ワインとピアノのある部屋

八戸ノ里南を西へ入った自転車店のつぶやき

SERENEZE DI VOREPPE
Sérénèze N

本日取り上げるのはアクサン・テギュ2つにアクサン・グラーヴ1つという、やたら発音記号が付いた「セレナード」もとい「セレネーズ」であります。発音は Forvo からこちらを開いてお聞き下さい。

画像を探そうと元祖のサイトを開くと、オッと名称が異なり「le Serénèze de Voreppe」とのこと。アクサン・テギュが1つ足りませんね。

abcduvin.com のサイトはこちらで表記は元祖と同じです。

フランス農学研究所関連サイトはこちらで「Sérénèze」として、またこちらではそのクローンとして「Serénèze de Voreppe」を挙げています。

フランス農水省関連のこちらのサイトでは当然の如く名称は Sérénèze N でそのオリジンについては次の説明があります。コピーさせて頂くと

Ce cépage originaire de l’Isère résulte, d’après les analyses génétiques réalisées à Montpellier, d’un croisement entre le Gouais B et le Chatus N.

即ちこの葡萄はイゼール県に由来し、モンペリエでの遺伝子的解析によりグエ・ブランとシャチューの交配だと判明した。とのこと

では VIVC を見てみましょう、こちらがそのパスポートデータで、正式名称は「SERENEZE DI VOREPPE」、フランス原産なのに表記はイタリア語的表現? なのでしょうか。こちらではその母がグエ・ブラン正式名称ホイニッシュ・ヴァイスであることは分かっているものの、父は不明となっています。

VIVC のペディグリーの検索で「Chatus」を父または母とする葡萄を検索すると

ALBAROSSA 239
CORNAREA 2839
COUDERC 66- 1 19410
NEBBIERA 8416
PASSAU 8965
SAN MARTINO 10671
SAN MICHELE 10672 SOPERGA 12085
VALENTINO NERO 12872

は出てきますが、当該葡萄は当て嵌まりません。一方のホイニッシュ・ヴァイスを母に持つ葡萄は拙ブログのこちらで取り上げたように当該葡萄の存在が確認出来ます。

従ってセレネーズは現在のところ、ホイニッシュ・ヴァイスとシャチューの交配ではないという結論に至ります。

フランス原産の葡萄と云うだけで現在のところ画像は確認出来ますが、実際栽培面積は不明であり、原産地とされる IGP イゼール、それを含む IGP COMTÉS RHODANIENS コンテ・ロダニアンの葡萄規定にもその名がありません。また各専門サイトで名称すら定かではない葡萄であります。

こんな葡萄をフランス政府が公式に認めるとは理解に苦しみます。

| ワイン雑感 |
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Sémillon
Semillon B

これも正しいフランス語名ではありません、Sémillon と表記すべきです。昔から慣例でそう伝えられてきたのですが最近はいい加減なフランス語表記が目立ちます。

元祖のサイトはこちら、こちらはまともな表記ですが政府系のサイトはご覧の通りであります。フランス農学研究所関連サイトはこちらですがやはり正しい表記ではありません。

まともな表記のサイトはル・フィガロこちらDe vigne en vins... のサイトはこちらabcduvin.com のサイトもこちらの通り「Sémillon」になっています。

さて VIVC のパスポートデータはこちら、いつも申し上げておりますが、こちらのサイトは英語なので他の国の特殊表記は反映されていません。従ってシノニムも全く同じスペルのものが複数存在する場合があります。ですがフランス語の場合、発音記号のあるなしで名前の読み方が異なってしまう訳ですから、出来れば併記して頂けると有り難いと思うのです。

葡萄房の拡大画像はこちら、ご覧頂いても分からないでしょうけど果皮は非常に薄いのです。ですからボトリティス・シネレア菌が繁殖できるわけで、ソーテルヌで植えられるソーヴィニョン・ブランに普通 貴腐菌は付きません。

セミヨンはボルドーのグラーヴ、とりわけソーテルヌ地区が主な栽培地ではありますが、ジロンド河の右岸に驚くほど旨いセミヨンがあるのはあまり知られていません。

既に有名になってしまったお高いワインを追っかける人には不要でしょうが、味の分かる人なら一度試してみて損はないはずです。ワインは有名になると高くなりますが、味は従来と変わらないままのことが殆ど。逆に不味くなる場合が多いことを知る人は少ないはず。また残念ながら人気のワインは誰が飲んでも旨いという訳ではありません。人気を煽るシステムにまんまと乗せられてしまった人々がお高いワインをせっせと買い込む訳です。

私は昔からいろいろな種類のワインを見付け我が国に紹介し、その殆どが今やトップブランドとなったと云っても過言ではありません。ですが価格だけは異常に上がったものの味のレベルをキープしているのは殆どございません。有名ブランドを追う人に味音痴が多いのは業界では周知の事実であります。従ってフェイク・ボトルが蔓延る訳です。


| ワイン雑感 |
| 06:30 PM | comments (0) | trackback (x) |

Sémébat
Semebat N

これもフランス語表記がなっていません、正しくは「Sémébat」セメバと発音するはずの黒葡萄でフランス農学研究所ボルドー支部にて1956年開発されたもの。「攻めバット」と違います。
元祖のサイトによるとバロックコットの交配により生まれて1974年にフランス農水省公式葡萄目録に登録されたと云うことです。ですがこちらも表記は「le Semebat」、
これではセメバと読めずに船場」になるはずです。


フランス政府系のサイト
も同じ表記ですが、まともなのはこちら。また IGP アジュネをご覧頂ければ「Sémébat」とアクサン・テギュが付いているのをご確認頂けます。

