ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Nielluccio N




Nielluccio 我が国のワインの教科書では「ニエルキオ」と読むように書いてあります。しかしコルシカ島で栽培される葡萄なので現地の言葉つまりコルシカ語の発音を優先すべきと私は思います。以前のブログにも書きましたがリンク先が有料サイトになったのか直接アクセス不能なのでこちらをご覧下さい。Nielluccio の発音についてですが、コピーさせて頂くと

pronounced "nee-el-LOO-choo"

カタカナに置き換えると「ニー・エル・ルー・チョ」続けて読むので「ニーエルーチョ」が近いはずで決して「ニエルキオ」とは発音しないはずであります。しかしながら日本語のこちらのサイトでは後者を採用しています。サイトの日本語訳の担当者がそのように教わったのでしょうね。

本題です、ニーエルーチョはコルスでそう呼ばれる、即ちシノニムであり本来の名称は SANGIOVESE サンジョヴェーゼであります。

サンジョヴェーゼは交配により生まれた葡萄であり、ややこしいことに2つの説があります。VIVC2 のサイトからこちらをご覧下さい。現時点でサンジョヴェーゼの父母であろうと思われる葡萄について次の2つが提示されています。

Prime name of pedigree parent 1: FRAPPATO DI VITTORIA N
Prime name of pedigree parent 2: FOGLIA TONDA N

そして

Prime name of pedigree parent 1: GAGLIOPPO N
Prime name of pedigree parent 2: FOGLIA TONDA N

1つ目はフラッパート・ディ・ヴィットリアが母、フォーリア・トンダが父という説。もう一つはガリオッポが母でフォーリア・トンダが父であるという説。いずれにも共通するのは父親がフォーリア・トンダであること。詳しくは拙ブログのこちらをご覧下さいませ。

ガリオッポについてはこちらの通りであり、サンジョヴェーゼの母とするには聊か矛盾が生じます。

フランスのワイン法にこの葡萄が載っているのはコルシカ島のワインだけであり AOC アジャクシオ、AOC パトリモニオそして AOC コルスもしくはヴァン・ド・コルスに限られます。

コルスの葡萄だからでしょうか、こちらのサイトは葡萄の名前そのものを誤表記しています。IGP も含むとこちらの通りと相成ります。
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ワイン大学第383回定例会@上本町7 レストラン・コーイン











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Négrette N




ネグレットという黒葡萄、南西地方の葡萄に詳しい IFV のサイトから画像を拝借しました。

ネグレットのパスポートデータですが旧 VIVC はこちら、新しい VIVC2 はこちらをご覧下さい。シノニムが1つ増えただけではなく親子関係について分かったのはプリュヌラールとの関係であります。現時点ではどちらが祖先でどちらが子孫かは判明していませんが、恐らくプリュヌラールが先祖である可能性が高いと私は思います。

プリュヌラールはボルドーやロワールで使われる、またカオールの主要葡萄であるコットの父親(母親はマグドレーヌ・ノワール・デ・シャラント)であります。

さてネグレットは南西地方のアペラシヨン・フロントンでの主要葡萄であります。ガロンヌ川流域のアペラシヨンで地図はこちら。タルヌ・エ・ガロンヌ県とオート・ガロンヌ県の県境周辺で東をタルヌ川、西をガロンヌ川に囲まれた地域がその範囲であります。

アペラシヨン・フロントンの葡萄規定は

Encépagement
Les vins sont issus des cépages suivants :
- cépage principal: négrette N;
- cépages accessoires: cabernet franc N, cabernet-sauvignon N, cinsaut N, cot N, fer N, gamay N, mérille N, syrah N.

主要葡萄は当該葡萄ネグレット。補助葡萄はカベルネ・フラン、カベソー、サンソー、コット、フェール、ガメイ・ノワール、メリルそしてシラー。

2°- Règles de proportion à l’exploitation
- La proportion du cépage négrette N est supérieure ou égale à 50% de l’encépagement.
- La proportion du cépage syrah N est inférieure ou égale à 40% de l’encépagement.
- La proportion du cépage cot N est inférieure ou égale à 25% de l’encépagement.
- La proportion du cépage fer N est inférieure ou égale à 25% de l’encépagement.
- La proportion des cépages cabernet franc N et de cabernet-sauvignon N, ensembles ou séparément, est inférieure ou égale à 25% de l’encépagement.
- La proportion du cépage gamay N est inférieure ou égale à 15% de l’encépagement.
- La proportion des cépages cinsaut N et mérille N, ensembles ou séparément, est inférieure ou égale à 5% de l’encépagement.

