込む手応えはまさに「フニャフニャ」、これはヤバいと思ったが引き下がるわけにはいかないので慎重に作業を続ける。

2ピースを挿入して回転させてみるとうまく動いた。あとは回転させながら引き抜くのみ。

途中で折れることもなく、無事抜栓に成功。さすがは二コラの折り紙付きのボトルである。保存状態が良かったからこそうまく抜栓できたわけだ。
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Syrah N




シラーは近年栽培面積急増した黒葡萄であるが、2008年がピークで徐々に減少傾向に転じた模様である。画像を拝借しているサイトを見ると2008年フランスでは67,834ha 栽培されていた2016年は 65,592ha に減少した。

一方同じローヌの葡萄で急激にその栽培面積が増加しているのは白葡萄のヴィオニエである。こちらを見ると 2008年から2倍以上の 6,656ha (2016年)になった。北部ローヌのごく一部でしか栽培されていなかった葡萄のため希少価値があったのだが、ヴィオニエはローヌでというよりラングドックなどで大量栽培されており、ローヌを代表する2つの白葡萄マルサンヌ(2016年の栽培面積1,699ha)、ルーサンヌ(2016年の栽培面積 2,128ha)とは比較にならないほど栽培されているのが現状である。

さてシラーに話を戻そう。

拙ブログでは2011年3月11日にこちらで初めて紹介したはずだが、シラーとはモンドゥーズ・ブランシュとデュレーザの交配で生まれた黒葡萄である。当時のVIVCの情報ではデュレーザのスペルは DUREZA としかわからなかったのだが、文献とかネットなど調べると出てきたので一例を挙げる。こちらのウェブ魚拓からコメント欄の一部をコピーすると

La SYRAH est le cépage noble du nord de la vallée du Rhône. Il semblerait que son origine provienne d'un croisement naturel de la Mondeuse blanche avec le cépage Duréza originaire de l'Ardèche.

デュレーザは「Duréza」とアクサンテギュが付いている。書物ならそのまま継承されるがネットではしばしば抹殺されるので注意する必要がある。

このデュレーザがピノ・ノワールと関連があるように書いている書物あるいはネットの情報は今のところ根拠が無いと考えるべきである。

VIVC の最新情報はこちら、父親はデュレーザでそのデータはこちら、その「Parent - offspring relationship」の右横の「YES」をクリックすると現れるのはプリュヌラールである。

現在までに確認されているピノ・ノワールと親子関係が明らかになっている葡萄はフランス原産のサン・ローラン、ドイツで栽培されるため普通ザンクト・ラウレントと呼ばれる葡萄だけである。プリュヌラールは全くピノ・ノワールとは無関係の葡萄である。

つづく
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Sylvaner B




フランスでは Sylvaner シルヴァネールで通用するが本来はドイツ語表記の Silvaner Grün であるはず。VIVC は英語に変換しているため正式名称は SILVANER GRUEN を採用しているが、このままでは発音に困るはずだ。これらは2013年6月のブログにある程度纏めてみた。

重要なのはドイツ語ではジルヴァーナーと濁音で始まること。

VIVC の最新データはこちら2016年9月28日版と比べると若干だがシノニムの数が増えている。一部をコピーすると

Prime name SILVANER GRUEN
Color of berry skin   BLANC
Variety number VIVC 11805
Country of origin of the variety AUSTRIA
Species  VITIS VINIFERA LINNÉ SUBSP. VINIFERA
Pedigree as given by breeder/bibliography
Pedigree confirmed by markers TRAMINER × OESTERREICHISCH WEISS
Prime name of parent 1 SAVAGNIN = TRAMINER
Prime name of parent 2 OESTERREICHISCH WEISS

ジルヴァーナー・グリュンは母 SAVAGNIN = TRAMINER と父 OESTERREICHISCH WEISS ドイツ語表記 Österreichisch Weiß の交配で生まれた葡萄である。

しかし母親とされるサヴァニャン=トラミナーは現在のところ存在は確認はされていない、推定で存在すると考えられる葡萄であり実体は掴めていない。父親の Österreichisch Weiß ウストライヒッシュ・ヴァイスこちらで、母親はフランスで忌み嫌われた白葡萄グエ正式名称 ホイニッシュ・ヴァイスであることは判明しているが父親葡萄は不明のままである。

