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NÉGRETTE ネグレット 2
補足です。前述の VDQS Vins d'Entraygues et du Fel ,そして VDQS Vins d'Estaing の法律原文がヨーロッパのワイン法に詳しいサイトに保存されていましたのでウェブ魚拓を取らせて頂きました。

VDQS Vins d'Entraygues et du Fel はこちら、VDQS Vins d'Estaing はこちらをご覧下さい。その内容ですが、まず VDQS 時代のヴァン・ダントレーグ・エ・デュ・フェルの赤ワインの葡萄品種規定は次の通りとなっており、コピーさせて頂くと

II. - Encépagement
Vins rouges et rosés : Cabernet franc, Cabernet-Sauvignon, Fer, Gamay noir à jus blanc, Jurançon noir, Merlot noir, Mouyssagues, Négrette et Pinot noir.

1994年の時点では葡萄品種の解明が進んでいなかったため、この時点ではネグレットとされていたことにご注目下さい。

同じく VDQS ヴァン・デスタンの葡萄品種規定をコピーさせて頂くと

II. - Encépagement
Vins rouges et rosés : Fer-Servadou, Gamay noir à jus blanc, Abouriou (gamay Saint-Laurent), Jurançon noir, Merlot noir, Cabernet Franc, Cabernet-Sauvignon, Mouyssagues, Négrette, Pinot noir, Duras, Castet.

こちらもやはりネグレットとの記載があります。ですからその時点ではネグレットで通っていた訳です。葡萄品種のルーツが解明されてきたのはごく最近のことであり、その結果アペラシヨンの規定を変更せざるを得ない状況になってきた訳であります。今から考えると随分いい加減な葡萄品種規定であったことに違いありません。

ちなみに現在、2つのアペラシヨンでの葡萄品種規定は昨日申し上げた通りですが比較のためもう一度コピーします。

1°- Encépagement
a) - Les vins rouges et rosés sont issus des cépages suivants :
- cépage principal : fer N ;
- cépages complémentaires : cabernet franc N et cabernet-sauvignon N ;
- cépages accessoires : mouyssaguès N et négret de Banhars N.

VDQSヴァン・ダントレーグ・エ・デュ・フェルでは認められていたガメイ・ノワール、ピノ・ノワール、ジュランソン・ノワールにメルロー・ノワールはその姿を消しました。AOCアントレーグ・ル・フェルの主要品種はフェールで、カベソーとカベルネ・フランも必須葡萄品種、補助品種としてムイサゲスとネグレ・ド・バナールと規定されています。

もう一つのアペラシヨン・エスタンは

1°- Encépagement
a) - Les vins rosés et rouges sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : fer N et gamay N ;
- cépages complémentaires : cabernet franc N et cabernet-sauvignon N ;
- cépages accessoires : abouriou N (dénommé localement gamay Saint-Laurent N), castet N, duras N, merlot N, mouyssaguès N, négret de Banhars N et pinot noir N.

こちらでは主要品種がフェールとガメイ・ノワール、必須品種としてカベソーとカベルネ・フラン。補助品種としてアブリュウ、カステ、デュラス、メルロー・ノワール、ムイサゲス、ネグレ・ド・バナールそしてピノ・ノワールとなっています。

VDQSの時代に存在したジュランソン・ノワールはやはり消滅しています。また VDQS の時のフェール・セルヴァドゥはフェールのシノニムの一つであり、このフェールこそ主要品種の2つの中でも重要な品種となっています。

葡萄品種フェールはVIVCのサイトからこちらをご覧下さい。画像とかフランス国内の栽培面積の表示があるのはこちらをご覧下さい。

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NÉGRETTE ネグレットについて
ネグレット、いかにも無視されがちな葡萄品種の名前ですがアペラシヨン・フィエフ・ヴァンデアンの赤ワイン、そしてロゼに使われているのは前述の通りです。

ロワールでネグレットというのは余り聞き慣れないかも知れませんが、本来ネグレットが持て囃される地域はフランス南西地方、昔の名前で申し上げるとCôtes du Frontonnais コート・デュ・フロントネ、現在の名称はアペラシヨン・フロントンの範囲であります。

フロントンではこの葡萄品種ネグレットを50%以上栽培しなければならないという規定になっています。ご注意頂きたいのは現在ネット上で目立つセパージュは改正前のこちらの法律を根拠としているのです。ですが法律はコロコロ変わるものであり現在の法律はこちらから左のメニュー「Fronton」をクリックするとご覧頂けます。

さて葡萄品種ネグレットですが、その日本語での説明文で妥当なのはこちら、恐らくその根拠としているのはこちらであるはず。ネグレットのフランスに於ける栽培面積ですが 2011年度は 1,170ha とさらに小さくなっています。

葡萄品種ネグレットを多用するアペラシヨンは他にあるかどうか探してみるとこちらが見付かりました。こちらによるとネグレットを使う生産地として VDQS Lavilledieu、VDQS Vins d'Entraygues et du Fel, VDQS Vins d'Estaing と表記されていますが現在 VDQS はもう存在しません。

2012年5月現在上記の3つは IGP Lavilledieu ラヴィルデュー、AOC Entraygues -Le Fel アントレーグ・ル・フェル、AOC Estaing エスタンとなっていて、ラヴィルデューを除きAOCに格上げされています。(ラヴィルデューはVDQSからヴァン・ド・ペイ扱いのIGPに格下げ)

INAOのサイトから IGP Lavilledieu を拝見するとまさしく主要品種の中にネグレット種の記載があります。

次に AOC Entraygues le Fel を見ると、あれあれその赤ワインとロゼのセパージュの項には次のように書いてあります。コピーしますと

1°- Encépagement
a) - Les vins rouges et rosés sont issus des cépages suivants :
- cépage principal : fer N ;
- cépages complémentaires : cabernet franc N et cabernet-sauvignon N ;
- cépages accessoires : mouyssaguès N et négret de Banhars N.

