ワインとピアノのある部屋

八戸ノ里南を西へ入った自転車店のつぶやき

Ribol
Ribol N

フランス語の「R」の発音は難しいですので取り敢えずは「リボル」とカタカナ表記させて頂きますが末尾の「N」はノワールの略号、即ち黒い果皮の黒品種を指します。Forvo による発音はこちらを開いてお聞き下さい。普通にリボルと聞こえるように思います。

画像は元祖フランス葡萄品種のサイトからこちら、新フランス葡萄品種のサイトからこちらをご覧下さい。どちらのサイトも 1958年フランス農学研究所で、オリヴェット・ブランシュ(母)とアルフォンス・ラヴァレ(父)の交配により生まれた葡萄であるとしています。

ならば本家本元フランス農学研究所関連サイトを見ましょう。こちらの通り、他のサイトは本家のデータを基にしているはずです。比較的最近のお話しなのでデータもキッチリ残してあるのでしょうね。

似たような名前の葡萄に Lival リヴァルがありますが拙ブログのこちらで述べました。両方に共通するのがアルフォンス・ラヴァレの存在です。

アルフォンス・ラヴァレは拙ブログのこちらで一度取り上げました。

さてリボルの母親に当たるのはオリヴェット・ブランシュですが VIVC のパスポートデータを拝見すると何とフランス農水省公式葡萄カタログに掲載とあります。こちらがその証拠ですが、拙ブログではアルファベット順に「P」まで辿り着いたのですが「O」には無かったはずです。

それもそのはず、この葡萄は後に示される「食用葡萄」にオン・リストされていました。

念のためその公式カタログをご覧下さい。ワイン用葡萄の後に続く Variétés de raisins de table : に載っていました。

さてさて、このリボルという葡萄、新フランス葡萄品種のサイトの栽培面積の推移を見ると近年珍しく増えていたことが分かります。恐らく南仏の各県推奨葡萄として栽培に拍車が掛かったものと思われます。

フランス各地の IGP 葡萄品種規定にリボルの名が載っているのは勿論のことですが上記各サイトにはワイン用と食用の記載があります。両親に当たるオリヴェット・ブランシュ、アルフォンス・ラヴァレも食用となってますのでリボルも食用として盛んに栽培されているのではないでしょうか。

尚、Ribol は最近発売のワイン用葡萄品種事典には掲載されていません。フランス政府公認葡萄なのにまるで無視されているのです。

| ワイン雑感 |
| 11:30 AM | comments (0) | trackback (x) |

Rayon d'Or
Rayon d'Or

フランス農水省公式葡萄品種目録には Rayon d'or B (*) とあります。「B」は果皮色の省略形、末尾の印は種間交雑を意味します。普通に読むとレイヨン・ドールのはずですが違っていたら後程訂正させて頂きます。

ペディグリーについてはややこしいので省略しますがレイヨン・ドールの父は正式名称 ARAMON DU GARD、こちらの葡萄とのこと。親を辿っていくと種の異なる葡萄にいきなり遭遇してしまいます。

レイヨン・ドール、葡萄房の画像は VIVC からこちらをご覧下さい。結構立派な大きさです。いつもの元祖はこちら、新フランス葡萄はこちらで、後者の栽培面積の推移を見ると数千ヘクタールから一転して1桁というのが最近の数値であります。種間交雑により生まれた葡萄はもはや無用の長物と云うことでしょうか。

深刻なフィロキセラの被害は昔のことと高を括っていると、また別の驚異に晒されるかも知れません。

「災害は忘れた頃にやってくる」

新型インフルエンザではありませんがハイブリッド・フィロキセラが現れる可能性は0ではないはず、新品種の開発は続ける必要が有ると思いますが如何でしょうか。

さてこのレイヨン・ドール、人工的に交雑を繰り返し生まれた地はローヌ・アルプ地域圏のアルデッシュ県とされていますが栽培されたのはこちらのサイトによるとシャンパーニュ地方やロワール、フランシュ・コンテの他アメリカとあります。またフランス以外にオランダで国家が認める葡萄として登録されているのは意外であります。

