ワインとピアノのある部屋

八戸ノ里南を西へ入った自転車店のつぶやき

Duras
この品種もアペラシヨン・エスタンの補助品種のところに記載があったものです。恐らく「デュラス」と読むと思いますが違っていれば後程訂正します。

葡萄品種デュラスと南西地方のアペラシヨン・コート・ド・デュラスは同じ「Duras」ですがアペラシヨン・コート・ド・デュラスの赤ワインに使われる品種はCabernet-Sauvignon N, Cabernet franc N, Merlot N et Cot N カベソー、カベルネ・フラン、メルロー・ノワール、コットでありこの葡萄品種デュラスとは全く無縁であります。

一大生産地はフランス南西地方のガイヤックであり、原産地もそのタルヌ県ガイヤックであろうとされています。またアリエージュ県では durazé と呼ばれていたのが、この葡萄品種の名前の由来であるという説もあります。
最新版フランス葡萄品種のサイトからこちらのグラフを見て頂くと分かり易いと思いますが近年非常に栽培面積が増えました。そのフランス国内の栽培面積は 1958年から 1968年にかけては 87ha から 75ha と低迷を続けていましたが 1979年から増え続け 2008年には1063ha にまで増え、2011年では 868ha となっており、マイナー品種としては近年になってから沢山植えられてる品種であります。

VIVCのサイトによるとデュラスのシノニムは

CABERNET DURAS
DURADE
DURAS FEMELLE
DURAS MALE
DURAS ROUGE
DURASCA
DURAZE

と7種類報告されています。VIVCのサイトではフランス語でよく使われるアクサン・テギュなどの記号が省かれるのが困ります。

さてこの品種 Duras を使ってワインを造るのはアペラシヨン・エスタン、ガイヤックの他にアヴェイロン県のアペラシヨン Côtes de Millau コート・ド・ミヨーがあります。

えっ、そんなアペラシヨンあったの?

と思った方はかなりお勉強されているはず。2011年末で廃止された VDQS のカテゴリーにあったコート・ド・ミヨーは 2011年11月にアペラシヨンを取得しました。従って2012年の収穫からこの AOC Côtes de Millau のラベルを貼ったワインが登場する訳です。こちらをご覧下さい。地図はこの3月に出来たばかりのこちらをご覧下さい。範囲はアヴェイロン県に限られていますのでラングドック・ルーシヨンではなく南西地方のワインに分類されるはずです。

アペラシヨン・コート・ド・ミヨーの赤とロゼに使われ葡萄品種規定は

1°- Encépagement
a) - Les vins rouges sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : gamay N, syrah N ;
- cépage complémentaire : cabernet-sauvignon N ;
- cépages accessoires : duras N, fer N.
b) - Les vins rosés sont issus des cépages suivants :
- cépage principal : gamay N ;
- cépages accessoires : cabernet-sauvignon N, duras N, fer N, syrah N.

やはり残念ながら主要品種ではなく補助品種での扱いですけど・・・。

葡萄品種デュラス単一品種だけで構成される赤ワイン、あれば飲んでみたいのですが。

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Castets
先日ご紹介した新しいアペラシヨンで聞き慣れない葡萄品種を見掛けましたので調べています。本日の調査対象は「CASTETS」、読み方は「カステ」が近いように思います。

INAOのサイトでは「castet」と表記していますが正式名称は「CASTETS」末尾に「S」が付きます。先ずは元祖フランス葡萄品種のサイトからこちらをご覧下さい。この品種名は1870年に発見者とされる Nicouleau という人物の名前、あるいは1875年頃この品種を増殖させたと云われる人物の名前 Castets からとられたものとのことであります。

VIVCのサイトを見るとこちらの通り9つあるシノニム

CASTET
ENGRUNAT
GROS MACHOUQUET
GROS VERDAU
MACHOUPET
MACHOUQUET
MATIOUPET
MATIOUQUET
NICOULEAU

にも同じ名前があります。

最新のフランス葡萄品種のサイトではその原産地をジロンド県のガロンヌ川右岸のアペラシヨンで云う「コート・ド・ボルドー・サン・マケール」地区であると指摘しています。2つのフランスのサイトではどちらも絶滅危惧種としており、2011年の栽培面積は僅か 0.1ha とまさに風前の灯火であります。

ところがこちらのサイトでは19世紀にプロヴァンスで植えられ、特にエクス・アン・プロヴァンスがその産地として有名だったみたいです。それから、この葡萄品種を用いるのはアペラシヨン・エスタンの他プロヴァンスのパレットとの記載があります。念のためアペラシヨン・パレットを見ましょう。

