ワインとピアノのある部屋

八戸ノ里南を西へ入った自転車店のつぶやき

Graisse B




グレス、ワイン用と云うより専らアルマニャックの原料葡萄として用いられた白葡萄である。ネットでは次の表現を見掛ける、似たようなフランス語の文章も散見するが

The pulp of the grape is characterized by its high viscosity levels which can create some difficulties in winemaking to produce a wine.

要するに「葡萄の果肉を潰すと粘り気が出るのでワイン造りが面倒」ということ。

にわかには信じ難い内容だが、これはとあるワイン評論家の話であり、似たような話ではシャンパーニュに於いてピノ・ムニエが標的にされたことがあった。「ピノ・ムニエはねちゃつく」、確か15年ほど前聞いたように記憶している。

「ワイン評論家諸氏の発言はそのまま鵜呑みにすることは出来ない」という代表的な例かも知れない。

昔はピノ・ノワールとピノ・ムニエは別種とされていたが、ピノ・ムニエはピノ・ノワールの突然変異による(葉の裏側がピノ・ノワールとは異なる)葡萄であり、果肉が粘ることなど無い。

さてグレスを使うことが出来るのは AOC では唯一アルマニャックであり、ユニ・ブラン(正式名称トレッビアーノ・トスカノ)、フォル・ブランシュ、第3の葡萄としてバコ・ブランを挙げているのがアルマニャックの公式サイト。第4の葡萄としてコロンバールを挙げているが専らアルマニャック用としてではなく白ワイン用として栽培されているのが現状であり、さらに当該葡萄は近年生産者たちの間で復活させる動きがあるという。

今後の栽培面積の推移を見守るとどちらの言い分が正しいか分かるだろう

2013年 1月、グレスは拙ブログのこちらで紹介した。当時の VIVC パスポートデータもリンクしているので参考になるはず。現在新しい VIVC2 のデータはこちら、相変わらずグレスの父親は未解明のままだがホイニッシュ・ヴァイスが母親であるのは間違いない。シノニムは2つ増えているのが分かる。

その中の「PLANT DE GRAISSE」プラン・ド・グレスが現地アルマニャックで使われているのはアルマニャックの公式サイトを見るとすぐ分かるはず。
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Gouget N はアリエ県で19世紀に隆盛を極めた葡萄だった




頭にアクセントを置くグジェ、拙ブログでは 2013年 1月にこちらで取り上げた。当時のVIVC パスポートデータから親子関係を見ると

Original pedigree
Prime name of pedigree parent 1
Prime name of pedigree parent 2

それぞれ何の記載も無い。即ち親子関係は不明ということだった訳だが、VIVC2 では次のように改められている。

Pedigree confirmed by markers  HEUNISCH WEISS × ?
Prime name of parent 1  HEUNISCH WEISS
Prime name of parent 2  ?
Parent - offspring relationship  YES

即ちグジェの母親はフランスでは忌み嫌われたグエ、正式名称ホイニッシュ・ヴァイス。父親は現在のところ未解明、ところが一番下の欄に「YES」とあり、クリックすると

AKLICK JELTY 20713
LACRYMA DOLCE FAUX 41946

モルドヴァ原産のアクリック・ジェルティ 、イタリア原産のラクリマ・ドルチェ・フォーが現れる。これらのどちらかに父親の可能性があるはずだが、親とは限らないので、これらはグジェの子孫かも知れない

3年前よりシノニムは増え現在は12、次の通り

GAUGET NOIR
GOUGE
GOUGE NOIR
GOUGET NOIR
GOUJET
LYONNAIS
MORET
NEROU
NEYRAC
NEYRAN
NEYROU
PETIT NEYRAN

さてこのグジェという黒葡萄、嘗ては中央フランスのアリエ県で広範囲に栽培されていたとのこと。それがフィロキセラの襲来以降次第に植え替えられ、現在は消滅同然の状態になってしまったという。

こちらの The Lost Vineyards of the Allier Département を一読願いたい。英語で大変分かり易く解説されている。こちらによるとそのアリエ県の葡萄畑(モンリュソンとシェール渓谷)は1849年 16,944ha が最大の面積、その大半(52%と仮定)ということなので約 8,800ヘクタールが栽培されていたことになる。

こちらもモンリュソンの葡萄畑についての記述がある。

さて前者のサイトの後半に次の記載がある。

He makes around 8,000 bottles a year from Gamay, Pinot Noir and Le Gouget which are sold under the Vin de Pays du Val de Loire appellation.

