ワインとピアノのある部屋

八戸ノ里南を西へ入った自転車店のつぶやき

Alsace Klevener de Heiligenstein Ⅱ
サヴァニャン・ロゼはどんな葡萄なのか画像を見たいと思います。こちらをご覧下さい。葉の形状、葡萄の房も一目瞭然、果皮がロゼ色とは画像を見るとよく分かるはずです。この品種の植え付け面積は近年増えていますね、1979年に僅か 3ha だったのが2008年には 42ha まで増えていますがこれはやはり法律制定がバックアップとなったはず。

フランスの葡萄品種サイトではサヴァニャン・ブランとこのサヴァニャン・ロゼを同一品種かの如く1ページにて紹介しています。

しかしサヴァニャン・ブランの画像と比較すると葉の形状などは全く異なります。
またVIVCのサイトからサヴァニャン・ロゼサヴァニャン・ブランを見比べると原産国が違うのに気付かれるはずです。
サヴァニャン・ロゼはフランス原産の果皮がロゼ色の葡萄品種であり、サヴァニャン・ブランはスイス原産の白葡萄品種であり、両者は全くの別品種であると考えます。

さて本題に戻りますがこの名前「Alsace Klevener de Heiligenstein」の由来から考えてみますと、ハイリゲンシュタインはコミューンの名前。ではクレヴネルとは何でしょうか?
「Klevener」とスペルにありますがこれは「Klevner」もしくは「Clevner」が本来の名称の可能性が高いと思います。

まず「Klevner」を VIVC のサイトで検索するとその語句を含む葡萄品種名は全部で11存在します。そのうち単に KLEVNER と呼ばれる葡萄品種の正式名称はシャルドネ・ブラン、ピノ・ブランそしてピノ・ノワールと3つあります。次に KLEVNER KEK、KLEVNER SCHWARZBLAU をシノニムとするのはピノ・ノワール。多分ドイツ語圏で呼ばれる KLEVNER WEISS をシノニムに持つのはピノ・ブラン。さらに KLEVNER ROT をシノニムに持つのはピノ・グリであります。

要するに「ピノ」を意味するのがクレヴネルのはずではないでしょうか?

実際のところ最初に申し上げた「Alsace+葡萄品種」の項で「Pinot ou Klevner」とあるようにこのデノミナシヨン・アルザス・クレヴネル・ド・ハイリゲンシュタインは元々ピノからワインを造っていた可能性が高いはず。「Klevener」と「Klevner」とはスペルが違うではないかと突っ込まれそうですが、Klevener では葡萄品種のシノニムは一つも見付かりませんから(Clevener はトラミナー・ロットのシノニム)恐らく間違いないはず。

文献を探すと John J. Baxevanis 著の「The Wines of Champagne, Burgundy, Eastern and Southern France」にありました。

当時のコミューンの呼び名は「Heiligenstein-Barr」であり、周辺のコミューンは今と異なりゴックヴィラー、ブルグハイムそしてゲルトヴィラーの4つで延べ面積450ヘクタールという広大な栽培面積であったこと。そしてワインに使われる品種はピノ・ブランと当時でも珍しいサヴァニャン・ロゼとの記述を見付けました。

現在では僅か 97ヘクタールですから昔はもっともっと有名なワインだったのでしょう。ちなみに著書でのスペルは「Klevner de Heiligenstein」となっており「v」のあとの「e」はありません。区別するため後世で付け加えたのではないでしょうか?

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Alsace Klevener de Heiligenstein
INAOのサイトからアペラシヨンで「Alsace」を入力して検索するとワイン関連では3つのアペラシヨンがヒットします。即ち

Alsace grand cru アルザス・グラン・クリュ
Alsace ou Vin d'Alsace アルザスもしくはヴァン・ダルザス
Crémant d’Alsace クレマン・ダルザス

2番目のアルザスをクリックするとデノミナシヨン・アルザスの2つが現れます。

--Alsace
--Alsace Klevener de Heiligenstein

年齢が50歳代以上なら恐らくご存知ない方が多いはずのデノミナシヨン「アルザス・クレヴネル・ド・ハイリゲンシュタイン」、ハイリゲンシュタインとはバ・ラン県のコミューンの名前であり場所はこちら、ストラスブールから南西に35㎞ほど、コルマールからだと北北東に46㎞ほどの小さなコミューンであります。で、このクレヴネル・ド・ハイリゲンシュタインは地域限定でバ・ラン県 Bas-Rhin (67) : ハイリゲンシュタインの東3キロのブルグハイム Bourgheim , 同じく南東2キロのゲルトヴィラー Gertwiller , 同じく北東3キロのゴックヴィラー Goxwiller , ご当地 Heiligenstein , そしてハイリゲンシュタインから北北東に5キロのオベルネ Obernai という5つのコミューンしかこの名称を名乗ることは出来ません。

