ワインとピアノのある部屋

八戸ノ里南を西へ入った自転車店のつぶやき

Liliorilla B




リリオリラという名前の白葡萄、名前の由来などは拙ブログのこちらで紹介し、リリオリラを使ったワインについてはこちらで取り上げた。約4年前のことで現在はリンク切れなどしているため新たに書き直すことにした。

まずこの葡萄の生い立ちははっきりしており、1956年ボルドーの INRA Institut National de la Recherche Agronomique 国立農学研究所に於いて、バロックを母、シャルドネ・ブランを父として人工交配により生まれた白葡萄である。遺伝子解析結果も同じなので親子関係を覆されることはないはず。

尚、同じ交配で他に生まれた葡萄は存在しないし、また父母が逆の場合も無い。

VIVC2 のパスポートデータはこちら、シノニムは存在しないとの見解だが「la fleur de mai」ラ・フルール・ド・メが将来追加されると予想する。

この葡萄をブレンドしたワインは2つ、こちらに載っているがいずれも IGP Comté Tolosan コンテ・トロザンであるとしている。しかしながらコンテ・トロザンの白ワイン用葡萄規定は以前のブログに示した通りリリオリラの名前は無い、ということは使うと IGP コンテ・トロザンは名乗れないはず。

しかし堂々とネットに乗せていると云うことは INAO のお咎め無しと云うことなのか?

これらとは別にリリオリラ 100% で造られた白ワインがある。こちらの2つのワインの内の白ワイン、Cuvée Bertrand de Gourdon blanc がそのワインである。パスリヤージュするとあるので当然ながら甘口ワインだ。

このワインはアシェットによると生産量は 500cc ボトルで 4,000本、IGP コンテ・トロザンではなく IGP Côtes du Lot ということである。前回述べた通りIGP コート・デュ・ロットの白ワイン葡萄規定に当該葡萄がある。価格は単品ではBlanc : 12€50、6本ケースだと70€00 。フランス旅行に出かけるならこういったワインを探すというのは如何だろうか。

グルドンというコミューン、ワインの産地ではカオールから北へ 40km 程の場所で、グルドンから西へ90km 程にはベルジュラックがある。ボルドーやブルゴーニュを旅しても新しい発見など期待出来るものではないが、無名な産地に行くと地元ならではのお宝ワインを発見出来るかも知れない。
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Léon Millot N




レオン・ミヨという黒葡萄、拙ブログでは 2013年 1月 27日にこちらで紹介した。4年近く前のことなのでこの葡萄に限らず多くの葡萄のデータは書き換えられていて当然なのかも知れない。

葡萄の遺伝子解明によりその親子関係が云々されるようになったのは1990年代後半のことである。始まったばかりと云っても過言ではない。

現在のところレオン・ミヨの交雑の状況などについては次の通りである。コピーすると

Prime name  LEON MILLOT
Color of berry skin  NOIR
Variety number VIVC  6806
Country of origin of the variety  FRANCE
Species  INTERSPECIFIC CROSSING
Pedigree as given by breeder/bibliography  M.G. 101-14 O.P. × GOLDRIESLING
Pedigree confirmed by markers
Prime name of parent 1  MILLARDET ET GRASSET 101- 14 O.P.
Prime name of parent 2  GOLDRIESLING
Parent - offspring relationship
Breeder  Kuhlmann, Eugène
Breeder institute code
Breeder contact address  Private breeder
Year of crossing  1886

本来の名前(正式名称) レオン・ミヨ
果皮の色 黒
VIVC の分類に於ける整理番号 6806
原産国 フランス
種 種間交雑種
生産者発表の交雑に関する親子関係 M.G. 101-14 O.P. × GOLDRIESLING
遺伝子解析の結果 不明
(生産者発表の)母親  MILLARDET ET GRASSET 101- 14 O.P.
(生産者発表の)父親  ゴールドリースリング
親子関係について 不明
生産者 ウジェーヌ・クールマン
生産者学会コード 不明
生産者連絡先 個人の生産者
交雑の年 1886年