しかしこれは冒頭に紹介した拙ブログに書いた通り、現在の IGP ヴァル・ド・ロワールの葡萄規定にグジェが含まれていないからこの IGP を名乗ることは出来ない。

ついでにアリエ県の現在唯一アペラシヨンとなっているサン・プルサンについての説明 もご覧あれ。
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Goldriesling B




ゴールドリースリング、拙ブログでは 2013年 1月にこちらで取り上げた。画像はいつもこちらから拝借しているが、このサイトでは当該葡萄ゴールドリースリング、フランス全土で 1979年の時点で 6ha という栽培面積だった。

しかし現在 VIVC のデータによると(サイトから Table of area をクリックすると開く)1988年で 0.7ha2011年ではさらに減って 0.1ha 即ち僅か 10a しか栽培されていない

親子関係については

Pedigree as given by breeder/bibliography RIESLING × COURTILLIER MUSQUE PRECOCE

Pedigree confirmed by markers RIESLING WEISS × MALINGRE PRECOCE

Prime name of parent 1 RIESLING

Prime name of parent 2 MALINGRE PRECOCE

Parent - offspring relationship

Breeder  Oberlin, Christian

Breeder institute code

Breeder contact address  Institute Viticole Oberlin

Year of crossing  1893

即ち交配に関わったクリスチャン・オベルラン氏の発表によるとリースリングクルティリエ・ミュスケ・プレコス(正しくはCOURTILLIER MUSQUÉ PRÉCOCE)の交配。

遺伝子の解析によるとリースリング・ヴァイスマラングル・プレコスMALINGRE PRÉCOCEの交配によるもの。

さてここで問題なのは母親の正式名称が「RIESLING」となっていてリンクが無いことである。父親の MALINGRE PRECOCE にはリンクがあるが父親は正式名称 RIESLING WEISS では無いということだろう。

以前は載っていなかったのに、レ・セパージュ・フランスのサイトに新しいページが増えていた。しかしこちらではリースリングとミュスカ・ド・ソミュールの交配によるものとしている。

Muscat de Saumur を VIVC の検索にかけると唯一ヒットするのが正式名称 MUSCAT PRECOCE DE SAUMUR ミュスカ・プレコス・ド・ソミュール。この葡萄とリースリングの交配を調べると

AROMRIESLING 637

FRUEHRIESLING 4271

という2つの葡萄がヒットするが当該葡萄ゴールドリースリングは含まれない。従って現在のところ「リースリングとミュスカ・ド・ソミュールの交配」である可能性は低い。

さてゴールドリースリングはオーストリアにも伝搬したらしいが、VIVC のデータではオーストリアの栽培面積のデータは乗っておらず、ドイツでの栽培面積 12ha は確認出来る。



そのドイツでゴールドリースリングを使ったワインが実際に存在するので紹介しておこう。Goldriesling VDP. Gutswein QbA trocken - Weingut Schloss Proschwitz ヴァイングット・シュロス・プロシュヴィッツが生産する白ワイン、日本にも輸入されているようだ。

ゴールドリースリングは生まれ故郷フランスでは僅か 10a だけの栽培、恐らく研究所の畑で保護栽培されているだけであろう。

然るに法律上は次のような葡萄規定が残っている。

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Gewurztraminer Rs もしくはGewurztraminer Rg
ゲヴュルツトラミネール、果皮の色についてはロゼとする説とルージュとする2つの説がある。フランス政府はロゼを支持し、VIVC ではルージュと区別している。画像をご覧頂こう、先ずはロゼ派を代表してフランスで栽培される葡萄のサイトから葉の画像を



次に葡萄房の画像を



この画像を見る限り果皮の色はロゼであるはず。

ところが、やたらと IGP の葡萄規定に拘るサイトから次の画像をご覧頂こう。



こちらは見るからに美しいルージュではないか!

ゲヴュルツトラミネールの果皮色はロゼなのかそれともルージュなのか、意見が分かれるのはそれなりに理由があるはずだが、果実が完熟したときの果皮色はやはり赤、即ちルージュであろう。


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Genovèse B




ジェノヴェーゼ、末尾の「B」は Blanc ブランの略で、黒葡萄の Noir もしくは Noire に対する意味でのブランであり、決して果皮の色が白いという訳ではない。黒い果皮の葡萄は赤ワイン用、それに対して黄緑色の果皮の葡萄からは白ワインが造られることから「白」、フランス語の Blanc という訳。その頭文字が「B」となる。

ジェノヴェーゼ、拙ブログでは 2013年 1月にこちらで紹介した。今現在に至っても原産地はイタリアという説とフランスはコルシカ島とする2つの説がある。後者の根拠としてはイタリアでは全く栽培されていないことが挙げられるはず。

VIVC のサイトはこちら、原産国はイタリアとしている。シノニムは3年前より少し増えて22を数える。原産国であるはずのイタリアではこの葡萄を Scimiscià B. と登録している。本来イタリア原産の葡萄ならその Scimiscià B. が正式名称として採用されるはず。従って原産国はフランスである可能性も十分ある。 Scimiscià の発音は Forvo のサイトからこちら、 「シミシャ」のように聞こえる。
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