以前のブログでは父母が逆になっていたが現在は上記のように改められている。よくあることだが葡萄の戸籍謄本は頻繁に書き換えられる。

シルヴァネールが使えるワインのアペラシヨンについては以前のブログの続きをご覧あれ。アルザス・グラン・クリュの特例が試験問題にはピッタリかも。

いつも画像を拝借しているサイトから当該葡萄の2016年栽培面積は958ヘクタールとかなり減少している。人気は下り坂、それも急激な減り方である。
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Sultanine B




ドイツ語ではないので Forvo の発音は違うと思う。フランスのシノニムだからシュルタナンもしくはスルタニンだろうか? VIVCで正式名称としている SULTANINAForvo のこちらによると「スルターニナ」と聞こえるように思う。

VIVC 最新データはこちら2016年版と比較するとシノニムの数が減っている。現在シノニムの数は減ったと云っても 137 も登録されている。ということは栽培範囲は広範囲にわたるということにもつながる。

Sultan はトルコのことであり、Sultanina スルターニナは原産国トルコの白葡萄でワイン用、食用更には干しブドウの原料でもある。当該葡萄の栽培地は原産国トルコ以外ではヨーロッパならギリシャ程度で、広く栽培されているのは南米、南アフリカそしてオーストラリアとなっている。

フランス政府が公表するフランスで栽培される葡萄のサイトはこちら、説明文からヨーロッパ各国で栽培され各国の登録葡萄であるとのことだが、だからと云ってフランスも負けず劣らずフランスでも栽培しているとでも云いたいのだろうか? 他所の国が登録しているからフランスも登録したのだとしたらお粗末な話である。

例によってフランスでの2016年栽培面積はゼロである。近年フランス政府が新たに国家登録した葡萄のほとんどが2016年栽培面積ゼロというのは、担当責任者の認識が甘いということではないか?

さてトルコを代表する白葡萄スルターニナを検索する中こちらのサイトを発見、2018年3月29日の日付なのでそんなに古い話ではない。こちらによると世界で最も栽培面積が大きい葡萄は何と日本生まれの巨峰であるとしている。巨峰の栽培面積は 365,000 ヘクタールで、第2位はカベソーの 341,000 ヘクタール、そしてスルターニナは第3位の 273,000 ヘクタールの栽培面積を誇る人気の高い葡萄ということである。4位以下はサイトでご確認あれ。
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Sulima B





恐らくシュリーマと読むはずの白葡萄、Le catalogue des vignes cultivées en France 画像付きフランスで栽培される葡萄カタログでは次の説明がある

Cette variété (hybride interspécifique) a été obtenue en 1966 par l’INRA en croisant le Verdelet B (ou 9110 Seibel) et la Sultanine B.

今度こそはフランス原産葡萄だが1966年に国立農学研究所で ヴェルドゥレ もしくは セイベル 9110 とトルコ原産の シュルタナン の交雑により生まれた葡萄とある。

VIVC のデータはこちら、内容は上記の説明と同じだが父親 Sultanine B は正式名称 SULTANINA と表示されている。一応コピーすると

Prime name  SULIMA
Color of berry skin   BLANC
Variety number VIVC 13723
Country of origin of the variety FRANCE
Species  VITIS INTERSPECIFIC CROSSING
Pedigree as given by breeder/bibliography VERDELET × SULTANINE
Pedigree confirmed by markers
Prime name of parent 1  VERDELET
Prime name of parent 2  SULTANINA
Parent - offspring relationship
Offspring
Breeder INRA - UMR 1287 EGFV (Ecophysiologie et génomique fonctionelle de la vigne) ISVV (Institut scientifique de la vigne et du vin)
Breeder institute code FRA059
Breeder contact address I.N.R.A UMR 1287 EGFV (Ecophysiologie et génomique fonctionelle de la vigne) ISVV (Institut scientifique de la vigne et du vin)
Year of crossing 1966

フランス国立農学研究所の発表通りの親子関係が記載されているだけで遺伝子の解明はまだ進んでいない。

シュリーマのシノニムは

INRA BX 8375
SULIMA BLANCHE


再び元の画像のあるサイトに戻り栽培面積を確認すると、出た2016年栽培面積ゼロの食用葡萄である。栽培面積ゼロの葡萄をフランスでは「フランスで栽培される葡萄」と呼ぶらしい。
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