ワインとピアノのある部屋

八戸ノ里南を西へ入った自転車店のつぶやき

Jurançon Blanc B




ジュランソン・ブランという名前の白葡萄、フランス南西地方のアペラシヨン・ジュランソンと同名だが、そのアペラシヨンの白ワインの主要葡萄はグロ・マンサン(マンサン・グロ・ブラン)、プティ・マンサン(マンサン・プティ・ブラン)であり当該葡萄は使うことは出来ない

さて最新のデータはこちら

Pedigree confirmed by markers FOLLE BLANCHE × PRUERAS
Prime name of parent 1 FOLLE BLANCHE
Prime name of parent 2 PRUERAS

ジュランソン・ブランはフォル・ブランシュ を母、プルュエラスを父として生まれた交配種であることが判明した。プルュエラスに関する資料は殆どネット上にはないが Réseau Français des Conservatoires de Vigne からこちらの詳細を見ると原産国はフランス、シャラント県が原産地の白葡萄とのこと。

尚、従来グエ・ブランの子孫とされていた母親のフォル・ブランシュは現在親子関係の欄はブランク、即ち不明と云うことになっていてグエ・ブランの子孫である可能性は低くなった模様。

拙ブログでは2013年1月にこちらで取り上げた。ジュランソン・ブランの用途については以前のブログを参照されたし。

以下は私の推測だが、1958年当時は広く栽培されたものの葡萄の房が小さく収量を望めなかったことやベト病に弱いことから次第に他の葡萄に植え替えられたはずだ。

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AOC シャンパーニュに使用出来る葡萄
古い話だが AOC シャンパーニュの葡萄規定で具体的な葡萄の名前が登場したのは 1919年のことである。日本語のこちらのサイトにもあるがどの文言かというとリンク先から第17条の第 3項の最後の2行(太字)である。

La Champagne viticole comprend exclusivement :

1° Les territoires définis au décret du 17 décembre 1908 ;

2° Les communes de l'ancienne province de Champagne et de l'ancien comté de Bar-sur-Seine, non comprises audit décret, mais pour lesquelles l'appellation " champagne " a été revendiquée dans une ou plusieurs déclarations de récoltes faites de 1919 à 1924 inclusivement, selon les modalités prescrites à l'article 11 de la présente loi;

3° Les communes du Cunfin, Trannes et Précy-Saint-Martin (Aube).

Dans ces territoires et communes, seuls les terrains actuellement plantés en vignes ou qui y ont été consacrés avant l'invasion phylloxérique, peuvent conférer à leurs vins le droit à l'appellation " champagne ".

Les seuls raisins propres à la champagnisation sont ceux qui proviennent des cépages suivants :
les diverses variétés de pinot, l'arbanne, le petit meslier.


「シャンパーニュに使用できるブドウは次の品種とする:様々なピノの類とラルバンヌ、プティ・メリエ」。この文言で重要なのはシャルドネという文言がないことである。つまりピノの類であれば何でも使って良いとの法令であるから。当時ピノ・シャルドネと呼ばれていた白葡萄であるシャルドネは何の問題もなく使えたと云うことである。

この「様々なピノの類」の中にはガメイ・ノワールも含まれていたのだろうか?

ガメイ・ノワールが公にその存在を確認されたのは 1395年とのこと。しかし当時はガメイはピノの類とは分類されていなかった

あろうことか、ランスやエペルネから遠く離れたオーブ県がシャンパーニュを名乗ることが出来るようになったた1919年からシャンパーニュ・セパージュ・ガメイは存在した模様だ。オーブといえばすぐ近くはブルゴーニュなので、当時ブルゴーニュで広く栽培されていたガメイがオーブで栽培されていても全く不思議な話ではなかった。曖昧な法令の葡萄規定だったため、ガメイを混入させたのはオーブの農民たちである。

ところがガメイを混入することで風味が変わってしまうことに気付いた INAO は1927年の法令で18年間の猶予を持たせてガメイ・ノワールを栽培出来ないようにした。即ち1945年までにガメイ・ノワールは引き抜かねばならなかった訳だ。

しかしながら第2次世界大戦のためオーブではそのままガメイが栽培され続けたのである。そのため INAO は1949年5月20日の政令でオーブ県でのガメイ栽培期限の延長を1952年7月27日と定めた

ところが、それ以降もガメイ・ノワールを使ってシャンパーニュ造りをしていた輩が居た。

こちらがそのシャンパーニュである。ヴィンテージが 1959年にも拘わらずガメイ入りのシャンパーニュが売られていた訳である。デゴルジュマンは2013年5月と明記されているので明らかに違法シャンパーニュではないか。

