ワインとピアノのある部屋

八戸ノ里南を西へ入った自転車店のつぶやき

Piquepoul noir N




ピクプール・ノワールという黒葡萄、拙ブログでは5年前にこちらで書きましたがリンク切れなど発生しています。

ピクプール・ノワールを主要葡萄として使うワインのアペラシヨンは

AOC Châteauneuf-du-Pape
AOC Tavel
AOC Corbières


の3つですがこちらを見ると IGP は除いて

AOC Beaumes de Venise

が加えられています。ですがこれは間違い、ボーム・ド・ヴニーズは2005年に生まれた赤ワインのアペラシヨンであり、この葡萄規定は次の通り

1°- Encépagement
a) - Les vins sont issus des cépages suivants :
- cépage principal : grenache N ;
- cépage complémentaire : syrah N ;
- cépages accessoires : bourboulenc B, brun argenté N (localement dénommé camarèse ou vaccarèse), carignan N, cinsaut N, clairette B, clairette rose Rs, counoise N, grenache blanc B, grenache gris G, marsanne B, mourvèdre N, muscardin N, piquepoul blanc B, piquepoul noir N, roussanne B, terret noir N, ugni blanc B, viognier B.

即ち AOC ボーム・ド・ヴニーズの主要葡萄はグルナッシュ・ノワール、補完葡萄はシラー、補助葡萄(別に加える必要性はありませんが)としてブルブランク、ブリュン・アルジャンテ(カマレーズもしくはヴァカレーズと現地では呼ぶ)、カリニャン・ノワール、サンソー、クレレット・ブランシュ、クレレット・ロゼ、クノワーズ、グルナッシュ・ブラン、グルナッシュ・グリ、マルサンヌ、ムルヴェードル、ミュスカルダン、ピクプール・ブランそして当該葡萄、ルサンヌ、テレ・ノワール、ユニ・ブラン、ヴィオニエとなっておりピクプール・ノワールは主要葡萄ではありません。

尚、ボーム・ド・ヴニーズとはヴォクリューズ県のコミューンの名前であり地名です。AOC ボーム・ド・ヴニーズはBeaumes-de-Venise, Lafare, La Roque-Alric, Suzette という4つのコミューンだけがその範囲です。

尚、AOCボーム・ド・ヴニーズは天然甘口ワインのミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ AOC Muscat de Beaumes de Venise と混同しがちであります。

ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズの範囲は赤ワインのアペラシヨンと異なりコミューン Aubignan と Beaumes-de-Venise .だけに限られます。余談ですがこの天然甘口ワインは白・ロゼそしてルージュ即ち赤ワインも含まれていますがその葡萄規定にあるのは

Muscat a petit grain rouge

ミュスカ・ア・プティ・グラン・ルージュであります。従って黒い果皮を持つ葡萄では無く果皮色ルージュの葡萄であります。

不思議ですね、果皮色ルージュで濃い色の赤ワインが造れるのでしょうか?

フランスのワイン法ではミュスカ・ア・プティ・グランの類は次に示す3つしか登録されていません。

MUSCAT A PETITS GRAINS BLANCS  8193
MUSCAT A PETITS GRAINS ROSES   8186
MUSCAT A PETITS GRAINS ROUGES  8248

ところが VIVC ではこれらの3つ以外に

MUSCAT A PETITS GRAINS NOIRS 8238 

ミュスカ・ア・プティ・グラン・ノワールが登録されていてその栽培面積を見ると何とフランスに 436ha (1988年のデータ)もあったことになっています。

次にミュスカ・ア・プティ・グラン・ルージュの栽培面積を見ると

FRANCE  119.97ha  1999年
FRANCE   43.00ha  1958年
FRANCE  436.00ha 1988年
FRANCE  368.00ha 1998年
FRANCE  341.00ha 2006 年

1988年の栽培データが全く同じというのが不思議ですね。即ちこの二つのミュスカ・ア・プティ・グラン・ルージュ、ミュスカ・ア・プティ・グラン・ノワールはごちゃ混ぜになっている可能性が高いはず。ちなみにフランス政府は後者を登録していません。即ちミュスカ・ア・プティ・グラン・ルージュは自国で栽培される葡萄であるがミュスカ・ア・プティ・グラン・ノワールなどという葡萄は存在自体を無視している訳です。

然るにミュスカ・ア・プティ・グラン・ノワールが栽培されていたとされるのは紛れもなくフランスであった訳であります。

フランスのワイン法そしてフランスで栽培される葡萄についての政府登録、ミュスカ・ア・プティ・グラン関連の見直しする必要があると考えます。
| ワイン雑感 |
| 05:39 PM | comments (0) | trackback (x) |
コメント

PAGE TOP ↑
コメントする








絵の中の文字を入力して下さい:



PAGE TOP ↑
Copyright © 2006 ワインとピアノのある部屋::Piquepoul noir N
All Rights Reserved./Skin:oct