ワインとピアノのある部屋

八戸ノ里南を西へ入った自転車店のつぶやき

第 197 回英ちゃん冨久鮓で味わう究極の会
関西ばかりではなく関東から駆けつけて頂ける食通の会と云えばそんなに多くはないはずです。なんでも熟成熟成と世の中では騒がれていますが、魚を熟成させて旨いと思うのはそもそも勘違いの領域でのお話し。新鮮な魚でこそ合うのが上質のワインであります。食べ頃を逸してしまった魚にワインは合わないのです。

魚を一尾丸ごと買う料理店が少なくなり、捌かれ皮まで剥がれた上身を目の前で切り盛りするだけの割烹を称する店が目立ちます。その程度の魚しか食べていない客が殆どと云うことに他なりません。

ですが魚の出所に拘り、鮮度を追求して止まないお店もあるにはあります。そんなお店の代表的存在が此処英ちゃん冨久鮓なのです。


先ずは氷魚の三杯酢でスタート。


口取りは土筆を真ん中にセロリのお浸し、蛍烏賊のボイル、城下鰈縁側骨の唐揚げそして花山葵。


大分県は日出の名産ホンマモンの城下鰈。新鮮そのものですから皮の湯引きに肝そして胃袋まで添えられます。分厚い切り身はその食感と甘さが際だちます。


新鮮な城下鰈ですから身は透き通り歯応えも確か。この歯応えこそが旨味の第1条件であります。


飯蛸の煮物に菜の花が添えられ春の気分が高まります。


迫力満点のきんき塩焼き。焦げた魚を平気で食べる人にはこの旨さは分からないはずです。



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Corbeau N




フランス政府の公式発表でこの黒葡萄の名前は「Corbeau N」、ですが VIVC によると2年前までは正式名称「CORBEAU NOIR」でありました。ところが久し振りに VIVC のパスポートデータを見ると、現在の正式名称はノワールの付かない「CORBEAUとなっています。画像はフランスで栽培される葡萄のサイトから拝借しました。

VIVC のパスポートデータですが2年前はこちら、現在のデータはこちらコロコロ名前が変わるのがワイン用葡萄の世界の常識かも知れません。

コルボー・ノワールの時代については拙ブログの3年前をご覧下さい。この葡萄、当時現地では「Douce Noire」と呼ばれ1958年にはフランス全土で約 1,000 ha ほど栽培されていました。特にサヴォワ県とアン県では 800 ha も栽培されていた訳ですからサヴォワ地方のワインの核となる葡萄であったに違いありません。

ですが1958年に何かの間違いで栽培禁止となった訳です。何の間違いなのか、残念ながらネットでは辿り着けませんが恐らくイタリア原産の葡萄と思われたためフランスで大々的に栽培するのは相応しくないとされたのではないでしょうか? この下りについてはこちらのアプロモンドのサイトを開いてメニューの左から3番目「Cépages de savoie」をクリックして一番下に出てくる「DOUCE NOIRE」の一番右端の+をクリックするとこの葡萄の解説が見られます。

サヴォワ地方でフィロキセラの後、また第2次世界大戦の後に 800 ha もの栽培面積を誇っていた葡萄が現在どのような情況かと申しますと次の一文の通りであります。

2006年の植栽目録ではサヴォワ県とアン県に於いて14の葡萄栽培家によって34.50 アール、葡萄の木の数で 442本前後栽培されていることが記載されています。

ヴァン・ド・サヴォワは1957年にVDQS 、1973年に AOC 取得ですが、1958年当時のの葡萄規定にコルボー・ノワールもしくはドゥース・ノワールの記載があったかどうか古い資料は見つかりません。地酒もしくはヴァン・ド・ターブル用として栽培されていただけかも知れませんけどね。

フランス政府は栽培禁止の措置をとってから 49年後の 2007年にこの葡萄コルボーをフランス政府公式の「フランスで栽培される葡萄の目録」に載せました

結論で申し上げるとフランスのサヴォワを代表すべき葡萄であり1958年に何かの間違いで栽培禁止となってしまった結果現在僅か 34.5 アールしか生き残っていないと云う哀れな葡萄であります。フランス政府はこの葡萄の復権について真剣に取り組むべきと考えます。

