ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Müller-Thurgau
Müller-Thurgau B

ドイツを代表する白品種の一つが何故フランス農水省公式葡萄品種目録に載っているのか不思議ではありますが、フランスにも栽培されている事実を公にしたいということでしょうか? さてミュラー・トゥルガウ種の誕生についていろんな説がネット上に氾濫していますが殆どがデタラメであり、真っ当と思われるのはこちらの説明ではないかと思います。

即ち開発したのは Hermann Müller 氏であり、場所はドイツのガイゼンハイム研究所 Forschungsanstalt Geisenheim であり、スイスのトゥルガウ州ではありません。

では何故この名前が付いたのかという答えはこちらをご覧下さい。即ち新しく開発した葡萄に自分の名前 Müller と出身地(Tägerwilen)であるスイスのトゥルガウ州 Thurgau を取り入れたという訳。

で、Riesling と Silvaner の交配 (正式名称で云うと RIESLING WEISS ×SILVANER GRUEN)と云われたのも間違いであり正しくは VIVC のこちらをご覧頂けるとお分かりの通り

ミュラー・トゥルガウは、RIESLING(母) × MADELEINE ROYALE (父 マドレーヌ・ロワイヤル)の交配により生まれた品種であります。

母であるリースリングはこちら、21世紀である今日未だにそのリースリングのルーツは解明されていません。現在までに判明しているのは

(VITIS SYLVESTRIS × TRAMINER) (?) × HEUNISCH WEISS

即ちヴィティス・ヴィニフェラではないヴィティス・シルヴェストリスに属する何某かの葡萄とトラミネールの交雑種を母、ホイニッシュ・ヴァイス、フランスで忌み嫌われたグエを父とする葡萄品種であります。母がまだ特定されていないと云うことです。

ミュラー・トゥルガウの父マドレーヌ・ロワイヤルはこちら、フランス原産の白品種でそのルーツは解明されているのですが結構ややこしいのです。単純に親子関係を示すのは

PINOT × FRANKENTHAL N

と云うことなのですが、この PINOT はこちらの通り原産国、葡萄の果皮の色も不明な品種であります。FRANKENTHAL N はイタリア原産の黒品種で正式名称 SCHIAVA GROSSA スキアーヴァ・グロッサ、現在はイタリアとドイツで主に栽培されている品種であります。

マドレーヌ・ロワイヤル、何だかフランス料理のデセールみたいで美味しそうな名前でありますが 2006年フランスでは僅か 0.5ha しか栽培されていない稀少品種であります。元祖フランス葡萄品種のサイトにはマドレーヌ・ロワイヤルがフランス農水省公式葡萄品種目録に載っているとありますが、現在この品種は掲載されていません。また「en croisant le frankenthal noir par le pinot blanc.」とあるのも正しくありません。

さて元に戻りミュラー・トゥルガウの画像を見てみましょう。

先ずは葡萄の房はこちらこちら、ル・フィガロはこちらをご覧下さい。

葡萄の房と葉の形状に詳しいのは元祖フランス葡萄品種のサイトからこちら新フランス葡萄品種のサイトをご覧下さい。

ちょっと古いデータしかありませんが、ドイツでの栽培状況はこちらの通り。それに比べるとミミズの額ほどですが 2011年現在フランス全土で 5ha という栽培面積であります。

ではフランスの何処に栽培されているのかというと De vignes en vins...のサイトからこちらをご覧下さい。昔はアルザスでも栽培されていたミュラー・トゥルガウですが、アルザスのアペラシヨンで認められなくなったためモゼルに追い遣られたみたいです。現在モゼルはアペラシヨンに昇格して AOC Moselle となっていて法令の詳細条項はこちらを開いて左のメニュー上から9番目「AGRT 1117866D CDC AOC Moselle」をクリックすると開きます。

アペラシヨン・モゼルはピノ・グリもしくはこのミュラー・トゥルガウの2つの品種名を伴うものはその品種 100%、何も伴わない白ワインは

a) - Les vins blancs sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : auxerrois B, müller-thurgau B, pinot gris G ;
- cépages accessoires : gewurztraminer Rs, pinot blanc B, riesling B.

2° - Règles de proportion à l'exploitation
a) – Vins blancs :
- La proportion des cépages principaux est supérieure ou égale à 70% de l’encépagement ;
- La proportion du cépage auxerrois B est supérieure ou égale à 30% de l’encépagement. Cette obligation ne s’applique pas aux opérateurs exploitant moins de 2 hectares en appellation d’origine contrôlée ;
- La proportion du cépage gewurztraminer Rs est inférieure ou égale à 10%.

という規定になっています。上記の通りアペラシヨン・モゼルではこのミュラー・トゥルガウは主要品種として認められています。但しアペラシヨンの範囲はたった 70ha の葡萄畑で、そこに赤・ロゼそして白ワイン用の品種が栽培されている訳ですから極端に増える見込みは無さそうです。

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