アルザス・クレヴネル・ド・ハイリゲンシュタインは非発泡性の白ワインのみで通例辛口だけです。肝心なことはこのワインに使える葡萄品種はサヴァニャン・ロゼ Savagnin Rosé と INAO では規定していることです。

サヴァニャン・ロゼとはなんぞや? と尋ねられると明確な答えは今の時点では非常に難しいかも知れません。サヴァニャン・ロゼを正式名称とする葡萄品種はこちら、フランス原産の果皮がロゼ色の品種で全部で22あるシノニムの中でハイリゲンシュタイン関連の名前は次の2つだけ。

HEILIGENSTEINER CLEVNER
HEILIGENSTEINER KLEVNER

しかしドイツ語で KLEVNER VON HEILIGENSTEIN というシノニムを持つ葡萄品種の正式名称はトラミナー・ロット TRAMINER ROT 、即ち通常はゲヴュルツトラミネールと呼ばれている葡萄品種であります。

この2つの葡萄品種に共通するシノニムは下記のように非常に多いのです。

CLEVNER
DRUMIN
FROMENTEAU ROUGE
LIVORA
LIVORA CERVENA
PRINC CERVENY
ROTER TRAMINER
RYVOLA
TRAMIN CERVENY
TRAMIN KORENNY
TRAMINAC CRVENI
TRAMINER ROZ
TRAMINI PIROS

正式名称サヴァニャン・ロゼの22あるシノニムのうちの大半が正式名称トラミナー・ロットのシノニムと合致すると云うことはこれらの2品種は往々にして一緒に植えられていた可能性があるということ。

アルザスワインの公式サイト(日本語)から全般的な説明はこちらをご覧下さい。重要なことは次の一文です。コピーさせて頂くと

1997年2月4日の政令で、「クレヴネル・ド・ハイリゲンシュタイン」の生産地域が限定されました。

ですから大々的にこの名前でワインが生産され輸出されるようになったのはそれ以降のことであります。即ちここ10年ほど前からやっと知られるようになったばかりであります。

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アルザス ヴァン・ダルザス Alsace Vin d'Alsace
現在は葡萄品種の遺伝子解析が進んできたのでフランスやイタリアのワイン法が大きく変わりつつあります。今後さらに解析が進むとまた変更になる可能性が高いのですが、とりあえず昔と異なる点を取り上げ詳しく調べて参りたい所存でございます。

原則的に葡萄品種名は通称の後に正式名称を併記しますのでその旨ご理解のほどお願い致します。

フランスのワイン法、地域やコミューンの詳細は INAO の現時点での最新情報のURLを貼り付けますが、これは時として変更になりますので情報は常に新しいものと置き換えて頂ければ有り難いと思います。

アルザスはもはや単一品種ばかりではない!

「アルザス」でまず思い浮かぶ葡萄品種はリースリング Riesling Weiss 、ゲヴュルツトラミネール Tramner Rot、そしてトカイ Pinot Gris 。また「アルザス」の美味しいワインとしてグラン・クリュやクロ・何某、ヴァンダンジュ・タルディヴにセレクション・グラン・ノーブルなどの高級品を思い浮かべる方も多いかも知れません。

先日取り上げたアルザス・ジャンティ Gentil (現行法での規定は無し)やエーデルツヴィッカー Edelzwicker の2つだけがブレンドワインではありません。2012年1月29日現在のアルザスの葡萄品種規定をご覧下さい。次の通りです。

Alsace + 葡萄品種名の一例を示していますが、上から順に説明しますと

Alsace Auxerrois とラベル表記するには葡萄品種オーセロワ Auxerrois しか使用出来ません。

次の Alsace Chasselas もしくは Alsace Goetedel はシャスラ・ブラン Chasselas Blancとシャスラ・ロゼ Chasselas Rosé との表記ですが2品種のブレンドでも構わないと云うことです。

Alsace Gewurztraminer はゲヴュルツトラミネール Traminer Rot だけしか使えません。

Alsace Muscat は3品種即ちミュスカ・ア・プティ・グラン・ブラン Muscat à Petits grains blanc 8193 MUSCAT A PETITS GRAINS BLANCS 、ミュスカ・ア・プティ・グラン・ロゼ Muscat à Petits grains rosé 8186 MUSCAT A PETITS GRAINS ROSES、ミュスカ・オットネル Muscat Ottenel 8243 MUSCAT OTTONEL(夫寝る)となっていますが今まで葡萄品種は単に「ミュスカ」とだけの規定だったのが実は調査の結果3品種はそれぞれ別物であったことに他なりません。