ここでシャンパーニュに使うことの出来る葡萄について纏めてみよう。

1919年の法令では当時ピノの類と分類された葡萄は何でも使えた訳で当時の法令の文言に登場していた Pinot Noirien ピノ・ノワリアン、Pinot Beurotピノ・ブーロ、Pinot Liébault ピノ・リエボー、Pinot Meunier ピノ・ムニエ、Pinot Chardonnay ピノ・シャルドネ、Pinot Blanc ピノ・ブランなど、そして Arbanne アルバンヌ(当時はシノニムでの表記。正式名称 Arbane アルバン若しくはアルバーヌ)とプティ・メリエ。

1978年 1月 17日の政令では次のように変わった。

Encépagement :
chardonnay (blanc), pinot noir et pinot meunier (noirs).
Sur des superficies très confidentielles : pinot blanc vrai (forme blanche du pinot noir), arbane (blanc) et petit meslier (blanc).

旧法ではシャルドネ、ピノ・ノワールとピノムニエ、ピノ・ブラン・ヴレ(ピノ・ブランのシノニムの一つ)、アルバンそしてプティ・メリエとなっていた。

現行法は

2010年 11月 22日の政令

1° Encépagement :
Les vins sont issus exclusivement des cépages arbane B, chardonnay B, meunier N, petit meslier B, pinot blanc B, pinot gris G et pinot noir N.

2° Règles de proportion à l'exploitation :
Pas de disposition particulière.

即ち使用出来る品種名はアルバン、シャルドネ、ムニエ、プティ・メリエ、ピノ・ブラン、ピノ・グリそしてピノ・ノワール。

今の状況から考えるとピノ・ブーロはピノ・グリのシノニムであった訳で、案外まともだったのかも知れない。

日本語のサイトに出てくるピノ・ロゼなど当時の法令文言には一切出てこない。PINOT PRECOCE NOIR はフランス原産の葡萄であるがPINOT PLANT DE JUILLET というシノニムは存在するが Pinot de juillet というシノニムは存在しない。この正式名称ピノ・プレコス・ノワールはシャンパーニュ地方で栽培された記録は見掛けないがドイツではそこそこの栽培事実が確認される。

古代品種と主張する「ブラン・ヴレ」なる葡萄は前述の違法シャンパーニュの生産者が勝手に呼んでいるだけでピノ・ブランのことに間違いない。

ガメイは西暦 1999年になって初めてピノとグエの交配種だったことが判明したのだからそれ以前はピノの類とは分類されていなかった訳である。私がオーブ県の泡をシャンパーニュと見ない理由の一つである。

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Espice 神戸中山手通 NHK 下がる

つい先日オープンしたばかりのフレンチ。モダンな外観だがロケーションは繁華街から少し外れたところ。


「はじまり」と題されたアミューズ・ブーシュはムール貝に見立てた、貝殻はイカスミのチュイールで身は本物ムール貝のタルタルに海草のジュレ。小石の中にももう一つだけ食べられる石ころ(竹炭のシュー)がある。


焼きたての甘くないローズマリーとオニオンのフィナンシェ。


そして葉巻みたいな林檎で出来た筒状のチュイールにブーダン・ノワールのムースと林檎のジュレ。


4種類が揃うとこんな感じ。


次は「かに 青りんご セロリ」。薄い大根の桂剥きとレタスで巻いた蟹の身にセロリやアヴォカドのディップ。蟹味噌とライムのムースに螺旋状の牛蒡、ムースの下には大根の角切りが敷かれる。抹茶パウダーを使うなど面白みタップリだが実に旨い。


テーブルの下には引き出しが。


バゲットは和田岬に工房を構えるメゾン・ド・ムラタのもの。添えられるのはバターに水分を飛ばしたヨーグルトを混ぜた物とタピオカの粉とオリーブオイルで造ったバターみたいなものが面白い。


次の前菜は「ホタテとクルミ 泡雪」。上から見ると分厚い泡雪にナスタチウムと菊花。


少し横から見ると泡雪(帆立貝のムース)の下には帆立貝のポワレと白菜のブイヨン煮そしてローストした香ばしい胡桃。


その上からトピナンブールのコンソメが掛けられる。ワインはロワールの白ワイン、グラスは香りが引き立つエノマスト、ワイン通なら是非知って欲しい逸品である。


「サワラ キノコの香りと焦げたピュレ」は鰆のポワレに丸く成型されたポテトチップス、見えにくいが付け合わせの芽キャベツの中にはマッシュルームのデュクセルが入っていたり、点々としているのは黒大蒜と焼き茄子のピューレ。焦がしバターとフォン・ド・ヴォーのソースにパンプルムースの酸っぱさを合わせるなど芸達者である。

