ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Muscat de Hambourg N




フランス語ではミュスカ・ド・アンブール(もしくはアンブルグ)と読むはずですが、VIVC2 が採用する正式名称は Muscat Hambourg 何と英語でして英語読みするとマスカット・ハンバーグになりそうです。Forvo の発音はこちらを開いてお聞きください。

拙ブログではこちらで書きましたが、ミュスカ・ド・アンブールが生まれたのは何と英国ではっきりとした履歴が残っています。

現在の VIVC2 のパスポートデータはこちら、シノニムは104 もあります。赤字で表記されているのは国別正式登録名称で、例えばブラック・ミュスカを登録しているのは今国家が2分されてしまったキプロスです。

ペディグリー関係はコピーさせて頂くと

Pedigree as given by breeder/bibliography TROLLINGER × MUSCAT OF ALEXANDRIA
Pedigree confirmed by markers SCHIAVA GROSSA × MUSCAT OF ALEXANDRIA
Prime name of parent 1 SCHIAVA GROSSA
Prime name of parent 2 MUSCAT OF ALEXANDRIA
Parent - offspring relationship
Breeder Snow, R.
Breeder institute code
Breeder contact address Private breeder
Year of crossing 1850

生産者の発表ではトロリンガーとマスカット・オブ・アレキサンドリアの交配、遺伝子検査の結果はスキアーヴァ・グロッサとマスカット・オブ・アレキサンドリアの交配。母親がスキアーヴァ・グロッサで父親がマスカット・オブ・アレキサンドリア。交配された年は1850年という意味です。

当時ヨーロッパではイタリアとドイツで広く栽培されていたのが母親となる葡萄でトロリンガー、最近の遺伝子分析によりイタリア原産のスキアーヴァ・グロッサであることが判明したため、上記のデータとなっている訳です。所変われば呼び方が変わる訳でシノニムが多いということはそれだけ広範囲に栽培されていたことを示すものとお考え下さい。

画像を拝借しているサイト
では当該葡萄の由来を次のように示しています。

Cette variété est d’après les analyses génétiques publiées, issue d’un croisement entre le Muscat d’Alexandrie B et le Frankenthal N.

ところがフランケンタールN という葡萄はフランス国家登録もなければこのサイトの「F」で始まる葡萄にも載っていません。

フランス国立農学研究所関連サイトではこちらのように(Détails をクリックして親子関係を見る)原産国不明として親子関係は

Mère/parent1 réel : Muscat d'Alexandrie
Code mère/parent1 réel : 308
Père/parent2 réel : Frankenthal = Schiava grossa
Code père/parent2 réel : 766

真の父親はフランケンタール=スキアーヴァ・グロッサとしています。

詳しく説明させて頂くと現在のところフランケンタールと呼ばれる葡萄は2つ存在して1つはスキアーヴァ・グロッサですがもう1つはスキアーヴァ・ジェンティーレ、ですから誤解を招く表現は避けて頂きたい。

ついでに申し上げるとフランス葡萄に詳しいサイト もフランケンタール説を唱えています。

さて黒マスカット、マスカット・ハンバーグは以前のブログで申し上げたようにフランスでは食用葡萄として食べられることに重点を置き、ワイン用としてはテーブルワインそれもブラッシュ・ワインみたいな色の薄いロゼを造る原料ブドウとなっています。

尚、こちらのサイトの説明(アペラシヨン・パレットでの10%以下の補助葡萄)というのは根拠がありません。法令では10%以下という表記は存在しません。念のためアペラシヨン・パレットの赤・ロゼ葡萄規定を示します。

1°- Encépagement
b) - Les vins rouges et rosés sont issus des cépages suivants:
- cépages principaux : cinsaut N, grenache N, mourvèdre N;
- cépages accessoires : brun fourca N, cabernet-sauvignon N, carignan N, castet N, durif N, muscat à petits grains Rg, muscat de Hambourg N, petit brun N, syrah N, téoulier N, terret gris G, tibouren N.

2°- Règles de proportion à l’exploitation
La conformité de l’encépagement est appréciée, pour la couleur considérée, sur la totalité des parcelles de l’exploitation produisant le vin de l’appellation d’origine contrôlée.
b) - Vins rouges et rosés:
- La proportion des cépages principaux est supérieure ou égale à 50% de l’encépagement;
- La proportion de chacun des cépages principaux est inférieure ou égale à 80% de l’encépagement;
- La proportion du cépage mourvèdre N est supérieure ou égale à 10% de l’encépagement;
- L’encépagement destiné à la production de vins rosés peut, en outre, comporter les cépages énumérés pour la production des vins blancs, dans une proportion inférieure ou égale à 15% de l’encépagement.

パレットの赤ロゼ主要葡萄はサンソー、グルナッシュ・ノワール、ムルヴェドルでありムルヴェドルは最低10%以上という規定はあるものの主要葡萄の合計は50%以上80%以下、赤ワイン補助葡萄のうち当該葡萄に割合規定は存在しないので最大20%以下なら問題ないはずです。従って10%以下には制限されていないというのが私の見解です。
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| 06:18 PM | comments (0) | trackback (x) |
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