ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Brun Fourca N


ブラン・フルカと読む果皮色が黒い葡萄。拙ブログでは3年ほど前にこちらで取り上げました。
画像はフランスで栽培される葡萄のサイトから拝借しました。こちらのサイトにはこの葡萄はプロヴァンス原産の葡萄とあります。

ところが最新のVIVC のパスポートデータを見てビックリです。

先ずはこの葡萄に関する VIVC の2年前のパスポートデータをご覧下さい。ペディグリーの欄に父親そして母親に相当する葡萄の名はありません。

ですけれど現在のパスポートデータにはその交配に関わった葡萄名がハッキリと載っています。コピーさせて頂くと

Pedigree confirmed by markers  POUGAYEN(PAUGAYEN のシノニムの一つ) × BEST'S R2 V73
Prime name of pedigree parent 1   PAUGAYEN
Prime name of pedigree parent 2   BESTS R 2 V 73

即ちブラン・フルカフランス原産の黒葡萄ポーガイアンを母、オーストラリア原産の黒葡萄ベスツ・アール・ツー・ヴィ・セヴンティスリーを父として生まれた交配種であるとしています。

2年前は25だったシノニムですが現在は29に増えています。

さてオーストラリアがヨーロッパの人達に知られたのは西暦1770年英国の探検家キャプテン・クックによってシドニーに到達してからのはずです。

ところがこのブラン・フルカが歴史上登場したのは1772年、ピノのシノニムとして最初に文献に載ったのが始まりであり、当該葡萄が確認されたのは1783~1784年エクサン・プロヴァンスとマルセイユから東へ 20km のオバーニュ(ブッシュ・デュ・ローヌ県)とのこと。葡萄の房が1つではなく二股に分かれて「フォークみたいな」形状故に付けられた名前(Fourca)というのがジャンシス・ロビンソン女史の本にあります。二股の葡萄の房とはこんな具合でしょうか(画像は黒葡萄ではありません)。



このブラン・フルカが VIVC の示す通りオーストラリア原産の葡萄との交配種であるとするなら、それ以前にオーストラリア大陸から交配の元となる葡萄 BESTS R 2 V 73 が持ち込まれていたことになります。オーストラリアとの交流がなかった時代に葡萄だけ持ち込まれた可能性は非常に低いはず。その交配が何時行われたのか? 大陸が異なるためまさか自然交配などあり得ないはず。

アペラシヨン・パレットの補助品種としてワイン法の葡萄規定にその名が載っていて、実際にワインに使われている訳ですから、プロヴァンス原産でないとしたら大変であります。

葡萄のペディグリーに関しては現在解明され始めたばかりなので今後この葡萄の家系図は書き直される可能性があります。あくまで 2015年 9月 19日の時点での VIVC のパスポートデータに基づくものですのでご了承の程お願い申し上げます。

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