葡萄房の画像はこちら、かなり大型の房です。こんな画像もございます。

VIVC のパスポートデータはこちら。2011年の栽培面積はフランスで僅か 1ha 。

実際は先程ご紹介した IGP Agenais でしか栽培されていないはずですがフランス各地の IGP 、例えば IGP Atlantique の葡萄規定にその名があります。一部だけコピーさせて頂くと

Abouriou N, Aléatico N, ・・・・・ Segalin N, Semebat N, ・・・・

アレアティコ Aléatico のスペルにはちゃんとアクサン・テギュが付いていますがセメバには何も付いていません。

ところが IGP Agenais には次のように記載されています。赤・ロゼの葡萄規定は

5 – Encépagement
Les vins bénéficiant de l’indication géographique protégée « Agenais » sont produits à partir de l’ensemble des cépages classés en tant que variétés de vigne de raisins de cuve conformément à la réglementation communautaire et nationale en vigueur.
Les principaux cépages entrant dans l’élaboration des vins de l'indication géographique protégée « Agenais » sont :
Pour la production de vins rouges et rosés : abouriou N, alicante Henri Bouschet N, arinarnoa N, bouchalès N, cabernet franc N, cabernet sauvignon N, cot N, egiodola N, fer N, gamay N, jurançon noir N, merlot N, prunelard N, ségalin N, sémébat N, syrah N et tannat N ;

こちらではセメバと読めるようアクサン・テギュが付けられています。また単なる葡萄名称の羅列ではなく実際に栽培されていそうな葡萄がオン・リストされています。

他の地域もこの法令を見習い、実際に栽培されているかを確認した上で葡萄規定を策定するようすべきであります。

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| 06:25 PM | comments (0) | trackback (x) |

Sélect
Select B

本来は Sélect B のはずですが、フランス農水省公式葡萄目録の表記はあまり信用しない方が良いかも知れません。

全く関係ありませんが、これと似た言葉でイベリコ豚の部位を示す「Secreto de Papada」略して「Secreto」を「セレクト」と間違えたままの通販サイト、グルメ・ブログを見掛けますが如何なものでしょうか。ちなみにイベリコ豚の部位はこちらをご覧下さい。

さて sélect の発音は Forvo からこちらを開いてお聞き下さい。普通に「セレクト」と発音して通用するはずです。

画像は元祖のサイトからこちら、フランス政府系のサイトからこちらをご覧下さい。両者ともシャラント・マリティーム県の Jean-Louis Vidal 氏によってユニ・ブランジュランソン・ブランの交配で生まれたとしています。フランス農学研究所関連サイトをご覧下さい。こちらでは

Nom de la mère : Ugni blanc
Nom du père : Jurançon

母がユニ・ブランで父はジュランソン・ブランではなくジュランソンになっています。「ブラン」を省略したのでしょうか

ところが VIVC によるとちょっと異なる見解であります。セレクトのパスポートデータはこちら一見だけでは上記の3者と同じに見えますが、こちらの意味する母「UGNI BLANC」は正式名称トレッビアーノ・トスカノではなく「UGNI BLANC 70889」なのです。

ではトレッビアーノ・トスカノとジュランソン・ブランの間に生まれた葡萄はと云うとこちらVIDAL 19 が存在します。ですが父母が入れ替わるというか、母がジュランソン・ブランで父がトレッビアーノ・トスカノ、開発者は同じく Jean-Louis Vidal 氏でワイン用葡萄とのことですが果皮色は示されていません。

ちなみに現存する「VIDAL」と名の付く葡萄は 48 種あります。

さてさてセレクトが使えるアペラシヨンと云えば AOC コニャックであります。拙ブログのこちらで書きましたが、本来の葡萄規定には載っておらず、経過措置として許可されているのです。西暦 2020年ですから今年の収穫を含めあと8年は収穫可能という訳です。恐らくそれ以降の 2021年には姿を消す可能性が高いと考えます。

で、セレクトの原産地とされるコニャックを含む IGP CHARENTAIS の葡萄規定に「select B」はありません。ところがこの葡萄の原産地からかなり東の IGP COMTÉS RHODANIENS にその名があるのは如何なものでしょうか。


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| 02:24 PM | comments (0) | trackback (x) |

Seinoir
Seinoir N (*)

カタカナ表記すると恐らく「セノワール」になると思われますが違っていれば後程訂正します。(*)が末尾に付いているので種間交雑による人工的に造り出された葡萄であります。複雑な交雑を繰り返したと思われますが、ネットで探してみるとありました。この葡萄の系図はこちらです。

VIVC のパスポートデータはこちら、画像もありますが葡萄房だけのそれはありません。栽培実績データを見ると1958年、1968年はかなりの範囲に植えられていたものの、フランス政府系のサイトを見ると 2011年現在は 85ha と衰退の一途を辿っています。恐らくフィロキセラの後大々的に栽培されたもののアペラシヨンを有するワインに使えないので他の葡萄に植え替えられたはずです。

元祖のサイトはこちら、何だか見ただけで濃い濃いワインが出来そうな葡萄房。実際この葡萄はテンチュリエ、即ち果皮を剥いても中身まで色の付いた果肉の葡萄であります。

シノニムは唯一 8745 Seibel だけ。一連のセイベルですが正式名称に「Seibel」と名の付くものだけで何と 1,857 種類存在しますが、その内どれだけフランスの葡萄畑に残っているかはかなり疑問であります。ちなみにセイベル 1 はこちら、番号的に一番大きいものはセイベル 19975 でこちら。番号を伴わないものは唯一 SEIBEL A 。このセイベル・アーはワイン用葡萄で詳細はこちらのパスポートデータをご覧下さい。

さてこの黒葡萄セノワールはワイン用ですけど毎度お馴染みのフランス IGP 御用達にとどまっています。


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