ワインは例によってフランスでは IGP 各種の葡萄品種規定に載っているもののこの品種で造られたワインというのは見当たりません。

| ワイン雑感 |
| 05:43 PM | comments (0) | trackback (x) |

Ravat blanc
Ravat blanc

Ravat blanc 、発音は Forvo からこちらを開いてお聞き下さい。「ハヴァ・ブラン」って聞こえませんでしょうか?
Ravat blanc B (*)と末尾に(*)表記があるので種間交雑による人工的に造り出された白葡萄であり、通例複雑な交雑を繰り返しているので親を辿ると訳が分からなくなります。画像を見るついでにそのペディグリーについて確認すると、新フランス葡萄品種のサイトだけが異論を唱えています。

元祖フランス葡萄品種のサイト

croisement interspécifique entre le Seibel 5474 (Seibel 405 × Seibel 867) et le chardonnay

フランス農学研究所関連サイト

Nom de la mère : 5474 Seibel
Nom du père : Chardonnay

新フランス葡萄品種のサイト

croisement entre le 8724 Seibel et le Chardonnay B.

他のサイトは、母に当たるのがセイベル5474 で父がシャルドネとしているのに対して「新フランス」だけはセイベル8724 が母であるとしているのです。

ところがこちらをご覧下さい。一見すると SEIBEL 5474 × CHARDONNAY なのですが、実は父親「CHARDONNAY」が普通で云うシャルドネとは異なります。ラヴァ・ブランのパスポートデータですが

Prime name of pedigree parent 1  SEIBEL 5474
Prime name of pedigree parent 2  CHARDONNAY

で示される「CHARDONNAY」をクリックするとこちらが開くはずです。即ち正式名称シャルドネは正式名称シャルドネ・ブランとは異なる葡萄と云うことであります。画像もあるのでご覧下さい、こちらをどうぞ。

さてラヴァ・ブランのシノニムは次の3つです。

RAVAT 6
RAVAT CHARDONNAY 6
RAVAT CHARDONNAY B

フィロキセラが蔓延した時にシャルドネ・ブランに変わる葡萄としてブルゴーニュ地方に植えられたと見るのが妥当なはず。実際フランス農学研究所関連サイトでは原産地を

Région : Bourgogne
Département : Saône-et-Loire

としています。コート・ドール県ではなくソーヌ・エ・ロワール県なのでマコンの周辺のはずです。

新フランス葡萄品種のサイトからフランスでの栽培面積の推移を見ると

1958年には600ha と隆盛を極めていたにも拘わらず 1979年には僅か 1ha と激減、その後のリバイバルブームのお陰で 2000年に 21ha と復活したように思われたのですが 2008年 15ha 、2011年にはまた 1桁の 6ha となってしまいました。

ラヴァ・ブラン、当然かも知れませんが AOC のワインには使えない葡萄で、IGP の類はローヌ、南仏辺りはどれでも OK みたいに葡萄品種規定にその名があります。

| ワイン雑感 |
| 02:05 PM | comments (0) | trackback (x) |

Raffiat de Moncade
Raffiat de Moncade B

Forvo の発音はこちらで「ハフィア・ド・モンキャード」って聞こえるように思うのですが如何でしょうか。一応カタカナ表記はラフィア・ド・モンカードにさせて頂きます。

先ずは画像から元祖フランス葡萄品種のサイトはこちら、ル・フィガロはこちら、新フランス葡萄品種のサイトはこちらをご覧下さい。

新フランスのサイトによるとフランスでの栽培面積は1979年をピークに以降減り続け 2011年現在僅か 6ha と寂しい数値となっています。

原産地はフランス南西地方ピレネー山麓のベアルン周辺と考えられ、現在もこの辺りを中心に栽培されているはずです。遺伝子の解析によりフランスでは不味いワインしか造られないとされた「グエ」の子孫であることが判明しています。

ラフィア・ド・モンカード、VIVC のパスポートデータはこちら、ラフィア・ド・モンカードの母に当たる葡萄がホイニッシュ・ヴァイス、フランスでは一般にグエもしくはグエ・ブランと呼ばれたこちらの葡萄です。こんな画像もあります。

このグエ、正式名称ホイニッシュ・ヴァイスですが、現在世界中で人気の高いフランス原産のシャルドネ・ブランやアリゴテ、ムロンそしてリースリング・ヴァイスなどの先祖であり、ドイツやスイスでは公式に国家登録品種として扱われているのですがフランス政府は知らん顔であります。

