ワインとピアノのある部屋

八戸ノ里南を西へ入った自転車店のつぶやき

Counoise N




カタカナ表記するとクノワーズ、画像は VIVC のこちらから拝借。拙ブログでは2012年の末にこちらで取り上げた。以前のブログで示したようにこのクノワーズを主要品種としているフランスの AOC は Châteauneuf-du-Pape シャトーヌフ・デュ・パープと Coteaux d'Aix-en-Provence コトー・デクサン・プロヴァンスだけである。

であれば、シャトーヌフ・デュ・パープとコトー・デクサン・プロヴァンスの赤ワイン(後者ではロゼも含む)必ず当該葡萄が使われるかというと・・・ 実はそうではない

何のための主要葡萄の規定なのか、INAO の葡萄規定は理解に苦しむところが多い。

コトー・デクサン・プロヴァンスの葡萄規定は次の通り。

1°- Encépagement
a) - Les vins rouges et rosés sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : cinsaut N, counoise N, grenache N, mourvèdre N et syrah N ;
- cépages accessoires : cabernet-sauvignon N et carignan N.
b) - Les vins blancs sont issus des cépages suivants :
- cépage principal : vermentino B ;
- cépages complémentaires : clairette B, grenache B, sauvignon B et ugni blanc B ;
- cépages accessoires : bourboulenc B et sémillon B.
2°- Règles de proportion à l’exploitation
La conformité de l’encépagement est appréciée, pour la couleur considérée, sur la totalité des parcelles de l’exploitation produisant le vin de l’appellation d’origine contrôlée.
a) - Vins rouges et rosés :
- Deux au moins des cépages principaux sont obligatoirement présents dans l’encépagement ;
- La proportion du cépage grenache N est supérieure ou égale à 20 % de l’encépagement ;
- La proportion de l’ensemble des cépages accessoires est inférieure ou égale à 30 % de l’encépagement ;
- Pour les vins rosés, l’encépagement pourra, en outre, comporter les cépages listés au 1° b) ci-dessus pour la production des vins blancs, dans une proportion inférieure ou égale à 20 % de l’encépagement.
b) - Vins blancs :
- La proportion du cépage vermentino B est supérieure ou égale à 50 % de l’encépagement ;
- La proportion de l’ensemble des cépages complémentaires est supérieure ou égale à 30 % de l’encépagement.

赤・ロゼの葡萄規定の主要葡萄にもちろん当該葡萄はあるが同時にサンソー、グルナッシュ、ムルヴェドルとシラーの名もある。コトー・デクサン・プロヴァンスの場合、主要葡萄の割合規定で必ずアサンブラージュしなければならないのはグルナッシュだけで当該葡萄の割合規定は存在しない

第1項の割合規定に於いて少なくとも2つの主要葡萄を用いなければならないとあるので、必須とされるグルナッシュ以外に4つある主要葡萄、即ちサンソー、クノワーズ、ムルヴェドル、シラーのうち1種類だけ使えばよいという訳で、補助葡萄のカベソーとカリニャンは30% 以下ということ。ロゼの場合に限り白の葡萄規定に示された葡萄を 20% 以下ならブレンド出来ると云うこと。

白ワインに関しては歴然たる主要葡萄が決まっており、ヴェルメンティーノが 50% 以上という規定があり、補完葡萄とされるクレレット・ブランシュ、グルナッシュ・ブラン、ソーヴィニョン・ブランそしてユニ・ブラン(正式名称トレッビアーノ・トスカノ)は全て必須という訳でなく全体の 30% 以上という割合で4補完葡萄のどれかの葡萄を使う必要があると云うことであり、補助葡萄のブルブランクとセミヨンに関しては割合規定を敢えて省いてあるが計算すれば 20%以下と云うことは明白である。

