ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Château de Chelivette 1990 AC Premières Côtes de Bordeaux
いよいよ11月が目前に迫りました。
11月というと例のボージョレ・プリムールの季節であります。

毎年申し上げておりますが、本当にワインを理解している人は好んで飲まないのがこのボージョレ・プリムール。

日本に於いて、ワインを売る側の人間は今こそとこの新酒販売に力を注ぐのでしょうけど、ワインを飲む習慣が定着している欧米ではこの新酒販売に極めて消極的であります。

クリュ・ボージョレならまだしも、ボージョレ・ヴィラージュも単なるボージョレなど昔はミネラル・ウォーターと変わらない価格で販売されていた所謂「安酒」でありました。

INAOで「ヴァン・ド・プリムール」が制定されたのは確か1967年のこと。

通常どんなワインであっても出荷出来るのはその年の12月15日以降と決まっているのですがINAOの規定を守れば例外的に早く出荷出来るというのがこの「ヴァン・ド・プリムール」の法律。

1967年当時、この法律を適用出来たのはいくつものアペラシオンであり、ボージョレだけではなかったのです。

このときに販売先をフランス国内ではなく「日本」としたのが、かのジョルジュ・デュブッフ、販売を一手に引き受けたのが◇水商事であります。

世界中で一番早く飲めるのが日付変更線の関係で我が国日本であるため、そこに目を付けたのが彼らだった訳です。

ですからフランス本国では殆どお祭り騒ぎなどない訳で、いまだに騒いでいるのは我が国だけということなのです。

新聞をはじめテレビ各局がこぞって取り上げるのは、そうした経緯をご存知ないからであります。

私が申し上げたいのはこの新酒、我々の体には悪い影響を与えるのです。

甘いのでついつい飲み過ぎてしまい悪酔いすると考えられていますが、実は出来立てのアルコールは安定していないので悪酔いの原因となるのです。

日頃は「ワインとは熟成させてナンボのもの」と仰っている方々が11月になるとヌーヴォ、ヌーヴォと騒ぐのは如何なものかと申し上げたい。

ちなみに私はボージョレ・プリムールの会など一度も行ったことがありません。

昔は1本3フランにも満たない原価のワインに、500円程という高い航空運賃を支払って、日本国内では4000円近い価格で販売されていたのです。

今はペットボトルに入って1000円までで販売出来るようになりましたが、ハッキリ申し上げてそれだけの価値ある味のレベルではありません。
さて前置きが長くなりましたが今日取り上げるワインはシャトー・ド・シュリヴェット、ヴィンテージにご注目下さい。

何と1990年であります。

普通はアペラシオン・プルミエール・コート・ド・ボルドーの赤ワインなどせいぜい5年程度、良い年だとしても10年の保存は難しいとされているはずですが、この生産者は例外なのかも知れません。

通説というのはあくまで一般的なワインにだけ当て嵌まり、例外的なワインは各地に実在するものです。

この生産者の所在地は Sainte-Eulalie サン・トゥラリ、ボルドー市内中心部から北東へ14キロ程の小さなコミューンです。

さて現在、赤ワインのプルミエール・コート・ド・ボルドーというアペラシオンは存在しません。

現在のアペラシオンはコート・ド・ボルドー、もしくはコート・ド・ボルドー・カディヤックになるはずです。

以前にも申し上げましたが、カディヤックとは本来甘口白ワインのアペラシオンの名称であり、こうした赤ワインにその名称を冠するのは極めて不自然であります。

さてこの生産地ですけど土壌が特殊なのでしょうか、葡萄の力がとても強く新樽熟成にも十分耐えられます。

早飲み出来るスタイルが現在は主流でありますが探せばこのような長期熟成向きのワインもあるのです。

ですがコルクはボロボロ、ワインの熟成よりコルクの劣化が気になります。
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| 11:55 PM | comments (0) | trackback (x) |
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