4年ほど前とは交雑の年とか食い違っている。というのも親子関係が全く同一の兄弟葡萄が3つも存在したのがその理由のはず。

また肝心なことは母親葡萄のリンク先が無いと云うこと。即ち名前は公表するものの裏付けは無いとの見解である。

さらにややこしいことに、類似する葡萄に次に示すものがあるのだ。よく似た名前だが末尾の「O.P.」は付いていない。

類似するのは、MILLARDET ET GRASSET 101- 14 というフランス原産の黒葡萄だが、葡萄を収穫する目的で栽培されるのではなくあくまで台木として育てられる種間交雑種である。

一方、父親のゴールドリースリングにはリンク先が存在するし、拙ブログでもこちらで取り上げた。

さてレオン・ミヨの兄弟葡萄について紹介すると、先ずは LUCIE KUHLMANN という黒葡萄で生産者も同じ、VIVC2 のパスポートデータはこちら、レオン・ミヨは開発に協力した苗木屋の主人の名前だからルーシーは恐らく開発者の母親若しくは妻であると推測する。

もう一つの兄弟はMARECHAL FOCH マレシャル・フォッシュ、VIVC2 のパスポートデータはこちら、これがカナダで栽培されている訳でレオン・ミヨと間違えられていた過去を持つのであろう。

さてレオン・ミヨの系図を示すサイトがある。コピーすると



おやおや、同じ系図を持つ6つの葡萄が出来たようになっているがエトワールⅠエトワールⅡそして Pinard ピナール、マレシャル・ジョフルは次の交雑による葡萄である。

Species  INTERSPECIFIC CROSSING
Pedigree as given by breeder/bibliography  MG 101-14 S.P. × GOLDRIESLING
Pedigree confirmed by markers
Prime name of parent 1  MILLARDET ET GRASSET 101- 14
Prime name of parent 2  GOLDRIESLING

これら4つの葡萄は、母親が微妙に異なる訳で兄弟ではないことが判明している。尚、この系図にマレシャル・フォッシュの名前は無い。とにかく昔の人はこういった交雑により無限と思われるほどの葡萄を造り出したのである。

さてレオン・ミヨのシノニムは4つで

194- 2 KUHLMANN
FRUEHE SCHWARZE
KUHLMANN 194- 2
MILLOT

ちなみに KUHLMANN と名の付く交雑葡萄は36も存在する。

最後になってしまったがこの葡萄が使えるフランスの IGP はローヌ地方の2つだけである。IGP Drôme ドロームIGP Coteaux des Baronnies コトー・デ・バロニー。アルザスで開発されながら遠く離れたローヌで生き残っている訳で 2011年現在フランス全土での栽培面積は 78ha である。

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Len de l'El B




ラン・ド・レルと読む白葡萄。これはアペラシヨン・ガイヤックならびにアペラシヨン・ガイヤック・プルミエール・コートという2つのアペラシヨンだけに使われる葡萄で、他のアペラシヨンのワインには使えない。

しかし例外があり、ガイヤックの一部の白ワインは当該葡萄を使うことは出来ない

詳しくは拙ブログのこちらで述べたが、アペラシヨン・ガイヤックの生産物(produit)は次の10種。

1. Gaillac blanc ガイヤック・ブラン
2. Gaillac blanc primeur ガイヤック・ブラン・プリムール
3. Gaillac doux ガイヤック・ドゥー(白甘)
4. Gaillac méthode ancestrale ガイヤック・メトード・アンセストラル(古式製法泡)
5. Gaillac méthode ancestrale doux ガイヤック・メトード・アンセストラル・ドゥー(古式製法甘泡)
6. Gaillac mousseux ガイヤック・ムスー(瓶内第2次醗酵による製法の泡)
7. Gaillac rosé ガイヤック・ロゼ
8. Gaillac rouge ガイヤック・赤
9. Gaillac rouge primeur ガイヤック・赤・プリムール
10. Gaillac vendanges tardives ガイヤック・ヴァンダンジュ・タルディヴ(遅摘・白甘)

ラン・ド・レルを使えないガイヤックの白ワインとは次の2つである。

4. Gaillac méthode ancestrale ガイヤック・メトード・アンセストラル(古式製法泡)
5. Gaillac méthode ancestrale doux  ガイヤック・メトード・アンセストラル・ドゥー(古式製法甘泡)

理由は以前のブログから次の通り

d) - Les vins mousseux susceptibles de bénéficier de la mention « méthode ancestrale » sont issus des cépages mauzac B et mauzac rose Rs.