尚、AOC ワインにはありませんがフランス各地の IGP では葡萄規定にその名があるにはあります。ですが実際にサヴォワ県とアン県にしか植えられていない訳ですから IGP Vin des Allobroges (ヴァン・デ・ザロブロージュ)と IGP Coteaux de l'Ain (コトー・ド・ラン)以外の IGP 葡萄規定はこの葡萄を削除すべきと考えます。

またネットでは法律の文言にこの葡萄の名があるという理由だけで載せているサイトもあるので注意が必要です。
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Colombaud B


画像はフランスで栽培される葡萄のサイトのこちらから拝借しました。

コロンボという名前の白葡萄、拙ブログでは3年ほど前にこちらで取り上げました。

コロンボはフランスのアペラシヨンでは唯一パレットの葡萄規定の補助品種としてその名前があります。これについては拙ブログのこちらをご覧下さい。念のため現在のパレットの葡萄規定は次の通りです。

1°- Encépagement
a) - Les vins blancs sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : araignan B (dit picardan B), bourboulenc B, clairette B, clairette rose Rs ;
- cépages accessoires : aragnan B, colombaud B, furmint B, grenache blanc B, muscat à petits grains B, panse muscade B ou panse du Roy René, pascal B, piquepoul blanc B, terret gris G (dit terret2/bourret), ugni blanc B, ugni rosé Rs.
b) - Les vins rouges et rosés sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : cinsaut N, grenache N, mourvèdre N ;
- cépages accessoires : brun fourca N, cabernet-sauvignon N, carignan N, castet N, durif N, muscat à petits grains Rg, muscat de Hambourg N, petit brun N, syrah N, téoulier N, terret gris G, tibouren N.

2°- Règles de proportion à l’exploitation
La conformité de l’encépagement est appréciée, pour la couleur considérée, sur la totalité des parcelles de l’exploitation produisant le vin de l’appellation d’origine contrôlée.
a) - Vins blancs
- La proportion des cépages principaux est supérieure ou égale à 55 % de l’encépagement ;
- La proportion du cépage terret gris G est inférieure ou égale à 20 % de l’encépagement.
b) - Vins rouges et rosés
- La proportion des cépages principaux est supérieure ou égale à 50 % de l’encépagement ;
- La proportion de chacun des cépages principaux est inférieure ou égale à 80 % de l’encépagement ;
- La proportion du cépage mourvèdre N est supérieure ou égale à 10 % de l’encépagement ;
- L’encépagement destiné à la production de vins rosés peut, en outre, comporter les cépages énumérés pour la production des vins blancs, dans une proportion inférieure ou égale à 15 % de l’encépagement.

アペラシヨン・パレットの白ワイン用葡萄規定を概略で申し上げると主要葡萄は全体の 55% 以上という縛りがあるアレニャン(通称ピカルダン)、ブルブランク、クレレット、クレレット・ロゼの4葡萄。補助葡萄の数ある中に当該葡萄の名があります。

パレットの白ワインに於いて補助品種の中で割合規定があるのはテレ・グリだけですから法律上コロンボの割合は上限 45% であります。
従ってこちらのサイトの見解(コロンボはブレンド比率栽培比率とも 10% 未満)は正しくありません。ネットの情報は必ずしも信頼出来るものばかりではありません。

アペラシヨン・パレットのワインで信頼出来そうな生産者は2つだけ。有名なシャトー・シモーヌはその白ワインのセパージュについてこちらの通りクレレット 80% 、グルナッシュ・ブラン 10% 、ユニ・ブラン 6% 、ブルブランクとミュスカ・ブラン(原文のまま)がそれぞれ 2% と明記してますのでこちらでは使っていない模様です。

シャトー・クレマードでは次のようにコロンボの名前こそありませんがトカイの後の ... に含まれる可能性が無きにしも非ずという感じでしょうか。

The chateau cremade white wine
Clairette, Grenache Blanc, Ugni Blanc, as well as secondary grape varieties among which some have disappeared elsewhere: Muscat d'Alexandrie, Muscat Petit Grains, Panse Muscade, Panse du Roy René, Picpoul, Terret, Pascal, Tokay...will be found in the assembling process.