実際はというとこのアペラシヨンのワインの大半はロゼであり、次いで赤、白はほんの少ししか生産されていない。

葡萄の栽培についてはこちらをご覧あれ。アペラシヨン・コトー・デクサン・プロヴァンスの葡萄畑の構成は次の通り。

主要葡萄
グルナッシュ・ノワール(正式名称ガルナッチャ・ティンタ) 40%
シラー 17%
サンソー 8%
当該葡萄のクノワーズ 2%
ムルヴェドル 1%

補助葡萄
カベルネ・ソーヴィニョン 14%
カリニャン・ノワール 7%

主要葡萄として法令記載されているもののクノワーズは僅か 2% しか栽培されていないことが分かる。補助葡萄の栽培面積が広いのには訳があるがここでは触れない。

白ワイン用の主要葡萄はヴェルメンティーノで栽培面積比率は 4% 、グルナッシュ・ノワールの 1/10 しかない。

アペラシヨン・コトー・デクサン・プロヴァンスの白ワインは数少ないという証左。

従ってアペラシヨン・コトー・デクサン・プロヴァンスに於いては補助葡萄より栽培面積の小さな赤ワイン用主要葡萄という矛盾した存在となっている。



アペラシヨン・シャトーヌフ・デュ・パープの場合は以前申し上げた通り「13種類の葡萄を使って造られるワイン」など不適切である。実際の栽培面積比率はこちらから

In 1989 and 2004 was the percentages of the different varieties in Chateauneuf du Pape:
Variety  % 1989  % 2004

Grenache  79,25  72,00
Syrah  5,66  10,50
Mourvedre  4,76  7,00
Cinsault  3,33  2,50
Clairette  2,34  2,50
Grenache Blanc  2,02  2,00
Bourboulenc  1,02  1,00
Roussanne  0,50  1,20
Counoise  0,43  0,50
Muscardin  0,33  0,40
Vaccarese  0,13  0,15
Picpoul  0,11  0,15
Picardan  0,10  0,05
Terret Noir  0,02  0,05

知りうる限り最も新しいデータはこちらのサイトから次の通りである。

% Planted in 2014

Grenache  72.03%
Syrah  2.84%
Mourvedre  6.61%
Cinsault  2.57%
Grenache B  2.47%
Clairette  2.31%
Bourboulenc  1.0%
Roussanne  1.11%
Counoise . 0.44%
Muscardin  0..34%
Vaccarese . 0.13%
Picpoul . 0.06%
Terret Noir . 0.03%
Picardan  0.01%

念のため現在の AOC Châteauneuf-du-Pape の葡萄規定は赤白関係なく次の通り13種類ではなく18葡萄、栽培規定やブレンド割合規定は設けられていない。つまり下記の葡萄なら何をどれだけ使っても自由のはずだが実際の葡萄畑の栽培状況は上記の通りである。

V. - Encépagement
Les vins rouges et blancs sont issus des cépages suivants :

bourboulenc B,
brun argenté N (localement dénommé « vaccarèse »),
cinsaut N,
clairette B,
clairette rose Rs,
counoise N,
grenache blanc B,
grenache gris G,
grenache N,
mourvèdre N,
muscardin N,
picardan B,
piquepoul blanc B,
piquepoul gris G,
piquepoul noir N,
roussanne B,
syrah N,
terret noir N.

法律解釈では異論があろうが、実際主要たる栽培葡萄はグルナッシュ・ノワールである。赤ワインのブレンド用葡萄としてはシラーとムルヴェドル、サンソーも加えるべきかも。

シャトーヌフ・デュ・パープ白ワイン用としてクレレット・ブランシュにグルナッシュ・ブラン、ブルブランクにルサンヌが主たる葡萄と言える。もちろん果皮の黒い葡萄を白ワイン用に醸造しても法律上問題はないが、果皮からの色素流入は避けられないはず。事実上黒葡萄から白ワインを醸造する生産者はほとんど無い。それなら何のための葡萄規定か?

結論で云うとアペラシヨン・シャトーヌフ・デュ・パープに於いて当該葡萄クノワーズはデータで見る限り1%に満たないため主たる葡萄とは言い難いのが現状である。
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