ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Alto Adige Eisacktaler Müller Thurgau 2010 Cantina St. Magdalena
イタリア語的に正しくはAlto Adige Valle Isarco DOC のカテゴリーに属するワインです。ヴァッレ・イザルコ(イザルコ渓谷)をドイツ語で云うと「Eisacktaler もしくはEisacktal」、DOC アルト・アディジェに付随する5番目のDOCであります。ちなみにイザルコ川はこちらをご覧下さい。

イタリアのワイン法でDOCアルト・アディジェはこちら、 2010年8月6日に改正されています。法律全文はかなり長く、このDOCアルト・アディジェ・ヴァッレ・イザルコ(ドイツ語表記の別の呼称ではDOC Südtirol Eisacktaler)は全部で6つある補則の最後から2番目となっています。

さらにこのDOCの場合次の8種類に細分されます。

1.“Alto Adige Valle Isarco Kerner”
2.“Alto Adige Valle Isarco Müller Thurgau”
3.“Alto Adige Valle Isarco Pinot grigio”
4.“Alto Adige Valle Isarco Riesling”
5.“Alto Adige Valle Isarco Sylvaner”
6.“Alto Adige Valle Isarco Traminer aromatico”
7.“Alto Adige Valle Isarco Veltliner”

8.“Alto Adige Valle Isarco Klausner Laitacher”

1から7はいわゆる葡萄品種名を伴う訳ですが8.クラウズナー・ライタヒャーが曲者であります。葡萄品種に関する記述は

Schiava e/o Portoghese e/o Lagrein e/o Pinot nero al 100%,

即ちスキアーヴァ、ポルトゲーゼ(Blauer Portugieser)、ラグレインそしてピノ・ネロの混醸であります。
さて本題に戻ります。DOC Alto Adige Valle Isarco Müller Thurgau の規定を見ると

accompagnato dal nome di una delle seguenti varietà:

Traminer aromatico, Pinot grigio, Veltliner, Sylvaner, Müller Thurgau, Kerner, Riesling,

vigneti costituiti per almeno l'85% dai corrispondenti vitigni

e per il restante 15% massimo da altri vitigni a frutto di colore analogo e idonei alla coltivazione per la provincia autonoma di Bolzano.

とのこと、即ち品種名を伴うこれらのワインはその品種を85%以上使用する必要があります。なおその他の15%についてはボルツァーノ県で栽培される同色の葡萄(黒葡萄もしくは白品種という意味)なら何でも良いと云うこと。

それではこの葡萄品種 Müller Thurgau について調べてみましょう。正式名称はMUELLER THURGAU 、VIVCのパスポートデータはこちらで、最新の遺伝子分析ではRIESLING と MADELEINE ROYALE の交配種であります。スイスのトゥルガウ州で交配に成功したのは1882年とのことで育成者の名前(ヘルマン・ミュラー氏)と地名から葡萄品種名となった模様です。シノニムの中で明らかなRIESLING SILVANER 、RIESLING SYLVANER、 RIESLING X SILAVANER、 RIESLING X SYLVANER をご覧頂くとお分かりの通り、今まではリースリングとシルヴァネールの交配種と信じられていました。

さてミュラー・トゥルガウ種はリースリング・ヴァイスとマドレーヌ・ロイヤルとの交配との事ですが後者の存在は初耳であります。マドレーヌ・ロイヤルとは白品種で、PINOT と FRANKENTHAL N(黒品種)の交配種とのことですが、この後者のフランケンタールという品種名はシノニムで正式名称はスキアーヴァ・グロッサであります。このスキアーヴァ・グロッサは135のシノニムをもっており、所変われば名前変わる葡萄の代表的な例かも知れませんね。

さてさて遅くなりましたが開けてみましょう。キャップシールは安物アルミのツーピースタイプでコルクもお粗末な3層構造(真ん中は屑コルク)。ところが抜栓すると上品な香りが広がります。

グラスに注ぐと色の彩度は低いものの青っぽい綺麗な色を呈し、甘そうな香りですが口に含むとキリッと締まった辛口であります。これはなかなか好みのワインかも^^

ローストビーフにこの時期何故かお高いレタスと共に味わいましたがこのコンビには非常に良く合います。気に入っているお豆腐に茗荷の千切り、九条葱の小口切りそして岩塩をミルで挽いて振りかけエクストラ・ヴァージンで頂きます。このワインはこんなおつまみにも良く合うのでお薦めです。

尚、私はVIVCのサイトを基本的に信頼していますがフランケンタールについてはこのような説も存在します。こちらをご覧下さい。

葡萄品種の解明についてはまだ始まったばかりと申し上げて過言ではないでしょう。例えば先日申し上げた通り、グリュナー・フェルトリナー種については片方のペディグリーはトラミナー種と判明していましたがもう一方についてはつい先日その種が見つかったばかりです。

ですけどこれはあくまで現地の報告例であり、2011年9月21日現在ではVIVCのグリュナー・フェルトリナー、正式名称はVELTLINER GRUEN イタリア原産のパスポート・データにはその記載はなく固有品種とされたままであります。

またトラミナー種と云っても詳しく申し上げると VELTLINER ROT 12931、TRAMINER ROT 12609、SAVAGNIN BLANC 17636 とざっと3種ありオーストリアの調査団はどのように把握しているか不明であります。

またこのデータは近い内に書き換えられるかどうかは全く分かりません。と云うのもその見つかった品種の系列はこれから解明されるはずであり、現在のところ品種名も定まっていないのが現状であるはず。
| ワイン日記::イタリアワイン |
| 11:50 PM | comments (0) | trackback (x) |
コメント

PAGE TOP ↑
コメントする








絵の中の文字を入力して下さい:



PAGE TOP ↑
Copyright © 2006 ワインと葡萄::Alto Adige Eisacktaler Müller Thurgau 2010 Cantina St. Magdalena
All Rights Reserved./Skin:oct