3年前のコロンボのパスポートデータはこちら、現在のそれはシノニムが2つ増えてこちらをご覧下さい。

かなり古いデータですが 1979 年現在フランス全土で僅か 2ha しか栽培されていないコロンボ、恐らくこのシャトー・クレマードだけがこの葡萄を栽培し続けているはずであります。
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Chablis Clos des Hospices dans Les Clos

先ずは昔の J.モロー時代のエチケット。


今現在は2つのドメーヌによりワインが造られています。こちらはドメーヌ・クリスチャン・モローのエチケット。


そしてもう一方の後継者ドメーヌ・ルイ・モローのエチケット。どちらも「シャブリ・グラン・クリュ・レ・クロ」と明記した上で「クロ・デ・ゾスピス」を付記しています。

画像はそれぞれのドメーヌのサイトから拝借しました。尚旧来のエチケットはワイン・サーチャーのこちらから拝借しました。クリマ(畑)の名称ですが訳すと「レ・クロの中のクロ・デ・ゾスピス」であり、あくまでグラン・クリュ・レ・クロの中にある慈善病院の石垣で囲まれた区画という意味ですから、アペラシヨン・シャブリ・グラン・クリュのデノミナシヨン・シャブリ・グラン・クリュ・レ・クロがこのワインの素性いうことになります。早い話はシャブリ・グラン・クリュ・レ・クロの一部分であると言うこと。またクロとは名付けられていますが「石垣」の存在は確認出来ません。殆どのクロと名の付くクリマは昔石垣で囲まれていたことを示すものとお考え下さいませ。

次にこの畑はレ・クロのどの部分かは次の画像をご覧下さい。



普通の向きではないので分かり難いかも知れませんがレ・クロの斜面の最下段で面積は 0.818ha 、小さい細長い方の赤線で囲まれた部分です。

現在の所有者はドメーヌ・クリスチャン・モローと親戚のドメーヌ・ルイ・モローで、両者とも真半分の 40アール 90センチ・アールずつを分けた形となっています。元々はモロー家の先祖ジャン・ジョセフ・モローがシャブリの慈善病院(オスピス・ド・シャブリ)の所有していた区画を買ったことにより、その名を残している訳で、オスピス・ド・ボーヌとは全くの無関係であります。

こちらをご覧下さい。最下段にこのワインの説明がありますが「1904年にオスピス・ド・シャブリからこの区画を購入した」と明記されています。原文をコピーさせて頂くと

Le Clos des Hospices est une parcelle située dans l'appellation Grand Cru Les Clos.Cette parcelle a été achetée au Hospices de Chablis en 1904 et à toujours été vinifiée et élevée séparément.

誰が買ったかと云うことについてはドメーヌ・ルイ・モローのサイト

En 1904, Jean-Joseph (3 génération) achète la parcelle dite « Clos des Hospices » dans le Grand Cru Les Clos aux Hospices de Chablis, fleuron et monopole de la famille depuis lors.

とあり、「1904年に3代目ジャン・ジョセフ・モローがグラン・クリュ・レクロの中の「クロ・デ・ゾスピス」の区画をシャブリの慈善病院から買った」と明記してあります。

ですけど某国ソムリエ協会関連の個人のサイトでは「もう一つの特級、Clos des Hospis Les Clos の一部がボーヌの慈善病院に寄進されているため Grand Cru と言われています」などの記載が確認出来ます。

同じく某国ソムリエ協会関係者と思われる個人のサイトにも同様の間違いが見られます。

こちらには 堂々とこんな事を書いてますね。コピーさせて頂くと

特級を名乗るシャブリ (2種)
Clos de Hospis クロ・ド・オスピス
•Moutonne ムートンヌ

Clos de Hospis クロ・ド・オスピスは慈善病院に寄進され、競売に付されるシャブリで、 また、Moutonne ムートンヌはビショー社所有の畑であるヴォーデジールとレ・プリューズで生産されるワインが 無監査で特級として名乗ことができる