似たような名前が補助品種として記載されていますがこのネグレ・ド・バナールというのは葡萄品種ネグレットのシノニムではなく別品種であります

同じくAOC Estaing の詳細を見ると

1°- Encépagement
a) - Les vins rosés et rouges sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : fer N et gamay N ;
- cépages complémentaires : cabernet franc N et cabernet-sauvignon N ;
- cépages accessoires : abouriou N (dénommé localement gamay Saint-Laurent N), castet N, duras N, merlot N, mouyssaguès N, négret de Banhars N et pinot noir N.

やはりネグレットではありません。ですから先程のサイトに書いてあるのはすべてが正しくはないということです。

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味処てらさき

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Fiefs Vendéens Pissotte
マイナーなアペラシヨンにお付き合い頂きまことに有り難うございます。アペラシヨン・フィエフ・ヴァンデアン残りのデノミナシヨンは1つだけになりました。

フィエフ・ヴァンデアン・ピソットはコミューン一つだけがその範囲であります。もちろんそれはピソット、昨日のデノミナシヨン・フィエフ・ヴァンデアン・ヴィクスの範囲であるコミューン、ロンジェーヴと隣接しているように地図上では見えます。

例によって赤ワインを構成する葡萄品種はどのデノミナシヨンも同じであります。

- cépages principaux : cabernet franc N, négrette N, pinot noir N ;
- cépages accessoires : cabernet-sauvignon N, gamay N.

主要品種はカベルネ・フラン、ネグレットそしてピノ・ノワールはアルファベット順に並べてあるだけのことで補助品種(決してブレンドしなければならないという規定は存在しません)はカベソーとガメイ・ノワール。

お隣のフィエフ・ヴァンデアン・ヴィクスの赤ワインはカベルネ・フラン主体なのですがピソットでは次のように規定されています。

- La proportion du cépage pinot noir N est supérieure ou égale à 50 % ;
- La proportion du cépage cabernet franc N est supérieure ou égale à 20 % ;
- La proportion du cépage négrette N est supérieure ou égale à 10 %

即ちフィエフ・ヴァンデアン・ピソットの赤ワインピノ・ノワール主体でその割合は50%以上、次にカベルネ・フランも20%以上、さらにネグレットも10%以上ブレンドしなければならないという決まりとなっています。

次にロゼはマルイユ、シャントネ、ヴィクス同様

- cépages principaux : gamay N, pinot noir N ;
- cépages accessoires : cabernet franc N, cabernet-sauvignon N, négrette N

割合については隣のヴィクスそしてマルイユ同様

- La proportion des cépages principaux est supérieure ou égale à 80 % ;
- La proportion du cépage gamay N est supérieure ou égale à 50 % ;
- La proportion du cépage pinot noir N est supérieure ou égale à 30 %

フィエフ・ヴァンデアン・ピソット・ロゼガメイ・ノワール主体と云うこと。

最後にフィエフ・ヴァンデアン・ピソットの白ワインの葡萄品種構成は

- cépage principal : chenin B ;
- cépage complémentaire : chardonnay B

で、その割合については

- La proportion du cépage principal est supérieure ou égale à 60 % ;
- La proportion du cépage complémentaire est supérieure ou égale à 10 %

つまりフィエフ・ヴァンデアン・ピソット・ブランはシュナン・ブランが 60% 以上 90% 以下シャルドネ・ブランが 10% 以上 40% 以下ということ。

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Fiefs Vendéens Vix
アペラシヨン・フィエフ・ヴァンデアンの残る2つのデノミナシヨンを片付けてしまいます。ヴァンデ県の東寄りに隣接するフィエフ・ヴァンデアン・ヴィクスと同・ピソットですが先ずはヴィクス。

フィエフ・ヴァンデアン・ヴィクスの範囲はコミューンの名前を挙げると Auzay オーゼ , Longèves ロンジェーヴ , Le Poiré-sur-Velluire ル・ポワレ・シュル・ヴルイール , そしてVix ヴィクス という4つになります。

フィエフ・ヴァンデアン・ヴィクスの赤ワインを構成する葡萄品種は主要品種はカベルネ・フラン、ネグレット、ピノ・ノワール、補助品種はカベソーとガメイ・ノワール。
その割合はカベルネ・フランが 50% 以上ピノ・ノワールが 20% 以上そしてネグレットが 10% 以上との規定になっています。

次にフィエフ・ヴァンデアン・ヴィクス・ロゼを構成する葡萄品種はガメイ・ノワールピノ・ノワールが主要品種でカベルネ・フランとカベソーそしてネグレットは補助品種です。
その割合は主要品種が80%以上でさらにガメイ・ノワールの比率が 50% 以上、かつピノ・ノワールも 30% 以上ブレンドしなければなりません。

フィエフ・ヴァンデアン・ヴィクス・白ワインの場合は他のデノミナシヨンと違ってソーヴィニョン・ブランが必ずブレンドされるということにご注目下さい。葡萄品種構成は主要品種としてシュナン・ブラン、準主要品種にシャルドネ・ブランとソーヴィニョン・ブランとなっています。
その割合の規定は法律原文から次の通りです。

La proportion du cépage principal est supérieure ou égale à 60 % ;
- La proportion des cépages complémentaires est supérieure ou égale à 10 %

主要品種シュナン・ブランは60%以上、シャルドネ・ブランとソーヴィニョン・ブランは2品種合わせて10%以上必要との規定です。

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