ワインとピアノのある部屋

八戸ノ里南を西へ入った自転車店のつぶやき

dA Chardonnay 2009 AC Limoux Domaines Astruc
南仏はラングドック・ルーシヨンのアペラシオン・リムーの白ワインです。

私が若い頃「リムー」という名の付くアペラシオンといえば「ブランケット・ド・リムー」しか存在しませんでした。

8年程前のお話ですが元客室乗務員の人がミナミに開かれたワインバーで「クレマン・ド・リムー」なるワイン名をリストに発見、「ブランケット・ド・リムー」と違うのでしょうかと尋ねたら、いきなりボトルを目の前に叩き付けられビックリしました。

「ラベルを見たら分かるやろ!」と云わんばかりの形相。

尋ね方が悪かったのでしょうか?

まあ店主の虫の居所が悪かったのでしょうけど、初めての客に対する態度とはとても思えませんでした。

「ラベルにそう書いてありますが・・・」

と普通にお返事頂ければその後利用したかも知れません。

さてそんな怖い思い出のある「リムー」現在はどのような法律になっているのでしょうか?

INAOのサイトから「Limoux」を入力してアペラシオンを検索するとおやおや昔の名前は出てきません。

アペラシオンとして存在するのは

AOC Limoux
AOC Crémant de Limoux

の2つだけです。伝統的なあの発泡性ワインは途絶えてしまったのでしょうか?

ではもう一度INAOのサイトから「Limoux」と入力して「produit 生産品」を調べてみましょう。

AOC - AOP Crémant de Limoux blanc
AOC - AOP Crémant de Limoux rosé
AOC - AOP Limoux blanc
AOC - AOP Limoux blanquette de Limoux
AOC - AOP Limoux méthode ancestrale
AOC - AOP Limoux rouge
AOC - AOP Vin destiné à l'élaboration de Crémant de Limoux blanc
AOC - AOP Vin destiné à l'élaboration de Crémant de Limoux rosé

出てきましたね、現在「Limoux」と名の付く農生産品は上の8つで、読んで字の如く先程の2つのアペラシオンにそれぞれ所属していますが、これらの名称は「デノミナシオン」ではなく単なる「生産品」。

ご覧の通り法律としての1ページは保有しないものの「ブランケット・ド・リムー」、「メトード・アンセストラル」の名は残っています。

ということで昔存在したAOC Blanquette de Limoux に関する法律は消えたことになります。

最新の法律はこちらをご覧下さい。

一方ヨーロッパのワイン法に詳しいサイトではこの「リムー」はルーシヨンに分類されていてAOC Blanquette de Limoux はまだ健在みたいにその法令として残っています。

こちらを見る限り2004年7月27日までこの法律は有効だったことが分かります。

最終行をご覧下さい。

この日にブランケット・ド・リムー、リムー・ナチュール、ヴァン・ド・ブランケットは廃止されたとあります。


さて遅くなりましたが開けてみましょう。

コルクは天然物、ですけどキャップシールはアルミの安物。

グラスに注ぐと若干の残留亜硫酸。

ですがそんなハイレベルではなくしばらくグラスを回すと消えてしまいます。

色はゴールドと言うより薄いイエロー、香りに独特の成分を感じます。

味わいは南仏の重たい雰囲気ではなく結構サクサクと飲むことが出来ます。ワインの飲み口が重いものは私の好みではありません。

ですがシャルドネと書いてあるのは少し不自然。シャルドネ以外の品種が間違いなく入っているはず。

生産者のサイトを拝見すると何と南仏の達人、ジャン・クロード・マスその人が現在の経営者なのです。

この人物ならよく知っています。

ドメーヌ・ポール・マスの主人であります。

裏ラベルをじっくり見るとその左下に指紋みたいなイラスト? と彼のサインがありました。

事業拡大しているのですね。

さてこちらをご覧下さい。

この生産者の製品が並んでいます。

こちらを見るとかなりハイレベルな製品みたいですね。

生産者のサイトからこのワインはこちら、やはり葡萄品種はシャルドネだけに非ず。

11 ha 50 CHARDONNAY.
4 ha 15 MAUZAC

の記載をご覧頂けます。

法律の規定を見ると次の通り

Pour avoir droit à l'appellation d'origine contrôlée « Limoux », les vins blancs doivent provenir des cépages Mauzac (B), Chardonnay (B) et Chenin (B) à l'exclusion de tout autre.

Le Mauzac doit représenter au minimum 15 p. 100 de l'encépagement.

Les vins doivent être issus d'exploitation ne comportant pas d'hybrides blancs. Dans cet article, par le terme encépagement, il faut comprendre l'encépagement de la totalité des parcelles produisant le vin de l'appellation pour la couleur considérée.

即ちアペラシオン・リムーの白ワインはモーザックが15%以上含まれるとなっています。葡萄畑の面積比率はそれ以上あることが分かります。

結論を申し上げると南仏特有の葡萄品種モーザックの雰囲気を楽しめる食中酒であります。

シャルドネが主張し過ぎることなくうまくバランスが保たれていて、そこそこ熟成も楽しめそうな予感。

なかなか良くできたワインと申せましょう。
| ワイン日記::フランスワイン |
| 11:50 PM | comments (4) | trackback (x) |
コメント
今 手元に、木下さんが輸入してるブランケットデリムー
Jean Babou ってのがあります。
一度のみましたけど悪くないです。
ソムリエ試験の教本にも、これはご存知のとおりアンセストラルのやつとそうでないやつがきちんと記載されてあるます。
ところで、クレマンとどう違うんでしょうね。
| チェリS |2010/12/01 05:14 PM |
チェリSさま

いつもお世話になり有り難うございます。

クレマン・ド・リムーと単なるリムーとなってしまったブランケット・ド・リムー、そしてメトード・アンセストラルの大きな違いは葡萄品種です。

クレマンの主要品種はシャルドネ。そして補助品種の中のシュナンと合わせて90%以下であること。またそのシュナンの割合は20~40%、補助品種はモーザックとピノ・ノワールでピノは10%以下との規定があるみたいです。

ブランケットはモーザックの別名ですから、主要品種はモーザックと云うことになります。90%以上必要でシャルドネとシュナンがこちらでは補助品種10%以下となっています。

アンセストラルはモーザックのみ使用可能。古式製法なのでモーザック以外はダメなのでしょうね^^
| Georges |2010/12/01 07:03 PM |
なるほど、モーザックの別名がブランケット!
ありがとうございます。
田舎方式ってのは飲んだことないんですけど泡がきちんとたつように醸造するのが難しいのでは、とか思ってしまいます。
| チェリs |2010/12/02 12:12 PM |
チェリS さま

メトード・アンセストラルは恐らく先祖伝来方式だと思いますけど確か甘い発泡酒だったように記憶しています。

随分昔、パリのレストランで珍しいものがあるからと勧められた記憶があります。

アペラシオンを維持するには生産者のある程度の数が必要なはず。

恐らくそうした問題でアペラシオンが廃止されたと思います。
| Georges |2010/12/02 12:41 PM |

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