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新中国料理 HARAKAWA @光明池
ワイン大学のメンバー有志と共にカウンターを貸し切りフルコースディナーを頂いた。いつもは光明池駅から歩くのだが今回はタクシーを利用、ワンメーターで5分もかからない事が分かった。


先ずはよく活かった生魚のプレゼン。カメラを睨み付けるような目線のアカハタは大きく鰓を動かしている。6人で2尾なので食べ応えありそう^^


初っ端は中国風刺身、徳島県産の石鯛。


続いてシラサエビと鮑のプレゼン、もちろん活きの良いものばかりだ。


取り分けられた石鯛の中国風刺身、パクチーは追加して頂く。


本日の前菜盛り合わせ。蒸し鶏葱ソース、皮付きのクリスピー・ポーク、海月の酢の物など見た目も華やか。


かなり大きなシラサエビ、添えられるソースなどつけなくても十分旨い。


大皿には綺麗に掃除されたフカヒレが! これが本来のフカヒレ姿煮である。三日月の膠質が残っているフカヒレなど私は好んでは食べない。


モヤシと金華ハム、そして赤酢も添えられるのが香港スタイル。ただ残念なのは、大皿の登場から取り分けて目の前に並ぶのに5分以上掛かってしまったこと。せっかくの熱々が冷めてしまった。


香住のコッペ蟹の変わり揚げ。


外子も添えられた蟹クリームコロッケみたい^^ 汚染問題が大きく取り沙汰されているが、所詮養殖の蟹である季節物より天然の鮮度の良いコッペ蟹の方がよっぽど旨いではないか!

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Joubertin




フランス政府の公表する所謂政府公式葡萄カタログに載っている唯一果皮色を示す末尾のアルファベットを伴わない葡萄である。歴代のカタログデータだが、数年前からずっと末尾のアルファベットは付いていないままだ。さすがは伝統を重んじる文化国家である。

ところがフランス政府筋が関与していると思われる別のサイトを見ると Joubertin N となっている。現行のリスト には「Joubertin」なのに不思議な話だ。

拙ブログではこちらで取り上げ、その前にこちらでも取り上げているが、ヴァン・ド・サヴォワの葡萄規定の「スティルワインの赤とロゼ:ガメイ・ノワール、モンドゥーズ・ノワール、ピノ・ノワールと サヴォワ県ではカベルネ・フラン、カベソーとペルサン、イゼール県ではペルサンとエトレール・ド・ラ・デュイ?にセルヴァナンとジュベルタン」としており、栽培規定は抜けてしまったままだこちらを見て気付いた訳だが葡萄規定と栽培規定は両方合わせて一つの葡萄栽培規定と覚えなければならない。

ジュベルタンはイゼール県だけで認められるが補助葡萄であるという文言が必要である。

つまり地理的名称など伴わないヴァン・ド・サヴォワの赤とロゼのスティルワインに当該葡萄は使えるが補助葡萄なので実際に使われるケースは稀と覚えて貰って問題ない。法令のコピーは下記の通り。

Vins tranquilles rouges et roses
gamay N, mondeuse N, pinot N, et :
- pour le departement de la Savoie : cabernet franc N, cabernet sauvignon N, persan N ;
- pour le departement de l’Isere : persan N, etraire de la Dui N, servanin N, joubertin N.

Vins tranquilles rouges et roses
La proportion des cepages gamay N, mondeuse N, pinot N, ensembles ou separement, est superieure ou egale a 90 % de l’encepagement de l’exploitation.

残念ながら法令文言には joubertin N となっている。やはりフランス政府の公式名は N が付いているのだ。

赤ワインとロゼの主要葡萄はガメイ・ノワール、モンドゥーズ・ノワールそしてピノ・ノワールで合わせて若しくは別々に栽培比率は90% 以上。補助葡萄としてサヴォワ県ではカベルネ・フラン、カベソー、ペルサン、イゼール県ではペルサンエトレール・ド・ラ・デュイ、セルヴァナンそして当該葡萄が使えることになってはいるが栽培比率は 10% 未満でしかない。

でもこういった絶滅の危機に晒される葡萄を保護する動きがある。こちらもしくはこちらを開いてご覧あれ。日本語で詳しく説明があるのでお薦めだ。

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