ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

唐閣 T'ANG COURT
出発地点メトロの駅炮台山(Fortress Hill)はそれほど混んではいなかったのですが乗換駅金鐘(Admiralty)の荃湾行きホームが酷い混雑だったのです。

言い方が悪かったかも知れません。人、人、人の大行列ではなく黒山の人集りが出来ていたのです。折からの雨のため地上に居られなくなった人々が地下に集結したのかと思いました。

地下鉄に乗るためには日本のように整列して待つのではなく、ホームは人で溢れかえっています。ラッシュアワーの時間帯では1分程で次の車両が到着するのですが、増える一方の待ち客に降りる客が殆ど居ないため身動きできない状態になってしまいました。

やって来る車両の中をよく見ると先頭車両とその次の車両はガラガラで私が並んでいる?中程のホームだけが異常に混んでいると云うことが分かったのですが時既に遅し。結局小一時間程もみくちゃにされながらやっと次の駅に到着したのは出発してから 1時間 20分後のことでした。

地上に出れば大雨が待っていますが、ホテルで借りた大きな傘が役立ちました。地下鉄から歩いても 5分のところランガムホテルの 2階にあるのが本日の夕食処唐閣(タンコート)であります。

唐閣は昨年末・年始に泊まったホテル内のメインダイニング。階段を上がって厨房からすぐのテーブルに案内されたのは以前と同じであります。日本人は奥の目立たない席に座らせるのが常なのでしょうか。私の場合厨房からすぐの方が料理が冷めないので有り難いと思っていたのですけどね。

で、早速用意した通りセットメニューをアレンジしてこちらの希望通りにして頂き、価格的にも納得したのでそれを注文。ワインはお高いシャンパーニュを避け、スパークリングワインを、また蒸し暑い地下鉄ホームに長居したため喉が渇いたのでペリエを注文。

とりあえず聞いたことのない泡を注文したものの後で調べてみたら何とルーマニアのワインでした。

Zarea Diamond Blanc Brut Methode Traditionnelle NV HK$ 410

こちらによると Chardonnay 60%, Feteasca Regala 40% とのことですが フェテアスカ・レガーラ Fetească Regală とは VIVC のサイトからこちらをご覧下さい。ルーマニア原産の白葡萄ですがその父母はモルドヴァ原産の葡萄です。結論から申し上げると少しひねた感じの泡量少なめスパークリングワイン。シャンパーニュと同じ製法ですから「熟成」がお好きな人には向いているのかも知れません。


先ずは太白醉翁蝦 Drunken prawns 「酔っぱらい海老」のプレゼンテーションから始まります。蓋付きガラスキャセロールにシラサ海老が全く動こうともしないで眠って居るみたいな様子であります。その蓋を瞬時だけずらせて、一気に投入されたのはかなりアルコール度が高い老酒らしき液体。再び密閉された訳ですがしばらくしてから・・・ ガラスのキャセロール内は激しい海老の飛び跳ね合戦と相成りました。

おとなしくなったのは5分以上経ってからだったでしょうか。しぶとく未だ飛び跳ねるヤツも居ましたが、一尾ずつ取り出して今度はガスコンロの上に設えられた蓋付き大鍋の蓋に付いている小窓のような部分から沸騰しているはずのスープ目掛けて投入していきます。

つまり酔っぱらい(の海老)を煮えたぎった風呂に入れ昇天させる訳ですが、普通はその海老を取りだして供するだけのはず。

ところがこのお店ではその海老の旨味が溶け出したスープも供するのです。


おっと、その前に別に注文していた唐閣名物料理、砵酒焗美國蠔 Baked blue point oysters with port wine オーストラリア・ブルー・ポイント牡蠣のポルト酒ソースが先に登場しました。


大晦日に食べたモノより遙かにでかい!