メトード・アンセストラル古式製法で造られる発泡性ワインはモーザックモーザック・ロゼの2種類だけ。

4. 5. がこれに該当。

ではラン・ド・レルを主要葡萄とするガイヤックの白ワインは纏めてみると次の通り。

1°- Encépagement
a) - Les vins blancs tranquilles et les vins mousseux blancs sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : len de l’el B, mauzac B, mauzac rose Rs, muscadelle B ;
- cépages accessoires : ondenc B, sauvignon B.

スティルワインの白、瓶内第2次醗酵を行う発泡性の白ワインに使われる葡萄は

主要葡萄:ラン・ド・レル、モーザック、モーザック・ロゼ、ミュスカデル
補助葡萄:オンダンク、ソーヴィニョン・ブラン

上の1. 2. 3. 6. がこれに該当。

さらに

e) – Les vins susceptibles de bénéficier de la mention « vendanges tardives » sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : len de l’el B, ondenc B ;
- cépages accessoires : mauzac B, mauzac rose Rs, muscadelle B.

ヴァンダンジュ・タルディヴ製法で造られるワインには

主要葡萄:ラン・ド・レル、オンダンク
補助葡萄:モーザック、モーザック・ロゼ、ミュスカデル

最後の10. がこれに該当。

そしてアペラシヨン・ガイヤック・プルミエール・コートはガイヤックの神髄とも云えるワインで白ワインに限られたアペラシヨンである。タルヌ川の右岸の 11 のコミューンに葡萄畑は限られる。

葡萄規定は次の通り。

Les vins sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : len de l’El B, mauzac B, mauzac rose Rs, muscadelle B ;
- cépages accessoires : ondenc B, sauvignon B.

b) - La proportion de l’ensemble des cépages principaux est supérieure ou égale à 50 % de l’encépagement.

アペラシヨン・ガイヤック・プルミエール・コートの主要葡萄はラン・ド・レル、モーザック、モーザック・ロゼ、ミュスカデルで補助葡萄としてオンダンク、ソーヴィニョン・ブラン。主要葡萄の栽培比率は 50% 以上。

さてラン・ド・レルを使うことの出来るワイン、IGP も含めてこちらに一覧がある。上記の通りアペラシヨンとしては2つで、プロデュイではガイヤック関連が5つ、ガイヤック・プルミエール・コートが1つなので6つ表記されているのが確認出来る。

その中で余り見掛けないのが IGP Côtes du Tarn Blanc Surmûri 。これは欧州共同体に於けるワインラベル表示規制の改革により生まれたカテゴリーであり、Vin de raisin surmûri 日本語に置き換えると過熟葡萄原料ワインのことである。

アペラシヨン・ガイヤックでの注意点は赤・ロゼと白ワインの範囲が異なること、アペラシヨン・ガイヤック・プルミエール・コートは白ワインに限られること、またその範囲はアペラシヨン・ガイヤックの白ワインの範囲内のタルヌ川右岸の11コミューンに限られると云うこと。そして主たる葡萄は当該葡萄ラン・ド・レルであるということ。

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レディス・コースとちゃいます、オッサン・コース@HARAKAWA
箕面から近畿自動車道、阪和自動車道と乗り継ぎ泉北ニュータウン光明池まで凡そ1時間ちょっとのドライヴ、開店30分前の到着である。

しばらくするとオーナーシェフが買い物からお帰りだ。次から次へと新鮮な魚介類が店に運び込まれる。

オーナー自ら買い付けに行くのは当然のことと云えば当然だが毎日実践するのはそう容易いものではない。昔は中央市場まで買い物に出かけたが、今ではブローカーや仲買人に任せている料理人を数多く知っているからだ。

定刻前に「どうぞお入り下さい」と声が掛かる。定刻になるまで店の扉にカギを掛けるような店とは大違いだ。

カウンターの端に陣取り、レディス・コースならぬ「オッサン・コース」をお願いした。


まずは高知産の鰹、さっと表面を炙って山椒ソースで頂く。


前菜盛り合わせ。変わったところは黒豆、公魚の唐揚げ、蛸と数の子の紹興酒漬けだろうか、出色はガラスの器に入った生クラゲと蒸し鶏葱ソース。どれを食べても手抜きは感じない。