さて次からが問題です。
Alsace Pinot blanc はオーセロワとピノ・ブラン、どちらもピノ系ではあるものの全くの別品種を混ぜてよいと云うことになっています。

その次が大変理解に苦しむのですが、Alsace Pinot または Alsace Klevner とラベル表記するワインは何と4品種OKなのです。オーセロワとピノ・ブランはもちろんのこと醸造の際、果皮を素早く引き上げて白ワインとして仕立てたピノ・ノワールにピノ・グリもOKという訳です。

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アルザスのエーデルツヴィッカーという呼称について
先ずは雑談。
27日金曜日の某国営FM放送で流された「ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83」ブラームス作曲(ピアノ)レイフ・オヴェ・アンスネス(管弦楽)ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(指揮)マリス・ヤンソンスは実に素晴らしい演奏でした。ブラームスの2番はエミール・ギレリス、ヨッフム指揮のベルリン・フィルを愛聴していますが、アンスネスの演奏はピアノを意のままに鳴り響かせており難しいトリルも完璧に弾ききっていました。

さてL'Edelzwicker レーデルツヴィッカー、冠詞を取るとエーデルツヴィッカー、アルザス唯一のブレンドワインとの認識をお持ちの方が多いはず。

ヴァン・ダルザスの公式サイトでは日本語に翻訳されたこちらをご覧下さい。おやおやこのサイトでは他にアルザスのブレンドワインとして「Gentil」の存在を示していますね。

Vins d'Alsace Gentil は現在の法律 AOC にはその規定はないはずです。

先程のアルザスワイン公式サイトによると「ジャンティ」はこちらをご覧下さい。この呼称はアルザスワインの「業界憲章」により定められたものでINAOによる規定ではありません。つまり任意団体が勝手に決めたことであり法的規制ではないということ。

このサイトが正しければ「ジャンティ」が(高貴種と云われる)リースリング、ミュスカ、ピノ・グリ、ゲヴルツトラミネールが 50%以上、残りはシルヴァネール、シャスラ、ピノ・ブランであるということ。「エーデルツヴィッカー」はこのサイトをコピーさせて頂くと次のようになります。

AOCアルザスの白ぶどうをブレンドした際には、「エーデルツヴィッカー」とラベルに記載しています。このとき、各品種のブレンド比率は記載していません。ぶどうは、合わせてまたは別々に醸造されます。ヴィンテージの表記は任意です。歴史的には、これらの異なる品種は同じ区画で栽培されていました。当初は、ブレンドという意味の« ツヴィッカー(Zwicker) »と呼ばれていましたが、大量生産の品種に代えて、選ばれた高貴な品種を使っていることを示すために、«エーデルl (高貴な) »という接頭語が加わりました。

ところが現行法を見るとどうでしょう。AOC Alsace の第7条にその規定があります。即ちエーデルツヴィッカーの呼称を使うには第4条に示される葡萄品種から1つまたは複数の葡萄品種を使うことで許可されるとあります。つまりヴァン・ダルザスの葡萄品種であれば何を使っても構わないと云うこと。

ネットで調べるとこんなワインがありました。リースリング100%のアルザス・エーデルツヴィッカーで普通記載されることは少ないヴィンテージの表記ですが2004年と明記されています。まあ合法なのでしょうけど、どうしてアルザス・リースリング・2004年で発売しないのか不思議であります。単一セパージュなら「混ぜものワイン」の呼称を敢えて名乗る必要はないと思うのです。

さてINAOのサイトから最新のアルザスについての法律はというとこう書いてあります。

Dénomination en usage « Edelzwicker » issus de l'un ou plusieurs des cépages énumérés ci-dessus pour les vins blancs

こちらから左のメニューのALSACEをクリックして第5章のセパージュから白ワインに使える品種は

auxerrois B, chasselas B et chasselas rose Rs, gewurztraminer Rs, muscat à petits grains B, muscat à petits grains Rs, muscat ottonel B, pinot blanc B, pinot gris G, pinot noir N, riesling B, sylvaner B, et savagnin rose Rs

ということになるはずです。どの葡萄をいくらの割合で使わなければならないと云う規定は一切ありません。


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ワイン大学第323回定例会@ル・コントワール・デュ・グー





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