ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Chianti Classico Riserva 2007 Fattoria Viticcio
キアンティ・クラッシコのリゼルヴァ、ヴィンテージは2007年で生産者は先日も取り上げたファットリア・ヴィティッチオです。

評価本が取り上げ世間一般にも知れるようになりましたが、昔からその味は殆ど変わっていません。

いつも申し上げることですが今現在途方もない価格につり上がっているアンリ・ジャイエー氏のワイン、私が今は亡きジャン・クロード・ヴリナ氏から教わったのは1980年代中頃のこと。

で、彼のお店では当時プルミエ・クリュのヴォーヌ・ロマネで400フラン(当時の為替レートで換算すると10,000円~8,000円程度)、グラン・クリュのエシェゾーで700フラン程度で楽しむことが出来ました。

ヴリナ氏曰く「安くて美味しいヴォーヌ・ロマネ」であったのです。

当時と云うかちょっと後かも知れませんが、パーカー・ジュニア氏は著書ワイン・バイヤーズガイド1987-1988で次のような評価をしていました。

1983 Echézeaux ($80.00) 88
1983 Richebourg ($85.00) 92
1983 Vosne-Romanée Clos Parantoux ($35.00) 89
1983 Vosne-Romanée Les Beaumont ($30.00) 87


これはその時代のアメリカの小売価格を反映したもので、末尾のポイントはご存知の通り。

世間一般にはそれほど知られていない場合なら価格はご覧の通りでありました。

ワインの価格などいい加減なモノで、一般に知られていないときはこの程度でしかありません。

パーカー・ジュニア氏の台頭で点数評価が一般的になると、彼を利用する輩が値をつり上げるようになった訳です。

生産量の多いワインはそう簡単に買い占められませんが、ブルゴーニュなど小規模生産農家の場合ブローカーやクルティエが寄って集って買い占めするのは簡単なこと。

でも一番困るのはその価格を肯定する輩であります。

常識あるバイヤーは買いませんが、常識を弁えない新興国のバイヤーが非常識な価格で買っていく訳です。

私の申し上げたいのは価格が安いワインを馬鹿にしてはダメと云うこと。アンリ・ジャイエーもジャック・セロスだって最近までは普通の価格だった訳なのです。

常識的な価格のワインの中には普通一般に知られていない美味しいワインがいくつも存在します。

たまたまその中のいくつかを取り上げて高得点を付与するから流通がおかしくなってしまう訳であります。ですが、そういう評論家、評価本を避けて通る生産者の存在を忘れてはなりません。

一定の顧客を既に持っている生産者は新しい顧客を求めたりはしないのです。

さて、遅くなりましたが開けてみましょう。

先日ご紹介申し上げたリゼルヴァではないものと比較して頂くと、コルクの長さが違うことがお分かり頂けます。

抜栓直後の印象は全く異なり、ダーク・チェリーやカシスのような果物香を感じます。

グラスに注ぐとやはりとても綺麗な赤色を呈します。

ワイン自体の安定性は抜群で甘酸のバランスがよく纏まっています。

人によって好みは様々なので意見は分かれるかも知れませんが、私は既に飲み頃だと判断します。飲み頃がいつまで続くかが問題なのですが私の予想ではこれから先5年程は十分楽しめると思います。

さて葡萄品種のお話を少し。

このワインに使われる葡萄品種はサンジョヴェーゼとメルロー。

サンジョヴェーゼは正式名称ですがメルローの正式名称はメルロー・ノワール

最近の研究でメルローは MAGDELEINE NOIRE DES CHARENTES と CABERNET FRANC の交配種であることが分かりました。

マグドレーヌ・ノワール・デ・シャラントなどご存知ない方が殆どだと思いますがフランス原産のワイン用葡萄品種でその名前からボルドーは右岸のブライなどの東にあたるシャラント県がその原産地のはずです。

この品種の存在は1992年にブルターニュ地方 Saint-Suliac で発見されたという説が一般的でごく最近のことであります。その後原産地と思われるシャラント県で何例かの存在が確認されたとネット上で見ることが出来ます。

メルロー関連では他にメルロー・ブラン(メルロー・ノワールとフォール・ブランシュの交配種)、そしてメルロー・グリがありますが後者の存在は殆ど知られていません。
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| 11:50 PM | comments (2) | trackback (x) |
コメント
 そのアンリ・ジャイエー氏のワインですが、「安くて美味しいヴォーヌ・ロマネ」が、長熟向けに作られていたかどうか?私はそう思わないのですが、ずっと飲んでいないので村名クラスが2011年に飲んでおいしいのかどうかはわからないところです。まあ、今ネットで購入してもフェイク率が相当高いでしょうけど。

 ジャック・セロスですが、その昔はシュブスタンスを今の3分の1の価格で飲んでいました。しかしこれだけ需要がある今、ソレラシステムで使っているという原酒の熟成年数は昔の水準にあるのでしょうか?高くなりすぎて検証していないので、コメントできないのが残念です。
| debussy |2011/02/07 07:14 AM |
debussy さま

ご投稿有り難うございます。

H.Jayer はヴリナ氏のお薦めで1979年から1985年を一通り全て飲んだと思いますが仰る通りそんなに長熟向きのワインではなかったと思います。

私が蔵から直接買ったのは1986年ヴィンテージで3年後の1989年に引き取りに伺いました。

ジャック・セロスにはその年1989年に訪問して買い付けました。

デゴルジュマンの装置もなく、澱が十分取り除かれていなかったので商品価値は低かったのです。

取り巻きの連中の中に日本人がおりますので・・・

怪しいなと思っていたら案の定、筋書き通りにボロ儲けに走ったみたいです。

話題性だけで飛びつく輩が多いのには呆れてしまいます。
| Georges |2011/02/07 02:35 PM |

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