メインの食材が隠れているが・・・


ご覧の通り馬刀貝と蓮根の味噌炒め。この馬刀貝が頗る旨いのだ。とにかく身が詰まっているというか貝殻より遙かに大きい。コリコリした食感に貝の旨味が凝縮され、スナップエンドウや蓮根など野菜類も豊富なのでバランス良い一皿に仕上がっている。


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Lauzet B




ローゼという白葡萄、INRA によるとフランスはアキテーヌ地域圏原産とのこと。アキテーヌ地域圏というとボルドー全域も含む非常に広い地域であり、現在はヌーヴェル・アキテーヌ地域圏となっており、さらに範囲が広がっているので INRA の説は余りにもアバウト過ぎるように思う。レ・セパージュのサイトではピレネーのそれもベアルヌと特定しており pl@nt Grape のサイトもピレネー原産としている。

南西地方のワインに詳しいこちらのサイト によるとやはり起源はピレネーのベアルヌと具体例を挙げて説明がある。オック語のスレート若しくは平たい屋根用の石を意味する「Lauze」から生まれた言葉で、Lauze はベアルヌ地区の家の瓦として使われていたとのこと。

以前のブログに書いたがこのローゼが日本で初めて取り沙汰されたのは、マルゴーの格付けシャトー・パルメが白ワインを復活させて話題になったときである。日本向けのお披露目に於いて、パルメの広報担当者が間違った説明をしたため「Loset」なる葡萄名がネット上を徘徊した訳だ。

しかし海外のサイトを見ると白ワイン用葡萄の調達先まで網羅しており、やはり文化の差を感じてしまう。尤も「Massal Selection」は正しくは綴られていないから全ては鵜呑み出来ない。

さてそのシャトー・パルメのサイトだが現在私が指摘した部分は削除され、新しくこちらのページが開設されている。一文をコピーさせて頂くと

Dans les années 2000, des pieds de muscadelle, de sauvignon gris et de lauzet sont replantés.

即ち「2000年代初頭にミュスカデル、ソーヴィニョン・グリそして『lauzet』に植え替えられた」とある。ここではスペルに間違いは無い。

しかしこちらではやはり間違ったまま訂正されていない。コピーさせて頂くと

In the early XXth Century, it was customary for the great châteaux of the Médoc to produce a few barrels of white wine, reserved for the private consumption of their owners.

At the end of the 1990’s, two bottles of Château Palmer Blanc 1925 were discovered by chance deep in the cellars of the Château. A few years later, it was decided to plant a few vines of old Bordeaux varieties, including Muscadelle, Sauvignon Gris and Loset to renew with this tradition.

The first bottling was made in 2007, allowing the owners and guests at the Château to enjoy the white wine of Château Palmer ever since.

Grapes

Loset
Muscadelle
Sauvignon Gris

ご丁寧に「Loset」は繰り返し印字されている。フランス語のサイトも同様である。本文では改められたが末端まで目が行き届かないのだろう。日本語のサイトもあった。コピーすると

「2000年代に入ると、この伝統を受け継ぐため、当畑では忘れさられていた白ワイン品種のミュスカデル、ソーヴィニヨン・グリ、ロゼ(Loset)の樹が何本か植えられました」

わざわざローマ字表記しているのが笑える

マルゴーは赤ワインのアペラシヨンだからこの地で白ワインを造ると辛口なら普通はアペラシヨン・ボルドーを名乗れるのだが、アペラシヨン・ボルドーの白ワイン葡萄規定に Lauzet は存在しない。従ってヴァン・ド・フランス、昔で云うヴァン・ド・ターブルしか名乗れない訳だ。

ローゼはアペラシヨン・ジュランソンなどで使うことが出来、近年その栽培面積は増えつつあるのが現状である。詳しくは拙ブログのこちら
こちらをご覧頂きたい。結論を云うとベアルヌとジュランソン、2つのアペラシヨンの葡萄規定にその名があるが両方とも補助葡萄としての存在だから積極的には栽培されていなかった訳だ。

パルメの白ワインが評価されるとこのローゼが流行る可能性もあるが・・・

VIVC2 のパスポートデータはこちら、親子関係にオンダンクブルブランクの名があるので双方の関係がこれから解明されるであろう。

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