ここでまずスペルの間違いを指摘、またワイン名も間違っていますので訂正させていただきます。冒頭に題した通りこのワインの名称は「Chablis Clos des Hospices dans Les Clos」であり、Clos des Hospis などで途切れていません。

オスピス・ド・ボーヌのワインは独自のエチケットを張る訳ですがクロ・デ・ゾスピス・ダン・レ・クロのワインがオスピス・ド・ボーヌのエチケットを纏ったことなど過去に於いて一度もありません

現在この畑を管理しているのは上記の2者ですがいずれもそのエチケットにシャブリ・グラン・クリュ・レ・クロと明記した上でクロ・デ・ゾスピスという区画の名称を付記しています。即ちこのワインはグラン・クリュ・レ・クロだと自ら認めている訳です。

オスピス・ド・ボーヌにシャブリのワインが誕生したのはつい最近のことであり、しかもそのワインはシャブリ・グラン・クリュではありません。こちら をご覧下さい。2015年11月のことであり、それ以前にオスピス・ド・ボーヌのエチケットを貼ったシャブリのワインなど存在しません

尚、現時点でオスピス・ド・ボーヌとして販売される赤(33アイテム)白(15アイテム)の各キュヴェはこちらをご覧下さい。

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Chablis Grand Cru Moutonne とは


AOC シャブリ・グラン・クリュにはクリマの名を伴う7つのクリュ以外にもう一つデノミナシヨンが存在します。フランスのワイン法から AOC Chablis Grand Cru を開くと

Chablis Grand Cru
Voir les produits de cette dénomination --Chablis Grand Cru
Voir les produits de cette dénomination --Chablis Grand Cru Blanchot
Voir les produits de cette dénomination --Chablis Grand Cru Bougros
Voir les produits de cette dénomination --Chablis Grand Cru Grenouilles
Voir les produits de cette dénomination --Chablis Grand Cru Les Clos
Voir les produits de cette dénomination --Chablis Grand Cru Preuses
Voir les produits de cette dénomination --Chablis Grand Cru Valmur
Voir les produits de cette dénomination --Chablis Grand Cru Vaudésir

例えばブランショとレ・クロのワインを混ぜたとしたらシャブリ・グラン・クリュ・ブランショあるいは同レ・クロを名乗れず、一番上のクリマ(区画の名前)を伴わない「Chablis Grand Cru」をラベルに記載することと相成ります。

現在に於いてもあるいは過去に遡っても「Chablis Grand Cru Moutonne」をフランスのワイン法では認めておりません

ではムートンヌって一体何か?

結論から申し上げると大手ネゴシアンであるアルベール・ビショー社が「ブランド名」としてラベルに使っているだけであります。

法律上認められないクリマですが実際にラ・ムートンヌというクリマは存在しています。ラ・ムートンヌを名乗る畑の大部分はシャフリ・グラン・クリュ・ヴォデジールに存在し、ほんの一部分はシャブリ・グラン・クリュ・プルーズにあります。法律上はヴォデジールとプルーズのアサンブラージュであり、一番上のデノミナシヨンに該当するという考えであります。

たまたまブランド名 Moutonne がアルベール・ビショー社の云う畑の名前 La Moutonne と同じと云うだけで法には抵触しないと云うのが INAO の見解と思われます。

フランスワインの法律ではエチケットに所定以外の記載をある程度許容しています。例えば「Grand Vin de Bourgogne」とかシャンパーニュでは「Dom Pérignon」またコート・デュ・ローヌではデカデカと「パラレル45」などの例がありますね。即ちこのムートンヌはアルベール・ビショー社がヴォデジールあるいはプルーズという法令で定められたクリマを伴うシャブリ・グラン・クリュを名乗れないワインを「ムートンヌ」というブランドを付けて商品化したもの。あくまでシャブリ・グラン・クリュには違いない訳ですからクリマを伴わないデノミナシヨン・シャブリ・グラン・クリュをラベルに記載している訳です。

実際の畑の位置はABC du Vin.com のサイトからこちらをご覧下さい。冒頭に拡大画像をコピーさせて頂きます。
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