栽培規定で

ネグレットは50%以上
シラーは40%以下。
コットは25%以下。
フェールも25%以下。
カベルネ・フランはカベルネ・ソーヴィニョンと併せてもしくは単体で25%以下。
ガメイ・ノワールは15%以下。
サンソーとメリルは併せてもしくは単体で5%以下との規定です。

要するに補助葡萄はブレンドする場合許容範囲にそれぞれ制限が設けられ、その範囲を超えてはならないとありますが主要葡萄ネグレットだけでワインを造っても問題ないということです。

またロワールのアペラシヨン・フィエフ・ヴァンデアンでも使われています。この葡萄規定が実にややこしいので困ったものです。

Vins rouges:
«Brem», «Chantonnay», «Mareuil», « Pissotte », «Vix»:
-cépages principaux: Cabernet Franc N, Négrette N, Pinot noir N;
cépages accessoires: Cabernet Sauvignon N, Gamay N.

フィエフ・ヴァンデアンのブレム、シャントネ、マルイユ、ピソット、ヴィクスを伴う赤ワイン主要葡萄はカベルネ・フラン、当該葡萄ネグレットそしてピノ・ノワール。補助葡萄はカベソーとガメイ・ノワール。

Vins rosés:
«Brem»:
cépages principaux: Gamay N, Pinot noir N;
cépages accessoires: Cabernet Franc N, Cabernet Sauvignon N, Grolleau gris G, Négrette N;

フィエフ・ヴァンデアンのブレムを伴うロゼの主要葡萄はガメイ・ノワールとピノ・ノワールで補助葡萄はカベルネ・フラン、カベソー、グロロー・グリそしてネグレット

«Chantonnay», «Mareuil», «Pissotte», «Vix»:
cépages principaux: Gamay N, Pinot noir N ;
cépages accessoires : Cabernet Franc N, Cabernet Sauvignon N, Négrette N.

同じロゼでもシャントネ、マルイユ、ピソット、ヴィクスを伴うものは主要葡萄ガメイ・ノワール、ピノ・ノワールは同じですが補助葡萄はカベルネ・フラン、カベソーそしてネグレットだけでグロロー・グリは使えない。

栽培規定並びにブレンドについて

Vins rouges:
«Brem», «Pissotte»:
La proportion du cépage Pinot noir N est supérieure ou égale à 50%;
La proportion du cépage Cabernet Franc N est supérieure ou égale à 20% ;
La proportion du cépage Négrette N est supérieure ou égale à 10%

«Chantonnay», «Mareuil», «Vix»:
La proportion du cépage Cabernet Franc N est supérieure ou égale à 50%;
La proportion du cépage Pinot noir N est supérieure ou égale à 20% ;
La proportion du cépage Négrette N est supérieure ou égale à 10%.

Vins rosés:
«Brem», «Chantonnay»:
La proportion des cépages principaux est supérieure ou égale à 80%;
La proportion du cépage Pinot noir N est supérieure ou égale à 50% ;
La proportion du cépage Gamay N est supérieure ou égale à 20%.

«Mareuil», «Pissotte», «Vix»:
La proportion des cépages principaux est supérieure ou égale à 80%;
La proportion du cépage Gamay N est supérieure ou égale à 50% ;
La proportion du cépage Pinot noir N est supérieure ou égale à 30%.

これらの規定は拙ブログのこちらこちらをご覧下さい。

おっとこちらのサイトでは珍しくアペラシヨン以外の IGP ラヴィルデューを主要葡萄として使えるとしていますが、それなら他の IGP も盛り込む必要があるのではないかと思います。まあ実際とは異なりますが法令上葡萄規定にその名があるのはこちらのサイトをご覧下さい。

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Negret de Banhar N




ネグレ・ド・バナール、拙ブログではこちらで取り上げましたが、昔はバナールの付かない、スペルも発音も異なる Negrette ネグレットという葡萄だけがフランス・ワイン法令の葡萄規定にありました。つまりネグレ・ド・バナールはネグレットと間違われたまま法令文言に採用されていたのであります。

この件は以前のブログにまとめてありますので是非ともご覧頂きたいと思います。アペラシヨン・エスタンの前身 Vins d Estaing AOVDQS とアペラシヨン・アントレーグ・ル・フェルの前身 Vins d Entraygues et du Fel AOVDQS では本来ネグレ・ド・バナールとすべきところをネグレットと記載していたのです。もちろんこれはネグレットと思われていた葡萄が遺伝子検査により別の葡萄と判明したので葡萄の名称を変更せざるを得なくなったからであります。

