ワインとピアノのある部屋

八戸ノ里南を西へ入った自転車店のつぶやき

Listan B
Listan B

リスタンという名前の白品種ですが、あくまでシノニムの一つであり正式名称はシェリー酒の使われる世界的に名の知れた PALOMINO FINO パロミノ・フィノ。ですからフランス農林水産省というお役所が、こういうシノニムを使うのは不適切だと思います。もちろん原産地はスペインのアンダルシアでそれはフランス政府も認識しているはず。

ですがこのリスタンという葡萄品種、フランスではアペラシヨンを有するワインに使うことが出来なくなったのが現状であります。

つい最近までの法令「AOC Grand Roussillon」はこちら、消される可能性がありますのでウェブ魚拓を取らせて頂きました。

で、現在の法令はこちらを開いて左側のメニューの上から4番目CDC_Grand_Roussillon をクリックすると開きます。旧法第2章葡萄品種規定と新法第5章を比較してみて下さい。

旧法 Article 2
Les vins ayant droit à l'appellation contrôlée « Grand Roussillon » devront obligatoirement provenir des cépages suivants, à l'exclusion de tous autres :

Cépages principaux
Muscat blanc à petits grains, Muscat d'Alexandrie dit Muscat Romain, Grenache noir, Grenache gris, Grenache blanc, Maccabéo, Tourbat dit Malvoisie du Roussillon.

Cépages accessoires
Carignan noir, Cinsaut, syrah, Listan.

La proportion des cépages accessoires ne pourra excéder 10 % de l'encépagement total d'une même parcelle.

旧法では主要品種としてミュスカ・ブラン・ア・プティ・グラン、ミュスカ・ダレキサンドリもしくはミュスカ・ロマン、グルナッシュ・ノワール、グルナッシュ・グリ、グルナッシュ・ブラン、マカベオ、トゥルバもしくはマルヴォワジー・ド・ルシヨン。
補助品種は全体の10% を超えない範囲でカリニャン・ノワール、サンソー、シラーそしてリスタンが認められていました。

新法 V. - Encépagement
a) - Les vins sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : grenache blanc B, grenache gris G, grenache N, macabeu B, tourbat B (dénommé localement malvoisie du Roussillon) ;
- cépages accessoires : muscat à petits grains B, muscat d'Alexandrie B (dénommé localement muscat romain).

2°- Règles de proportion à l'exploitation
La proportion de l'ensemble des cépages accessoires est inférieure ou égale à 20 % de l'encépagement.

新法では主要品種からミュスカ系統が削除され補助品種に回され、今まで補助品種として認められていたカリニャン・ノワールとサンソーそしてリスタンは補助品種からも削除されてしまいました。即ち今回取り上げているリスタンは AOC ワインには使われなくなったと云うこと。

もう一つ別のアペラシヨン、AOC Revesaltes でも葡萄品種リスタンは許可されていたのですが残念ながら現在は使用不可となっています。

さてリスタンの画像は元祖フランス葡萄品種のサイトからこちら、新フランス葡萄品種のサイトからこちらをご覧下さい。後者によると 2011年限在フランス全土で 122ha 栽培されています。アペラシヨンを取得しているワインには使えませんが、数多くの IGP ワインの葡萄品種規定にその名がありますし、格付けなど不要とするワイン生産者が好んで栽培しているのかも知れません。

VIVC のサイトはこちらでパスポートデータの下から7番目 Photos of the cultivar 横の数字 11 をクリックすると画面下方に11枚の画像データが現れます。見たい画像をクリックして「Zoom +」をクリックすると拡大画像をご覧頂けます。

さてパスポートデータに戻りシノニムを見ると何と 109 例存在します。リスタンと名の付くシノニムだけで 11 、ヘレスの類やパロミノに似た名前などが多く含まれ、世界各国で栽培されていることが分かります。またワイン用だけではなく食用葡萄としても使われているとのことです。


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世にも不思議なアペラシヨン申請物語?
先ずはこちらをご覧下さい。ボルドーはコート・ド・フランのとあるシャトーが独自のアペラシヨンとして認めるように INAO へ申請を出したとのことです。

この生産者ですが昔から開催されるすべての VINEXPO に巨大なブースを持ち、訪れる日本人やアジア人にはとにかく親切に振る舞いました。必要無いと思える蝋で封印した新しいミレジムのボトルを仰々しく開け、他のブースとは比べものにならない豪華なクリスタルグラスに注ぎ試飲させるのです。

一応一通りテイスティングを済ませたら「今夜ディナーに招待する・・・」とのお誘いがありました。もちろん丁重にお断りしましたけど。

ボルドー以外に初めて外国で開催された時もこの胡散臭い連中は立派なブースで集客に余念がありませんでした。

で、そのワインはと云うと「ガワの割りには大したことのない」との表現が適切と思える程度のもの。あまり詳しくは覚えていませんが色が美しい訳ではなく、味わいは凡庸で、飲み終えたあとの余韻も短いモノだったはず。タリフを見せて貰うと提示された半額以下が妥当と判断、決して買うことはありませんでした。

その後もワイン関連のイベントでは必ず出展して売り込みに懸命だったのがこの生産者であります。

「プロモーションに巨費を投じる生産者に旨いモノ無し」これ定説であります。

まあ世の中には「ガワ」さえ良ければ中身の味には拘らない人が大勢居ますから。




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Liliorila B 追加
さてこのリリオリラですが何処に植えられているのか検索すると