ヨーロッパのワイン法に詳しいサイトからプロヴァンスのアペラシヨン・パレットはこちらをご覧下さい。INAOのサイトからパレットの最新詳細情報を引っ張り出して赤ワインに関する葡萄品種の記述をコピーさせて頂くと(内容は全く同じですけど)

1°- Encépagement

b) - Les vins rouges et rosés sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : cinsaut N, grenache N, mourvèdre N ;
- cépages accessoires : brun fourca N, cabernet-sauvignon N, carignan N, castet N, durif N, muscat à petits grains Rg, muscat de Hambourg N, petit brun N, syrah N, téoulier N, terret gris G, tibouren N.

2°- Règles de proportion à l’exploitation

b) - Vins rouges et rosés
- La proportion des cépages principaux est supérieure ou égale à 50 % de l’encépagement ;
- La proportion de chacun des cépages principaux est inférieure ou égale à 80 % de l’encépagement ;
- La proportion du cépage mourvèdre N est supérieure ou égale à 10 % de l’encépagement ;
- L’encépagement destiné à la production de vins rosés peut, en outre, comporter les cépages énumérés pour la production des vins blancs, dans une proportion inférieure ou égale à 15 % de l’encépagement.

先程示しましたが castet はCastets のシノニムの一つです。補助品種として残っていますね。ですが補助品種というのは全く使われない可能性もある訳ですからこの地で植えられていない可能性もある訳です。

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消えて無くなった VDQS Vins du Thouarsais
フランスのワイン法では VDQS (vins délimités de qualité supérieure)廃止に伴い、それまでに VDQS 指定されていた生産地は AOC に格上げされるか、もしくは IGP として扱われるかの二者択一と考えていたのですが例外も存在します。

ロワールの地域で申し上げるとアンジューのカテゴリーに属していた VDQS ヴァン・デュ・トゥアルセは AOC に格上げされず、また IGP にも移行せず、なんと消滅した模様です。

まず VDQS ヴァン・デュ・トゥアルセの場所はロワールのアペラシヨンの地図からアンジュー地区(黄緑色の部分)の16番であります。

VDQS 法律原本はこちら、コミューンの名前を列挙すると Deux-Sèvres ドゥー・セーヴル県の :

Bilazais ビラゼ(現在はOiron オワロンに併合された模様),
Coulonges-Thouarsais クロンジュ・トゥアルセ,
Luché-Thouarsais リュシェ・トゥアルセ,
Luzay リュゼ,
Massais マセ,
Maulais モーレ(現在はテーゼに併合),
Missé ミセ,
Oiron オワロン,
Pas-de-Jeu パ・ド・ジュ,
Pierrefitte ピエールフィット,
Rigné リーニェ(現在はモーゼ・トゥアルセに併合),
Saint-Jacques-de-Thouars サン・ジャック・ド・トゥアール,
Saint-Jean-de-Thouars サン・ジャン・ド・トゥアール,
Ste-Gemme 正確にはSainte-Gemmeサント・ジェム,
St-Varent 正しくはSaint-Varent サン・ヴァロン、
Taizé テーゼの各コミューン。

INAO のサイトからコミューン別のアペラシヨンを検索すると上記のすべてのコミューンでワインを生産してもアペラシヨン、IGP は名乗れないことが分かります。となれば、最後の手段は以前の VIN DE PAYS DU JARDIN DE LA FRANCE の後継 IGP を名乗ることが出来るのでしょうか?

こちらをご覧下さい。ヴァン・ド・ペイ・デュ・ジャルダン・ド・フランスは 2007年5月10日その法令は廃止され、その代替として Vin de Pays du Val de Loire が成立して現在 IGP Val de Loire が有効になっているのですが、残念ながらその範囲にも上記のコミューンは含まれていません。

こちらをご覧下さい。ヴァン・デュ・トゥアルセの名称でワインを生産・販売していた主な2業者がアペラシヨン・アンジューを付与して欲しいと懇願している様子であります。

ワインを造るにも政治力がある程度必要なのでしょうね。

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Abouriou アブリュウについて
先日葡萄品種ネグレットのときにご紹介した日本語のサイトですがネグレットの詳細はあったものの Mouyssaguès の記載はありません。本日ご紹介する Abouriou アブリュウも残念ながら載っていません。

日本語のサイトではダメなら元祖フランス葡萄品種のサイトを開いてみましょう。こちらをご覧下さい。こちらではこの品種はマグドレーヌ・ノワール・デ・シャラントの子孫という説明があります。

本当でしょうか?

