ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Vin d'Alsace Pinot Blanc 2009 Domaine Paul Ginglinger
珍しくアルザスを取り上げたいと思います。

私が個人的にアルザス・トリンバック社のワインを輸入したのは1980年代前半のことでした。

1980年代、当時日本でアルザスと云えばレオン・ベイエかユーゲル(フランス語ではHを発音しないのでヒューゲルにはなりません)の辛口とは名ばかりの甘いワインが主体でした。

その後ツィント・ユンブレクトなども随分派手に持て囃されましたが、ここのワインも総じて甘かった。

そこにフランスより持ち帰ったトリンバックのワインは衝撃を与えました。

並のリースリングでさえ綺麗な辛口に仕上がっていて、普通香りだけではなく味まで甘いミュスカなども強烈な辛口でありました。

実は当時アルザスワインの顧客はアメリカに多く、アメリカ人は甘いワインを好むためアルザスは甘くなってしまったのです。

トリンバックの社長ユベール氏と食事を交えながら対談したのは1990年代前半のことだったように記憶していますが、辛口ワインを造り続けていたユベールの質問は

「このまま辛口を造り続けて良いものだろうか?」

という内容でありました。

もちろん私の答えは

「辛口こそトリンバックの命!」

それから2年も経たない内に雑誌ワイン・スペクテイターで大きく取り上げられました。

その後辛口のアルザスワイン生産者が増えたのは云うまでもないこと。

ですからアルザスの辛口ワインが定着したのはそんなに昔の話ではありません。


さてこのワイン、数年前から輸入されていますが毎年あまり良い印象はありませんでした。

ですが21世紀最高のヴィンテージと誉れ高い2009年ですので試してみましょう。

キャップシールはアルミの白いもの、安っぽいですがコルクは天然物。

写真でお分かりと思いますが、このスジと云うか溝の深いものはあまり品質が良いとは申せません。

ですけど抜栓直後の香りは悪くありません。

ピノ・ブランにありがちな甘ったるい香りではなく柑橘系に林檎のような清涼感があります。

グラスに注ぐと妙な泡立ちは皆無です。

色は薄い目ですが青味帯びたレモン・イエロー。

グラスを廻さなくてもレモンやライムのような香りが飛んできます。

口に含むと綺麗な酸の中にしっかりしたミネラル、変な甘さは全くありません。

これなら食中酒としてお薦め出来ると思います。

生産者の推定蔵出し価格は 6.25 Euros 程度、円高を反映した価格帯で販売されることを望みます。
| ワイン日記::フランスワイン |
| 11:50 PM | comments (0) | trackback (x) |
コメント

PAGE TOP ↑
コメントする








絵の中の文字を入力して下さい:



PAGE TOP ↑
Copyright © 2006 ワインと葡萄::Vin d'Alsace Pinot Blanc 2009 Domaine Paul Ginglinger
All Rights Reserved./Skin:oct