さてラフィア・ド・モンカードですが、この品種が使えるアペラシヨンを探してみましょう。いつもの De vignes en vins... を拝見すると AOC ベアルンの補助品種とだけありますが、ネットで検索すると多くのフランス IGP 以外に AOC Tursan が見付かります。

先ずは AOC ベアルンは拙ブログのこちらで取り上げましたがラフィア・ド・モンカードは補助品種ではなく主要品種であります。

次の AOC Tursan 葡萄品種規定ですが白ワインの場合

1°- Encépagement
a) - Les vins blancs sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : baroque B et gros manseng B ;
- cépages accessoires : chenin B, claverie B, petit manseng B, raffiat de Moncade B, sauvignon B et sauvignon gris G.

その割合などについての規定は

- La proportion de chacun des cépages claverie B, raffiat de Moncade B et merlot N est inférieure ou égale à 10 % de l’encépagement.
- La proportion de chacun des autres cépages accessoires est inférieure ou égale à 20 % de
l’encépagement.

即ちチュルサンの白ワイン、主要品種はバロックとマンサン・グロ・ブラン。補助品種としてシュナン・ブラン、クラヴリー、マンサン・プティ・ブラン、ラフィア・ド・モンカード、ソーヴィニョン・ブランそしてソーヴィニョン・グリ。クラヴリーと当該品種はそれぞれ10%以下、全体で 20%以下との規定であります。

| ワイン雑感 |
| 05:08 PM | comments (0) | trackback (x) |

Prunelard
Prunelard N

プリュヌラール(Forvo の発音はこちら)と読む黒品種は拙ブログでは何度か取り上げましたが、ボルドーやカオール最近ではチリでも沢山栽培されている Cot コット(シノニムでは malbec マルベックなど)の父親に当たる葡萄です。コットの母はMagdeleine noire des Charentes マグドレーヌ・ノワール・デ・シャラントで、一般にメルローと呼ばれる Merlot noir メルロー・ノワールの母でもあります。メルロー・ノワールの父に当たる葡萄は Cabernet franc カベルネ・フラン。

ですからコットとメルロー・ノワールは「異母」ではなく「異父兄弟」と云うことに相成ります。

VIVC のパスポートデータはこちら、シノニムは唯一「PRUNELART」だけとなっています。

プリュヌラールの原産地はフランス南西地方タルヌ県ガイヤックとする説が有力ですが、その名前の由来はプルーン。プルーンの実はつや消しみたいに表面に白っぽい粉を塗したように見えますけどこの葡萄も同じように見えるのでその名が付いたはず。

その様子が分かる画像をご覧下さい、こちらです。プルーンの画像と見比べるとお分かり頂けると思います。

他の画像ですが元祖フランス葡萄品種のサイトはこちら、新フランス葡萄品種のサイトはこちらですが、プルーンに似ているという葡萄の様子はちょっと分かりにくいと思います。

さてプリュヌラールはどのアペラシヨンに使えるでしょうか?

先ずはいつもの De vignes en vins... には次のように2つのアペラシヨンに使えるとあります。コピーさせて頂くと

Le cépage « Prunelard » est un cépage accessoire pour :
Haut Pays : Marcillac .

Vallée de la Garonne ou du Tarn : Gaillac .

補助品種としてアペラシヨン・マルシヤックとアペラシヨン・ガイヤックに使えるとしているのです。INAO のサイトから検証すると

AOC Marcillac
1°- Encépagement
Les vins sont issus des cépages suivants :
- cépage principal : fer N ;
- cépages accessoires : cabernet sauvignon N, merlot N, prunelard N.

AOC Gaillac
b) - Les vins rouges et rosés sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : duras N, fer N, syrah N ;
- cépages accessoires : cabernet franc N, cabernet-sauvignon N, gamay N, merlot N, prunelard N.

現在両方のアペラシヨンに補助品種としての登録があります。

▼続きを読む
| ワイン雑感 |
| 06:57 PM | comments (0) | trackback (x) |


PAGE TOP ↑
Copyright © 2006 ワインとピアノのある部屋::2013年04月
All Rights Reserved./Skin:oct