ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

なにわフレンチびぎん第46回ワイン会
twitter でお付き合いのある周防町のレストラン店主から「キャンセル発生」と連絡を受け急遽参加することに相成りました。

内容は5種類のお料理とそれに合う5種類のワイン、会費はすべて込みの¥8,800 とお安い!

まずお料理は日本料理に使うお椀に盛られた「信州開田高原のとうもろこし『めぐみ』の冷製スープ」トッピングは黒胡椒。シノワで濾して供するのが一般的でしょうが、わざと濾さずに玉蜀黍の食感を残した仕上がりです。


このスープに合わせるのが「ファウンドストーン・ブリュット・キュベ」オーストラリア名門ワイナリーの新作スパークリングとのこと。ネットで調べると Berton Vineyards Foundstone Brut Cuvee NV 、インポーターはモトックスでした。ガス圧 5.5 気圧とのことですがシャンパーニュ方式ではなく炭酸ガス注入方式のためでしょうか、グラスに注がれた液体にそれだけの泡は感じません。口に含むとまず甘い、そこそこの酸もありますが炭酸が弱いためにしつこく感じてしまいます。葡萄はシャルドネ 72% 、ピノ・グリージョ 22% 他とあるのですけど「他」って何なのか説明がないところがモトックスらしい。


つぎは「根室直送! 本紅鮭のポワレ 高知県産ハスイモを添えて」という鮭のステーキ。ハスイモはマリネされているのですがそれに使われる「酢」が疑問であります。鮭自体は旬の食材で美味しいのですが2度焼きなのか身が固いのが難点。切り身に粉振ってムニエルの方が有り難かったかも。

合わせるワインは「ウルフトラップ ホワイト 2013」(メニューの通り表記) Boekenhoutskloof Wolftrap White 2013 ブーケンハーツクルーフ ウルフトラップ・ホワイト という南アフリカのワイン。葡萄はヴィオニエ 46%、シュナン・ブラン28%、グルナッシュ・ブラン26% とのこと。一口飲めば分かる重いワイン、香りは暑苦しいですし味はボテッとしているいわゆる重口。ワインだけ飲めば「濃い濃い」かもしれませんがこの手のワインは食事に合わせにくいのが特徴です。鮭を食べてからワインを口に含むと、鮭の生臭さが出てしまうのでこれは明らかにミスマッチであります。またハスイモの酢がワインとは全く合いません。


「USブラックアンガス牛のリヴロースのローストビーフ、北海道産西洋わさびのカクテルソースで」(rib roast なのでリヴではなくリブロースが本来の表記)シナチクのようなものとのサラダ仕立てですが残念ながらローストビーフ本来の美味しさが感じられない。火が通りすぎ、薄くスライスしすぎでシナチクみたいなモノの食感だけしか印象に残らないのは残念であります。

ここで赤ワイン「Equus エクウス 2010」ヴィーニャ・サンタ・マリーナというワイナリーの赤ワインでテンプラニーリョ、カベソー、シラーのブレンド。フレンチオークとアメリカンオーク樽熟成6ヶ月とのこと。残念ながら熟成途上のワインで味がバラバラ、というか落ち着きがありません。刺激が強いので薄味料理とは全く合いません。


次の料理は「鳥取県産ととりこ豚スペアリブのコンフィ、お野菜のドレッシングを掛けて」。このお料理はとても良かったと思います。豚の脂分はすっかり落ちて旨味だけが残ったコンフィにラヴィゴットソースがよく合います。

ところが合わせるワインは「フィアーノ 2013」とだけのご説明。ラベルを見れば DOC サンニオの葡萄規定に適うワインであり、ワイン名は「サンニオ・フィアーノ」とすべきです。生産者はこちら ワインとしては悪くないのですが、これは薄目の辛口で、刺激の強い赤ワインの次に飲むと随分と頼りなく感じてしまいます。つまり順番間違い。念のために付け加えますが DOC Sannio の規定はこちらをご覧下さい。


最後のお料理は「鳥取県産ととりこ豚のフィレ肉、デュクセル」。デュクセルとはソース・デュクセルのことでマッシュルームのみじん切りのソース。ドングリを食べて育った豚のジューシーな部位を期待したのですがやはり二度焼きみたいにしっかり芯まで火が通ったお料理でした。

でもワインは素晴らしい。「フランソワ・セルヴァン シャブリ・プルミエ・クリュ・ヴァイヨンのプライベート 2006 」マグナムボトルであります。これは熟成した本来のシャブリであり、刺激的な強い成分が消え、角の取れた酸そしてミネラルが渾然一体となった飲み頃シャブリであります。これならどんな料理とも相性が良いはず。

ワインとは熟成を経て飲み頃に到達してから味わいたい飲み物であり、最後のワインだけはそれに合致していました。残念だったのはお料理に合わせたワインはグラス1杯だけだったこと。その量もグラスになみなみと注がれる訳ではなくグラスの半量以下、グラスにもよりますが大目に見ても 80cc 程ではなかったでしょうか。5杯ですからトータルで 400cc ほどなので私のような飲み助には足りません。ですが隣のお席の場合、お連れの女性は殆どお飲みになっていませんのであまり飲まない人と行くのなら適量だったかも知れません。

我がワイン大学定例会は大体お一人ボトル1本分以上は飲んで頂いてますので「足りない!」との不満の声はあまり聞きませんが。


頂いたワイン。


デザートは無しとのことですので追加料金を支払いプディングを。黒糖のカラメルソースは良かったと思います。

結論で申し上げると普段のびぎんさんとは異なるお料理だったのかも知れません。大人数のため予め用意していたお料理の再加熱といった内容なのでちょっと残念。ですが最後のワインは大変良かったので私は十分満足であります。ワインとは熟成してなんぼのモノ、ですから安くてもちゃんと熟成したワインを取りそろえて頂きたいと思います。順番としては、もっと綺麗な辛口のスパークリングから始めて、次にフィアーノ、ヴィオニエは食事に合いにくいのでシュナン・ブランの白ワイン(ローストビーフによく合うモノがございます)、赤ワインはもっと軽めで料理に合いやすいボルドーを。そして最後は熟成したシャブリで締めくくればもっと良かったように思います。

低予算でしっかり食べられ、それなりのワインが飲めるのでファンが多いのは納得できます。次の機会にまた参加して感想を述べたいと思います。ご馳走様でございました。
| 食べ歩き |
| 06:25 PM | comments (0) | trackback (x) |
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