Domaine des PRADELLES - Vin Blanc Doux - Cuvée Magie d’Automne が見付かりました。甘口の白ワインで詳しくははこちら をご覧下さい。 生産者の住所は 44 Chemin de la Bourdette 31340 VACQUIERS です。

同じドメーヌの名前はローヌにも存在しますのでご注意下さい。

もう1種類 Château PLAISANCE - Vin Blanc Moëlleux - Maëlle 2011、こちらも甘口の白ワインで詳しくはこちら をご覧下さい。生産者名及び住所は Marc et Louis Penavayre , Place de la Mairie 31340 VACQUIERS

両者とも 31340 Vacquiers ヴァキエにある生産者です。このヴァキエで名乗ることの出来る特定農産物からワインに当て嵌まるものを選ぶと IGP Comté Tolosan もしくは AOC Fronton の2つが該当します。AOC Fronton は赤・ロゼがその対象ですから白ワインは必然的にコンテ・トロザンを名乗るかもしくはヴァン・ド・ターブルとしなければなりません。

これらはいずれも他の品種とのブレンドですが、このリリオリラ 100% で造られた白ワインが存在します。

こちらをご覧下さい。このワインの生産者及び住所は VIGNOBLE M.C. ROCH 、Route de Maillol 、46300 GOURDON

このコミューン、グールドン(46)で造られるワインには IGP コート・デュ・ロットもしくは IGP Comté Tolosan が適用されるはずです。

ちなみに IGP Comté Tolosan 現在白ワインの葡萄品種規定は次の通りです。コピーさせて頂くと

Les principaux cépages entrant dans l’élaboration des vins de l'indication géographique protégée « Comté Tolosan » sont :
- Pour la production de vins blancs : chardonnay B, chenin B, colombard B, gros manseng B, len de l’el B, mauzac blanc B, muscadelle B, petit manseng B, sauvignon blanc B, sémillon B, ugni blanc B.

あれれ? リリオリラが含まれていません

よく見るとこれはあくまで主要品種についての規定でありブレンドに用いる品種の規定はないのかも知れません。

ですが IGP Côtes du Lot の白のスティル・ワインの葡萄品種規定にはリリオリラが明記されています。ですから本来 IGP を名乗るなら Côtes du Lot となるはずです。

Pour la production de vins blancs : chardonnay B, chenin B, colombard B, len de l’el B, liliorila B, mauzac B, sauvignon B, semillon B, ugni blanc B et viognier B.

VDP のときの規定と IGP の規定は同じはずですが、先に述べた甘口2種類のワイン、ひょっとして規定外の葡萄を使ってもお咎め無しなのかも知れません。



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Liliorila
Liliorila B

発音は Forvo のサイトからこちらをお聞き下さい。普通に「リリオリラ」と聞こえますけど如何でしょうか。オイラやゴリラの類ではございませんが葡萄品種としては風変わりな名前であります。それもそのはず、バスク語由来の黄色い花という意味だとか。Lili はバスク語で英訳すると Flower 、horia は同じく yellow colour ということです。

先ずは画像をご覧下さい。

元祖フランス葡萄品種のサイトからこちら、新フランス葡萄品種のサイトからこちらをご覧下さい。
VIVC のサイトからこちらを開いて「Zoom +」をクリックすると拡大画像をご覧頂けますがかなり大きな葡萄の房であることが分かります。

どのサイトもそのオリジンについては同一見解で 1956年フランス農学研究所によって造り出された品種であり母として白品種 BAROQUE 、父は同じく白品種 CHARDONNAY BLANC ということになってます。

つづく
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Léon Millot N (*)
Léon Millot N (*)

そのまま素直に読むとレオン・ミヨという黒品種。(*)注釈付きなので種間交雑、交雑・交配の繰り返しによるもので先祖を辿るのが難しい品種であります。VIVC のサイトからこの品種のそのまた母、つまり祖母に当たるのが正式名称 MILLARDET ET GRASSET 101- 14 、一般には101-14 と呼ばれるボルドーなどでは有名な(接ぎ木の)台木であります。

接ぎ木の台木と云ってももちろん葡萄の樹に違いありませんので、他の葡萄を接ぎ木しなければ葡萄の実も生る訳です。フィロキセラとはヨーロッパ原産の葡萄の根を食い荒らす虱の一種なので、アメリカ原産のフィロキセラに強い「根」即ち台木を必要としたのです。

本題に戻ります。レオン・ミヨは1911年アルザスはコルマールのオベールラン研究所に於いて Eugène Kuhlmann 氏が MILLARDET ET GRASSET 101- 14 O.P. (果皮色不明)を母、GOLDRIESLING (白)を父として交雑に成功した黒品種であります。

画像は元祖フランス葡萄品種のサイトからこちら、新フランス葡萄品種のサイトからこちらをご覧下さい。VIVC のサイトから葡萄房の拡大画像はこちらを開いてズームアップをクリックして下さい。

2011年現在フランス全土に 78ha 栽培されているとのことですが何処に栽培されているのでしょう。

フランス農学研究所関連サイトによるとアルザスのオー・ラン県原産とあります。ですが現在アペラシヨン・アルザスではこの品種の栽培を認めていません。

再びVIVC のサイトからこちらをご覧頂くとアメリカ・カナダ、そしてドイツなどで栽培されていることが分かります。フランスでは例によってアルザスからは遠く離れた地方の IGP 葡萄品種規定にその名が載っているだけであります。



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