ベイクトとありますがオーヴンで焼いたのではなく恐らく下味付けてから粉を塗してかなりの高温で揚げたような仕上がりです。生臭さなんて微塵も感じられない味・香りで、牡蠣好きには堪らない一品であります。ボリュームも桁外れで結構お腹が膨れます。ナイフ・フォークと比較すればその大きさがお分かり頂けると思うのですが如何でしょうか。


牡蠣を食べ終えるとすぐさま出来上がった海老が供されます。一尾 80 グラム以上あるデカイ海老を2尾。香味醤油を付けて食べるのですが醤油が無くても非常に甘いしその食感はプリプリです。


で、先ほど申し上げた海老のエキスが詰まった濃厚上湯が登場。これは想像以上に美味しいスープであります。


そしてフカヒレをチェンジしたのがこちらの 蟹皇竹笙官燕卷 Stewed bamboo pith rolls filled with imperial bird’s nest and topped with crab roe 日本語ならキヌガサタケに詰め込んだツバメの巣の蟹肉と蟹内子のソースでしょうか。

ちょっとツバメの巣がキヌガサタケよりはみ出していますね。福臨門ならもう少し丁寧にツバメの巣をキヌガサダケに詰められますがお値段はそれなりにしますので・・・。

ツバメの巣の質は福臨門と大差ないように思います。蟹肉と蟹の内子は残念ながら余計だったかも知れません。


次はどう見ても「北京ダック」にしか見えませんがその名は「唐閣片皮雞 Golden-fried crispy "T’ang Court" chicken」、ダックではなくてチキン、日本語で申し上げると「タンコート・鶏」、鶏の北京ダック風が一番分かり易いかも。画像は毒味された形跡がハッキリ分かるように撮影したもの。


実は正面から見るとこんな感じ。慣れない人は見ただけで食べる気が失せるかもね。ダックではないことだけはよくお分かり頂けるはずですけど。


これには大きな蒸籠が2段構えで付いてきます。蒸籠の中にはそれを包む皮が入っているのです。で、取り分けられたファースト・サービスがこちら。パリッパリの皮には結構身が付いており、飾り切りされた葱と赤いものは唐辛子の生(思い切り辛い)と一緒に蒸し立ての皮に包んで食べるのですが北京ダックより遙かに美味しい。

でもこの後お代わりが3度出てくる(通算すると4回のサービス)のでお腹一杯になってしまいます。


そして香港の海鮮料理といえば定番の清蒸東星斑 Steamed spotted garoupa、生きてる魚を素早く内臓など取り出して蒸し、香草・葱を振り掛け高温の油を掛けるお料理です。1キロちょっとの魚ですがちょっと水槽に長居したような匂いが気になりました。生臭い訳ではありませんが水槽特有の匂いがしたのです。


一人前の盛り付けですが香菜が結構な量なので嫌いな人は困るでしょうね。外観では分からなかったのですが、小骨の多いのは困ります。取り分けるのもサービスマンとしては重要な仕事ですのでもう少し勉強して頂きたいと思いました。

取り分け上手は神戸のこちらでしょうか。


その次は香港では高級料理の一つ、一品原隻南非鮑魚 Braised whole abalone with fish maw, Beche-de-Mer and seasonal vegetable 丸ごと一匹の鮑、魚の浮き袋そして海鼠のオイスターソース季節の野菜青梗菜添え。特に申し上げると海鼠の形が見事な訳ですがこのとき既に満腹状態。


さらに蔥蒜豆豉爆雞 Stir-fried sliced chicken with spring onions, garlic and black bean 骨付き鶏と新玉葱と大蒜豆豉炒め、骨がなければ食べやすいのですが・・・。


和牛チャーハンと入れ替えた鮑入り焼きそばもお腹一杯なのと鮑が重なったため食べ切るのがやっと。


でもデザートは別腹で、季節のフルーツにエッグタルト。ここのエッグタルトはサクサクの熱々で玉子の香りが生きたまさに絶品であります。デザートのエッグタルトだけを追加で注文すると 30 分ほど待たされるので要注意です。

後から考えると、名物料理をア・ラ・カルトで頼んだ方が無難みたいです。海鮮をウリにしているのではないので、ガルッパなどの鮮魚の質に問題です。上湯が美味しいのでフカヒレのスープ上湯仕立てかツバメの巣の同じく上湯、そして牡蠣のお料理、メインには料理長のお薦めから一つ選び、後はチャーハンか麺類、デザートにエッグタルトで十分ではないでしょうか。
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| 02:19 PM | comments (0) | trackback (x) |
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