念のため旧法の葡萄規定をコピーさせて頂きます。

Vins d Estaing
AOVDQS
Décret du 5 Avril 1994
Arrêté du 8 Novembre 1994

II. – Encépagement
Vins rouges et rosés : Fer-Servadou, Gamay noir à jus blanc, Abouriou (gamay Saint-Laurent), Jurançon noir, Merlot noir, Cabernet Franc, Cabernet-Sauvignon, Mouyssagues, Négrette, Pinot noir, Duras, Castet.

Vins blancs : Chenin, Roussellou, Mauzac.

当該葡萄とは関係ありませんが白ワインの葡萄規定にある「Roussellou」はサン・ピエール・ドレのシノニムであり、アペラシヨン・エスタンに改変されてからの葡萄規定にある「サン・コム」は現行法最低の間違いであります。こちらをご覧下さい。

Vins d Entraygues et du Fel
AOVDQS
Décret du 5 Avril 1994
Arrêté du 8 Novembre 1994

II. – Encépagement
Vins rouges et rosés : Cabernet franc, Cabernet-Sauvignon, Fer, Gamay noir à jus blanc, Jurançon noir, Merlot noir, Mouyssagues, Négrette et Pinot noir.

Vins blancs : Chenin et Mauzac.


さてネグレ・ド・バナールで新しく判明したのは当該葡萄の親子関係です。

VIVC2 のパスポートデータはこちら、以前のデータは残っていませんが親子関係の記載はありませんでした。最近になってネグレ・ド・バナールはフェールとマンサン・ノワールの交配で生まれた葡萄だと判明した訳です。親子関係をコピーさせて頂くと

Pedigree confirmed by markers  FER × MANSENG NOIR
Prime name of parent 1  FER
Prime name of parent 2  MANSENG NOIR

コンファームド・バイ・マーカーズとあるので遺伝子の解析結果としてネグレ・ド・バナールはフェールを母、マンサン・ノワールを父として生まれた葡萄であります。

ネグレ・ド・バナールが使えるフランスのアペラシヨンは上記の通りエスタンとアントレーグ・ル・フェルだけですがいずれも補助葡萄としての規定であり残念ながら使わなくてもよいという扱いでしかありません。

IGP の葡萄規定でネグレ・ド・バナールが載っているのはこちらをご覧下さい。
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Nebbiolo N




ネッビオーロはバローロやバルバレスコでお馴染みのよく知られたイタリア・ピエモンテを代表する黒葡萄であります。拙ブログではこちらで取り上げました。4年前のブログですが当時取り上げた Vin de Pays de l'Herault ヴァン・ド・ペイ・ド・レローの Mas de Daumas Gassac マス・ド・ドーマス・ガサックの創業者 Aimé Guibert エメ・ギベール氏は 2016年 5月半ばに 91歳で亡くなられたとのことです。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

香港で初めて開催されたヴィネスポでお会いしたのが最期となってしまいました。

さて以前のブログはリンク切れ多発していますので改めてリンクを張りますが、このマス・ド・ドーマス・ガサックで当該葡萄が栽培されていたのは間違いなくこちらにその記述が残っています。

しかし現行法 PAYS D’HÉRAULT I.G.P. (Vin de Pays)ペイ・デロー IGP の葡萄規定にネッビオーロは含まれていないためグラン・ヴァン(マス・ド・ドーマス・ガサック)にはブレンドすることが出来ません。従ってもし当該葡萄がワインに使われているとするならヴァン・ド・フランス格のワインにブレンドされているはずです。フランス政府は当該葡萄を登録してはいますが、フランスすべての IGP の葡萄規定にその名は存在しません。

VIVC2 のパスポートデータはこちら、シノニムは 90 ありますがフランス語っぽいシノニムは存在しないように思います。

葡萄の画像ですがいつも拝借しているこちらのような小さな房ではないように思うのでワインサーチャーのこちらから拝借しました。葉の画像はいつも通りです。

イタリアではフランス原産の葡萄、例えばカベソーとかメルロー・ノワールを盛んに栽培し、いつの間にかイタリアワイン法にも盛り込まれていますが、イタリア原産の葡萄をフランスへ移植してフランス国内で栽培される事例はコルスを除いて殆ど無いというのが現状だと思います。

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