ちなみにマグドレーヌ・ノワール・デ・シャラントとはフランスの主要品種であるメルロー・ノワールやコットの母方に相当する葡萄品種であります。

VIVCのサイトからアブリュウはこちらですがそのオリジンについての記載はありません。まだ断定できないと云うことかも知れません。

次に最新のフランス葡萄品種のサイトからこちらをご覧下さい。やはりオリジンについての説明はありませんね。1958年にはたった 0.5ha しか栽培されていなかった品種ですが僅か 10年後には 898ha にまで増え、2011年度では 314ha とマイナーな品種の割りには栽培面積が広いように思いますが如何でしょうか。

さてこの品種が最も多く栽培されているのはガロンヌ川沿いのワイン生産地アペラシヨン・コート・デュ・マルマンデであります。アペラシヨン・コート・デュ・マルマンデの法律原文が見られるのはこちら、その最新版を知りたい人はこちらを開いて、左のメニューの上から9番目をクリックして下さい。赤ワインとロゼに関する葡萄品種の規定は

- Les vins rouges et rosés sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : cabernet franc N, cabernet-sauvignon N, merlot N ;
- cépages complémentaires : abouriou N, cot N, fer N, gamay N, syrah N.

– Vins rouges et rosés :
- La proportion de l’ensemble des cépages cabernet franc N, cabernet-sauvignon N et merlot N est inférieure ou égale à 85 % de l’encépagement ;
- La proportion de l’ensemble des cépages abouriou N, cot N, fer N, gamay N et syrah N est inférieure ou égale à 50 % de l’encépagement.

主要品種はカベルネ・フラン、カベソーとメルロー・ノワール。必須品種はアブリュウ、コット、フェール、ガメイ・ノワールとシラーになっていて割合については主要品種が 85% 以下、必須品種が 50% 以下となっています。即ち主要品種は 50%~85%、必須品種が 15%~50% という割合であります。

さてさて葡萄品種アブリュウに話を戻します。VIVCのサイトによるとこの品種のシノニムは

BEAUJOLAIS
EARLY BURGUNDER
EARLY BURGUNDY
GAMAY BEAUJOLAIS
GAMAY DU RHONE
GAMAY ST. LAURENT
MALBEC ARGENTE
NEGRET DE LA CANOURGUE
NOIR HATIF
PLANT ABOURIOU
PLANT PRECOCE
PRECOCE NAUGE
PRECOCE NOIR
PRESSAC DE BOURGOGNE

と14種類報告されています。英語らしきシノニムが存在するには理由があります。こちらをご覧下さい。フランス原産の葡萄品種ですがアメリカにも渡っていたのですね。こちらにもカリフォルニアで栽培されていたことが分かります。

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コメント一覧
Barbara |2012/06/13 01:46 AM |

Mouyssaguès について
昨日のブログに書いたアペラシヨン・アントレーグ・ル・フェルそして同じくエスタンの補助品種として出てきた「Mouyssaguès」ってどう発音すればよいのでしょうか?

これから先もまだまだ登場するであろう新しい葡萄品種名についての対応策を考える必要があります。そんなとき役立つのがこちら Forvo のサイトです。

「Mouyssaguès」の発音ですが昨日調べてみたら Forvo のサイトにはなかったので新たに登録しておきました。すると早速本日その答えが届きました。(Mail でお知らせがあります)

正解は「ムイサゲス」「イ」にアクセントがあります。

フランスの葡萄品種のサイトからムイサゲスはこちら、元々そんなに広く栽培されていなかった品種ですが2011年度の栽培面積は僅か0.1haと事態はまさに風前の灯火。同じく元祖フランスの葡萄品種のサイトではこちらをご覧下さい。専門的になりますが VIVC のサイトによるとこちら、フランス原産の黒葡萄でシノニムは

FARINEUX
NEGRET
PEY DE GORP
PEYREGORD
PLANT DU PAUVRE
ROUGE MENU

2番目に「ネグレ」がありますのでこの品種もネグレットと誤認されてきた可能性があるはずです。
尚、現在のところフランスワインでこの品種ムイサゲスを使うことの出来るアペラシヨンは冒頭に申し上げたアントレーグ・ル・フェルそしてエスタンに限られています。こちらを参照下さい。

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